朝から起こり続けたトラブルは、夜になってもドミノ倒しのように僕を襲ってきた。
何があったかって?
書けない。もう、無理。書いてそれを読んだ君は、僕と同じ精神状態に陥ること必至だから。
「Oh! My God!」
「Unbelievable!」
↑↑↑↑もちろん、悪い意味で。
「紙詰まりを直すと、インクが切れる」とはマーフィーの法則だけど、いやいや、そんな生易しいものではなかった。
紙詰まりを直そうとすると違うトラブルで呼ばれ、インクを換えようとすると、また違うトラブルで呼ばれて電話をかける羽目になる、そんな感じ。それぞれのトラブルが簡単に済むことではない。
おまけに、店内で偉そうにタバコを吸うバカ女が現れた。バックルールから飛び出した僕はそれをキレ気味に追い出した。外でひと悶着あった。女はまだ偉そうにタバコを吸っている。
「帰れおら!」
「バッグがあんだよお。バッグがあんだよ」
店内にバッグがあると、女は言っている。
「知るかそんなもん!」
女の手とともに煙草をつかんだ僕は、それを投げ捨てた。
「馬鹿かお前は!」
「お前らなにやってんだ!」店内に戻った僕は怒鳴った。
「ちゃんとやれよおら!」
僕にしては珍しく、スタッフに声を荒げた。
そして、バックルームのドアを蹴り上げて中に入った。問題は抱えたまま。でも、急がなければ発注が間に合わない!
最後の最後には、お客様にものすごい迷惑をかけてしまった。
ヘルプで借りたスタッフのやったこととはいえ、とても書けない。
あまりの申し訳なさに、僕の心は音を立てて折れた。
世の中から、臨機応変、という言葉が消えて行ったいるようで僕は怖い。
マニュアルで動く世の中は、便利なようで不便で不親切だと気がつくべきだ。
僕の説明、僕の食い下がり、僕の戦いは繰り返しの正論とマニュアルの壁に負けた。最後に負傷を負ったのはお客様だ。

『マーフィーの法則』(1993年刊)
これに「成功」とか入ると、ジョセフ・マーフィーになる。
牧師さんだったかな? 僕は好きでよく読んだ。

だけど今夜は、やけくそ気味に「マーフィーの法則」だ。
「機械が動かないことを誰かに証明して見せようとすると、動きはじめる。」
「20分ごとに来るバスに乗るための平均待ち時間は15分である。」
「サイトの「よくある質問」には、あなたが求める質問も答えもない。」
「どうでもよいときに絶好調となる。」
「洗車しはじめると雨が降る。雨が降って欲しくて洗車する場合を除いて。」
「バターをぬった面を下にして食パンが着地する確率は、カーペットの値段に比例する。」
「なんてこったい」ではなく、今日の僕は、それこそまさに「おお、神よなぜに」だ。
「Oh! My God!……」
ポチポチッとクリックお願いします。

短編小説 ブログランキングへ
にほんブログ村











