びわ湖の鈴木選手の日本新―
今更ですので、レース云々は割愛しますが、その背景をいろいろ考察したいと思います。
学生時代から、「日本の宝」として大きな期待をしていましたが、正直、もう少しコンスタントにマラソンの実績を積み上げていくものと思っていました。10分→8分→6分…みたいな。
いきなりの4分台は本当にびっくりですが、特に終盤の強さはこれまでの日本選手にはない強烈なパターンでしたね。
鈴木選手に限らず、ここに来て急激に日本マラソン界のレベルが上がっているのは、厚底シューズの恩恵だけではありません。それもけっこうありますけど、、、
まず意識の問題があり、多くの選手・指導者が世界を目指すようになった―この裏側には、箱根駅伝がマラソンを弱くしている~みたいな論調が20年以上前からあり、実際にその通りの部分もあって、そこからの脱却という意味合いがあります。
実業団はもちろん、大学の指導者までが手元の選手を世界レベルに育てるということに意識が向くようになりました。
ちょっと前までは、ニューイヤー駅伝が終わったら、ちょっと休んで、それから1~2か月走り込んでマラソンに出る~みたいな取り組みで、初マラソンで先頭集団に着いていき、離れたらおしまい。マラソンは向いていないのでもうやらない~というようなトップクラスの選手が大勢いました。
それがMGCの影響もあってか、腰を据えてマラソン練習に取り組むようになりましたね。
それから、走り込み量の増大だけでなく、体幹強化やフォーム修正に力を入れるようになったこと―。これももう10年くらい前からになりますけど、今や当たり前の取り組みになり、若い選手の走り方がだいぶ変わってきました。体幹使って脚を前にグイグイ!…みたいな。
更には、コロナ禍で、レース数が減った割に、練習環境があまり悪化しなかったこと。
なんか、今にしてみれば、川内選手でなくても、ちょっとレースに出過ぎていたのではないか―。昨今は練習にみっちり集中できた分、結果が違っているのではないかーということです。
その川内選手ですら、レース数が減るという、彼的には致命的な状況の中、数年ぶりに自己ベストを更新しているわけですから。シューズだけのおかげではないような、、、
こういう状況下、もっと重要なのは、そもそも日本のマラソントレーニングは非常に優れているということ。
なにかというと世界から後れを取っているように言われますが、今回の鈴木選手の記録は、非アフリカ系の選手の世界最高記録です。日本人が4分台を出したというのはそれくらい凄いことで、民族的な特性が劣るのであれば、あとはトレーニングの成果であると言わざるを得ません。
日本の実業団や大学に来ているケニア選手も世界的なランナーに育っているケースが少なくありませんが、現地での高校時代の実績でいうと、トップクラスは欧米のクラブや大学に行くので、日本行き組は決してエリートではないのです。それでも!ですからね。
長くなったので、名古屋ウィメンズは、次に続きます。。。