機動戦士Vガンダムのストーリーと共に、事実上最後の刊行年度となった1993年
の模型情報誌を追うこのシリーズ。
1993年5月号裏表紙には、第7話で登場するイエロージャケットの新型モビルスーツ、
トムリアットが登場!
機動戦士Vガンダム第5話~第6話
第1話~第4話までの一連の戦闘で、「レジスタンス組織」と侮っていたリガ・ミリティア
に対して第2中隊長ライオール・サバト少尉が戦死、第3中隊(MS試験中隊)長の
クロノクル・アシャー中尉が行方不明、中隊長代理のガリー・タン少尉が撃墜されて
負傷、第2中隊壊滅という大損害を被ったザンスカール帝国ベスパのイエロー
ジャケット(ラゲーン基地戦闘大隊)のファラ・グリフォン司令は驚愕し、増援のMS隊
派遣要請を宇宙要塞カイラスギリーに要請すると共に、単独出撃したガリー・タン
の戦闘状況を見聞した上で、ワタリー・ギラ大尉(第1中隊長)にゾロ2個小隊で出撃
を命じます。
十分な検証を行ったうえで朝方に奇襲をかけたワタリー・ギラ中隊は、対空砲火も
含めて大きな被害を受けることなく、集結していたリガ・ミリティアのクルーに大打撃
を与え、リガ・ミリティアの秘密工場や組立途中のMS部品も徹底的に破壊しました。
しかし、騎士道を重んじる精鋭チームとうたわれたワタリー・ギラ直卒の戦闘小隊
は、ウッソのVガンダムとの戦いで醜態を晒し、激高したワタリー・ギラ大尉は
部下を次々に自身の手で粛清してしまいます。
僚機を自らの手で失い、Vガンダムとの1対1の激闘にも敗れたワタリー・ギラ。
辛うじて機を脱出した彼を更に精神的に打ちのめしたのは、精鋭を誇った戦闘小隊
を破ったVガンダムのパイロットが僅か13歳の少年に過ぎなかったこと、そして、
その少年と闘うために「騎士道」と称して部下を粛清してしまったこと、最後に、
年端も行かぬ少年までが戦いに巻き込まれているという戦争の真実を受け入れる
ことが出来ず、自ら手りゅう弾による死を選ぶのでした。
クロノクル・アシャーは生還したものの、第1中隊長・第2中隊長・第3中隊長代理が
戦死又は行方不明という事態に、イエロージャケットへ新たに新型モビルスーツ・
トムリアットを擁するピピニーデン大隊(アルベオ・ピピニーデン大尉指揮)の先遣
中隊9機がラゲーン基地に向かうと共に、地形を選ばず行動でき、リガ・ミリティアの
拠点をしらみつぶしに攻撃する為、ドゥカー・イク大尉率いる戦闘バイク部隊
ガッダール隊がリガ・ミリティアを追跡します。
ベスパが、ゾロに続いてイエロージャケットに配属した主力モビルスーツ・トムリアット。
ゾロが合体変形時、或いはヘリコプター形態時に撃墜されたケースを再検討し、
単独変形を行う新型機として開発されました。
エンジン出力が数パーセント向上しているだけでなく、爆撃機としての性能も重視
したゾロから、ヘリコプター形態に変形して爆撃用のマルチランチャーを発射する
に留め、運動性・格闘性能の改善を追求し、一方で出力不足を指摘されたビーム
バズーカを、ビーム弾/実体弾両用発射可能なマルチバズーカに更新しています。
ビームサーベルに変えて、ビームトマホークを接近戦で用います。
キッサロリア少尉率いる1個小隊3機編隊は、ピピニーデンの命令でガッダール隊
とVガンダムの交戦に参加しますが、2機を大破させられてしまい、退却を強いら
れます。
初戦の敗北に驚いたピピニーデン大尉は、自ら残りの2個小隊6機を率いてリガ・
ミリティアのカミオン隊を襲撃しましたが、マーベットから操縦を変わったウッソが
Vガンダムに乗り込むと形勢が逆転。
何とかVガンダムを捕獲したものの、リガ・ミリティアのオリファー・イノエのボトム
ファイターが戦闘に加入した為に合計3機を喪失し、敗走するのでした。