畳に新聞紙を広げて大きなタケノコを切っていた。ちっちゃい頃の僕はよくそんな風に母親を手伝った。まな板なんかでは間に合わないぐらいの量だ。
あれは孟宗竹だったろうか、それとも大名竹だったろうか。
伸びて根元が青くなったタケノコで桶を作るのが楽しかった。
まあもちろん、本物の桶にはならないけれど。
ある一本のタケノコを切って中を見た時、中に何か入っていることに気がついた。
タケノコをひっくり返すと、そこからなんと、燃えさしの豆ろうそくが出てきた。

「ろうそくだ……ほら」
母親はもちろん、信じはしなかった。タケノコの中からろうそくなんてあり得ない。
今そばには母がいたら、あれって本当だったんだよって、説得にかかるだろう。子供だった僕に、そこまでの粘り強さはなかったから。
ちっちゃい子供が、仏壇から燃えさしのろうそくを持ってきて、タケノコから出てきたって騙す必要がどこにあるだろう。僕はそもそも、そんな子供ではなかった。
人を騙して驚かせたりする子供ではなかった。
エイプリルフールも嫌いだった。
人をびっくりさせたり、ぬか喜びをさせるなんて罪だと思うタイプだった。
何十年もたつのに、あのろうそくが何だったのか、僕は理解できずにいる。
もちろん、タケノコに穴など開いてはいなかった。そもそもその前に、かなり固い皮でおおわれているのだから。
不思議な体験
作詞:作曲 /松任谷由実
少しだけ真面目にきいて
たった今 帰って来たわ
どこまでも廃墟のような
街並を歩いていたの
行く先も日付もいらず
なぜかしら淋(さみ)しくもない
なつかしい名前を呼べば
いく重えにもこだまが返える
飛行機じゃなくて 流星じゃなくて
眩むような白い光 空低くとび交っていた
ああ 遠くであなたが見つめてる
いつでも心を送ってる
私もあなたを求めてる
今 奇跡を信じてる
少しだけ真面目にきいて
この部屋をたしかに出たの
消し忘れたTVてれびの音も
散らかったテーブルもそのまま
言葉ではなくて 形ではなくて
地平線に輝いていたオーロラに吸い込まれてた
ああ 遠くであなたが呼んでいる
両手を広げて立っている
私も目を閉じ答えてる
今 全てが生まれ変わるとき
遠くであなたが見つめてる
いつでも心を送ってる
私もあなたを求めてる
今 奇跡を信じてる
遠くであなたが呼んでいる
両手を広げて立っている
私も目を閉じ答えてる
今 全てが生まれ変わるとき
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