泳ぐ写真家龍之介 -138ページ目

シートフィルム現像備忘録

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モノクロで8×10のコンタクトプリントを作る場合、ゼラチンシルバープリントとプラチナパラディウムプリントに焼き付ける2つの方法があります。ネガのあげ方もこの2つでは違いますが、まずは用途に応じた、きれいなネガを作らなければなりません。モノクロの8×10の現像をやってくれるところは東京では何箇所かありますが、やはり自分でコントロールしながら自分にとってベストのネガを作るというのが、敢えて大型カメラを使う人にとってはこだわりではないでしょうか。作品で撮る場合、大体私が静物を撮る場合2カットしか切りません。2カットなので、1カットずつ十分時間をかけて行います。さて現像の方法は

●現像液 希釈現像液を使います。希釈液である程度時間をかけて現像すると、まず、ムラが出にくい。粒子が細かくそろうなどの長所があります。現像液の量は最低で5リッター用意します。当然、T-Max現像液のような高価な現像液だととても不経済です。それにT-Maxはとてもコントロールしにくいという印象があります。私は長年HC-110(コダック)を使っています。、原液はジェルのようなどろどろしたものですが(約400cc)それを原液も含め1.9リッターに希釈して使用液をつくります。これをボトルにいれて保存するわけですが、実際に使う時は、これをさらに希釈して使用します。コダックからA希釈、B希釈の両方のデータがでています(ウェブマスター日記のHC-110を参照してください。)実用的なのはB希釈ですが、私はもっと薄めて使っています。

●フィルム 順序が逆になりましたが、私の場合どの被写体でもフィルムはトライXです。理由はまず実効感度が高いこと(ASA320)。等倍撮影の場合、これは有利です。自然光で人物をとる場合なんかもそうです。コンタクトプリントの場合、プラスXもトライXも見た目ほとんど区別はつきません。それにあまり現像でデリケートでないフィルムなので、コントロールし易いからです。

●ネガのあげ方 大判のモノクロフィルムは以外とコントラストがつきにくいものです。ブローニーでちょうど良さそうな状態であげてしますと、プリントしたときとてもねむくなります。ちょっとコントラストつきすぎかな?といった程度でちょうど良いと思います。その辺は各自でデータをとってください。掲載のネガは露光と現像でちょうどプラス2段近いプッシュで、かなりのコントラストになってます。実はこれはプラチナプリント用のネガですが、これだけ真っ黒なのに、良く見ないと分からないディティールもプリントで再現されています。これをシルバープリントでテストプリントしたこともありますが、これだけのネガでも、ちゃんと焼けます。ですから、ちょっとプッシュ気味のあがりを心がけた方が良い結果がでると思います。




「ポートレートを撮るときは」

paul

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常に被写体の目を見ていますが、

目を見ていると、いろんなことを感じます。

今まで、国内外の有名人を数多く撮ってきましたが、

欧米の有名人(芸術家、企業家、スーパーモデル)は、

目が強いというか、

自分の個性を思う存分発揮して仕事をしているので、

その眼力のストレートさと、そこに潜む自信には、

日本人にないものを感じてしまいます。

おそらく日本人の芸術家や俳優で、

自分の個性をストレートに出して活動できる人は稀でしょう。

それは、彼らの力量とは関係なく、

彼らを取り巻く回りの思惑がそうはさせてくれないのだと思います。

そのもやもやは、結構こちらにも残ってしまうので、

撮影後はちょっと重い気持ちになったことが多くあります。

逆に、海外の芸術家たちの強い眼力とオーラには、

大いにエネルギーをもらいました。


人々が思いっきり個性を発揮するのを善とする風土と、

それを忌み嫌う風土の違いが眼力の違いとなっていると思います。

目の強い日本人は

スポーツ選手以外にはなかなか見かけないようになりました。


「大都市は、」

car


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リファインされ、

再開発されていく度につまらなくなり、

魅力がなくなっていきます。

もともと都市は、

人間のいろんな思惑が重なり合ってできあがったものですから、

美醜を兼ね備え、猥雑で暴力的であるのが自然だと思います。

70年代の東京や、

ニューヨークがそうでした。

そこに一部の企業や広告代理店などの思惑が入り込んできて、

世の中を、限りなくつまらなく、退屈にしてしまったと思っています。

創造は混沌と無秩序と暴力の中から生まれてくると思います。

無秩序の中のわくわくした気持ち、

これがないのが

現在の最も危機的な状況ではないのでしょうか。