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鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

箱根駅伝ランナーの“ふくらはぎ”はなぜ細い? 市

民ランナーがマネできるトップ選手の4つのポイント

 Number Webの記事です。

 書いてあることに特別なことはなく、以前からよく言われていることであり、e-Athletesのフォーム指導でも、ポイントはほぼ同じようなことを
 
 それでも、市民ランナー間になかなか浸透せず、結果として起こる様々なマイナス要因に対し、「市民ランナーだから」「もう歳だから」そして、「自分に合った走りをすれば良い」的なことで片付けられてしまっていることです。
 
 そういうことにメジャーな媒体がきちんと丁寧に解説している非常に良い記事ですね。
 ちょうどウチの無料メルマガ(BEST RUN!)でもフォームに関する記事を扱っているところでしたので、ぜひ併せて読んでみてください。 
 
  総論でいうと、一流選手はほとんど、ふくらはぎを使いません。対して市民ランナーの一部?多く?は、ふくらはぎを中心に使います。この違いは何か!ということです。ふくらはぎにガチガチ疲労が出るという方はぜひよ~~く考えてみてください。
 
 ぶっちゃけていうとそれは、膝から下をメインに走っているから!です。膝から下だけ!使って走っているランナーもいますね。上体をもっと使うというのとは別に、膝から上~腰回りまでをもっときちんと使う必要があるということです。
 
 それにはもちろん、技術(スキル)と筋力が必要です。こういう部分が足りないと、どうしても膝から下だけに頼らざるを得ない状況になります。
 
 膝から上=ハムストリングスや臀筋などですね。それに腸腰筋―こういったところをしっかり使うことで、脚を上げる・体を支えて腰高を作る~ということが出来るようになるわけです。
 
 脚が上がらない・体を支えられない~となると、ストライトは狭くなり、腰は落ちて、アシモのような走り方になってしまいます。これがふくらはぎに負担になるわけです。
 また、ふくらはぎしか使わず、過剰な負荷がかかるので、ふくらはぎだけ、太く、肥大してしまうわけですね。
 
 ランナーの中には、ふくらはぎの太さを自慢する人もいますが、これはちょっとお門違いなのだということになります。
 
     <アシモ走り>
 
 それでは対策は!?
 
 じゃあ、腰高で走ろう、ふくらはぎに負荷をかけないようにしようと意識したところで、それだけで修正出来るほど簡単なことではありません。なにしろ、スキルと筋力ですので。
 
 そのスキルと筋力を向上させるのが、ランニング・ドリルです。スキップとか腿上げとか、そういうやつですね。
 走行距離を伸ばすことだけでなく、そういうことに時間をかけてしっかりと取り組んでいくことが大切です。
 
 
 
 

 

 だいたい私の予想通りの展開になりましたね~!

 てか、誰が予想してもだいたい同じでしょう。

 それくらい、本命がしっかり結果を出し、期待するような数字も出てきた!ということで、非常に良い大会でした。

 

 以下、雑感―

 

・随所に、本命選手をアシストするチームメイトの献身的な動きがありました。個人競技なんですが、こういうこともあるんですよね。しかも日本選手権で。

 「鬼滅―」でいうと、胡蝶姉妹とカナヲの関係。。。

 

女子5000mは、よもや、よもやのスローペースになりましたが、おかげで終盤は見応えのある展開となりました。

 5000mとしては若干、見劣りするタイムですが、ラスト2000mは5分47秒!ラスト1000mは2分51秒!!って、日本人離れし過ぎです。。。

  

 上位3人の争いにだけ目が行きがちでしたが、4位に入ったのは、もはやベテランといってもよい西原さん。一時は引退も噂されましたが、今シーズン、1500mでもベストを更新しているそうで、凄いな、頑張るな~。

 

3000m障害は男女とも有力選手の転倒がありましたが、この種目を専門としていて、転倒経験のない人はほとんどいないでしょうね。トップ級がそこらの大会でそんなことになることはないので、起こるのは、やはり全日本クラスの大会やインカレ等になります。

 私も昔、教え子が日本インカレの決勝ですっ転んであえなく散った…という経験をしたことがあります。非常に悔しがっていましたが、仕方ないですね。これがこの種目です。オリンピックでもあります。

 

 男子で2位に入った楠選手のお父様は、駒沢大→ヤクルトで活躍され、今は阿見アスリートクラブで経営・指導に携わっている、私たちの"同業者"です。

 ちょっと前まで1500mを専門としていたスピードランナーなので、ラストは、これは!とも思わせましたが、逆にスタミナがちょっと足りなかったようですね。それでも自己ベストを更新し、東京五輪につなげた形です。

 田中希実さんもそうですが、駅伝の枠を外れ、親子で長期計画でコツコツと積み上げているというのは本当に素晴らしいことです。

 

・男子10000mは、A/B、2組の実施。持ちタイムの速い方、遅い方で分けます。スタートリストを見ると、28分14秒以下がBに回されたようですね。

 せっかく日本選手権の出場権を得たのに、B決勝に回されるというにも残念なことでしょう。それでも!それだからこそ?Bの上位は自己ベスト更新続出の、まさかの27分台が3人!!

 

 

 その男子Aを含めた男女の10000mは凄すぎて言葉もありません。思わずテレビの前で、2回拍手してしまいました。

 

 まあ、女子の新谷さんはあれでもまだ想定の範囲内で、思ったより少しタイムが良かったという感じですが、男子は歴史的な快挙になりましたね。

 相澤選手は、その素質は以前から高く評価されていたものの、まさかもう日本新を出して優勝するとは!

 さらに伊藤選手も。箱根で激突した再現…てか、その数倍のバージョンアップ版をこんなに早く見せてもらいました。も1回拍手!

 

 コエチ選手はご苦労様でした。

 昔はペースメーカーなんだかペースブレイカーなんだか分かんないようなアフリカ選手も多かったのですが、きっちり計算してアシストしてくれましたね。

 自分の競技もあるのに、本当に有難いことです。

 

 

 女子編です~。

 マスコミも注目!今大会のメインは女子の5000m・10000mですね。

 

 ★女子5000m

 既に参加標準記録を突破している田中希実・廣中璃梨佳選手の激突です。勝った方が五輪内定!あと、実は有効期間外にほぼ同じくらいのタイムを出している萩谷楓選手がいますね。

 外国人選手も出場しますが、むしろ置いて行かれるかも。田中、廣中選手はグイグイ自分でも押していけるので、14分台、日本新記録が出る可能性も十分あります。

 

 ★女子10000m

  これも既に参加標準記録を突破している新谷仁美選手に注目です。今シーズン、駅伝でも異次元の強さを見せており、優勝は大前提で、いったいどんなタイムを出すのか!?というところに興味が行っていますね。日本記録の大幅更新もあるかも?

 

 対抗はマラソン代表の一山麻緒選手。残念ながら、代表を目指す松田瑞生選手は欠場です…。福士加代子選手もエントリーはしたものの、欠場ですね。

 一方で、市民ランナー代表!の山口遥選手もエントリーです。

 

 

 ★女子3000m障害

  体格的に、日本の女子選手には厳しい種目で、今回もちょっとオリンピックには遠いようです。

  そもそもまだ普及も十分ではなく、トップ級の層が薄い…というのが課題ですね。

 

 この種目で6連覇の実績があり、26年間で4種目計25回入賞!昨年は、なんと!47歳にして出場を果たしたレジェンド・早狩実紀さんのエントリーはありません。

 

 ちなみに今回のエントリーの中で、女子の30歳代選手は3種目計7名。以前よりはだいぶ息が長くなりました。

 

 

 〇テレビ放送
12月4日(金)NHK BS1 16時00分~19時10分

 

 

 

 

 

 

  各種目の見どころです。(個人の感想です)

 

 ★男子5000m

 非常に残念なことに、今シーズン13分18秒台をマークしている遠藤日向選手が欠場です…。

 遠藤日向…この名前を覚えておいてください。エンドウ・ヒュウガくんです。日本の若手のホープです。世界で活躍できる素材です。

 

 まあ、出ないんだから仕方ないですけど、この種目は五輪内定!…はちょっと難しいかも知れません。

 その代わり、遠藤選手よりもっと若手のNextランナーが凄い!1年生ながら既に大学生ナンバーワンの呼び声高い中大の吉居選手、高校記録を更新したスーパー高校生石田選手などもエントリーしています。駅伝ファンはこのあたりの方に注目ですね。日本記録は難しくても、アンダー世代の日本新は出るかも。

 

 ★男子10000m

  参加すること自体が難しい日本選手権ですが、エントリーが、な、なんと55名でA・B二組に分かれて行われます!そういえば昔は予選もあったような…。

 やはり厚底シューズ効果ですかね。今シーズンはとんでもない記録ラッシュになっています。そこらへんの記録会でも28分30秒を切るような選手が続出しています。

 シューズのみならず、コロナでしばらくレースがなかったので、例年以上に練習が積めている!という話もありますね。この点は市民ランナーレベルでも同様で、大会こそないものの、走力が格段に上がっている方がけっこうおられるようです。今までレースに出過ぎだった?

 

 それはともかく、この種目は、既にマラソン代表になっている大迫傑選手をはじめ、トップ級が勢ぞろい!です。あとは流れだけですので、外国人選手にうまく着いていくことが出来れば、けっこうなタイムも出るかも知れません。

 

 ★男子3000m障害

 市民ランナーには最も馴染みのない種目ですが、、、むか~しむかし、高校時代、なぜか校内陸上大会にこの種目があり、パン食い競走と勘違いしてエントリーしたみんなが風雲たけし城みたいなことになって大笑いしながら見ていたのを思い出します。

 

 残念ながら、ほぼ五輪内定確実!とみられていた順大の三浦龍司選手は欠場です。練習中、ハードルに足をぶつけたらしく…。箱根もあるので大事を取って~ということのようですね。

  

 ただこの種目は、今シーズン、一気に層が厚くなりましたので、記録も優勝争いも注目です。ちょっと前までは塩尻選手の独断場でしたが、今回は三浦選手抜きでも、塩尻レベルが数人います。ハイペースの展開になると、おもしろいですね。

 

 

 さらに続く~次は女子編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日、12月4日は、「鬼滅の刃」23巻の発売日…だけでなく、日本陸上競技選手権・長距離種目の開催日です。

 

 正式名称は

第104回日本陸上競技選手権大会・長距離種目
兼 東京2020オリンピック競技大会日本代表選手選考競技会

 原則、1年に1回ですから100年以上前からやっています。それぞれの種目の、その年の、よ!日本一!を決める大会です。
 
 その年の、タイムがいちばん良い人が「日本一!」の称号を得られるわけではありません。この大会で優勝した人が日本一!なのです。そこがランキングと選手権の違いですね。選手権で優勝した人=選手権者=チャンピオン!です。
 
 「長距離種目」と銘打っているのは、短距離・中距離・跳躍・投てき・混成・競歩・マラソンーは、これとは別に実施されているということです。これまでも10000mは分離開催されていましたが、今年は長距離種目(5000m・10000m・3000m障害)を丸ごと分離したわけですね。
 ちなみにマラソンは、3月のびわ湖毎日マラソンが兼ねていました。
 
 さてさて、今年のこの大会は、いろいろいわくつきです。
 そもそもコロナで、スポーツ全般がグダグダになっていて、日本選手権の本体自体も10月にやっとこ開催されました。
 
 で、長距離種目です。その10月に一緒にやっても良かったんでしょうけど、今年は東京オリンピックの代表選考も絡むので、その参加標準記録が有効になった12月1日以降(第2期)で、少しでもタイムの出そうな時期に…ということもあって、なんやかんやでこの日になったのでしょう。
 
 既に駅伝・マラソンシーズンに突入!ということで、いいんだか悪いんだか分かりませんが、その駅伝に向けて仕上げていくからか、記録会等では11月~12月くらいがいちばん記録ラッシュになる!ということもありますね。
 
 目先の駅伝と、どうなるかまだ分からないけど夢の東京オリンピック日本代表― なかなか天秤にかけづらい取り組みであるのがビミョーなところですが、そこがまた今回の見どころでもあります。
 
 まあ、市民ランナーの方は、陸上のトラックレースはあまり興味ないかも知れませんが、本来はトラックがメイン、駅伝がサブ…的な位置付けではあるのです。昨今は駅伝の"人気"がロケット的に爆発し、大幅に先行しちゃってはいるのですが。
 日本選手権で優勝したり入賞したりするというのはまさに日本のトップに君臨する!ってことなのですが、なぜか駅伝の区間賞なんかの方が賞賛されるというのは実はおかしな話なのです。
 日本選手権で入賞した学生ランナーが「この勢いで箱根駅伝も頑張ります!」みたいなことを言うこともありますが、おいおい、逆だろ…と思うこともありますね。
 
 で、オリンピック選考ですが~
 代表内定の条件は、この大会の優勝者で、この大会が終わるまでに参加標準記録を突破している選手―ということになっています。
 
 誰かが必ず優勝するわけですが、標準記録を突破していないとダメなんですね。
 その参加標準記録は―
 男子5000m 13分13秒50
 女子5000m 15分10秒00
 男子10000m 27分28秒00
 女子10000m 31分25秒00
 男子3000m障害 8分22秒00
 女子3000m障害 9分30秒00
 
 さすがオリンピック…ほぼ日本記録前後くらいの水準です。現段階の突破者も数人しかいません。
 それだけに今回は、勝負もさることながら、記録へのチャレンジ!も見どころになります。
 
 おや?と思ったのは、今大会で優勝したが参加標準記録には及ばなかっ た。その後別の大会で標準記録を突破した~という場合は、内定しない!ということ。これは今までの五輪・世陸の代表選考と違うところですね。今までは、後出し!でも良かったのです。温情を排し、日本選手権重視とする姿勢のようです。
 
 本来、選手権大会にはペースメーカーは着かない(そのため、超スローペースになることもある)のですが、国内の実業団等に所属する外国人選手がオープン参加しますので、結果的にその役割を果たしてくれることになるでしょう。知らんけど。
 
 (続く)