風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」 -135ページ目
もしも、もしもだけど、

恋なんてものをこしらえたのが神様だとしたら、
神様はきっと、しゃれと、切なさの分かる存在に違いない。

だったら僕たちは、神様の存在をもっともっと近くに感じてもいいのかも。

そして訊いてみたい。
神様はいったい、誰と恋に落ちたんだい?

それともそれは、想像だけの世界かい? って。

だって、神様が誰かに恋するなんて、考えられる?

だとしたら、副産物の、この痛みも神様に分けてあげなくちゃ。
想像だけで恋を作った彼に、ちょっぴりの罰として。






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ニューヨーク・シティ・セレナーデ/クリストファー・クロス

男嫌い?

君の素っ気なさを、そう勘違いされたってかまわないさ。
君のあどけない女児のような温もりは、伝わる人と伝わらない人がいる。

君の本質を理解する人が少なくたって、構いやしない。
誰だって、人の心の奥底まで理解することはできないのだから。
君の発する眩(まばゆ)いばかりの火花は、見える人と見えない人がいるのだと知ることだ。

硝子のハートなら、いっそ弾け飛ぶ煌(きら)めきに変えてしまおう。
折れる気持ちは一瞬の花火に変えて、大気圏の外へ飛ばしてしまえ。
凍る体はクールな笑みに変えて、少しだけ、あと少しだけ、じっと耐えてみよう。

そうやって、君は君の道を歩むんだ。
いらぬ妥協は、君をさらに弱くする。
けれど、意固地になってはいけない。
なぜならそれは、君の良さを奪ってしまうから。

ハートに熱を、口元に笑みを。
その手に、もっと、もっと、君らしい柔らかな強さを。

まだ午後の九時だ、慌てることはないよシンデレラ。
君の白馬の王子は、暇をもてあまして、今頃どこかで欠伸(あくび)でもしてるから、待たせればいいさ。



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ま、その店はぼったくりじゃない、はず、なんだけど……
夫婦でやっているのか、はたまた、雇われママと雇われマスターの怪しい関係なのか……

そんなことはどうでもいいけど、なかなか男前のマスターで、ママは、なかなか美人で。双方とも自分をそのような者だと認識している風情があって、そこら辺りを僕はあまり好まないんだけど[壁]^▽^)キャッキャッキャッ

特にグラマラスなママなんて、嫌いな部類に入るなぁ。美人なんだよ。確かに美人なんです。僕が嫌いなのは、その顔のどこかに出ているその人の性格なんだろうと思う。

年末、チャイナドレスから太ももを出して、「良いお年を~~~~」って、路上で両腕を振りながら小躍りしてるその人を見たけど、見なきゃ良かった ( ̄ρ ̄)ハゥゥゥ

で、その男前のマスターがワインを買いに来た。よく来るんだけどね。
398円だったかな?
その値段を聞いて、
「ダメだ、これ1万円で売るんだから」って。
で、498円ぐらいのを買っていった。

それって、あまり変わらんぞヾ(--;)ぉぃぉぃ
ヾ(--;)ぉぃぉぃぉぃ
ヾ(--;)ぉぃぉぃぉぃぉぃ

ワインのラベルも読めない人に売りつけるんだろうなぁ。
それで、そのお客さん、美味しいねぇとか知った顔して飲むんだろうなぁ、美人のママに騙されて。
売る方も、買う方も、無知が故になせる凄技。

そこのおっちゃんたち、人生経験が足らんぞ。
せめて、ワインの格付けの初歩ぐらいは知って、飲みましょうねぇ ┐( ̄ヘ ̄)┌
それに、家で奥さんが首を長~くして待ってるんでしょ?
ま、実際は心待ちになんてしてないだろうけど ( 艸`*)ププッ


しかし、原価率ほぼ5%……恐ろしい。ほとんど利益。
ちなみに利益のすごく少ない煙草は原価率90%

説明するまでもないけど、原価率とは売価に占める原価の割合を指すから、『原価÷売価』
若しくは『売上原価÷売上高』で導かれるんだよ。

そうそう、ワインと言えば、ついこの間、すれ違いざまこんな若い女性の声が聞こえた。
「十勝ワイン? トカップとか変な名前でさ、買ってさあ、失敗しちゃった。不味い不味い」

(・vv・) ハニャ???
(・vv・) ハニャハニャ ???
おいおいおい、トカップはバランスのとれた美味しいワインだぞ。
十勝ワインが不味いと言って、君は家で毎日何を飲んでるのかな?
どこぞやのシャトーのワインでも枕にしてるのかな?

彼女の言葉で、飲んでもいない相方の女子がひとり、その言葉を信じ込んでしまったであろうことは疑いの余地がない。口コミは怖いからね。

僕が再び彼女の戯言(たわごと)を否定します。
トカップは美味しいワインです。
今値段はどれぐらいなんだろう? 僕がよく飲んでた頃は、フルボトルで800円ぐらいだったと思う。ま、長いデフレだから1000円でおつりが来るかも。
僕は、イタリアの手頃で美味しい白ワイン「エスト!エスト!エスト!」より、こっちが好きです。
「ペッシェ・ヴィーノ」なんて相手じゃない。
かかってこい! 日本のワインを舐めたらあかんぜよ。
舐めずに飲んでね~ごっきゅんごっきゅん。

で、ちなみにこれは、トカップの宣伝ブログじゃありません。
僕の懐には一円も入ってきません。


さて、池田町の皆様、僕にトカップをじゃんじゃん送ってくれても、全然困りませんよぉ~
だって、イタリアンレストランにいた頃に使っていた、自前のラギヨールのソムリエナイフが、部屋のどこかにあるはずですから。
イタリアンレストランでフランス製のラギヨールを使うとはこれいかにo(*^▽^*)o~♪

で、ソムリエナイフは……ど、どこどこ(・_・ ) ( ・_・)キョロキョロ



グローバー・ワシントンジュニアの「ワインライト」からは、
こんな話しか出てきませんでしたぁ。
ということで、新年のブログは、他愛もない話からスタートします('-'*)ヨロシク♪



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Grover Washington Jr. - 「Winelight」

あなたはその小さな手を広げて、あのね、と言った。
あれはそう、あなたがまだ4才か5才の頃。
その手のひらには10円玉が2つと5円玉が1つと、1円玉が2つ乗っていた。

これでね、あなたはもじもじとした。
ついこの間までおむつをしていたのに、もう恥じらいというものを知り始めている。
わたしは腰を屈め、「うん、なぁに」と微笑んだ。

「これで、カーネーションが買える?」
春とはいえ、冷たい風が吹く日だった。

「これじゃ買えないなぁ」
わたしの声を聞いたあなたの頬は、笑ったような、困ったような、少し悲しいような、不思議な形を作り出した。
そっかぁ……

「お母さんにあげるの?」
「うん……」
あなたはなおも、手のひらのコインを見つめた。見つめれば増えるかのように。

「じゃね」わたしは、しっと唇の前に人差し指を立てた。
外でお昼を食べたまま、小さい黒いエプロンには小銭入れが入っている。
「おねえさんが魔法を掛けてあげる。もう一回パーしてごらん。目をつぶって」
そう言って、あなたのその手のひらに100円玉を二つ乗せた。
ぎゅっと目を閉じたあなたのまつげは、女の子のように長かった。

「目を開けていいよ」
わぁ
「これで買えるよ。おつりまで来ちゃう」
あなたの顔は薄暗い部屋に灯した蛍光灯みたいに、ぱっと明るくなった。

「好きなのを選びなさい」
あなたは、悩んで悩んで悩み抜いて、一本を選び出した。
たった一輪の花に普通ラッピングはしない。ラッピングする花束は金額が決まっているのだ。
でも、わたしは、あなたが選んだ白いカーネーションを、丁寧に包んだ。

「お母さんに、何て言いながら渡すの?」
「はい!」って。
「ちょっと違うぞぉ」
「違うの?」
「お母さん、いつもありがとうって言った方がいいよ」
「うん、分かった」

あなた嬉しそうに頷いた。

あなたが風に髪をなびかせながら、弾むように走っていく後ろ姿をわたしは店の外で見送った。
それは今も、記憶の中に鮮やかに残っている。あなたの手のひらから取った小銭のぬくもりとともに。

お父様は、もう面会には行っていないのかしら?
あの家はもう、売りに出されて更地になって、今は違う家が建っているわ。

あなたとあなたの母親の間に、月日を経て、その後何が起こったのかは知らない。
あなたがなぜ、母親を憎むようになったのか、詮索もしない。

あなたが罪を償ってそこから出てきたら、まずお母さんに会いに行きなさい。
あなたの母親は、世界で一番、あなたを愛していたよ。
だから、お母さんは許してくれる。
それは、花屋の元看板娘が保証する。

そのときはね、あの日と同じように白いカーネーションを一輪買いなさい。
そしてそれを、お母様の墓前に供えるのよ。

あなたは今、苦しんでいるかしら。
でもね、そこを出たときから、あなたの本当の苦しみは始まる。
あなたは茨の道を歩くことになるわ。
けっして挫けないように、心を強く持って生きていきなさいね。

寒さ厳しき折から、お体ご自愛ください。

─FIN─


つまらないブログに、おつきあいありがとうございました。
皆様、どうぞよいお年をお迎えください(⌒ー⌒)ノ~~~



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自殺者は14年連続3万人を超えているらしい。
男性の自殺者は、女性の倍以上。

死ぬ気になれば何でもできるだろうに。
そんな声をたまに耳にする。

はたしてそうだろうか?

死ぬ気になったら、支払うべきお金が出現するのだろうか?
死ぬ気になったら、差し押さえが止まるのだろうか?
死ぬ気になったら、命を脅かす病が治るのだろうか?
死ぬ気になったら、死んでしまった愛する人が帰ってくるのだろうか?

それは追い詰められたことがない人が口にする台詞。

そんな状況で、前向きに進むことはなかなか難しい。

方法はひとつ。
耐えること。
恥を忍ぶこと。
今を、一分一秒を、何が何でも生き延びること。
あと1時間生きてみよう。

そして考えよう。それでもなお、自分はツイていると。
何でもいいから、ラッキーと思えることを、苦しい中でも探すこと。
生きていることに感謝すること。

絶対に、自ら死を選んではいけない。

「○○さん、これは……動脈瘤かもしれません」

僕の右目の横からまっすぐに、そう、目の前十数センチの辺りにまっすぐに、真っ黒いものが、突然伸びてきた。
それは蛇行し、やがて、その先が、ぼやけて滲んだ。
僕は思った。
これは出血だって。

眼底出血。

眼球の中の底の血管が切れるんだね。

動脈瘤?!
静脈瘤破裂でも、命を落とす人がいるんじゃないのか?!
それが、動脈?!
それも、眼球の中?!

「午後に、造影剤を入れて検査します」
医師は沈痛な表情を浮かべた。

まだ20代だった僕は、そのとき、死というものを意識した。
右目を失っても、生きたいと思った。

「何か食べていった方がいいわ」
彼女、後に奥さんになり、今は他人となった人が言った。
「いらない」
部屋のベッドに腰掛けた僕は、そのままコテンと横に倒れ、両手を太ももに挟んだ。
僕は、小さい、小さい、繭(まゆ)になった。

そのときの僕は、それ以降、そして、これまでつかみ取ってきたものとは無縁だった。
人間は死んだら終わりだと思っていた。
だから僕は、何もできず、夢の中にいるようだった。

僕が苦しみの中でこの手にしてきたものを、君に何度でも言おう。
人は死んだら終わりじゃないって。
魂は不滅なんだって。

だから、愛する人が逝っても悲しまないように。
その人の魂は、天井辺りで見ている。
だから、上を見上げて、
「あなたは死んだのよ。今までありがとう。また、会いましょう」
そう呟きなさい。

その人は、自分が死んだことにまだ納得していないし、誰も自分を見ないことに悲しみを覚えている。
だから、君が気づいてあげなさい。

そして自分の肉体の死に納得し、あの世へ還ったら、君の愛する人は、君をずっと見守る。
君の心に、夜明けが来るようにと。



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自分の特徴や性質を十分に発揮するさま、意識して抑制するのではなくあるがままの姿でいるさま、などを意味する表現。

なぁ~んだ?

そうそう、正解。
自分らしさ、の意味だね。

悲しいかな、自分らしさを、わがままと取り違えている人が世の中にはいる。
まぁ、わがままがその人の性質なら、それは自分らしいとも言えなくもないんだけど、
それでも、人は人と関わって生きていく生き物l。
だから、わがまま放題は人迷惑だね。

日本人はいつの間にやら、とても無礼な人種になってきた。
いや、これは正しくないね。
無礼な人が増えてきたと言うべきだ。

ハリネズミは、お互いを傷つけないように、寄り添うときには、そのトゲを寝かす。
それができない人が増えてきたんだろうね。
人類には、ハリネズミに劣る人がいるというのは悲しいことだ。

自分が自分らしく生きるには、環境が必要だね。

ん? 今頷いた?

いやいや、それは嘘だよ。
必要なのは、君の信念。
譲れるものと譲れないもの。
その境界線を自分で計ってみることも必要。

譲れるものは譲るべきだ。
でも、譲れないものには妥協してはいけない。
それはきっと、君の心の傷になるから。

そんな君を、理解する人は必ずいる。
ひどい負け試合でも心挫けないように、明日はリベンジだ。

君は君と、はぐれないようにね。
自由に生きたい君の心を、環境で悲しませないように。

理想と現実のギャップに苦しむとき、絶対とは言わないけれど、
君の方が正しい気がするよ。

僕はいつも、そんな君のそばにいる。

君が人を思う心を失わない限り、絶対大丈夫だからね。




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たとえばそれは、夜の底を震わす風のうねり。

たとえばそれは、舌先に触れた刃物が、にやりと嗤(わら)う、不穏な気配。

たとえばそれは、指先にできたささくれの、刺すような痛み。

それは君の心模様。

瑠璃色(るりいろ)に薄墨色を溶かし込む、暮れなずむ街が放つ色。
その色は、陽(ひ)が去らず、夜の帳(とばり)が足を止めたかのように見える、光と闇の長い狭間。春が織りなす不思議な色合い。

幼い頃、君が校庭で見たのは竜巻じゃなく、あれは、つむじ風。
竜巻とつむじ風は、似ているようでまるで違う現象。
晴れた日に竜巻は起こらない。悪天候でつむじ風は吹かない。
それが起こる原因自体が異なるもの。
だから、君の記憶の中の渦巻きは、土埃を舞い上げたはず。

君は何を得て、そして、何を失ってきたのだろう。
君の心に中に、今どんな風が吹いているだろう。

背中に翼が生えるのは、天使の贈り物?
それとも、悪魔の悪だくみ?

その翼が失せてしまうのは、神の目論見(もくろみ)?

何をやってもダメな時期というのがあって、何をやってもうまくいく時期というのがある。
それでバランスがとれるようになっている。
だから、ダメな時期にあがいてはいけない。

うまくいかないものを見つめ続けてはいけない。

ほら、よそ見をしてごらん。

ふと手にしたものの手触り、何気なく読んだ本の一行、公園の風のそよぎ、鳥の羽音。
見知らぬ誰かの話し声。
答えはそこに隠れていることがある。

性急に答えを得ようとせずに、まず誰かに何かを与えてみよう。
人は与えたものしか受け取れないのだから。

君の頬を春の風がやさしく撫でたとき、まずすべきはあらゆるものへの感謝だ。
それこそが、君が君らしく歩む道の中心だと、僕には思えるから。



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久保田早紀 「25時」


東京の暮らしも長くなった。
僕はこの街が大好きだった。

ううん、今もこの街が大好きだ。

渋谷の東急ハンズができる前は、あそこまで歩く人は少なかった。
開店からしばらくは、ハンズのロゴが付いた軍手を配っていた。

その右手前には小さな居酒屋があった。
塩からキムチでよく酒を飲んだ。

宇田川町の交番の奥には畑があった。

スべイン坂は何もなかった。
入り口に料亭があった。その後はカフェになった。
そこには、でっかいでっかい「びっくりパフェ」があった。
その左奥は駐車場だった。その先に歯医者さん。
突き当たりの右階段を上ると、ちょっと変わったママのいる、「ポルシェ」というスナックがあった。
左奥にはラブホテルがあった。

そう、ちょっと汚いけれど、立ちしょんべんには格好の路地だった。
僕? ううん、僕はしたことないよ。
だって、ホームグラウンドだったから、どこにトイレがあるくらい知っていたさ。

元禄寿司もあった。
マイアミは夜中は勝手にケーキが付いてきて高かった。
道玄坂下の緑屋は、まとめて煙草を買うと両替ができた。
109ができる前は、あの一角は何だか怪しい路地だった。
その正面の服屋でよくシャツを買った。

変わりゆく東京。
でも僕は、この街が好きだ。

恋もたくさんした。
明日をも知れぬ地獄も見た。

移りゆく時代の中、変わらぬ自分でいたい。
君も、変わらぬ君でいて欲しい。




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「○○さんは、○○ですか?」
そう、僕は担当場所を聞かれたのだ。
「うん、そうだよ」
「寂しいぃ」

それは予告だった。
君の心の叫びだった。
そして時間は過ぎた。

大丈夫です。そう言う23才の君の顔色は全然大丈夫じゃなかった。

「大丈夫じゃないだろ!」

異変に気づき担当場所を離れた僕は、君の二の腕をつかんだ。引き寄せた僕は、背中と言わず、腰と言わず、手のひらで、胸の詰まる思いで君を叩いた。気丈に振る舞っていた君が、やがてしゃがみ込んで泣いた。
君が見せた涙を、僕は待っていたのかもしれない。
僕は君を泣かせなければならなかった。

涙は女のカタルシス。
泣きたいだけ泣けばいい。泣くべき時には泣くのだ。
もっともっと大人になったら、人前で泣けなくなる。
そのうち、泣いたら慰めではなく、思い切り引かれる状況が生まれるんだから。

僕が人前で最後に泣いたのは、20代後半に入った頃だったかな。
その頃の僕は飲食店の店長をしていた。そこで、とても嫌なことがあった。
信頼していたサブが、お金を持ち逃げしたんだ。
僕は憤っていたし、やるせなかった。
被害の大きさよりも、信頼を裏切られたことに呆然としていた。

その店はチェーン展開しているお店の本店で、売上金が集まってきた。
各店の店長たちが集まってくるのだ。
その夜のみんなは、何かよそよそしかった。
そう、その話には触れたくないのだ。
僕はひとりぼっちだった。

そんな中、かつて僕の上司だった、とても親しい店長がやってきた。
「ん、ん、○○ちゃん、大変だったね。ん、ん」
肩を叩かれた。その声を聴いたとき、僕はボロボロと涙をこぼした。
椅子に座り、テーブルに両肘を付き、嗚咽を噛み殺した。
涙は後から後から溢れてきた。

たった一言が、人を救うときがある。
それが、そのときだった。

君はとても不幸な上司に出会った。
ううん、それはもちろん、僕のことじゃない。
僕と君の上司だね。
その上司と真っ向から揉めてしまった君。

もう辞めます。僕の横で君は言った。
「ダメだ! ここで辞めたら余計に悔しいだろ! 辞めたらダメだ! もう、泣くな」
君を泣かせようとした僕は、やはり君のゆがむ顔など見たくなかった。なおも僕は君の背中を叩き、撫で続けた。
「もう、泣くな。な」
あ、叩く場所を間違えて、ちょっとブラも叩いちゃったかも……。

君が泣いて良かった。僕が出勤の日で良かった。

大丈夫か? ちゃんと出てくるんだぞ。
そう言って関連の夜勤に向かう僕に、
大丈夫です!
そう答えた君の顔は、大丈夫そうで、嬉しかった。
心から、嬉しかった。

君を含めて、古株3人組がその夜酒を飲みに行ったと聞いた。
一昨日、君がひとりで立ち向かっていたとき、仕事を放棄してまで、君を守ろうと僕がどう動いたかは彼らにもう聞いただろう。

君は無力ではない。
この僕を、突き動かしたじゃないか。
職をなげうってでも、君を守ろうと、この僕を動かした。

今この瞬間も、思い出になっていく。
よい思い出を作りなさいね。
そして、いつか思い返して、笑おう。

硝子の少年が揉まれ踏まれ叩かれて、いつしか、しなやかな鋼になったように、
君も強くなっていきなさいね。



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キャパシティは年々増えてくるように感じるね。
それを成長と呼ぶのかどうかは僕には分からないけれど、そのせいで、容易には満たされなくなるのかな?

それは、君が喜びをどこかに置き去りにしてきたからだって僕には思える。
経験してきた喜びを、君がすっかり忘れてしまったから、容器はいつまでも空っぽ。

ふにふにとする猫の尻尾に喜んだ頃。
道ばたのタンポポに世界を見た頃。
今考えれば何でもないおやつに躍り上がった頃。

異性に初めて、心ときめかせた頃。
見たいのに見られない。
く……首が固まってしまったのか?

近づきたいのに近寄れない。
触りたいのにこの手が、この指が動かない。
か……かじかんじゃったのか?

きっとそれは、見えないバリアが邪魔をするから。
話したいのに、口を開けばぎこちないロボットになるのもそのせい。

その不思議な感情には、無数のトゲトゲがあると知ったね。
でもね、それは君の心が生んだトゲトゲ。
他の誰も生み出してはいないんだよ。

はひふへほ!
口を大きく動かしてみよう。
肩の力を抜こう。

大きく息を吸ってぇ
息を吐いてぇ

肩を回してみよう。

凝り固まって、視界を狭くしていた何かが失せて、
見えなかった何かが、見えてくるかも。

そして、それなりに精一杯頑張ってきた自分に、ありがとうと、言ってみよう。
自分を大事にできない人は、人も大事にできないんだよ。

たくさん失敗しなさい。
人は成功じゃなくて、失敗から学ぶんだから。
一歩ずつでいいから、心優しい大人になっていきなさい。

そうすれば、君のまわりには、君を愛し、君を頼りにする人たちがきっと増えていく。
それはきっと、いや、間違いなく、君を輝かせる。

そして、クリスマスキャロルの頃には、きっと…。



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