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鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

 

 ランニングマガジン「クリール」5月号の特集は「継続できる!インターバル走」~この中で、P22~<坂道インターバル>を私が担当しています。

 

  坂道インターバル

  文字通り、坂を利用したインターバル・トレーニングですが、坂の傾斜を利用するので、自力でスピードを出さなくても脚や心肺に負荷をかけることができます。そういう意味では、ミドル・シニアに適したトレーニングとも言えますね。

 

 インターバルというと、ハーハーゼーゼー、とにかく追い込めば良いと思われがちですが、そーゆーわけでもありません!!

 

 段階(ステップ)に応じ、スピードと本数を変え、"加減"することが重要なのです。

 

 詳しくは、買って読んでください!

 まあ、坂道インターバルに関しては、20年ほど前に「ランナーズ」の特集でご紹介して以来、ほとんど内容の変わらないまま、数年置きになんかの形で取り上げられているのですが、、、

 普遍的なトレーニングですな。。。

 

 

 

 

 

 名古屋ウィメンズ

 

 直前まで、やるのかやらないのかよく分からない不安定な状況でしたが、よく開催しましたね、、、

 それでも1万人のうち、約半数が直前にオンラインにシフトし、スタートラインに立ったのはおよそ5,000人。それでもこのご時世、5,000人ものマラソン大会をシラっとやっちゃったのは、この業界的には大きな希望となりました。

 

 例年と違い、テレビはトップ方面ばかりを映し、本来のウリの1つでもある"大勢の市民ランナー"にはほとんど触れない・なるべく映さない…という方針だったようです。まあ、ご時世ですからね、、、それでもなんでも、無事(1週間経った時点でクラスター発生の話はない…)にこの規模の大会を終えることができたのは本当に良かったです。

 

 レース的には、ここでは珍しいことではありませんが、あいにくの強風で、ようやくマラソンを走る機会を得た参加者の皆さんには非常にお気の毒ではありました。

 

 それでも!!驚くことに、けっこうタイム水準が良い!?e-Athletesの会員さんも、自己ベスト続出、ちょっと悪くてもセカンドベストとかいう方も多数で、え、あのコンディションで??という感じです。

 皆さん、風が強くて進まなかったとか、終盤は本当に辛かったとか、思ったように走れなかった…とかグチグチ言いつつですからね。

 

 思うに― やはりほかのレースがなく、トレーニング期間が長く、みっちり取り組むことで基本的な走力の向上がなされたことが第一にあるのではないかと思います。

 開催されると信じて、数か月前からこれ1本に絞り込んできた方はやはり総じて結果が良いですね。

 

 更に、条件的に厳しくても、ここまで1年以上も辛抱してきたことと、この次、またいつ・どこで走れるか分からない状況で、「ここで諦めるわけにはいかない!」的な意地というか根性というか気合いというか、そういうのが凄かったのではないかと思います。

 

 なんか、レース結果のご報告1件1件が泣けてきますよ。。。

 

 

 

 

 

 

 びわ湖の鈴木選手の日本新―

 今更ですので、レース云々は割愛しますが、その背景をいろいろ考察したいと思います。

 

 学生時代から、「日本の宝」として大きな期待をしていましたが、正直、もう少しコンスタントにマラソンの実績を積み上げていくものと思っていました。10分→8分→6分…みたいな。 

 いきなりの4分台は本当にびっくりですが、特に終盤の強さはこれまでの日本選手にはない強烈なパターンでしたね。

 

 鈴木選手に限らず、ここに来て急激に日本マラソン界のレベルが上がっているのは、厚底シューズの恩恵だけではありません。それもけっこうありますけど、、、

 

 まず意識の問題があり、多くの選手・指導者が世界を目指すようになった―この裏側には、箱根駅伝がマラソンを弱くしている~みたいな論調が20年以上前からあり、実際にその通りの部分もあって、そこからの脱却という意味合いがあります。

  実業団はもちろん、大学の指導者までが手元の選手を世界レベルに育てるということに意識が向くようになりました。

 ちょっと前までは、ニューイヤー駅伝が終わったら、ちょっと休んで、それから1~2か月走り込んでマラソンに出る~みたいな取り組みで、初マラソンで先頭集団に着いていき、離れたらおしまい。マラソンは向いていないのでもうやらない~というようなトップクラスの選手が大勢いました。

 それがMGCの影響もあってか、腰を据えてマラソン練習に取り組むようになりましたね。

 

 それから、走り込み量の増大だけでなく、体幹強化やフォーム修正に力を入れるようになったこと―。これももう10年くらい前からになりますけど、今や当たり前の取り組みになり、若い選手の走り方がだいぶ変わってきました。体幹使って脚を前にグイグイ!…みたいな。

 

 更には、コロナ禍で、レース数が減った割に、練習環境があまり悪化しなかったこと。

 なんか、今にしてみれば、川内選手でなくても、ちょっとレースに出過ぎていたのではないか―。昨今は練習にみっちり集中できた分、結果が違っているのではないかーということです。

 その川内選手ですら、レース数が減るという、彼的には致命的な状況の中、数年ぶりに自己ベストを更新しているわけですから。シューズだけのおかげではないような、、、

 

 こういう状況下、もっと重要なのは、そもそも日本のマラソントレーニングは非常に優れているということ。

 なにかというと世界から後れを取っているように言われますが、今回の鈴木選手の記録は、非アフリカ系の選手の世界最高記録です。日本人が4分台を出したというのはそれくらい凄いことで、民族的な特性が劣るのであれば、あとはトレーニングの成果であると言わざるを得ません。

 日本の実業団や大学に来ているケニア選手も世界的なランナーに育っているケースが少なくありませんが、現地での高校時代の実績でいうと、トップクラスは欧米のクラブや大学に行くので、日本行き組は決してエリートではないのです。それでも!ですからね。

 

 長くなったので、名古屋ウィメンズは、次に続きます。。。

 

 

 

 昨日、NHK「シブ5時」で、「高齢者のコロナ・フレイル」という特集を放映していました。

 

 簡単にいうと、コロナ禍で家に閉じこもり、フレイルの症状が出てきている高齢者が増えている~ということです。さもありなん。。。

 

 フレイルとは、加齢に伴う身体の機能低下から、健康を損ないやすい状態」になっていることをいいます。いわゆる「虚弱」と定義されていますね。

 

 ↓少し前に「サルコペニア」について触れましたが、、、

 

 

 サルコペニアは、加齢に伴う筋力量の低下~

 これに対し、フレイルは、同じように加齢に伴うのですが、体重の減少とか、活動の低下など、症状全般を意味しています。

 

 面倒くさい人は、「サルコペニアフレイルも、簡単にいうと、老化だよ」というようなことを言うのですが、ここはやはり分けて考えた方が良いですね。

 

 加齢の影響でこうなるのではなく、加齢に伴ってこうなっていくのです。言い換えると、老化とは別に、頑張って努力し、工夫すれば、老化の進行に抗って食い止める・再浮上することができる!ということで。

 

 サルコペニアは65歳以上、フレイルは70歳以上~というような定義というか目安があるようですが、これは日常生活の中で、明らかにそういう兆候が見えてくるということから来ているのではないかと考えています。

 

 本当はもっと前からそういうことが進んでいるのですが、ほったらかしにしているがためにどんどん進行し、こういう年齢になるとごまかしが効かなくなってくるという感じでしょう。

 

 日常生活でそうですから、ランニングをやっている・マラソンを完走するというようなレベルでは、もっと早い段階からこの影響が出ているはずです。てか、皆さん、多かれ少なかれ感じていることでしょう。

 

 それでも老化と違うことは、きちんと取り組むべきことに取り組めば、サルコペニアの筋力低下は防げますし、結果的にフレイルの出現も大幅に遅らせることが出来ます。

 

 従来、そういうことの予防効果も含めて中高年のランニングというのは奨励されており、実際、その効果もかなり認められています。

 

 しかし!! それだけでは足りないようなのです。なにもしていない人よりはずいぶんマシですが、ランナーもまた、サルコペニアフレイルも起こすからです。

 

 なぜか!?

 ただ、走っているだけだからです。

 それでも、走っている分の恩恵は確かにあるのですが、まだ、ちょっと足りない…。

 

 

 ちょっと長くなりましたので、 続く―。

 

 

 コロナの影響で延期が決定した東京マラソン

 

 21年大会は10月に開催と決定しましたが、22年大会は従来通り3月の開催が予定されています。短期で2回やることになるわけですが、仕方ないですね~。

 

 で、21年3月の出場権を持っていたランナーの皆さんに対しては、この【21年10月】と【22年3月】のどちらかに振り替えが出来る権利がありました。

 

 その選択の期日が先日終わったわけですが、なかなかの難問で、ずいぶん相談も受けました。

 

 まず基本的に、正解はない…ということで。

 どちらもメリットとデメリットがあるわけで、なかなかどちらが良いとは決め難い選択でした。

 

 【21年10月大会】

 

  夏を過ぎることで、コロナが下火になっている可能性が高く、開催される可能性がより高いということがあります。

 

 一方で、その夏に最高の準備(トレーニング)をしなければなりません。暑いさなかにどっぷり走り込み、しかも距離を踏むだけでなくペース水準も上げて行かなければならない―。それだけの準備がきちんと整うのかどうか…。

 

 また、頑張って何とか走り込んで、一生懸命仕上げて絶好調でレースに臨めたとしても、その大会当日にもまだ高温リスクがあります。

 

 ファンラン気分で完走だけ目指すのであれば問題ありませんが、せっかくの高速コースで、今度いつ出られるか分からないのに、これで良いのか~というのがありますね。

 

 

 【22年3月大会】

 

 冬に走り込み、この時期にタイムを狙うというのは常套手段の1つです。実際、これまでもレベルに関わらず、好タイムが続出していました。

 

 問題は、1年後、果たしてコロナが収束しているのか?です。夏に落ち着いても、また冬になると感染か拡大してくるのではないか…という懸念、不安があります。そんな中でしっかり準備が出来るのか、そして大会は開催されるのか~と。

 

 場合によっては22年10月へ再度延期(振り替え)ということもまたあるでしょう。(23年大会は3月?)それはそれで良しとして、もう気持ちが続かない…というランナーも出てくるかも知れませんね。

 

 そういうことで、繰り返しますが、正解はありませんので、どちらを選んでも、その条件で頑張るのみです。