智頭急行智頭線(兵庫県上郡町~鳥取県智頭町) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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佐用駅にて。特急『スーパーはくと』で活躍しているHOT7000系気動車です。

  

今回は、山陽側にある兵庫県の上郡駅から佐用、岡山県の大原と北上し、山陰側にある鳥取県の智頭駅までを結ぶ、京阪神や岡山と鳥取を短絡する第三セクター・智頭急行の高規格陰陽連絡路線、
智頭急行智頭線を紹介します。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  

  

路線名   区間   営業キロ  備考  
智頭急行:智頭線  上郡~智頭  56.1km   全線単線・非電化。軌間1.067mm  
  
  
踏破達成時・撮影時   2003年8月  
撮影時   2010年8月ほか  

  

  

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上郡駅にて。特急列車はJRホームより発着しますが、智頭線内の普通列車は山陽本線上下線間にある切り欠きホームを使用します。また、ホーム上には智頭急行普通列車の窓口・改札口があります。普通列車利用客は、JRの改札口を通らずに専用の跨線橋で外部との行き来が可能です。

  

上郡を発車すると山陽本線の上下線間を西へ走りますが、踏切を渡るとすぐに高架橋へと上がり、右へカーブしながら山陽本線の上り線をオーバーパスして分かれます。その後は安室川と山に挟まれた場所を走り、北へ針路を変えると釜ヶ谷トンネルと岩木トンネルをくぐり千種川の谷へ出て苔縄に着きます。

  
  

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苔縄を発車後は千種川の谷に沿って山並みをトンネルでクリアしながら直線的に北上します。河野原円心を過ぎると千種川を渡り、国見トンネル内で上郡町から佐用町(さようちょう)へと変わります。トンネルを出ると再び千種川を渡り久崎に着きます。
久崎を発車後は長短のトンネルで山並みを抜けて、やがて佐用川の谷へ出ると左側から姫新線が寄り添い、その姫新線をオーバーパスした後に高架橋から地平へ下ります。そして左手に市街地が見えてくると佐用(さよ)に到着します。

  
  

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佐用駅は特急列車停車駅で、全列車が停車します。駅名の読みは「さよ」で、町名の「さよう」とは異なります。
姫新線と乗り換え可能ですが、智頭線の方が発着本数が多いです。

  

佐用を発車すると左手に市街地を見ながら姫新線と並走しますが、やがて左へカーブして高架線となり姫新線と分かれます。そしてトンネルを2本くぐると佐用川と江川川を渡り、佐用川の谷に広がる田園風景を見ながら、上郡から智頭までの全区間にわたり智頭線との並行道路となる国道373号線と並走しながら北上します。この付近は、2009年に台風9号の影響により佐用川が氾濫し、甚大な被害が発生しました。中国自動車道をアンダーパスした後も山あいの田園風景を見ながら北上し、佐用川を渡ると平福に着きます。平福は旧因幡街道の宿場町で、佐用川の沿岸には赤茶色の土蔵と川屋敷が建ち並ぶ「川端風景」で有名な観光地です。

  
  

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平福を発車後は、左手にその川端風景を見ながら北上します。

  

やがて平福の集落が途切れると、智頭急行線の強力なライバルとなった鳥取自動車道をアンダーパスして佐用川の深い谷へと入っていきます。そして石井を過ぎると蜂谷トンネルへと入り、トンネル内で兵庫県から岡山県美作市へと変わります。トンネルを出ると山里の農村風景を見ながら走り、鳥取自動車道をアンダーパスして再びトンネルを抜けると宮本武蔵駅に着きます。付近に宮本武蔵の生誕地伝承があることから宮本武蔵駅と命名されたそうです。
宮本武蔵駅を発車後は左手を流れる吉野川の谷間に広がる田園や住宅地を見ながら北上し、やがて住宅地が市街地へと変わると大原に到着します。

  
  

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大原駅にて。運転上の拠点駅です。駅構内(東側)には車両基地が併設されています。

  

大原を発車すると、引き続き吉野川の谷を左に見ながら北上します。やがて江ノ原トンネルを潜ると西粟倉村へと変わり、引き続き吉野川の谷に広がる農村風景を見ながら西粟倉、あわくら温泉と北上しますが、吉野川の対岸にそびえる山並みの麓には、ライバルの鳥取自動車道が見えます。

  
  

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西粟倉~あわくら温泉にて。山あいの農村風景を見ながら走ります。
向こう側には鳥取自動車道の高架橋が見えます。

  

あわくら温泉を発車後は吉野川を渡り、鳥取自動車道をアンダーパスすると線内最長の志戸坂トンネルへと入り、鳥取県智頭町へと変わります。そしてようやくトンネルを出ると、すぐに短いトンネルを抜けて山郷に着きます。
山郷を発車後は、右側車窓に千代川の谷を見下ろしながら北上し、恋山形に着きます。

  
  

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恋山形からは針路を西へ変えて、引き続き千代川の谷を眺めなら走ります。

  

そして千代川を2度渡りつつ長短のトンネルをいくつも潜ります。最後の智頭トンネルを出ると右カーブで針路を北へ戻し、土師川を渡ると地平へ下りて左側を走る因美線に寄り添ってしばし並走します。最後は踏切と陸橋を通過し、右手に市街地が広がってくると終点の智頭に到着します。

  
  

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智頭駅にて。当駅も上郡駅と同様に特急はJRホーム、普通列車は頭端式1面2線の自社ホームと発着列車の棲み分けがなされています。
但し、鳥取直通の普通列車は特急列車と同じくJRホームより発着します。

  
  

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智頭急行の智頭駅駅舎はかなり立派で、木造駅舎のJR智頭駅とは対照的です。
ちなみに駅名は「ちず」ですが、町名は「ちづ」で、佐用と同じくこちらも駅名と町名の表記が異なります(読みは同じです)。

  

  
乗り鉄の注意点  

智頭線では陰陽連絡特急の『スーパーはくと(京都~鳥取・倉吉)』が7往復、『スーパーいなば(岡山~鳥取)』が6往復運転されていて、特急街道となっています。
一方の普通列車も概ね1~2時間に1本は確保されていて(大原~智頭の昼間帯は3時間ほど開く場合あり)、意外と本数が多いです。

  

普通列車の運転区間ですが、上郡~智頭の全線通し運転の他に、上郡~大原、大原~智頭の区間運転列車が多数設定されています。また、智頭方では2往復が因美線へ乗り入れて、鳥取駅まで直通運転しています。

  

使用車両はすべて気動車で、特急『スーパーはくと』は自社のHOT7000系、特急『スーパーいなば』はJR西日本のキハ187系、普通列車はHOT3500形が使用されています。形式名の「HOT」は、兵庫・岡山・鳥取の智頭急行沿線3県に因んでいます。

  

上郡~智頭の所要時間は、特急で40分前後(『スーパーはくと』の方が多少速いです)、普通は最速1時間強ですが、大半の列車が途中駅で特急をやり過ごすための長時間停車を余儀なくされ、1時間半ほどを要する列車もあります。

  

最後に、智頭急行線はJR線ではないので、『青春18きっぷ』は使用できません。別途運賃が必要となりますが、『18きっぷ』の期間には、1,000円で普通列車が乗り放題となる『智頭線満喫 普通列車一日乗り放題きっぷ』が発売されています(上郡・佐用・大原・智頭(佐用以外は智頭急行の窓口のみ)の各駅で発売。車内での販売はしません)。

  

  
のりかえ  

乗換駅   乗換路線  
上郡駅   JR西日本:山陽本線  
佐用駅   JR西日本:姫新線  
智頭駅   JR西日本:因美線  
  
(参考:Wikipedia)