「ブタメン」を懐かしい! と思うのはどれぐらいの年齢の人なんだろう?
僕は別に懐かしくはない。だって食べたことがないのだから。
ブタメンって小さいカップが時々売られてたりするけど、BIGを見つけて買ってみた。
初ブタメン。とんこつ味。
蓋を開けると、粉末スープがまぶしてあるような麺が現れた。
お湯を注ぎ、静かに3分間待つ。
「3分間待つのだぞ」
「ちゃん!」
「大五郎」
↑↑↑↑分かる人だけわかってください。
おやつカンパニーとエースコックの共同開発と書いてある。
確たる根拠はないのだけれど、日清とかサッポロ一番より、エースコックとかマルちゃんの方が何かやってくれそうな期待を抱かせる。
箸を入れる。麺をはさんだ箸をちょっと上下に動かす。
絶対やってしまうけど、あれって、どういう意味があるんだろう。
麺をほぐそうとしているんだろうか。それとも少し冷まそうとしているんだろうか。それは右手だけが知っている。
ずずっ、もぐもぐ……ん? もぐもぐ……んん?
もぐもぐ……んんん? これはまさしく……
ごくり。
麵の縮れ具合といい、味といい、チキンラーメンじゃないか。
とんこつ味と書いてあるけど、とんこつ味じゃない。
チキンラーメンの角を取ったようなまろやかなスープ。でも、断じてとんこつ味ではない。
気になったので調べてみた。
1955年 - おやつカンパニーの前身である松田産業有限会社が世界初のインスタントラーメン「味付中華めん」を発売したが、営業的には失敗に終わる。
1958年 - サンシー殖産(現・日清食品ホールディングス)がチキンラーメンを発売して成功。
1959年 - 製造工程で発生する麺のかけらを従業員におやつとして配ったところ評判となり、商品化。初代作「ベビーラーメン」を発売。
1973年 - 子供向けスナック菓子で一番(スター)になりたいという想いを込め「ベビースターラーメン」に名称を変更。
なんと、失敗したとはいえ、世界初のカップ麺を作っていたのか。もしもあのとき、「味付中華めん」じゃなくて「ブタメン」を作っていたら、おやつカンパニーはカップ麺業界でも天下を取っていたのかも。
でもま、エースコックの力を借りているから、それはないか。
ブログタイトルは、ご察しのとおり、若き日の太田道灌が蓑を借りようとある小屋に入ったところ、若い女が何も言わず山吹の花一枝を差し出したので、道灌は怒って帰宅したという話。
後に山吹には「七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞ悲しき」の意が託されていたのだと教えられ、己の無学を恥じた道灌さんでした。
ブタメンの、具のひとつだになきぞ悲しき。
でも、美味しかった。癖になりそうな予感が。
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