25時 | 風神 あ~る・ベルンハルトJrの「夜更けのラプソディ」

たとえばそれは、夜の底を震わす風のうねり。

たとえばそれは、舌先に触れた刃物が、にやりと嗤(わら)う、不穏な気配。

たとえばそれは、指先にできたささくれの、刺すような痛み。

それは君の心模様。

瑠璃色(るりいろ)に薄墨色を溶かし込む、暮れなずむ街が放つ色。
その色は、陽(ひ)が去らず、夜の帳(とばり)が足を止めたかのように見える、光と闇の長い狭間。春が織りなす不思議な色合い。

幼い頃、君が校庭で見たのは竜巻じゃなく、あれは、つむじ風。
竜巻とつむじ風は、似ているようでまるで違う現象。
晴れた日に竜巻は起こらない。悪天候でつむじ風は吹かない。
それが起こる原因自体が異なるもの。
だから、君の記憶の中の渦巻きは、土埃を舞い上げたはず。

君は何を得て、そして、何を失ってきたのだろう。
君の心に中に、今どんな風が吹いているだろう。

背中に翼が生えるのは、天使の贈り物?
それとも、悪魔の悪だくみ?

その翼が失せてしまうのは、神の目論見(もくろみ)?

何をやってもダメな時期というのがあって、何をやってもうまくいく時期というのがある。
それでバランスがとれるようになっている。
だから、ダメな時期にあがいてはいけない。

うまくいかないものを見つめ続けてはいけない。

ほら、よそ見をしてごらん。

ふと手にしたものの手触り、何気なく読んだ本の一行、公園の風のそよぎ、鳥の羽音。
見知らぬ誰かの話し声。
答えはそこに隠れていることがある。

性急に答えを得ようとせずに、まず誰かに何かを与えてみよう。
人は与えたものしか受け取れないのだから。

君の頬を春の風がやさしく撫でたとき、まずすべきはあらゆるものへの感謝だ。
それこそが、君が君らしく歩む道の中心だと、僕には思えるから。



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久保田早紀 「25時」