風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -24ページ目

舗道の水たまりに、街灯が浮かんで滲む。通りを行き過ぎる車は、雨音にも似た音をさせて遠ざかる。

雨の上がった子の刻の街に、Breezin' = そよ風が吹く。

その時、スーッと舗道に映る灯りの群れを横切る黒い影。
こんな時間に鳥? 見上げた空には何もみつけられない。



もしも、もしもだけれど、箒(ほうき)にまたがった魔女が空を飛ぶ、この東京に、そんな夜があったっていい。

だって世界は、偉い人間様だらけで窒息しそうになっているんだから。

だから街だって、泣くんだ。


George Benson - Breezin' - Live 1977



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木々が風にうねるように、波が風に逆巻くように、僕たちは泡沫(うたかた)の夢に揺れる。

流した涙は明日には乾き、流された血は、降り出した雨が跡形もなく洗い流すのだろう。

後悔も、懺悔も、悲しみも屈辱も、そこになにひとつ存在しなかったかのように、そう、僕たちさえ存在しなかったように、洗い流してゆくのだろう。


George Benson & Earl Klugh / Dreamin`



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急に涼しくなりました。
寝違えたのか何なのか、ひどく腰が痛いです。

ここにひとつの錠剤があったとしよう。
もしもそれが、永遠の命を約束する薬だとしたら、君は使うだろうか。
口に放り込み、水で飲み下すだろうか。

僕ならどうだろう?
きっと……いや、絶対使わない。そんなものに何の意味もないことだけは知っているから。

僕たちはこの人生を選んで生まれてきた。それがどんな学びなのかは忘れているけれど、生きてきた。

おいおいと、僕は呼びかけたい。
お前はいったい、どんな人生設計の元に、この世に生まれてきたんだいって。

もう、苦笑いしか出ない。

答えはあの世に戻った時に明かされるのだろうけれど、無力感はどうにもぬぐえない。
僕がいたってこの世界は変わらないんだって。


まだ昨日のことのよう 僕は二十歳の頃だった
時はいくらでもあると信じていた

時を呼び戻すことが出来ると思って信じ
それを取り戻そうと 先に行こうと 走るしかなく
でも息を切らした


Yesterday When I Was Young / Shirley Bassey



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北海道の地震、近畿を中心にした猛烈な雨。
誰も、自ら計画したもの以外には巻き込まれていないはず。
それを忘れず顔を上げてほしいと、切に願います。

それが悲しくても、辛くても。




1969年放送の丸善石油のCM「0H!モーレツ!」で一世を風靡した小川ローザを覚えている人はどれだけいるだろう。これは日本のCM史の革命、超反則技だったのかもれない。

だって、戦争が終わって20何年かで、大和なでしこがテレビのCMでパンツ見せちゃったんですよ。

桑田佳祐が憶えていて使ったぐらいだから、僕はもちろん覚えている。それは半端ないインパクトでした。

ブレーク直後の1970年2月、23歳でトヨタ所属のレーサー、川合稔さん(当時27歳)と結婚したが、悲劇に見舞われたのはそのわずか半年後のことだった。

鈴鹿サーキットではマシンのテスト走行が行われていた。午後3時半、ヘアピンカーブを曲がりきれなかったマシンは幅2メートルのミゾにぶつかって、土盛りに激突、そのまま3回転してコースから80メートル先に飛ばされた。




その小川ローザも、御年70歳を越えた。
こんな愛らしい美少女も、おばあちゃんになっちゃったのだ。




HOTEL PACIFIC ホテル・パシフィック(いとしのエリーズ)


小川ローザは何処にもいないけど、みんながかけがえのない自分なのだね。


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全ての地は、同じ言葉と同じ言語を用いていた。東の方から移動した人々は、シンアルの地の平原に至り、そこに住みついた。

そして、「さあ、煉瓦を作ろう。火で焼こう」と言い合った。彼らは石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを用いた。

そして、言った、「さあ、我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう」。

主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、そして仰せられた、

「なるほど、彼らは一つの民で、同じ言葉を話している。この業は彼らの行いの始まりだが、おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」。

主はそこから全ての地に人を散らされたので。彼らは街づくりを取りやめた。その為に、この街はバベルと名付けられた。

主がそこで、全地の言葉を乱し、そこから人を全地に散らされたからである。

— 「創世記」11章1-9節─


もしもだけれど、言葉を分けたのが神で、そのせいで共通言語を失いバベルが崩れたのだとしたなら、人類はめげずに大きな試みを続けていることを知る。

それが、歌であり、音楽だ。

歌え、踊れ、それが僕たちの出した答えなのだから。


Chic - Le Freak



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思いもよらぬ形で憧れの“王子様”の正体を知ってしまった郁は完全にぎこちない態度。

そんな中、ある人気俳優のインタビューが、図書隊そして世間を巻き込む大問題に発展。

加えて、地方の美術展で最優秀作品となった“自由”をテーマにした絵画が検閲・没収の危機に。

郁の所属する特殊部隊も警護作戦に参加することになったが!? 表現の自由をめぐる攻防がますますヒートアップ、ついでも恋も…!?

危機また危機のシリーズ第3弾。


─「BOOK」データベースより─




図書館戦争シリーズ3作目。
本日、帰りの電車で読み終えた。

この間の日曜に公園で読み終える予定だったけど、雨が降ってきたので切り上げた。
そんな天気の中、いつもの公園では──なんていうんだろう……グルメグランプリみたいなのをやっていた。

関係者が話しかけていた宇都宮ナンバーのトラックが優勝っぽかった。
雨の中ご苦労様でした。


さて、水戸の弱体化された防衛部が、図書特殊部隊を巻き込み波乱を呼ぶ。

床屋が! 玄田隊長が! 稲嶺関東図書基地司令が!

2作目が僕としてはイマイチだったせいか、これは内容盛りだくさんで文句なくおもしろかった。1作目に近い感じの戦闘シーンがあったのもよかった。
女子特有の陰湿さと、それを跳ね返していくシーンもよく描けていた。

図書隊のシンボル マークであるカミツレ(カモミール)の花言葉は「苦難の中の力」
なんだかジンとする。

本章で取り上げられていた”床屋”が、実際の世界でも放送禁止用語だと初めて知った。
髪を刈るのは床屋。言葉を狩るのは誰だ。


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君が誰かを思い出し、痛さにきゅっと顔をしかめるとき、その誰かも、君を思い出しているだろうか。





作詞:ピエール・ドラノエ 作曲:ミシェル・フュガン
日本語詞:竜 真知子 / 唄:サーカス

Mr.サマータイム

ミスター・サマータイム
さがさないで あのころの私を
ミスター・サマータイム
あの夏の日 つぐなえる何かがほしい
待ちぶせた誘惑に
誘われて思わず あなたを忘れたの
たよりなく若い日々
ただひとつの愛に そむいてしまったの
Uh……

ミスター・サマータイム
忘れさせて あのひとのまなざし
ミスター・サマータイム
なくした恋 よみがえる切ない想い
しのびよるささやきに
ふりむいたあの日の ひとときの過ち
許されるはずもない
愛したひとはただ ただあなただけなの
Uh……

ミスター・サマータイム
あれは遠い 夏の日の幻
ミスター・サマータイム
気まぐれから 何もかもなくした私
かけがえのない愛に
包まれていながら 気づかずにいたのね
誘惑の熱い砂
ただひとつの愛に そむいてしまったの
Uh……

ミスター・サマータイム
さがさないで あのころの私を
ミスター・サマータイム
あれは遠い 夏の日の幻


「Mr.サマータイム」は、1978年3月25日にリリースされた、コーラスグループ「サーカス」の2枚目のシングル。

フランスのシンガーソングライター、ミッシェル・フュガン(フランス語版)作曲、愛の歴史(フランス語版)の日本語カヴァー曲で、カネボウ'78夏キャンペーンソングである。

歌詞の内容は不倫を悔やむ女性の心情を歌ったムード歌謡的な楽曲となっている。
唯一のオリコン1位を獲得し、65.2万枚のセールスを記録、自身最大のヒット曲となった。
同楽曲で、『第29回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした。

─Wikipediaより─


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生きてるうちにはいろんなことがあって、心底楽しかったり心躍るほど嬉しかったり、バケツでも蹴飛ばしたいぐらいに腹が立ったり、歯噛みするほど悔しかったり。

僕が生きてきて思うのは、人には群れがあるんだってこと。
ここでいう群れというのは、学校や職場の仲間や友達とかじゃなくて、属としての群れ。

それはまるで、サファリのバッファローや象やサイやライオンや、インパラやキリンやヌーみたいにまるで違う生き物だということ。



僕たち人間は、その属の個性を薄めながら、ある種の調和を図っている。日頃はあまり意識しないけど、ひとってなんらかの範疇に収まっているということ。

ちなみに範疇の意味は「同じ性質のものが含まれている範囲、部類」なんだけど。

非難されたことがあるだろうか。弾劾されたことがあるだろうか。
その時ひとは気づく、いつもはまったく意識することはないけれど、その溝は思いのほか深くて暗いのだと。

それはそうだ、そもそも見えているというか見ているものが違うのだし、えさも違うのだ、価値観が違う。



みんなもそうかもしれないけど、僕がここでこんなブログを書いているなんて実生活では誰も知らないことで、僕はここですべてのしがらみを捨てて素の自分になっている。

だからなんというか、僕がここで伝えたかったことは、君を理解する人は必ずいるってこと。

君はガゼルなのかもしれないし、フラミンゴなのかもしれない。だから、ライオンが君に示す無理解はきみのせいじゃない。

もう9月に入った。暑さがぶり返す日はあっても、平成最後の夏は終わった。

ひとが10年しか生きなかったら10回、ひとが30年しかいきなかったら30回、人が80年生きても80回しか夏はない。

万感の思いを込めて、さよなら夏。


さよなら夏の日/山下 達郎



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学校の帰りだったことは確かだ、けれど、どちらも家に向かう方向ではなかった。あのとき僕たちは、何処に寄ろうとしていたのだろう。

道幅の広い急な坂道を登りきると、見たこともない建物があった。
それは2階建てで、役所とかコミュニティーセンターとかに使われそうなものだった。

「これ、昨日までなかったよね」
「ないわ……急いで建てたのかしら」
「そんなバカな。日曜大工の犬小屋じゃないんだからすぐにできるわけない」

僕たちは短い階段を上がり、その建物に入ってみた。しんとして人の気配はない。
1階の部屋のすべては開け放たれて、伽藍洞だった。

入り口に戻って、僕たちは足音を忍ばせるように2階への階段に足を乗せた。
彼女の手が僕の手を探り、僕はそれを握りしめた。
彼女と手をつなぐのは初めてのことだった。

2階のドアはすべて閉じられていて、僕たちはノックしてひとつづつを開けていった。
もしも誰かがいたら、ここは何になるんですか? そう質問すればいい。

「やっぱり誰もいないね」
「これから越してくるのね」
「しかし、なんで突然……」

見つめ合った目。その奥に双方が期待した色を見た。

重ねた唇は滑(すべ)らかで甘やかだった。
初めて触る彼女の胸は柔らかだった。
初めて口に含む乳首は小豆のように小さかった。

僕たちはたぶん、地上で一番満たされていた。

1階に降りて入り口と反対側に向かった。
そこもまたガラスのドアだった。

押し開けると、見たこともない風景が現れた。
この場所に建つ建物の後ろは、木々の生い茂る場所だ。
けれど、今目の前に現れたのは全く違うものだった。




左手は荒野。右手には弧を描くハイウエイと工場地帯かと思われるような景色。
風が吹いている。けれど、それに乗ってくるはずのさまざまな音や、人のざわめきも全く聞こえない。

「いやだ!」彼女の声を聞くなり、僕はその手を取り、ふたりは入り口に向かって走った。

違う場所に来た! 帰れなくなる!
ふたりの心を占めたのは、その恐怖だった。

開け放たれたドアから階段をまろぶように外に飛び出すと、いつもの景色が広がっていた。

ふたりとも、ふぅっと安堵の息を吐いた。
振り返ると、その建物は姿を消し、木々の間からセミの声が聞こえた。


Sade - Smooth Operator


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