風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -9ページ目

図書館で借りた本をなくしてしまうという大失態を、僕は犯したことがある。

最後に鞄に入れていた本であることは間違いないのだけれど、読み終わっていないその本が失せてしまったのだ。

部屋のどこにも見当たらないし、職場にもない。ひょっとして電車の中に置き忘れたのだろうか。
まるっきり覚えていないのが始末に悪い。

どうしよう。弁償すれば許してもらえるのだろうか──そしてそれは、本に付いている定価なのだろうか。

それに加えて、何らかの手数料を取られるのだろうか。
何しろ、公共施設である図書館の本をなくしてしまったのだ。

苦悩する僕の頭に、ひとりの女性が浮かんだ。まるで女神が降臨するように現れたそのひとは、肩を撫でるストレートヘアに、瓜実顔によく似あうオーバルの眼鏡をかけた物腰の柔らかなひとだった。

もちろん個人的な会話などしたことはないのだけれど、親身になってくれそうだ。

僕は他の借りた本を手提げのビニール袋に入れて、恐る恐る図書館に向かった。その人がいますようにと願いながら。

図書館に着き、奥に歩いていくと姿が見えた。おじさんに対応中のようだ。
棚の本を手に取ってチラチラと確認しながらその人の手が空くのを待った。



そんなときに限って、なかなか手が空かない。
その人と一瞬目が合ってしまって、それが躊躇に拍車をかけた。

また今度にしようかな。いや、ここまで来たんだから。
いやいや、是が非でも今日じゃなくてもいいんじゃないのか……。

いや、ダメだ。嫌なことは後回しにしてはいけない。

ほら、手が空いたぞ。今だ、行け!
みっともないぐらいに小走りになった。

「あの……すみません」貸出カードをそっと差し出した。

丸っこいセルフレームの眼鏡が彼女を知的に見せていたけれど、全体的にふわっと柔らかい印象を与える人だった。

「はい。ご返却ですね」眼鏡の真ん中をちょっと押し上げた。
「ええ、そうなんですが……見つからないんです」
「はい?」彼女は小首を傾げた。

「一冊だけ失くしてしまったようなんです」
「あ、そうなんですか」そのひとは驚きもせず、ふんふんと頷いた。
僕はどんな反応が返ってくるのか分からず怯えていたから、少しほっとした。

「探してみましょうか」
「はい? どこを──ですか? 僕の部屋をですか?」
怪訝そうな頭を傾げたそのひとは、その矛盾したやり取りの滑稽さにすぐに気が付いた。

「まさかぁ」おねえさんは、50がらみのおばさんみたいに肩口で手のひらを振った。ものすごくキレのいい変化球が飛んできそうなスナップだった。

ナイスボー
はい?
いえ……

「勘違いをして、もう返しているのかもしれませんから、探してみましょうか?」
「図書館をですか?」
「ええ」
「いえ、それはありえません」僕の言葉に、おねえさんがクスッと笑った。
それが美玖だった。


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細くすぼめた唇の先で最後のひとひらが飛んだ。
5月の乾いた風に運ばれたマーガレットの花びらは、シロツメクサの草むらに立つ綿毛のタンポポの上にふわりと落ちた。

さて、と彼女は小さく呟きながらゆっくりと立ち上がり、ブラウン色をしたオーバル型のセルフレームの眼鏡のつるを持ち、両の指先でちょっと押し上げた。

それから体をよじるように肩口に首を傾げて、地面に直接腰を下ろしていたわけでもないのに、カーキ色のチノパンのお尻をパタパタと叩き、眼鏡の隙間から何か言いたげな横目で僕を見た。

なに? と僕は眉を上げて目で訊いたけど、返事はなかった。

組み合わせた両手を頭上に上げて、ふわわとあくびをすると、くしゅりと閉じた目尻に涙をためて、グリコの人みたいな恰好で、いい天気ね、と頬を緩めた。



結果を訊くべきかどうか一瞬迷ったけれど、返ってくる答えは彼女の心次第だし、彼女が納得すればそれでいいと、僕はうん、とだけ答えて微笑みを返した。

チョウチョが止まったかと思えばすぐに舞った。僕はそれを目で追った。
小さな蝶の飛行は危なっかしいほどにぎこちなく忙しない。

体を中心に羽が動いているのではなく、羽の動きに体が翻弄されているようにも見える。
人間ならたぶん、車酔いみたいになるに違いない。

「涼ちゃんは訊かないと思った」
予言を的中させた祭司のように重々しく頷いた彼女は、両手を後ろに組んで僕に背を向け、スケート選手みたいに4分の3拍子の足取りで体を左右に揺らして歩き始めた。

肩を撫でる彼女のまっすぐな髪も、一拍遅れた4分の3拍子で揺れた。

「何を?」僕も彼女の真似をしてみた。
ズンタッタ、ズンタッタ。
僕の足取りは少しだけ、リズムを外していた。

「花占いの結ッ果」
右足を踏み出したままくるりとターンして、これ以上はないというぐらい酸っぱい顔をして、「つまんない」と鼻の頭にしわを寄せた。

「それは失礼しました。で、どうだったの美玖」
「嫌い」
「マジ?」
「マジす」



休日にで出かけた葛西臨海公園を吹き抜けた風は、汗ばんだ肌に心地よかった。
この公園は東京の江戸川区の南に位置し、旧江戸川をまたぐ舞浜大橋を渡れば東京ディズニーランドがある。

「冗談すよね」
「うふ」彼女はちょっと肩をすぼめた。「冗談す」

「それは、よございました。ちぎられたマーガレット様も、さぞやお喜びで」
「ぬしゃ、江戸の商人(あきんど)か」

彼女はふたたび背を向けると、まるで会話など存在しなかったかのように、ズンタッタ、ズンタッタと歩き始めた。この切り替えの早さも、僕は好きだ。

少し外れたリズムで、僕もそれに続いた。
はたから見ると、かなり変わった男女だ。


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「その心は、どこにあると思うかね」

ここでこんなことを議論しても何の意味もない。それはとりもなおさず、この問答の最後に待ち構えているのが、呆れるほどの持論の展開か、それとも単なる暇つぶしと読める。

陽の差し込む男の背後の窓から、風に揺れる公園の木々が見える。最上階がたかだか3階でも、遮るもののない景色はしばし心を穏やかにする。

風が吹けば枝葉は揺れる。幹が脳なら、風は出来事、事象。揺れる枝葉は反応だ。
しかし、心は別のところに存在する。

「最初の質問は、心とはなんだ、ではなかったですか?」
「主旨は同じだ」

舌打ちしたいのをこらえて口を開いた。

「まず、心とはそもそも何なのかは解明されていません。心という言葉は概念として創造されたもので、それが実際に存在するかどうかということについては、定かではありません」

何が言いたいんだ、とばかりに男が眉を曲げた。

「心が、胸、心臓にあると考えたのは──アリストテレスでした。好きな人を想像すると胸がドキドキする。悲しみに胸は痛みます」
私の言葉に、男が鼻の横だけでいびつに笑った。

「脳にあると考えたのはヒポクラテスです」
「そうだよ、その通りだ」男は組んだ両手でデスクに身を乗り出した。

「近代科学は、心を“脳という物質の産物”と定義してきました。心とは、脳内にある神経の電気回路から生じる現象であると。
これは脳が先で心は後、心は副次的な存在であり、脳を離れては存在しえないということを意味しています」

「わかってるじゃないか」

現代物理学は、物質の概念そのものを非物質化して、「唯物論」という思想はもはや成立し得ないことを証明した。

物質世界の究極は、粒子状態と波動状態という2つの顔を持っていて、実体としての物質はどこにも存在しないことが明らかになっている。

つまり、光は粒子性と波動性を持ち、また、物質も粒子性と波動性を持っているということで、これは、動物や植物、鉱物、人間、地球、すべてに当てはまる。

唯物論者が、個人的信条から心霊現象や神の存在を認めないのは自由であるが、それを否定するのは、もはや時代遅れだ。
それをこの男の説明しても納得はしないだろうが。

「魂の存在を公言したのは、中世の哲学者ルネ・デカルトでした。脳科学者である大谷悟は、こころは、からだと環境にまたがって発生・存在している。心は身体・環境システムの別称であると……」

「しかし君も並べ立てるねぇ。君の答えはいったどれだね」再び椅子にもたれる。
「脳という物質から独立した意識が存在する。それが心だと思っています」

「君は本当に科学者か? こころは脳の働きだよ。脳が死んだら体はもちろん、心もおしまいだ。心は脳が作り出すんだ。心は脳にあるんだ。常識じゃないか」

「お言葉を返すようですが──」男が不快そうに眉を曲げて、もういいよ、と呟いた。




「ギルバート・ライルという哲学者は、心の場所探しをするのは、大学を構成する建造物と大学という機能を同一視する誤り、カテゴリーミステイクであるといいました」

男が聞こえよがしに舌打ちをした。

「君と議論しても噛み合わん。呼んだのはほかでもない。一組」男は不機嫌な顔をにやりと笑わせた。
「候補が出てきた」

「本当にやる気なんですか」
「こんなところで嘘を言っても始まらんだろう。高瀬君、現場責任者たる君が担当したまえ。用はそれだけだ」男は、すべての質問も意見も拒むように腕時計に目を落とした。

「高瀬君」
「はい?」ドアノブに手を掛けたまま、声に振り向いた。

「君はお金が好きかね」
「お金、ですか?」

「あ、ダメだ。即座に好きだと言わない人間に金は回ってこん。だからここは苦しんでたんじゃないのか? それを救ったのが俺だということを忘れんようにな。人間の体もそうだが、すべてのものは磁力を持っている。その中で驚くほど大きな磁力を持つのが、金だよ」

「相容れません」肩口で軽く頭を下げてドアノブを押し下げた。
「まさか、金より愛とかいうんじゃないだろうね」クククと男がおかしそうに笑う背後でドアが閉まった。


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「冒涜?」

黒革のハイバックチェアに体を沈めた男は、口元に侮蔑的な笑みを浮かべ、大げさなぐらいにトントントンと、芋虫のような指先で肘掛を叩いた。

それは常温に放置したババロアのような弛(たる)んだ表情と相まって、やれやれやれ、と投げやりに響いた。

この男の瞼は常に眠たそうに重い。これでよく物が識別できるなと感心するほどだ。

「まさか君の口から、神などと言う言葉が出るとは驚きだな。
君は神とやらが、驚くほど多くの人間を殺しているのを知らないのか? そいつが殺した人間は200万人を超えるそうだ。
それにひきかえ、悪魔はたったの10人だ。教えといてやるよ。あれは殺人鬼だ。大量殺戮を行ったシリアルキラーだよ」

「いえ、私は特定の宗教を信仰しているわけではありません。ただ、猿から進化して人間ができたなどとは、とても思えないだけです。そこにはきっと、創造主の類がいるはずだと──それだけのことです」



「創造主の類と口にして、それだけのことと言ってしまうのはどうかな?
人間というのは、死んだらそれで終わりだ。あの世なんてものもない。神というものもまた存在しない。だから神の裁きもない。
創造主? それはどう聞いても、神のことを指しているとしか思えないな」男は立てた人差し指をゆらゆらと振って身を乗り出した。

「もしもだよ」笑いをこらえるような顔は、人を侮辱することに喜びを覚えるタイプなのだろう。

「神様がいたとしてだ。一応さまをつけてやろう。人間一人ひとりを裁こうなんて、そんなに暇じゃないだろう? 冒涜したからといって罰を受けるのか?」

「いえ、ですから所長、私は神を信じているわけではありませんし、罰などというものが存在するとも思いません。神様とは言いませんが、そのようなものが存在するのではないかと、そう思うだけです」

「まあ、いい。何を信じようと勝手だ。鰯の頭でもありがたく拝んでおけばいいさ」男はフッといびつな笑みを漏らした。

「高瀬君、心とはなんだ」男は両肘をデスクにつき組んだ両手の先に顎を乗せた。
「心、ですか?」
「そうだ、心だ」

この男にしては、深遠な質問をしてくるものだ。
しかし、彼特有の生臭い答えに帰結しそうなところが見えてしょうがない。


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─────────────────────────────

  門脇涼介様
 
  28歳のお誕生日おめでとう。
  涼ちゃんのことだから、忘れてたかな?

  気持ちは落ち着きましたか? 
  すべての話は聞いた通りです。
  
  受け入れがたい内容で、驚いたことと思います。
  でも、わたしたちはそれを知っていたんですよ。

  こみ上げてくる感情を抑えながら、短い手紙を書きます。
  だから、素っ気なく感じたらどうか許してくださいね。
  それでも、こころを込めて書きますね。

  世界に意味のないことなど起こらない。
  そう教えてくれたのは、あなたでした。
  すべては受け取り方次第なんだって。
  
  だからこれも、ふたりにとって意味のあることだと
  信じたいです。

  わたしのことは、心の片隅にでもいいので
  少しだけ残してくれると嬉しいです。
  そして、迷わず前に進んでください。

  きちんとさよならが言えなくて心残りでしたが、代わりにこ
  れを送ります。

  お世話になりました。あなたに会えてとても幸せでした。
  今日から続く未来が、涼ちゃんにとって最高の日々でありま
  すように。

  さよなら、ありがとう。

                   一之瀬 美玖

─────────────────────────────

思いがけない再会に、微笑もうとした頬が引きつるように歪み、ふっと鼻から出るはずの喜びの息は情けない声を伴った。

胸の奥からマグマのような塊がせり上がってくる。
喉元が、首筋が熱い。頬が火照る。耳に、こめかみに熱がこもり上昇していく。

グッと噛み締めた歯の隙間から嗚咽交じりの息を吐きながら、涙でゆらゆらと揺れる文字を追いかける。

彼女の気持ちが哀れ過ぎて、それを押し付けたかもしれない自分が憎くて、それでも彼女は許そうとしてくれて──温かい手紙までくれて。

滲むように手紙の文字が薄れていった。

あらゆる思いがない交ぜになって、僕はテーブルに突っ伏して泣き崩れた。

罠に捕らえられた獣のように、吠えながら、体震わせながら、運命を呪うように啼(な)き続けた。

どれほど時間が過ぎたのだろう。立ち上がった僕は窓辺にしゃがみ込み、それを撫で霧吹きを手にした。

垂れた鼻にティッシュを当て、涙を袖で拭い、彼女が育てていたフィカスプミラに霧を吹いた。



ふふぅ、ふふぅと震える息を吐きながら、ぼやける視界で霧を吹いた。


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つり革につかまり目を閉じていると、到着駅のアナウンスが聞こえた。

手にもたせかけていた額を離し、うっすらと目を開けると、減速を始めた車窓の向こうに陽は暮れかけていた。

駅を出ると日中とは比較にならない涼しい風が、放課後にも似た解放感で賑う駅前の広場を吹いていた。

頭の中で冷蔵庫の扉を開けて中身を確認していく。
今日は買い物をしなくても大丈夫だろうと見当をつけて、青になった歩行者用信号を渡った。

逢魔が時。その言葉を教えてくれたのは彼女だった。
夕暮れ時の、お豆腐屋さんのラッパが鳴るころ。トーフーって。
音階はソーラーかな? ちょっと違うかな。音には自信ないな。



その豆腐屋のラッパというのを僕は聞いたことがないのだけれど、幼いころの彼女はよく耳にしたのだという。

物売りの声、人々のざわめき、風を受けた涼しげな笹の音。お昼寝、風鈴、お豆腐屋さんのラッパ。

体を左右に揺らしながら、好奇心ばかりで何も怖いものがなかった時代、と彼女は口にした。

異次元の世界に住んでたの?
まあ、東京じゃない田舎。でも、東京でも行くとこ行けば聞けるんじゃないのかなぁ。

それって、どこだろう?

例えば、葛飾区とか、墨田区とか、江戸川区とかね。相当あてずっぽうだけど。
彼女は柔らかく微笑んだ。



沈みゆく太陽を見下ろす空はまだほんのりと明るく、淡く瑠璃色に染まる街の景色は、古来ひとたちが恐れた、その光と闇の境界線をゆっくりと通過していることを教えていた。

立ち止まり、振り仰ぎ、家々の屋根が切り取る暮れなずむ空を見る。

街路樹の葉擦れの音とともにひとしきり風が吹き、彼女と出かけたどこかの高原の濃い緑の匂いを嗅いだ気がした。

風は、ゆるい足取りで家路につく僕の首筋を、事のついでのように撫でて過ぎて、やがて何事もなかったかのように静かになった。

今夜の帰宅時も、僕は陰鬱な顔をしているのだろう。

消えることのない苦悩の渦にもまれながら、僕は繰り返し、高瀬という男と交わした会話と、美玖とふたりで巡った季節と、彼女の抱えていたであろう苦悶(くもん)を、苦く振り返っていた。

ハウリングのように耳障りな残響。どこへ辿り着くはずもない、あてどもない推察。

ただ悔悟ばかりで、僕はちいさく強く頭を振る。そうしたからといって、何かが消え去るわけでもないのに。

賃貸マンションのエントランスのドアを押し開け、ネクタイの結び目に人差し指を掛けて左右に揺すったとたん、深く重いため息が口を突いた。

集合ポストを開けると、面倒で捨てずにいるチラシの上に小さな封筒が乗っていた。

手に取り思わず声が漏れた。
宛名の筆跡が誰のものであるか、裏返して確かめるまでもなかったからだ。

そこにどんな意味があるのだろう。赤いシールに書かれた配達指定日が今日の日付になっている。



気が動転してオートロックの暗証番号を二度も押し間違えた。
ドアを抜けて小走りになる。

キーホルダーのカギが上手くつまめない。ようやくつまんだと思えば今度は手が震えてカギ穴に上手くキーが入らない。苛立ちの混じった息がさらに手元を狂わせる。

ドアを引き、靴を脱ぎ捨て、かばんをベッドに放り投げて椅子に座った。

はやる気持ちを抑え込むように、はさみで丁寧に封を切った。
耳の奥で鼓動が強く打ち続けている。息苦しさに、ひとつ大きく、ふるえる息を吸い込んだ。


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今日は結局、雨、降らなかったのかな?
雨を恐れて早めに帰ったのに、レースのカーテンの向こうに陽が射したりして、僕はそれを残念に思った。

天気予報を見ると明らかにお昼ごろから雨。
僕は3時間ぐらいの睡眠で起き上がり、洗濯をした。

雨が降ってもいいように、手前の物干しざおに洗濯物を干して、僕は公園に向かった。

雷雨の予報も出ていた。
雨が降る前に。今日はそれに追われていた気がする。

読書の途中で、久しぶりに「大戸屋」に行って、鯵の炭火焼き定食を食べた。



ひじきご飯の大盛りに替えてもらった。

メニューの写真に写っているアジはすごく大きい。
でも、そこはメニューだ。

期待しないで待っていると、立派な鯵が出てきた。
すごくおいしかった。

そもそも、僕が大盛りご飯を頼むなんて珍しい。
食べたいときに食べたいものを口にしていたら、僕はきっと、太るのだろう。

仕事ととの兼ね合いで、食欲はあるのに、いつも簡単なもので済ませる。
菓子パン一個で、12時間を働くことなど珍しくはない。
ちなみに金曜日は14時間だった。

○○さんは食べない。
これがほぼ全員が持っている感想のようだ。

言っておく。
食欲がないのではない。
ゆっくり食べている余裕がないのだ。

ちゃりこ父」さん、僕はこの歌が気に入りました。


岡秀年 / 善良なる君よ



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小説が、少し形になってきた。
アップしたら読んでください。


「BOOK」データベースより
孤独な少女・翼と、風俗店「ピーチドロップス」のオーナーで大学生の早瀬俊。
二人をつなぐ“大切な人”が姿を消して以来、同業の女の子が行方不明になる事件が界隈で相次ぐ。
常連客、担任教師、元警察官―寂しさを抱えた人々が交錯する場所にかけられた、残酷な魔法とは。切ない余韻が迫る、傑作ミステリー。


最初の章は全く意味不明だったけれど、読み進めるにつれてようやく物語が繋がり始めた感じだった。
かなりバイオレンスな章もあった。けれど、激しくも静かな小説だった。

全てを書ききらないというのだろうか、そういった意味では本多孝好らしい小説だった。
この物語が好きかと問われると、ちょっと疑問符かな。

おすすめ度 ★★★✪☆
✪は0.5です。


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なかなか、ログインさえできない日々が続いている。
少し時間の余裕が取れた日だったけど、それを睡眠に当てようとしている僕がいる。

それでも、小説は書きたいと思っている。
でなければ、こんなバナーを貼っている意味がない。
渾身の一作でなくてもいいから、書きたい。


「BOOK」データベースより
14歳の折原安音は、クラスメイトからのいじめを苦に飛び降り自殺を図る。
死んだ直後に目覚めると、そこには天使が現れ、天国に行くか地獄に行くか、49日の間に自分で決めるように言い渡される。

幽霊となった安音は、霊感の強い同級生・榊洋人の家に転がり込み、共に過ごすうちに、死んで初めて、自分の本当の想いに気づく。

一方で、安音をいじめていたメンバーも次々謎の事故に巻き込まれ―。これはひとりの少女の死から始まる、心震える命の物語。死んで初めて辿り着いた真実とは―。思いもよらない圧巻のラストに号泣!


櫻井/千姫
1985年生まれ。『天国までの49日間』は2008年に書き上げられ、第5回日本ケータイ小説大賞にて応募総数9,116作の中から大賞を受賞し、作家デビュー。
その後、フリーライターに転身。現在、webを中心に小説やコラムを執筆している。最近は開運アドバイザーとしても活躍。


いじめを苦に自殺した中学生、安音(あんね)が49日の間に天国に行くか地獄に行くか決めろと「天使」に言われる。
霊感の強い同級生の榊が悪霊と闘ったりする。

内容は思い切り「いじめ」を中心に置いた物語だった。
中高生が読めば何か得られるかもしれない。かといっていじめの加害者、被害者が読んでどうにかなるというものでもなさそうだけれど。

文体は、中学生が書きましたか? といった感じの紛れもないラノベだった。
せめて話の内容だけでも追いかけよう。どうにか最後まで読み切ろうと決めた。

最終章は、なるほどね。
悪くはない終わり方だ。


メガネのねじが取れてレンズが外れたまま放置していたので、公園に行く途中で眼鏡市場に寄ってきた。

メガネはもう一つあるから困りはしないのだけど、仕事場に忘れて帰りの読書ができないことがここ最近2日ばかりあったし、そうなるとパソコンも見られない事態に陥るので行ってきた。

すぐに無料で直してくれた、MARC BY MARC JACOBSの眼鏡を久しぶりに掛けた。

「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のセカンドラインだった「マークバイマークジェイコブス」がブランドを終了するというニュースが流れたのは何年前だったろう?
もう、貴重品かも。何年か前修理に出して黒く塗られてしまったのでロゴは見えないんだけど……。

修理を終えて眼鏡を眺めていると、「こちらにサングラスもありますよ」と男性店員の声。
ほう、と僕は素直に従った。

「いかがですか、こちらなど」
「いや、グラデーションは怪しい」僕の断定に店員さんも笑った。
奈良判定の、日本ボクシング連盟の山根明会長を思い出す。


こりゃ、どう見てもまっとうな大人じゃないでしょ。アホにもほどがある。

「うーん、形のいいのがないなぁ──あ」
僕はひとつを手に取って掛けてみた。
「紫外線はどれぐらいカットできますか」
「99%です」
そか……僕が先天的に光に弱い目をしているというのは、ブログの初期の頃に書いた。

「これ、下さい」
「度付きもできますよ」
値段を見ると、10800円だった。
「いえ、いいです。紫外線だけカットできれば」

会計をすると5400円だった。良かった、もっと高いかと思った。
値段を見てから下さいと言え。


「天国までの49日間」を読み終えて、あまりに暑いので、Tシャツと短パンに着替えに戻った。
文庫本を2冊入れて行ったんだけど、なんと、間違えてこれから読む本を置いてきてしまった。

こうなりゃBOOKOFFだ。10%割引券もあるし。
有効期限が5月末日だったので、複数買うつもりだったけど気に入ったものが見つからず、本多孝好の『君の隣に』を1冊だけ購入した。お口直しの本多孝好だったけど、1章目は意味が不明だった。
きっと最後まで読めば理解できるのだろう。

そして、割引券を使うのを忘れていたことに気が付いた。
間抜けにもほどがある。
本日の東京、5月の観測史上最高の、32.6度。
暑い一日だった。

あ、MARC BY MARC JACOBSの眼鏡、掛けてて気にはならないのだけれど、右のまつげが当たってレンズが曇るのを思い出した。外してみるとやっぱりだ。
鼻当てを少し直してみた。

おすすめ度
大人に  ★☆☆☆☆
中・高生に★★★✪☆
小説読みに☆☆☆☆☆
✪は0.5です。


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死の床にある父親から、僕は三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた。
手がかりは若かりし頃の彼女の画。僕は大学に通う傍ら、彼らが一緒に住んでいたアパートへ向かった。
だが、そこにいたのは画と同じ美しい彼女と、若き日の父だった…(「イエスタデイズ」より)。

異例のロングセラーとなり、新世代の圧倒的共感を呼んだ著者初の恋愛小説、待望の文庫化。


「BOOK」データベースより

「FINE DAYS」関わった人を死に至らしめるという噂のある女子高生……。

「イエスタデイズ」死が迫った父から頼まれたのは昔の恋人を探すことだった。

「眠りのための暖かな場所」妹を殺した過去に苛まれる女子大生。

「シェード」29歳の彼女へのクリスマスプレゼントを骨董屋に買いに行く26歳の主人公。骨董屋の窓越しにいつも眺めていたランプシェードを買い求めようとするが、それは既に売られていた。その骨董屋でランプシェードにまつわる物語を聞くことになる。

裏表紙の内容説明を見たときから、読んだかもしれないと思っていた。
でも、裏表紙は必ず読むので、買っていない可能性だってある。だから買ってみた。

「FINE DAYS」ある場面でふと思う。読んだことがあるんじゃないかなあ……。
「イエスタデイズ」なんとなく読んだことがあるような気がするなあ……。
「眠りのための暖かな場所」読んだ記憶が──ない。
「シェード」数行読んで分かった。やっぱりこの本、既読だ。

僕にしては珍しい再読になってしまった。ファンタジーのようなミステリーのような短編集だった。

春樹チルドレンといわれたりする本多孝好だけれど、その村上春樹を僕は読んだことがない。

小説は話の筋も大事だけれど、僕はやはりその文体にこだわる。文体は個性。オリジナリティだから。

この人の文体は好きな部類に入る。語感がいい。静かで、それでいて時々トリッキーで、かなり細やかな描写をする人だ。

おすすめ度★★★✪☆
✪は0.5です。


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