風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -54ページ目

朝から起こり続けたトラブルは、夜になってもドミノ倒しのように僕を襲ってきた。

何があったかって?
書けない。もう、無理。書いてそれを読んだ君は、僕と同じ精神状態に陥ること必至だから。

Oh! My God!

Unbelievable!
 ↑↑↑↑もちろん、悪い意味で。

「紙詰まりを直すと、インクが切れる」とはマーフィーの法則だけど、いやいや、そんな生易しいものではなかった。

紙詰まりを直そうとすると違うトラブルで呼ばれ、インクを換えようとすると、また違うトラブルで呼ばれて電話をかける羽目になる、そんな感じ。それぞれのトラブルが簡単に済むことではない。

おまけに、店内で偉そうにタバコを吸うバカ女が現れた。バックルールから飛び出した僕はそれをキレ気味に追い出した。外でひと悶着あった。女はまだ偉そうにタバコを吸っている。
「帰れおら!」
「バッグがあんだよお。バッグがあんだよ」

店内にバッグがあると、女は言っている。
「知るかそんなもん!」
女の手とともに煙草をつかんだ僕は、それを投げ捨てた。
「馬鹿かお前は!」

「お前らなにやってんだ!」店内に戻った僕は怒鳴った。
「ちゃんとやれよおら!」

僕にしては珍しく、スタッフに声を荒げた。
そして、バックルームのドアを蹴り上げて中に入った。問題は抱えたまま。でも、急がなければ発注が間に合わない!

最後の最後には、お客様にものすごい迷惑をかけてしまった。
ヘルプで借りたスタッフのやったこととはいえ、とても書けない。
あまりの申し訳なさに、僕の心は音を立てて折れた。

世の中から、臨機応変、という言葉が消えて行ったいるようで僕は怖い。
マニュアルで動く世の中は、便利なようで不便で不親切だと気がつくべきだ。

僕の説明、僕の食い下がり、僕の戦いは繰り返しの正論とマニュアルの壁に負けた。最後に負傷を負ったのはお客様だ。


『マーフィーの法則』(1993年刊)

これに「成功」とか入ると、ジョセフ・マーフィーになる。
牧師さんだったかな? 僕は好きでよく読んだ。



だけど今夜は、やけくそ気味に「マーフィーの法則」だ。

「機械が動かないことを誰かに証明して見せようとすると、動きはじめる。」

「20分ごとに来るバスに乗るための平均待ち時間は15分である。」

「サイトの「よくある質問」には、あなたが求める質問も答えもない。」

「どうでもよいときに絶好調となる。」

「洗車しはじめると雨が降る。雨が降って欲しくて洗車する場合を除いて。」

「バターをぬった面を下にして食パンが着地する確率は、カーペットの値段に比例する。」

「なんてこったい」ではなく、今日の僕は、それこそまさに「おお、神よなぜに」だ。

「Oh! My God!……」

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昨日は書いたけど、僕は仕事のことはあまり書かない。
ネタに困らないほどだけど、書かない。

仕事のスイッチを切ったら、ぽやんとした男に戻るから書きたくもない。

でも、今日はネタがないから書こう。

本日のネタ男。

僕はちょっとした作業を抱えてレジにいた。
「レジちょっと借りるよ」
それも、レジ担当が会計を待っている間の短い時間。
その時、遠くから声が聞こえた。

「これで1400いくらって、なんだ!」
「すみません!」
あれまあ……それでも僕は作業を続けた。目の前のお客さんがお金を出そうとしているから。
絶え間なくやってくるお客さんの間を縫って作業を終わらせるには、これが数少ないチャンス。

「なんなんだよこれは! なんでこれが1400いくらなんだよ!」
またもや、どでかい声。
「やり直せ! ゼロからやり直せ!」
「はい!」

僕はたまらず作業をやめてそのレジに向かった。

「どうした? 間違えたか?」横に立ちレジの女の子に尋ねる。
女の子は必死でレジを操作している。たぶん、怒声に怯えて頭が真っ白だ。僕だってなにが起こったのかなんて理解していない。

「すみません、いくらいくらです」金額を読み上げる。
「信用できるか! ゼロからやり直せ! ダメだ! ゼロからやり直せ!」

そのヒステリー男は、年のころはどうだろう? 40代? サラリーマン風。
小太りで眼鏡を掛けて、顔を茹でダコみたいに真っ赤にして、額の辺りをピカピカ光らせて店内に響き渡るほどの大声で怒鳴っている。
女の子はまたレジを操作し始める。

「信用できねえんだよ! ゼロからやり直せって言ってんだろ!」
「今やってますから、静かにしてください」僕は片手を上げた。そう、申し訳ございません、なんて口にしない。
それは普通の人に対する言葉だから。周りのお客さんは、漫画みたいに目が真ん丸だ。
この人、明らかにおかしい。

「だから、ゼロからやり直せって言ってんだよ!」
「いいですか?」僕は人差し指を向けた。「今やってますって聞こえませんでしたか? うるさいですよ。静かにしてください」僕はその男の横に立った。

「うるさいんだよ!」声に見ると遠くで様子を見ていた若者二人だった。僕はその二人に笑って見せた。二人もたいへんですねえ、という顔で反応してくれた。
こんな時のほかのお客さんの反応というのはうれしいものだ。

だから僕はこんなとき、間違いなく助け舟を出すタイプだ。客を迎える立場は弱い、ということを一番知っているから。同じ客としてなら脅すこともできる。

「なんでこの金額なんだよ!」
「うるさいですよ」

「いらねえよ!」僕の方を一度も見ることのなかった男は、憤然と歩き去った。
「はいはい」僕はその男が置き去りにした商品を元の場所に戻すために手に取った。

その騒ぎの真相というのは、前のお客さんが丁度置いていった煙草の会計をそのままにして、その男の会計をスキャンしたためだった。

行列の絶えない店ではあり得ないことではない。きっちり置いていったのなら預り金が生じないからだ。

ヒステリーというのは、一種の病なのだろうか。
何かスイッチが入った瞬間に、別人のようになってしまうのだろうか。

おそらくはあの人、普段は普通の人なのだ。でも、周りにいる人たちは間違いなく気づいてる。スイッチが入るとやばい人だって。

最後の言葉が、「ママに言いつけてやるぅ!」じゃなかったのが救いか。なぜそう思ったのかというと、その言葉が似合いそうなキレ方だったから。

「気にするな」
レジ担当に、僕はそう声をかけた。

ほら、こんなことを書いてたら、僕の心は安らがない。
もう書かない。
あ……でも、書くかも。ネタの宝庫だから。

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「ちょっとさあ」
その客は眉をひそめて寄ってきた。
その顔は苦情っぽい雰囲気を漂わせている。時間は20時半ごろ。

人手不足の上に大混雑している店内。勘弁してほしいところだ。

「あそこにさ」表を指差す。
「コード繋いでる奴がいるよ。窃盗じゃないの」

それでピンときた僕は足早に外に向かった。
そこには、なんというか、バッグに肩ひじ乗せて、曲げた片膝を立てた、まるでリビングのソファでくつろいでいるみたいなスタイルでスマホをいじっている男がいた。

確かにコンセントにスマホが接続されている。

「何やってんだおら!」
驚いたように上半身を起こした男を見て、僕はちょっと腰が引けた。若すぎるのだ。
「何やってんだおら! 立て!」

コンセントからコードを抜いて立ち上がった男は、やっぱり若い。明らかに少年だ。それも、見た目不良ではない。

クソガキが文句のひとつもたれようものなら、顔面を踏みつけるところだけれど……。
僕はどうしたもんだろうと思った。けれど、けじめはつけなければならない。

「何やってんだ? ああ?」
「ダメ……ですか」
「ダメですかだとお! 舐めてんのかてめえ! ダメに決まってんだろ! てめえここんちの電気代払ってんのか!? 警察呼ぶから来い!」

少年は素直に従った。後ろからついて歩いた僕はもう一声かけた。
「まっすぐ歩け、おらぁ!」

「身分証持ってんのか」
「ありません」
「歳は幾つだ。名前は?」
「13です。○○です」
「家はどこだ」
「○○○です」東京の西だ。

「こりゃ窃盗だからな。警察呼ぶぞ。どうする」
少年は怯えている。僕は警察なんて呼ぶ気はさらさらなかった。でも、けじめはつけなければならない。店の入り口付近で、あんな格好でスマホを充電してるなんて、明らかに常習だから。

「どうするかって訊いてんだよ! 親は? 家にいんのか? 電話番号教えろ」
スマホをいじって読み上げた番号は携帯のナンバーだった。

「親の名前は?」
「○○」母親の名前だった。僕は固定電話からその番号をプッシュした。

呼び出し音が鳴ったとき、僕はしまったと思った。少年を遠ざけておくべきだった。親と話をするときに、この調子で話すつもりなどないからだ。穏やかに事情を説明して、もっとひどいことになる前に然るべき指導を求めたかった。でも、遅かった。

呼び出し音が鳴る。7回、8回。出ない。
電話を切った僕はこわもてを崩さず少年に尋ねた。

「家の電話は? 今家にいないのか?」
少年は家の電話番号をオドオドと読み上げた。それをメモしながら、僕の頭はひとつの案をひねり出した。

「警察は呼ばないから」
少年を心底ほっとしていた。

「その代わりなあ、家に帰ったらちゃんと親に話をしろ、後から電話するから、全部素直に話せ。いいか、必ず電話するから、嘘を吐くな。すぐ帰れ」

僕が体を動かして声を発した時、少年はビクッと身構えた。殴るはずはないのに、殴られるんじゃないかというほどの恐怖は味わっただろう。

たぶん、他人にこんなに怒られたのは初めてに違いない。舐めてんのかてめえ! と何度怒鳴られたろう。

必ず電話が来ると思っている少年は、言い訳を考えつつも素直に話すだろう。
その話を聞いた親は、いつ電話が鳴るかとハラハラするだろう。
それでいい。

こんなことがあった。
「誰だこれ!」血相を変えた手にはスマホが握られている。
「あたしんです」
「何やってんだよ! 電気泥棒だぞこれは!」

スタッフを怒鳴りつける、こんなひともいるのだ。

被害届までは出さなくとも、もしも警察を呼んで連れて行かれたら、未成年者が解放されるには親が迎えに来る必要がある。

なんやかんやで日付が変わり、一家にとって悲惨な日曜日になっただろう。

怒声でグイグイ押してくる怖いおっちゃんに違いなかったろうけど、捕まったのが僕みたいなタイプで良かったと、いつか少年が気がつく日が来るだろうか。

さ、もう寝なくちゃ。
仕事終わりから開始まで10時間しかないのはちょっと疲れるな。


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散歩中に拾った、自分と同じ機種の携帯電話。その携帯に届いたメールに何の気なしに返信した私は、返ってきた温かいメールに励まされ、やがて毎日やりとりを始める―(「空を待つ」)。

我々は足が炎上している男の噂話ばかりしていた。ある日、銭湯にその男が現れて―(「炎上する君」)。

何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化。奔放な想像力がつむぎだす愛らしい物語。

─「BOOK」データベースより─

西/加奈子
1977年テヘラン生まれ、大阪育ち。関西大学法学部卒業後、2004年『あおい』でデビュー。08年『通天閣』で織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

─「BOOK著者紹介情報」より─



この人の想像力ってどこから来るんだろう。
表題作の「炎上する君」にしたって、普通じゃない。足が燃えている男が現れる話だ。不思議な作家さんだ。奇想天外だ。頭の固い人には通じない小説かもしれない。

解説は又吉さんが書いている。
「絶望するな。僕達には西加奈子がいる」


初読の僕には、この解説の一行がちょっとわからなかったけど、面白い短編だったことは確か。代表作でもなさそうなので、いつかまたこの作家さんの本を手にする日も来るのだろう。

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青い空に浮かんで、俺達はビルの窓を拭く―メシを喰うために、家賃を払うために。

けれど俺達はそれぞれやりたいことを別に持っている。音楽、芝居、写真、マンガ…。だから、俺達が窓を拭いているのは、夢を見続けるためなのだ! 

熱く純なハートを持つ男達の夢と友情を感動的に描いた表題作。
ほかに、第十六回太宰治賞受賞作「多輝子ちゃん」を収録する。


─「BOOK」データベースより─

辻内/智貴
1956年福岡県生まれ。シンガーとしての音楽活動を経て、’00年に「多輝子ちゃん」で第十六回太宰治賞を受賞。

独自の世界観から紡ぎ出される小説は平易な文章でユーモアを交えながらも、人間にとって何が大事かを鋭利な刃物のように突きつけてくる。

現在最も期待される作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

─「BOOK著者紹介情報」より─



ずいぶん昔に読んだから、内容なんてすっかり忘れているのだけれど、ずっと心に残り続けている小説。
読後感は爽やかだった。優しい気持ちになれた。鼻の奥がつんとした。ラストシーンは人の心にずっと残り続けるに違いない。

ご本人はそれほど読書家ではないそうですが、高校生の時に読んだ松本清張の『点と線』が気に入って清張の本は、よく読んだそうです。

ビルの窓ふきも経験したことがあるそうで、物語はリアルに展開されます。

青空のルーレットを読んで僕が感じたのは、ああ、こんないい作家さんがいたんだあ、という心躍るような喜びでした。

その後も追いかけて何冊か読みましたが、辻内智貴さんの本って、書店にもそれほど並んではいないような気がします。
BOOKOFFなんかで見かけようものなら、迷うことなく即買いをお勧めします。

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「ブタメン」を懐かしい! と思うのはどれぐらいの年齢の人なんだろう?
僕は別に懐かしくはない。だって食べたことがないのだから。

ブタメンって小さいカップが時々売られてたりするけど、BIGを見つけて買ってみた。
初ブタメン。とんこつ味。



蓋を開けると、粉末スープがまぶしてあるような麺が現れた。
お湯を注ぎ、静かに3分間待つ。

「3分間待つのだぞ」
「ちゃん!」
「大五郎」
↑↑↑↑分かる人だけわかってください。

おやつカンパニーとエースコックの共同開発と書いてある。
確たる根拠はないのだけれど、日清とかサッポロ一番より、エースコックとかマルちゃんの方が何かやってくれそうな期待を抱かせる。

箸を入れる。麺をはさんだ箸をちょっと上下に動かす。
絶対やってしまうけど、あれって、どういう意味があるんだろう。
麺をほぐそうとしているんだろうか。それとも少し冷まそうとしているんだろうか。それは右手だけが知っている。

ずずっ、もぐもぐ……ん? もぐもぐ……んん? 
もぐもぐ……んんん? これはまさしく……
ごくり。

麵の縮れ具合といい、味といい、チキンラーメンじゃないか。
とんこつ味と書いてあるけど、とんこつ味じゃない。

チキンラーメンの角を取ったようなまろやかなスープ。でも、断じてとんこつ味ではない。

気になったので調べてみた。

1955年 - おやつカンパニーの前身である松田産業有限会社が世界初のインスタントラーメン「味付中華めん」を発売したが、営業的には失敗に終わる。
1958年 - サンシー殖産(現・日清食品ホールディングス)がチキンラーメンを発売して成功。
1959年 - 製造工程で発生する麺のかけらを従業員におやつとして配ったところ評判となり、商品化。初代作「ベビーラーメン」を発売。
1973年 - 子供向けスナック菓子で一番(スター)になりたいという想いを込め「ベビースターラーメン」に名称を変更。


なんと、失敗したとはいえ、世界初のカップ麺を作っていたのか。もしもあのとき、「味付中華めん」じゃなくて「ブタメン」を作っていたら、おやつカンパニーはカップ麺業界でも天下を取っていたのかも。

でもま、エースコックの力を借りているから、それはないか。

ブログタイトルは、ご察しのとおり、若き日の太田道灌が蓑を借りようとある小屋に入ったところ、若い女が何も言わず山吹の花一枝を差し出したので、道灌は怒って帰宅したという話。

後に山吹には「七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞ悲しき」の意が託されていたのだと教えられ、己の無学を恥じた道灌さんでした。

ブタメンの、具のひとつだになきぞ悲しき

でも、美味しかった。癖になりそうな予感が。


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「ツナグ」で思い出した小説たちがある。

その前に、小林麻央さんお亡くなりになりましたね。
ブログを見るにつけ、なんてすごい人なんだろうと思っていました。34歳、お若いです。
けれど、それもこれも、おそらくは自分で決めてきたこと。いや、自分たちでと言った方がいいでしょうか。

残った御家族は、これからもたくさんのことを学んでいくのでしょうね。そう、普通では学べないようなことを。そのための序章なのかもしれません。麻央さん自らの手で緞帳(どんちょう)を上げたような気がします。

ご冥福をお祈りいたします。

「地下鉄(メトロ)に乗って」 浅田次郎著


永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため…。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。

─「BOOK」データベースより─

「流星ワゴン」重松清著


死んじゃってもいいかなあ、もう…。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして―自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか―?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。


─「BOOK」データベースより─

上記二作は間違いなく傑作ですね。「ツナグ」も及びません。

死者に出会うという設定ではないから、番外として、「椿山課長の七日間」 浅田次郎著


働き盛りの46歳で突然死した椿山和昭は、家族に別れを告げるために、美女の肉体を借りて七日間だけ“現世”に舞い戻った!
親子の絆、捧げ尽くす無償の愛、人と人との縁など、「死後の世界」を涙と笑いで描いて、朝日新聞夕刊連載中から大反響を呼んだ感動巨編、待望の文庫化。


─「BOOK」データベースより─

笑わせて、ほろりとさせる浅田節、かな。


小説は読んでいないけど、たぶんDVDを借りて見た、「異人たちとの夏」 山田太一
1988年製作。

あの夏、たしかに私は出逢ったのだ。懐かしい父母との団欒、心安らぐ愛の暮らしに――。感動と戦慄の都会派ファンタジー長編。

片岡鶴太郎が父親役だった。ちらりと見たけれど、母親役の秋吉久美子も息子役の風間杜夫も若い。
山本周五郎賞の第1回受賞作品だったらしい。印象深い映画だった。


異人たちとの夏-予告編-

この予告編、あまり評価は高くないようだ。

ところで、生者と死者の境目は何だろう。
生きているか死んでいるか?

そのもとになるものは何だろう?
うん、やはり肉体だ。

肉体に宿ったものを生者、肉体から去ったものを死者と呼ぶ。
僕たちの肉体は仮のものに過ぎないことを思い出そう。


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運転免許の更新に行ってきた。
二駅となりの駅に着いて改札近くの地図を見ると、肝心の警察署が表示されていない。
何度も何度も確認するけど、どこにもない。

勘違いだとしたら甚だしいけれど、違う改札口も目で追ってみる。
だけど、ない。

え、まさか引っ越した?
受け付けは午後の4時半まで、時計は午後の三時をすでに回っている。

ガラケーの僕はグーグルマップさえ使えない。改札で訊いてみようと思ったら、たまたまだろうけど、誰もいなかった。

違う場所に向かう手立ても、時間も残されていない。
あったはずの場所に向かうしか手はない。

更新のことを一瞬忘れていた僕には、今日がラストチャンス。

不安を抱えながら十分ちょっと歩いたら、あった。
遠かった分表示されていなかったようだ。
警察署内ではなく、道一本隔てた建物。そうだったそうだった。

乱視が気になる右目を細くしたりして、一番不安だった視力検査は何とか乗り切った。
いいんだ。僕は運転しないから。歩行者や自転車の飛び出しに異様に気を遣う僕は運転に向いてないから。神経擦り減っちゃうから。

受付を済ませたら、5分ぐらいで講習が始まった。ラッキー♪

帰りはダラダラと歩いたら20分ぐらいかかった。
この街に住むとしたらどうだろう?
決して小さい街ではない。まあ、許容範囲かな、などと考えながら。

家を出る時から気づいていたけど、僕はひどく疲れているようだった。
タイガー・ウッズじゃないけれど、白線の上をまっすぐ歩けるだろうか。

不審者に間違えられないように、ちょっとだけ歩いてみた。
まっすぐ歩ける自信が、なかった。

再び2駅乗って帰り着いて思う。東京の端っこにしては、やっぱりこの街、規模が大きいな、人が多いなって。
立ち食いそばを食べた。
いつもの公園に行って、本を読んだ。

これは子供の日記か?(笑)

読み終えたのは、これ。
辻村深月著「ツナグ」



一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…

ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

─「BOOK」データベースより─

初読の作家さんだった。直木賞作家だったんだ。
5編からなる連作短編。

最初はあまり引き込まれなかったけど、4編目の「待ち人の心得」は切なかった。
使者(ツナグ)として登場していた少年(歩美)を主人公にした最後の章「使者の心得」は圧巻だった。4と5で、この本の半分の量を占めている。
1.2.3.の依頼者、死者とのやりとりも再現される。歩美の両親の死の真相も。僕は夢中で活字を追った。

全然知らなかったけど、映画になっていた。
主人公の少年渋谷歩美を松坂桃李、4編目の日向キラリを桐谷美玲が演じたようだ。



見習い歩美のおばあちゃん役、正式な使者(ツナグ)は、樹木希林。ちょっとイメージは違ったけど、彼女なら演じ切っただろう。

辻村深月、少し追いかけてみようと思う。



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頑張っているように見せて、僕は頑張らない。
そもそも、もうそんな年齢でもないし。

僕がすごく頑張っているように見える人もいるだろう。
でもそれは、僕が仕事で追い込まれているからに他ならない。
うん、頑張らないと自分が困るとき。

もう僕は、頑張らないんだ。自分が困るとき以外。
でもまあ、しょっちゅう困ってるけど……。

音楽を聴くのはやっぱりヘッドフォンだな。
スピーカーだと隣近所を考えて音量を絞らなくちゃならないし。

ヘッドフォンをつけると、いろんな歌が聴きたくなるんだ。
たくさん聴いたけど、これをアップしよう。夏でもないのに……。

そういえば、音痴なくせに、これを持ち歌にしてた頃があるな。
えつこお姉さん、いい詞を書いてます。

南佳孝『モンロー・ウォーク』(1979年)
作詞・来生えつこ/作曲・南 佳孝


でもさ、モンローウォークに歌われたであろうセクシーガールは、もう孫もいるおばあちゃんなんだよね。
月日の残酷なこと、この上ない。

けどさ、これで終わりじゃないから。
肉体は滅んでも、僕たちの本質(魂)は永遠なんだから。

苦しいこともあるけど、楽しもうね。ちょっとでもいいから、楽しもうね。
だって、自分で選んで生まれてきたんだから。


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【食わせ物・食わせ者】

①一見立派だが実はいい加減なもの。いかさまもの。にせもの。

②うわべからだけでは判断できない,油断のならない者。 「あの男はおとなしそうだが,とんだ-だ」

─三省堂 大辞林より─

「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐっての、「総理のご意向」文書。

もう忘れ去られそうな勢いの「森友学園」への国有地売却問題。



籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました。
瑞穂の國記念小學院は、優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます。
そこで備わった「やる気」や「達成感」、「プライド」や「勇気」が、子ども達の未来で大きく花開き、其々が日本のリーダーとして国際社会で活躍してくれることを期待しております。


「私や妻が(国有地売却や学校認可に)関係していたことになれば首相も国会議員も辞める」(2月17日)
「これだけ多額の寄付を私自身が行うことはあり得ない」
「妻にも確認をとったが、領収書などの記録もなく、寄付は行っていない」(3月17日)

僕たちはとんだ食わせ者を総理にいただいているのだろうか。


しかし、政党にしても代わるものがなかなかない。
政治家は、相も変わらず人材不足だ。

いたずらに身を衛(まも)ることを知る者、いずくんぞよく国(やす)を安んぜんや。
保身に走るような人間が、どうして国を守れるだろうか


さ、松陰先生、そろそろ出番ですよ。

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