第3614回「名探偵ポワロ全集、第1巻、ナイルに死す、その1、感想」 | 新稀少堂日記

第3614回「名探偵ポワロ全集、第1巻、ナイルに死す、その1、感想」

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 第3614回は、「名探偵ポワロ、第1巻、ナイルに死す、その1、感想」です。デアゴスティーニが、全65巻で「ポワロ全集」ともいうべきドラマの集大成を刊行し始めました。現在、12巻まで出版されています。随時、ブログに取り上げたいと思います。原作を含めて、好きなシリーズです。


 アガサ・クリスティ作品につきましては、原作を含めて多数ブログに取り上げてきました。クリスティの四大トリック作品(※)としては、「アクロイド殺人事件」、「ABC殺人事件」、「オリエント急行殺人事件」、「そして誰もいなくなった」が挙げられると思います。いずれも、クリスティならではのトリックが駆使されています・・・・。


 そんなクリスティ作品群の中でも、最も好きな作品が、この「ナイルに死す」と戯曲「招かれざる客」(※)です。「ナイルに死す」につきましては、既に映画版「ナイル殺人事件」として、ブログに書いています。当時は、短く書いていましたので、全文再掲します。


 『 アガサ・クリスティの「DEATH ON THE NILE」の映画化作品です。長く、「ナイルに死す」と訳されてきました。素敵なタイトルです。舞台のほとんどは、ナイル・クルーズの船上です。


 5年前にエジプトに行きました。やっと行けたというのが、実情です。何度も企画したのですが、諸種の事情により潰えました。旅行のベースは、やはりナイル・クルーズです。最長のコースは、アレキサンドリアからアスワンまでの航海ですが、最もポピュラーのコースは、ルクソールからアスワンまでのルートです(当然、逆ルートもあります)。


 ナイルクルーズが主目的でした。そして、一冊の本、タイトルは「ナイルに死す」。クリスティの作品群の中で最も好きな作品です(人気投票では、「そして誰もいなくなった」が常にトップになっています)。フーダニットとハウダニットが見事に調和しているのです。そして、動機も・・・・。


 婚約中のサイモンとジャクリーンは、幸せいっぱいです。ですが、大恐慌の中、サイモンは失業しています。ジャクリーンは、大富豪である友人のリネットに、サイモンを雇ってくれるように頼みます。数ヵ月後、結婚したのは、サイモンとリネットでした。ハネムーン先は、エジプト。


 サイモンとリネットの前で、ジャクリーンは執拗にいやがらせを繰り返します。そして、クルーズが開始します。ジャクリーンのいやがらせは続きます。そして、ある夜、逆上したジャクリーンは、サイモンを撃ちます。銃弾は、サイモンの大腿部に・・・・。ジャクリーンは、乗り合わせた医師に介抱されます。睡眠薬をのまされ、看護師が付き添うことになります。


 一夜明けますと、リネットの死体が発見されます。偶然乗り合わせていたポワロが動き始めます。乗り合わせた客には、全員リネットに対する恨みがあることが判明します。そして、リネット殺害が引き金になったかのように、次々と殺人が起きていきます・・・・。


 よくできたミステリであり、優れた映画です。当時のナイル・クルーズの雰囲気が、画面から伝わってきます。船の設備は、現在の方が圧倒的に優れているのですが、古き良き時代のエジプト旅行の趣が、再現されています。好きな映画です。何度観直しましても、飽きることはありません。 』


 次回、私の旅行と原作について、書く予定です。デアゴスティーニが、第1回配本として、本作品を取り上げたことに、うれしさを感じます・・・・・。


(追記) ※印をつけたクリスティ作品で既にブログに書いたものは、次のとおりです。

「そして誰もいなくなった、その1」http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10321932521.html

「  〃 その2、ネタバレ」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10322022804.html

「ABC殺人事件、その1」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10362348885.html

「  〃 その2、ネタバレ」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10362606294.html

「アクロイド殺し、その1」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10351023889.html

「 〃 その2、ネタバレ」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10351145178.html

「オリエント急行の殺人」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10211587830.html

「招かれざる客」 http://ameblo.jp/s-kishodo/entry-10369531955.html