小学校での読み聞かせ活動記録 -23ページ目

絵本-し

グリム, フェリクス・ホフマン, せた ていじ

しあわせハンス―グリム童話

24P/22×30/福音館/1976/読み聞かせにかかる時間-5分/季節-なし



このお話はグリム童話です。


主人公のハンスは、


長年奉公していたご主人にいとまごいをしました。


主人は、ハンスに奉公の給料として、


ハンスのあたまほどもある金の塊を渡しました。


家に向う途中、金の塊は、


馬→年をとった牝牛→豚→がちょう→砥石と道端の小石になりました。


その二つの石も泉に落としてしまいました。


こうして、手ぶらになって身軽になったハンスは、


「重荷になっていた石がなくなって、運がいいや


僕は、幸せもんだなぁ。」と言いながら


家に帰りましたとさ。というお話です。




子供達は、変なものと交換してゆくハンスの話を聞きながら、


内心は、「馬鹿だなぁ。」と思うでしょう。


でも、「次はどうなるのかしら・・・」と興味津々で聞き入ります。


これとまったく反対の内容に


日本昔話の『わらしべ長者』というのがあります。


こちらは、どんどんいいモノと交換して大金持ちになるお話しです。


どちらも、現実にありそうなお話で、


子ども達は、どんどんそのお話の中に


引き込まれてゆくのが感じられます。



今の世の中は悪い人が多いので、


ハンスのようにだまされないように、


気をつける必要があるかも知れませんね。


あまりにも両極端なお話なので、


『しあわせハンス』と『わらしべ長者』の二冊を


同時に読み聞かせをしてみたい気がします。


サムイル・マルシャーク, うちだ りさこ, ウラジミル・レーベデフ
しずかなおはなし

12P/28cm/福音館/1974初版/読み聞かせにかかる時間―4分/季節-はりねずねの親子が歩くのは、真夜中の秋の小路なので、秋の夜かな。



この絵本は、小さな声で読むお話です。


灰色のハリネズミの親子の話です。


真夜中の秋の小路を歩いていたときの話です。


はりねずみの親子が静かに


とふ とふ とふ と歩いていると


二匹のおおかみが忍び寄ってきました。


はりねずみのとうさん、かあさんは


まりのようにまるくなった。


ぼうやもまるくなった。


おおかみたちは、まりのぼうやを転がす。



その時、遠くの森で鉄砲の音が鳴り響いた。


狼達は、逃げていってしまった。


小さな声で読むお話の終わり。



詩人マルシャークが子どものために作った詩に、


レーベデフが絵をつけたロシアの代表的絵本です。


子どもと一緒にぬくぬくとした布団の中で


眠りにつくまえに読みたい絵本です。


だけど、昼間読んだっていいじゃない?


はりねずみの親子やおおかみにとっては


真夜中が起きている時間なんだもの。


真夜中の森は、人間が思っているほど


静かじゃないのですからね。



読み聞かせの講習会でよく聞く話ですが


ざわついた教室の時は、声を張り上げるのではなく


少し声を落として話をするのが良いのだそうです。


聞こえにくいから、子どもたちは何を話しているのか


興味をかきたてられて、聞き耳を立てるのだそうです。



だけど、授業参観やPTA集会の保護者達は、


先生や役員の発表が聞こえないと


これ幸いに大声で、私語を交わすんですよね。


近頃の子どもたちは、こういう親に育てられている割りに


捨てたもんじゃないわね。と思うけど、


少しずつ親に近い言動をするようになっちゃうんですよね。



神沢 利子, 山本 純郎
しまふくろう -どきどき☆しぜん

25P/26cm/福音館-かがくのとも傑作集/読み聞かせにかかる時間-6分程度/季節-なし。しまふくろうは、北海道の生き物で、その一年間の生態を写真で捉えた写真絵本です。


しまふくろうの生態を丹念に写真で追ってゆく写真絵本です。一つの生き物について、簡潔に判り易い、かがくのともの多くの作品は、ストーリーのある読み物に興味のない子供達でも、真剣に聞いてくれることがあり、色々な個性のある公立の小学生を相手にする時は、重宝しています。


かがくのとも傑作集は、『どきどき☆しぜん』-動物・星座などについて。『わくわく☆にんげん』-道具や人体・料理などについて。『わいわい☆あそび』-紙ひこうきやしゃぼんだまなどの遊びについてという大きな三つの分野に分けられているようです。


読み聞かせで使いやすいのは、『どきどき☆しぜん』と『わくわく☆にんげん』ではないでしょうか。『わいわい☆あそび』は、実験的な内容が多く、実演しないと実感がわかなかったり、思わずやってみたいくなるものが多いのです。特別なイベントの時には、良いかもしれませんが、まだそういうか機会がないので、何ともいえません。


野坂 勇作
しもばしら -かがくのとも傑作集

27p/25×23cm/福音館書店-どきどき☆しぜん/読み聞かせにかかる時間-6分程度/季節-冬



寒い朝、はーちゃんは、おばあちゃんと一緒に畑に大根を取りに行きました。すると、足元から不思議な足音がします。見ると、地面に何かが生えています。おばあちゃんに聞いたら、「霜柱だよ」と教えてくれました。



都会では、道路が舗装されめっきり「土」を見たり「土」に触れたりすることがとても少なくなってきました。その上、温暖化のせいか、霜柱を見かけることが少なくなったように思えます。



それでも、不思議な事に興味を持ち、それを科学的に監察する力のついてきた中学年以上の小学生には、とても喜ばれる絵本です。特に、後半には冷蔵庫で霜柱を作る方法が詳しく描かれており、実験も楽しめる作品です。


マージェリー カイラー, Margery Cuyler, S.D. Schindler, 黒宮 純子, S.D. シンドラー
しゃっくりがいこつ

32P/26×26/セーラー出版/読み聞かせにかかる時間-2分程度/季節-ハロウィンのかぼちゃを作ったり落ち葉の掃除をしているので、秋かな。


朝、目を覚ましたらがいこつはしゃっくりをしていました。シャワーを浴びているときも、歯を磨くときも、友だと遊んでいる時も、しゃっくりは止まりません。「息を止めてご覧よ」「さとうをたべてご覧」「指で目玉を押さえてご覧」「逆立ちして水を飲んでご覧」・・・友だちは、色々と助言しますがしゃっくりは止まれません。最後に思いついた奥の手は・・・。


思ったとおりのストーリー展開なんですけど、インパクトが大きくって、病み付きになる絵本です。がいこつの使っているベットには「やすらかにねむりたまえ」というメッセージが彫られていたり、骨のお手入れには「美骨・艶出しスプレー」を使っていたりと、小道具にも凝っていて、絵本ならではの醍醐味が堪能できます。全国学校図書館協議会主催の第11回目日本絵本大賞の中の日本絵本読者賞を受賞した作品です。


こういう作品が、感覚的に好みの自分ってどうよ?とちょっと不安ではありますが・・・余りにも個人的に気に入ったので、紹介させて頂きました。しかも、市内の図書館には、1冊しか蔵書がなかったのですが、「絶対にうちの小学校の読み聞かせに使いたいから」と頼み込んで、4冊も購入してもらいました。この絵本を読み聞かせに使える日が来るのが待ち遠しいです。


 
唐 亜明, 于 大武
十万本の矢―三国志絵本  

32P/23×30cm/岩波書店/1997初版/読み聞かせにかかる時間-8分程度/季節-通年


1800年前の中国の魏・呉・蜀という三国時代が舞台の絵本です。


蜀の軍師である孔明が、呉と力を合わせて魏を打ち破ろうと考え


呉の国の王の孫権に謁見を申し出ました。


呉の軍師の周瑜(しゅうゆ)は、孔明の才能をねたんでいたので


孔明を困らせようと


「十万本の矢を10日以内に作ってくれたら協力します。」と申し出ました。


すると孔明は「3日で充分ですよ。」と応えます。



孔明は周瑜の部下にわら人形を積んだ20隻の船と600人の兵隊を借り


深い霧の立ち込める長江の北岸へ漕ぎ出します。


そして、兵士達に太鼓を打ち鳴らさせますと


魏の軍勢は、濃い霧の中から闇雲に矢を放ってきました。


孔明の用意したわら人形にたくさんの矢が刺さり、これを数えると


十万本以上の矢が手に入りました。



孔明は、次のように種明かしをしました。


軍をひきいるものは、天文、地理にくわしくなければ なりません。



わたしは、周瑜どのに会ったとき、きょうの霧を予想していました。



だから三日という約束をしたのですよ。





この絵本は、羅貫中作『三国志演義』第四十六回の話に基づいたものだそうです。


三国志は、もう絵本というより物語や小説で楽しむべき作品だと思います。


けれども、小学生が『三国志』を積極的に手にとって読むかというと


少々疑問が生じますね。


三国志って、こういう物語だよ、という


ブックトークの導入に読み聞かせる絵本として紹介したりすると


面白い絵本かも知れません。



ところで、舞台が中国といえども内容は戦国時代の武将の話。


内容が内容なだけに、絵本でありながら


音読する声は、腹の底から低い声ではっきりと読むのが良いと感じました。


森繁久彌のマクベス調で読むなんていかがでしょう?


宗正 美子, いもと ようこ
しゅくだい  

31p/25×25cm/岩崎書店/2003年/読み聞かせにかかる時間3分程度/季節-もぐらの赤ちゃんの産まれた直後って、一年中かな?


やぎのメエコ先生が皆に宿題を出しました。「だっこ」の宿題です。もぐらのもぐくんは、家に帰ってもなかなか宿題の事が言い出せません。夕食時にやっと今日の宿題の事を切り出すのです。そこで、お母さんとお父さんとおばあちゃんに一杯しゅくだいを手伝ってもらいました。翌朝、登校してきた子ども達は、元気一杯でした。


もう、最高の絵本です。実は、長女が二年生だった時の担任が、実際にこの絵本を教室で読み、抱っこの宿題が出ました。多くのお母さんから、「久しぶりに抱っこをした。」「子どもが大喜びだった。」「重くなっていてびっくりした。成長を実感した。」等という反響がたくさんあったそうです。


中でも一番圧巻だったのは、妊娠中のお母さん。もう、はちきれんばかりのお腹を見て、その子は、宿題を言い出せなかったそうです。けれども連絡帳には「しゅくだい-ひみつ」と書いてあります。忘れ物になっては可哀そうだと思って問い詰めたら「いいんだ。お母さんのお腹の中には、赤ちゃんがいるんだから。僕、宿題できなくても我慢するよ。」


お母さんは、にっこり笑って、その子をテーブルの上に立たせました。「ほぅら。赤ちゃんと一緒に、○○君を抱っこしているよ。抱っこって気持ち良いね。」と言って、○○君を抱きしめてあげたそうです。とっても素敵なエピソード。こういう経験は、子どもにとっては宝物ですよね。


実は、その日我が娘は学校を休んでおりまして、抱っこの宿題はできのせんでした。でも、もうすぐ四年生になるというのに、毎晩布団の中で、抱っこをせがみ、ぬくぬくとしながら眠っていますから、案外感動はなかったかも知れないですね。現実ってこんなもんです。



ガース・ウイリアムズ, まつおか きょうこ
しろいうさぎとくろいうさぎ  

30p/32×24/福音館書店/1965年初版/読み聞かせにかかる時間-6分前後/季節-ひなぎく・きんぽうげ・たんぽぽの咲く季節なので春


広い森の中に住んでいる白いウサギと黒いウサギのお話です。二匹はいつも仲良く一緒に遊んでいました。ある日の事です。黒いウサギが考え事を始めました。白いウサギは何をそんなに悩んでいるのかを聞き出します。すると、黒いウサギがいいます。「僕ね、いつもいつも、いつまでも、君と一緒にいたいんだ。」すると白いウサギは「いつもいつも、いつまでも一緒にいるわ。」とこたえます。


そして二匹は、たんぽぽの花を摘んで結婚式をしました。明るい月の光の中で、森の動物たちも集まってきてダンスを踊ります。結婚をした二匹は、いつまでも楽しく暮らしましたとさ。


この作品も、非常に優れた絵が特徴の絵本です。白と黒のコントラストで描かれた精密なウサギや森の風景。そして、時々描かれる野の花の黄色。この絵本、内容的に結婚祝いに差し上げるというのも素敵何時やないかと密かに思っています。誰かにブレゼントしようと思ったものの、身近なところには結婚しそうな年齢の人がいないんですよね。


方 軼羣, 君島 久子, 村山 知義
しんせつなともだち

28p/20×27cm/福音館書店/1965年初版/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-冬



雪がたくさん降って、野も山もすっかり真っ白になりました。子うさぎは食べ物を探しに外に出ます。するとかぶを2個見つけます。一つは自分で食べますが、もう一つは友達のろばさんのところに持って行きました。持って言ったかぶは、巡り巡って、子うさぎのところへ戻ってくるというお話です。



「雪がこんなにふって、とても寒い。○○さんはきっと食べ物がないでしょう。このかぶを持っていってあげましょう。」と繰り返される歌うような言葉の繰り返しは、優しい気持ちがたくさん詰まっているように思えます。

ルドミラ・ゼーマン, 脇 明子
シンドバッドの冒険

24P/30cm/岩波書店/読み聞かせにかかる時間-20分弱/季節-通年



『シンドバッドの冒険』は、


千夜一夜物語に出てくる物語の中の一つです。


その他に『アリババと40人の盗賊』『アラジンと魔法のランプ』なども


有名ですね。


『千夜一夜物語』は残酷なシャーリヤール王と


かしこいシェヘラザードとの物語の中に、


シェヘラザードが語るたくさんの物語が入っている


「入れ子」の形になったお話です。


絵本として読むよりも語ることに適した物語ということです。


時間に余裕があれば、原作を毎日少しずつ「全部」


話してあげたいものです。



小学校の朝読書の時間を利用した読み聞かせだけでは


実現は不可能だと思います。


だから・・・せめてその要約した作品だけでも紹介したいですね。


要約した作品とはいえ、三部作の第一部。


二十分近くの大作絵本です。


正直な話、試してみないと子どもたちの反応は判りません。



さて、本書の内容ですが・・・


シャーリヤール王に嫁いだシェヘラザードが命を永らえるために


毎夜語ったお話を書き留めたもののうちの一つとなっています。


それは、シンドバッドがどうしてお金持ちになったか、


その冒険話だったのです。


最初、シンドバッドは裕福でした。父がお金持ちだったからです。


けれども、好き放題に暮らすうちにシンドバッドは


お金持ちの父の財産を使い果たしてしまいました。


そこで、港へ出て商人になって交易をするようになったのです。


航海を続けるうちに不思議な島にたどりいたと思ったら


それは巨大なくじらの背中でした。


一人で海に置き去りにされたシンドバットですが


九死に一生を得て、大きな鳥の巣のある島にたどり着いたのです。


その鳥は、爪にゾウの子どもをひっかけていました。


それもそのはず、その鳥はロク鳥という怪鳥だったのです。


シンドバッドは知恵を働かせて、ロク鳥の巣の島から


逃げ出しましたが、逃げた先は大蛇の谷でした。


この谷にはダイヤモンドがたくさん転がっていて


大蛇は宝物の番人だったのです。


そして、ロク鳥の大好物が大蛇なのです。


絶対絶滅のシンドバッドは、ここでも知恵を働かせて


谷から逃れることができました。


しかも、ポケットには大きなダイヤモンドが入っていました。


シンドバッドの冒険はまだまだこれからも続きますが


第一巻に収録されているお話はここまでとなっています。


続きは、以下の通りです。



ルドミラ・ゼーマン, 脇 明子
シンドバッドと怪物の島
Ludmira Zeman, 脇 明子, ルドミラ ゼーマン
シンドバッドのさいごの航海

絵本-す

Wanda G´ag, さくま ゆみこ, ワンダ ガアグ
スニッピーとスナッピー

48P/20×27/福音館/1999/読み聞かせにかかる時間-14分程度/季節-なし。でもねずみが主人公だから、活動期って事で、春~秋かなぁ。


スニッピーは野ねずみの女の子。スナッピーは野ねずみの男の子。二匹は、両親と一緒に原っぱの隅っこの巣穴の中で暮らしていました。ある日、毛糸だまで遊んでいると毛糸球がころころと転がって行ってしまいました。さぁ、小さな二匹の小さな冒険の始まりです。


ねずみの話だと、真っ先に頭に浮かぶのが、イブ・タイタス作『ねずみのとうさんアナトール』という作品です。そういえば、どちらの作品もねずみの父さんが活躍するお話です。一家の大黒柱であるお父さんの活躍する絵本と言うのは割と少ないので、大いに活用して、家庭での父親の地位を少しでも高めてあげたいと思います。


ちなみにこの作品の絵を描いているのは、『100まんびきのねこ』のワンダ・ガアグです。線描で描いた独特の世界は、この作品でも健在です。単色だからこそかもし出す事のできる不思議な世界は、子供達だけでなく大人さえも虜になってしまうでしょう。


八板 康麿, 杉浦 範茂
スプーンぼし(ほくとしちせい)とおっぱいぼし(カシオペア座)

27P/26cm/福音館/1992年初版/読み聞かせにかかる時間-2分/季節-冬。この絵本は3月頃の夜空を撮影したものだそうです。季節を先取りして読んであげるのも善し。ジャストタイムで読むのも善し。ですね。


【北斗七星にまつわるギリシア神話】


月と狩の神アルテミスに仕えるニンフのカリストは、


ゼウスに愛されて、アルカスという男の子を産みました。


これを知ったアルテミスはカリストを熊にしてしまいます。


何も知らずに成長したアルカスが


狩でこの熊を射殺そうとした時


ゼウスがこの二人をおおぐま座とこぐま座にして


母殺しをする罪から救ったのでした。


北斗七星はおおぐま座の一部です。



【カシオペア座にまつわるギリシア神話】


アンドロメダ姫の母親であるカシオペアは、自慢好きで


海の妖精と娘の美しさを比べた事から


海の神ポセイドンの怒りを買ってしまいました。


どんなに許しを請うても怒りは収まらず


大鯨の生贄としてアンドロメダを


差し出さなければならなくなりました。


ここに、メデューサの首を持った


ペルセウスが通りかかって大鯨を退治し


アンドロメダとペルセウスは結婚をするのでした。



ロマンチックな夢物語が大好きだった高校生の頃


暇を見ては、ギリシア神話を読んでいたのを思い出しました。


でも、神話と実際の夜空に浮かぶ星座が結びつく事は


ありませんでした。



関東地方の空は、


ビルや建物に囲まれてとても小さいのです。


たくさんのネオンに阻まれて、星々の光は


とても弱いのです。



よぞらに スプーンのかたちをした


  ほしがあるのを しっているかい。


こんやはれていたら みてみようか。



こんな形で始まる北斗七星とカシオペア座を見つける絵本です。


この絵本を高校生の頃に読んでいたら


ギリシア神話はもっと身近だったかもしれないと思いました。

絵本-せ

バージニア・リー・バートン, いしい ももこ
せいめいのれきし―地球上にせいめいがうまれたときからいままでのおはなし

76P/24×26cm/岩波書店/1964年初版/読み聞かせにかかる時間-30分以上/季節-通年


作者のバージニア・リー・バートン(1909-68


『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』


『ちいさいおうち』


『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』


『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』等の


素晴らしい実績の持ち主です。



詳しくは

バーバラ エルマン, Barbara Elleman, 宮城 正枝
ヴァージニア・リー・バートン―『ちいさいおうち』の作者の素顔

に書かれていますが、


著者は、氷河時代だけでも35枚の彩色画を描き


『せいめいのれきし』を完成させるのに8年間を費やしたそうです。



宇宙の中の一つの惑星である地球が何十億年も前に生まれ


少しずつ星として成長をして、生物が生まれるまでの様子。


生き物の進化の様子。


地球は、今から約46億年前にできたといわれていますが


類人猿から人類が分化したのが400~500万年前で


ホモ・サピエンスが誕生したのが15万年前位です。


本作品は76Pで構成されていて


地球の歴史に比べれば人類の歴史は非常に浅いのですが


人類が出てくるのは48Pくらいからです。



それでも、人間は自然と共に生きる事に喜びを感じ、


生命の限り精一杯生きているのです。


『せいめいのれきし』という絵本は、現代までの


地球の歴史を綴ったものですが、


地球の未来は、私達が作り出してゆくものだと


作者は語っています。



この作品は、壮大な地球という生命の叙事詩です。


小さな絵本の中に、何十億年もの地球の記憶が描かれていて


絵本がまるで宇宙のように感じられます。


地球温暖化が危機的な状況にあるにも拘わらず


自己の利益追求に忙しくて、何ら決断をしない大人たちも


この絵本を読んで、稀有に美しい地球を守ろうと


考えて欲しいものです。



30分を超える大作であり、細かい描写が多い作品ですが


小学校卒業までに是非とも、子どもたちに読んであげたいと


思わずにはいられない作品です。

マーシャ・ブラウン, 渡辺 茂男
せかい1おいしいスープ―あるむかしばなし  

52P/25.6×20.2/ペンギン社/1979/読み聞かせにかかる時間-10分程度/季節-食べ物が残り少ないし、体が温まるおいしいスープの話だから秋から冬かなぁ。



腹ペコで疲労困憊しているの兵隊達を冷たくあしらう村人達に対して、三人の兵隊は知恵を絞り、石で作る「世界一おいしいスープ」を作ることにしました。隠し味に、塩・こしょうがいるな。人参が入ると尚、おいしいよ。と次々と村人達から、食材をget。仕上がったスープを村人達にも振舞ってあげて、村人達は「石で作ったスープがこんなにおいしくなるなんて・・・」と大感激で、「村中で一番上等のベット」でひと眠りできるおまけまでついてきます。



ストーリーがしっかりしているので、お話の内容の邪魔にならない、挿絵が、good job !です。絵本を読み終わってから、作者を見たら・・・『三びきのやぎのがらがらどん』や『パンはころころ』を書いたマーシャ・ブラウンでした。う~ん。流石です。



中学年以上の子供達なら、兵隊さんたちの知恵も村人達の意地悪さも愚かさも理解できそうだし、時間もどんぴしゃり!いいんじゃな~い。と思っていたら・・・絶版なんですって。図書館で借りるしか手に入らないなんて、かなり残念な絵本です。300円台のアニメ絵本の出版を抑えて、こういう絵本の継続出版をして欲しいものです。


ガブリエル バンサン, もり ひさし
セレスティーヌ―アーネストとの出会い


171P/20×27/ブロークン出版/1988初版/読み聞かせにかかる時間-10分以上いくらでも/季節-通年。



作者のガブリエル・バンサンは、ブリュッセルの美術学校で絵画を学び、


以後長期にわたりデッサンに専念した女流作家です。


作者は日本の水墨画をも学び、セレスティーヌなどの


デッサンで描いた多くの名作を遺しています。


2000年9月24日、享年72歳で亡くなっています。



セレスティーヌは、絵本という分類にして良いのかどうか・・・


171Pもある大作です。


約半分のページは絵だけで構成されています。


しかも、単色のデッサンです。


文章も、ほとんどが一行から二行だけです。



それでも、アーネストとセレスティーヌの出会いが劇的に描かれ、


アーネストのセレスティーヌに対する惜しみない愛情が感じられ、


セレスティーヌに見られる新生児特有の愛らしさが表現された


完成度の高い優れた絵本となっています。



二児の母である私は、不覚にもこの絵本を見て涙がこぼれました。


産まれたばかりの赤ちゃんって


こんなに小さくて、弱々しくて、愛さずにはいられない存在だったわ。


心配で、愛おしくて、ひと時も目を放したくなかったわ。



こういう気持ちは、文章にするよりも視覚に訴えるほうが


よほど心に「ズン」と響く感じがします。



さらっと読み流せば、10分で終わってしまう絵本ですが、


気がつけば20分でも30分でも眺めていられる絵本です。



こんなにも深く大きな愛情に包まれて大きくなったんだという感謝の念と


憎まれ口を叩く腕白で反抗的な子どもたちに対する愛情が改めて湧き上がる


素晴らしい作品です。


親子でゆったりとした時間の中で楽しみたい一冊です。



ガブリエル バンサン
たまご‐L’OEUF

文字のない絵本です。


不思議な世界が印象的です。



ガブリエル バンサン
アンジュール―ある犬の物語

デッサン力のある作品というのは、


これほど説得力があるのかと感動させられました。




カブリエル・バンサンの作品の多くは


大きな集団に対しての読み聞かせには向いていませんが


親子や親密な関係の小さな読み聞かせや


一人でゆっくり楽しむための絵本として


いつも手の届くところに置いておきたい作品が多いように思います。

絵本-そ

ジャン・ド・ブリュノフ, やがわ すみこ
ぞうのババール―こどものころのおはなし

48p/26.8×19.4/評論社/1974年初版/読み聞かせにかかる時間-7分程度/季節-通年


ババールは、大きな森の国で生まれました。ババールをとても可愛がっていたお母さんは、狩人に打たれて死んでしまいました。狩人につかまったら大変と、ババールは大きな森の国を逃げ出し、町で暮らす事にしました。

ぞうの気持ちの判るお金持ちのおばあさんと暮らすうち、すっかり都会の生活に慣れたと思ったババールでしたが、やっぱり故郷が恋しくて時々は、涙が出るのでした。


そんなある日、二頭の小象がやって来るのを見つけました。いとこのアルチュール(♂)とセレスト(♀)でした。二頭は、大きな森の国からこっそり抜け出してきたのでした。そこで、二頭と共にババールも国に帰ることにしました。

さて、国ではぞうの王様が毒キノコを食べて死んでしまい、新しい王様を選んでいる最中でした。丁度そこへ、人間の世界で沢山の知識を持ったババールが帰ってきたのです。皆は、ババールを王様にすることに決めました。ババールはセレストと結婚して、象の国の王様とお后様になったのです。二頭は、立派な気球に乗って新婚旅行にでかけましたとさ。おしまい。


この絵本は、10冊のシリーズになっています。


1.ぞうのババール
2.ババールのしんこんりょこう
3.おうさまババール
4.ババールとこどもたち
5.ババールとサンタクロース
6.ババールといたずらっこアルチュール
7.ババールとりのしまへ
8.ババールのはくらんかい
9.ババールとグリファトンきょうじゅ
10.ババールのひっこし

ジャン・ド・ブリュノフ, 矢川 澄子
ババールのしんこんりょこう

48P/26.8×19.4/評論社/1974年初版/読み聞かせにかかる時間-16分/季節-ぞうの国の話で別世界だから通年。


ぞうのババールのシリーズの二冊目の作品です。


象の王様ババールとお后のセレストが新婚旅行に出かけることになりました。気球に乗って、大海原へ門出してしばらくすると激しい嵐にあってしまいました。どこかの島に不時着して、自炊を始めたとろこを原住民に襲われてしまいます。すんでのところで、クジラに助けられたのですが、二人を運ぶ途中でくじらは二人を海の中の岩の上に置き忘れてしまいました。途方にくれていた二人でしたが通りすがりの大型船に助けられます。けれどもそれはつかの間の幸せ。二人はサーカスに連れて行かれてしまいます。


その頃、象の国ではババールの従弟のアルチュールがサイのラタクセスにいたずらをしかけて遊んでいました。このいたずらにラタクセスは激怒しています。これが後に大事件となってしまいます。


さて、サーカスにいれられた二人は、色々なところを旅して回っているうちに、やさしいおばあさんに出会った町へやってきました。二人はサーカスを抜け出し、おばあさんと連れ立って、象の国へ帰ってきました。ところが、象の国では、サイ族と戦争のまっ最中でした。ババールの考え付いた計略で、戦争はみごと象の王国側の勝利に終わりました。けが人をすくってくれたおばあさんには、記念品として、小鳥の楽隊と小猿のゼフィールが与えられました。そして、ババールは、おばあさんにこの国で、一緒に暮らしましょうと提案するのでした。


シリーズものの面白さは、登場人物が次々と増えてくる事に起因する事が多いように思います。前作で登場した人物が、次回作では、より個性豊かな活躍をするようになるからでしょうね。第二巻に登場したゼフィールも今後のかつくが期待される一人だったと思います。


読み聞かせには、少々長い感じもしますが、時間があれば読んであげたい作品です。しかし、この長さは、読むことが苦手な子どもには、不可能に近い作品なのです。ところが、読むことが苦手な子どもでも、意外と聞くことは好きだったりするのです。テンポの良い作品は、少々長くたって、全然苦にならないみたいなのです。絵本を見慣れているお子さんだったら、就学前に読破している作品かも知れません。このあたりのバラつきが、公立の小学校の難しさでもあり、面白さでもあると感じています。

谷川 俊太郎, 柚木 沙弥郎
そしたらそしたら

26×21cm/32p/福音館書店/2000年初版/季節-なし/読み聞かせにかかった時間-3分程度


どこからか あおい ビー玉が ころがってきて 池に 落ちた。とっぽーん。そしたら、そしたら・・・かばが かばっと 出てきて 大きな くしゃみをした。ぐわーくしょん。そしたら、そしたら・・・びっくりして キリンが すべってころんだ。すってんきりん。そしたら、そしたら・・・どうなった?と延々と繰り返し続くストーリー。

子ども達は、繰り返し使われる言葉と、奇想天外な擬音に夢中になります。流石は、詩人谷川俊太郎。また、この詩に絵を描いた柚木沙弥郎(ゆのき さみろう)は、山下洋輔の作品にも絵をつけ、ジャズを文字と絵で表現する不思議な世界をかもし出す絵本を手がけています。

絵本-た

松居 直, 赤羽 末吉
だいくとおにろく

28P//20×27/福音館-こどものとも傑作集/1967/読み聞かせにかかる時間-4分前後/季節-川の水が増える時期だから梅雨かな。


これは、日本昔話で、松居直の再話に、赤場末吉が挿絵を描いたものなのだけど、初版が1967年なのですよ。今が2006年だから、もうすぐ40歳になる絵本ということです。


実は、読み聞かせや朗読・素話では、昔話は「よほどのことがない限り、失敗しない」と言われていて、「困ったときの昔話」ともてはやされているのです。長い時間を経て、余計な部分はそぎ落とされ、単純にして明快、勧善懲悪で人情味豊か、規範意識や善悪の判断を培う道徳性など、子ども達が生理的に好む要素のみで構成されているので、当然の帰結なのでしょうね。


これが、素話や朗読あたりだと、その通りと単純かつ、素直にうなずいてお仕舞いにできるのですが、絵本となると少々厄介な批判が出てきております。あまりに、有名であり子ども達に好まれるので、多くの出版社がこの昔話に目をつけ、雨後の筍のように昔話絵本が濫発されるようになってしまったのです。商業最優先社会の弊害です。


試しに、近所の図書館で検索をしてみて下さい。私のよく通う図書館のHPで『だいくとおにろく』を検索をすると5つの出版社の絵本が見つかりました。『いっすんぼうし』では6つの出版社、『かちかちやま』に至っては、10以上の出版社から出しているものを蔵書しています。ここには、アニメ絵本などの安価で現代風にアレンジした作品は入っていません。


こんなにたくさんある昔話ですが、どれもほんの少しずつ違っています。どの作品が優れているか、子ども向けというより商業主義に走った作品なのかを見極めるためには、たくさんの資料を読み、実際にその本を手にとって読んでみたり、皆で読み合いをして意見を交わす事が必要だと思います。


本当のところを言えば、昔話には、選りすぐられた要素がたくさんあるので、わざわざ絵本にする必要はないのではないかと言う人もいます。絵本は、情緒を育み、美的感覚を養い、想像力を広げてくれる大切な媒体ですが、時として逆に、想像力をそこで押し留めてしまうこともあることに気をつけなければなりません。


「昔、昔あるところに美しいお姫様がいました。」と言葉で聞けば、どんな美しいお姫様でも自在に自分の心の中で描くことが出来ます。これを絵本で見てしまうとが、美しいお姫様は、挿絵のお姫様でしかなくなってしまうのです。怖いトロルも、自分の想像するトロルは、挿絵のトロルとは絶対に違う筈なのです。


そういう中で、赤羽末吉さんの挿絵は、高い評価を得ているようです。日本的なイメージを損なわず、具体的過ぎず、抽象的過ぎず、丁度良いインパクトを持っているということでしょうか。ぎりぎり絵本になっていても許せる昔話絵本らしいのです。実は、私も今は試行錯誤のまっ只中。自分自身では、良品判断はできません。手当たり次第に絵本を読んでいる段階です。


ともかく、「困ったときの昔話」は、学べば学ぶほど深みにはまってしまうという、困った現象を引き起こすことがあることにご注意を!



だいこん だんめん れんこん ざんねん-かがくのとも/加古里子/27P/26cm/福音館/1984/読み聞かせにかかる時間-7分程度/季節-何故か鯉のぼりの断面図があるので、個人的にはこどもの日の前かな。


最初は、お母さんが台所にある野菜や果物を切って断面図の説明です。次は、金属や陶器を切ることができたとしたら、おなべやどんぶりの中身が判るのにと説明します。そして、断面図には色々な方向からのアプローチが出来ることや断面図の利用方法などを易しく、詳しく書いてある作品です。


『からすのぱんやさん』や『だるまちゃん』などのシリーズを書いた加古さんは、この作品でも、色々なモノの断面図を優しい色調でたくさんたくさん書いています。かがくとのともの中から優れたものだけが、年に数冊、ハードカバーになります。幼稚園児をターゲットにした月刊誌ではありますが、小学校高学年にだって、十分通用する内容です。


こうや すすむ, なかじま むつこ
だいず えだまめ まめもやし

28P/26×23/福音館/1992/読み聞かせにかかる時間-5分程度/季節-春~秋


ある春の日、三人兄弟のいちろう、はなこ、じろうは、お隣のおじいさんから、大豆を10粒ずつ分けてもらいました。そして、畑にまいて育てました。たった30粒の大豆から、たくさんの大豆が収穫できました。翌年は、各々が大豆を蒔いて管理することにしました。


忘れんぼうのいちろうは、水に浸しただけで種を蒔くのを忘れていました。気づいたら、豆もやしができていました。まめもやしは、もやしラーメンにして皆でおいしく頂きました。


青々と実った実をみて、「枝豆そっくり」と思ったじろうは、種が熟す前に収穫してしまいました。確かに、青いうちに収穫して、塩茹でするとおいしい枝豆ができたのです。あっという間に、三人で食べ終わってしまいました。


しっかりもののはなこは、大豆を収穫しました。この大豆は煮豆にして食べました。残りの大豆は、三人で分けて、来年、蒔くことにしました。


動植物を育てる絵本は、読んだ直後にやってみたくなるから、ちょっぴり季節を先取りして読むのがいいと思っています。ただ、あまりにも季節にこだわりすぎると、「じゃあ、一年に一回しか読めないの?」っていうことになってしまいますよね。大体、私の一番の仕事は読み聞かせボランティア団体用のお当番表作成のための「選書」ですから、図書館からは、ともかく手当たりしだい、面白そうな絵本を借りてくる訳です。


長すぎて、朝読書の時間には読み終えそうもなかったり、面白い絵本だと思ったら、蔵書数が少なかったり、人気がありすぎて、貸し出し中だったり、季節はずれだったり・・・。なかなか読み聞かせに適した絵本に出会うことは少なかったりしています。


我が家の次女は、私が読み聞かせに使おうと思って手当たり次第に借りてきた絵本を手当たり次第に拾い読みをしていますから、子どもって案外、季節を問わず面白いと思った絵本を読んじゃったりするんですよね。そして、ちゃんと心の中に蓄積していて、必要な場面でしっかり思い出したりするんですよね。


『だいどころにもはるがきた』島津和子作



24P/22×21/福音館書店/1994年/読み聞かせにかかる時間-1~2分/季節-台所の野菜を放置しておくと芽が出る時期・・・春


年少版・こどものともの特製版なので、文章は極力控えめです。その分、絵に力があります。ジャガイモ・玉ねぎ・キャベツ・ブロッコリー・長ネギ・人参・大根。どの野菜も生きているのです。土から掘り出され、茎を切られても、芽を出し花を咲かせる生命力の強さに子供達の目は釘付けになること間違いなしです。


でもね・・・主婦としては、こうなる前に、使いきらなくちゃ。と日夜努力をしているのです。ですから、この絵本を見ると、主婦としては失格だ。とか、こんなにズボラな人はいない。と滅茶苦茶こきおろしたくなるのです。でも、屈指のダメ主婦振りを発揮している私でさえ、キャベツから花芽が出るまで放置した事はありません。どちらかというと、腐って溶けていることの方が多いです。汚くてごめんなさい。


ヴァーナ アーダマ, Verna Aardemu, Marcia Brown, まつおか きょうこ, マーシャ ブラウン
ダチョウのくびはなぜながい?―アフリカのむかしばなし

31P/29cm/富山房/1996年/読み聞きかせにかかる時間-約9分/季節-なし。でも暑いジャングルの話だから、臨場感を持たせるために夏に読みたいなぁ。


昔々、ダチョウのくびは短かったのです。そんな昔のある日の事、一頭のワニが虫歯に悩まされていました。このワニの虫歯を引っこ抜いてあげようとダチョウはワニの口の中へ頭を突っ込みます。その時、ワニは朝ごはんを食べていない事を思い出し・・・。


このお話は、アフリカの昔話です。ワニが出てきたあたりから、結末が予想できる安心して見ることも聞くこともできる絵本です。『三びきのやぎのがらがらどん』『ぱんはころころ』などの挿絵を担当したマーシャ・ブラウンの絵にヴァーナ・アーダマの文を松岡享子が翻訳しています。昔話って、どこの国でも単純で楽しくって、飽きないですよね。


加古 里子, Richard McNamara, Peter Howlett, ピーター ハウレット, リチャード マクナマラ
だるまちゃんとうさぎちゃん 英語版
     ↑
  英語版ですので、表紙の参考資料です。
加古 里子
だるまちゃんとうさぎちゃん
     ↑
  実際に読んでみた絵本はこちらです。

28P/20×27/福音館書店/1972年初版/読み聞かせにかかる時間-7分程度/季節-雪だるまを作っているので冬。


今回のだるまちゃんの遊び相手は、妹のだるまこちゃんとうそぎちゃんとうさぎこちゃんです。雪だるまを作ったり、雪ウサギを作ったり色々なものを作って遊びます。おやつまで、色々なうさぎに変身してとってもたのしいひと時を過ごします。


手袋や新聞紙やナフキン、リンゴまでうさぎに変身するこの絵本を読むと、思わず真似をしてやってみたくなります。小さな頃、父や母と色々なモノを作った事を思い出しました。ほんの少し前の時代には、今みたいに高性能なおもちゃがなくとも、家族で楽しみながら簡単なおもちゃを作ったりして楽しんでいたんですよね。そんな楽しいひと時を思い出させてくれた絵本です。


だるまちゃんもシリーズです。(順不同)


だるまちゃんとだいこくちゃん

だるまちゃんとてんぐちゃん

だるまちゃんとかみなりちゃん

だるまちゃんとうさぎちゃん

だるまちゃんとてんじんちゃん

だるまちゃんとりんごちゃん


平山 和子
たんぽぽ
23P/26cm/福音館書店/1972年初版/読み聞かせにかかる時間-4分/季節-たんぽぽの咲く時期(春~秋なんですけどイメージ的にどうしても春!と言いたいですね)

この作品は「かがくのとも傑作集」ですから、科学絵本といえるでしょう。たんぽほについて、詳細で精密な絵と意外な事実を判り易く説明した絵本です。


最初にたんぽぽは、コンクリート間にさえも生えるという強い生命力を説明し、白いさんぽぽがあることも教えてくれます。冬の間の越冬方法も「ほぉ。そういえばそうだった」と思わせてくれます。圧巻なのは、土の中の様子です。たんぽぽの根は、太くて長くて生命力も抜群です。このような資格に訴える説明は、絵本でなければできないものでしょう。


また、ひとつの花だと思っていたものが小さな花の集まりで一かたまりの花は、百以上の小さな花の集まりだということを調べた記載もありました。都会でも身近に見られるたんぽぽについて書かれているので、子ども達は興味津々でこの絵本を眺めています。この絵本を読んでも笑い声は聞けませんが、「おぉ~!」という感嘆の言葉は難解も聞くことができます。せっかくなので、根っこの描写の部分は、コピーをして実物の大きさを実感してもらおうかしら。


ちなみに、同じ題で違う出版社・違う作者さんで絵本が色々出ていますね。代表作として、一つだけ下にピックアップしてみました。


甲斐 信枝
たんぽぽ

37P/27cm/金の星社/1984年初版/読み聞かせにかかる時間-不明/季節-やっぱり春ですよね。

絵本-ち

ばーじにあ・りー・ばーとん, いしい ももこ
ちいさいおうち

40P/24×25cm/岩波書店/1965年初版/読み聞かせにかかる時間-14分程度/季節-通年。表紙の色を見ると春から夏に読みたくなってしまいます。



昔々、ずっと田舎のある丘の上にちいさいおうちは、建てられました。


ちいさいおうちは、昼も夜も同じところから、


少しずつ移ろい行く季節を眺めていました。


夜になると遠くに街の灯りが見えます。


ちいさいおうちは、街に住んでみたいと思いました。


けれども、ちいさいおうちは丘の上から動くことはできません。


季節は、春・夏・秋・冬と淡々と過ぎてゆきます。



馬車ではなく自動車が走る時代が訪れると


ちいさいおうちの周りも少しずつ都会みたいになり始めました。


最初は、広い舗装された道が出来ました。


車通りが激しくなると、少しずつ店ができはじめ


あっという間に、ちいさいおうちは都会の雑踏に


飲み込まれてしまいました。


街にはひなぎくの花のないし、お日様も月も星も


高いビルに阻まれて見ることが出来ません。


朝も昼も夜も、地上も地下も、


どこもかしこも忙しくせかせかした街。


ちいさいおうちは、しょんぼりしていました。


田舎のことを、夢に見るようになりました。



そんなある日、ちいさいおうちを建てた人の


孫の孫の孫にあたる人が、偶然


ちいさいおうちの近くにきて、ちいさいおうちのことを思い出したのです。


そして、ちいさいおうちは、ジャッキでを持ち上げられ


車に乗せられて、引越しをすることになりました。


色々なところを探し回り、


ちいさいおうちが「ああ ここがいい。」と思うような


素敵な丘の上に落ち着くことが出来ました。


ちいさいおうちは、昔と同じ丘の上にひっそりと建っています。


ただ、昔と違って街に住みたいとは思わなくなりました。




ちいさいおうちは、家ですが田舎や自然を愛する心優しい


人のような印象を受けます。


生まれたてのやんちゃなおうちは、自然がたくさんある田舎で


美しい季節を満喫しながら、都会にあこがれます。


人と同じでないものねだりをするんですね。


悪く言えば、欲望の塊。


よく言えば、向上心と好奇心の塊。


ですね。


実際に、周囲が都会化するとちいさいおうちは街をいやだと思います。


街というものが、ちいさいおうちの考えていたものとは違ったのでしょうか。


今の世の中だと、都会での便利な生活に慣れてしまって


田舎の生活に戻れなくなる人もたくさんいますけど、


ちいさいおうちには、便利な生活よりも大切なものがあったのですね。


現代の大人たちが忘れてしまった


いえ、自分の欲求を満たすための便利さを手放したくないために


忘れたフリをしている素直で純粋な心。


ちいさいおうちは、そんな想いを


何よりも大切にしているんでしょうか。



季節の移ろうさまの美しさを感じる心や


淡々とした日常の中に安らかな喜びがあることを


教えてくれる、、、そんな絵本でした。




ちいさいおうちが、新しく落ち着くための場所を探し回り


広い野原の真ん中に、りんごの木に囲まれた小さな丘を見つけて


「ああ ここがいい。」と思ったとき、


良かったね。と思わず心の中でつぶやていてる自分がいました。


一人でこっそり音読をしていて良かったです。


思わず、涙ぐんでいましたから。。。




車や電気やガスのない生活を考えることは現実的ではありません。


けれども、本来はヒトも自然の一部なのです。


この絵本には、どこにも「自然を大切にしよう」なんて


書いてはありません。


でも、ちいさなおうちは街を「いやだ」と思ったのです。


自然を踏みにじって自分たちだけの快適さを追求する人間を


「いやだな。」と思ったんじゃないかとドキリとしてしまいました。


ちいさいおうちは、自然を愛する人間の代表のようでもあるし


自然そのものの代表のような感じにも思えますね。


エドワード アーディゾーニ, Edward Ardizzone, せた ていじ
チムとゆうかんなせんちょうさん―チムシリーズ〈1〉

48P/27×20/福音館書店/1963初版/読み聞かせにかかる時間-12分程度/季節-通年


この作品は、チムシリーズの第一作にあたりる作品です。原書の初版は、1936年で、エドワードアーディゾーニ(1900~1979)が5歳の息子のために描いたのが始まりです。本当に古い古いお話です。けれども、父親が息子に対する愛情はちっとも色褪せていないし、男の子の冒険心だって、とっても新鮮に描かれている素晴らしい作品です。子供たちはこういう冒険物語が大好きだと思います。


海岸の家に住んでいるチムは、船乗りになりたい思っていました。ある日、チムは、こっそり汽船に乗ってしまいます。最初は、みっちり怒られますが、チムは一生懸命、船の仕事を手伝います。働き者のチムは皆と仲良くなり、チムはとても幸福でした。


ある日、汽船は嵐に遭遇します。乗組員は皆ボートで逃げ出しますが、チムは小さかったので汽船に忘れ去られてしまいました。どうしようと思って泣いていると、船長も残っていました。船長は、勇ましく、嵐と戦っていました。チムも覚悟を決めた時、救命ボートがやってきて、二人は助かります。


助かったチムは、元気を取り戻すと、船長と一緒に家に帰ります。チムの冒険談をすっかり聞いた両親は、今度航海する時には、是非チムを連れて行きたいと申し出た船長の提案にも快く承知しました。


現実には、こんな小さい子がこんな冒険ができる筈はないし、間違って乗船して帰ってきたとしても、両親はとっても怒るだろうし、船長だってこんな小さな子を働かせるわけにはいきません。それでも、子供達には、こんな冒険はとってもうれしいのです。


危機一髪で助かって、家に帰れば優しい両親。船長が太鼓判を押すほどに役に立つ存在だと認められる・・・。これ程痛快な話はないでしょう。


この絵本、「いつ誰が読んでも」失敗のない絵本と言われているそうです。ちょっと長いかも知れませんが、主人公の男の子が小さいので、5歳~7歳位の小さい子を対象にすると、主人公への感情移入が自然に行われる作品だと思います。主人公の年齢というのも、読み聞かせ対象年齢を考えたとき、加味すると失敗しないかも知れません。


【チムシリーズは11冊の絵本があります】
①チムとゆうかんなせんちょうさん
②チムとルーシーとかいぞく
③チム、ジンジャーをたすける
④チムとシヤーロット
⑤チムきつつきいっぱい
⑥チムひとりぼっち
⑦チムのいぬタウザー
⑧チムひょうりゅうする
⑨チムとうだいもりをまもる
⑩チムさいごこのこうかい
⑪チムもうひとつのものがたり

エドワード アーディゾーニ, Edward Ardizzone, なかがわ ちひろ
チムとルーシーとかいぞく―チムシリーズ〈2〉

48P/27×20/福音館書店/2001年初版/読み聞かせにかかる時間-12分/季節-通年


チムシリーズの第二作目。原書の初版は、1958年というから、そろそろ50歳になる古い古い絵本です。今回は、チムはルーシー・ブラウンという7歳の女の子と2度目の航海に行くお話しです。ルーシーと仲良しのグライムズおじさんの出資でエバンジェリン号という船を買い、家政婦のスモウリーさん共々、海に出る事になったのです。


乗組員の募集は、チムが行いました。腕のいいコックさんに船長、乗組員も前の航海の時に知り合った人ばかりです。チムとルーシーとグライムズさんは、冒険に胸を躍らせていましたが、スモウリーさんだけは、ちょっと憂鬱そうです。スモウリーさんは、船酔いをするからです。海が荒れ始め、スモウリーさんが日に日に具合が悪くなったので港に引き返す決心をした時、チムが波の間に見え隠れするいかだを発見しました。


いかだに乗っていたのは、人相の悪い海賊達でした。いかだを乗っ取る相談を立ち聞きしてしまったチムとルーシーの活躍と気分が悪くて甲板に出ていたスモウリーさんの機転のお陰で、船を乗っ取られる事もなく、海賊達を軍艦に引き渡す事ができました。


スモウリーさんは、あんまり興奮したのと忙しいのとで船酔いを忘れてしまいました。そして、最後には「私、海の暮らしが好きです。何だかすっかり気分が良くなってしまいましたわ。」と言うのです。みんなは、この言葉を聞いて、大喜びし、海の彼方へ出発する決心をするのでした。


この作品の中で、ルーシーが散らかり放題の船員の部屋を片付けたり、針仕事やお料理、お茶汲みなど女性らしい仕事ばかりをしていて、性による役割分担を助長するものだという意見が出た時代もあったようです。ウーマンリブという懐かしい言葉が記憶の中をよぎりました。最近では、ジェンダーフリーとも言われているナイーブな問題です。


確かに、性による差別があっはいけないとは思いますが、男女は決定的に構造上に違いがあるのですから、役割分担はなくてはならないと考えます。骨格や筋肉のつき方が違うのですから、男性と対等に肉体労働のできる女性はほとんどいないでしょう。反対に、男性には子どもを産む事ができません。すべてを男女が同じ事をするとしたら、このほうが余程差別ではないかと考えるのです。


神様が男女を分けられたのは、お互いの未熟な部分を支え、補い合うためだと思うのです。だから、チムはしっかり船の仕事をして、ルーシーはそれを支えたり、励ましたりする役割をしているこの作品はとても良い作品だと思うのです。


役割分担をしながらだって、対等に意見を述べ合う事はできるし、人として平等な権利と義務を持っていると考えられないでしょうか。それよりも現実を直視しないで「何もかもを平等に」と言いすぎる現代社会の方が怖い気がします。


親がお金持ちだったり貧乏だったり、一生懸命勉強してもちっとも成績が上がらない子どもがいる反面、少しの努力で素晴らしい成績をとる子どもがいます。世の中って、かなり不公平に出来ていると思います。でも、色々な立場の人がいるからこそ、いたわり合ったり、愛し合ったりして、支えあう事を学べるのではないでしょうか。チムもルーシーも目の前にある自分にできる仕事を精一杯こなしながら、船酔いをするスモウリーさんをいたわっています。大切なのは、自分の立場でできる精一杯を実行するということではないでしょうか。

エドワード アーディゾーニ, Edward Ardizzone, なかがわ ちひろ
チム、ジンジャーをたすける―チムシリーズ〈3〉

48P/27×20/福音館書店/2001年初版/読み聞かせにかかる時間-17分/季節-通年


チムシリーズの第三作目です。原書の初版は1949年となっています。シリーズの時系列とは、若干の違いがあるようです。お話も面白くなってきたのですが、一冊を音読すると17分!読み聞かせという分野からは、卒業して自分で読む絵本に分類されるかも知れません。でもね、こども達はどんな長いお話でも、自分で読むのではなく、呼んでもらうのが大好きんなですよ。口伝のお話が出来なくなってき世代の私達、せめて時間の許す限り、朗読をしてあげられたらいいなと思っています。


さて、今回のチムは、仲良しのマクフィー船長と共に航海に出かけます。今回のお話の舞台は、3000トンクラスの蒸気船、フィデルティ号です。チムはこの船で二等ボーイの職を得ました。乗船すると待っていたのは、ジンジャーという赤毛で背の高い一等ボーイの男の子でした。


チムは、船の中でも勉強を怠らず、読み書きや算数・歴史を教えたり、コックのジョーじいさんのかわりに手紙を書いたり大忙しです。反対にジンジャーは怠け者で、しょっちゅういたずらばかりしていました。そして、ある日とうとう決定的ないたずらをしてしまいます。それは、三等航海士の強力な毛生え薬を全部自分の頭にかけてしまった事でした。


ジンジャーの髪は、何度切っても伸び続け、それに対処しょうとする人々の意見が割れて、船の中の人間関係がとげとげしくなってきてしまったのです。とうとうジンジャーはいたたまれなくなり、救命ボートの中に隠れて生活するようになってしまいました。チムはせっせと食事などを運んで世話を焼いていましたが、ある日、お決まりのように嵐がやってきます。そこで、チムはジンジャーも船室に入るように説得しました。でも、ジンジャーいう事を聞いてくれません。嵐の中、甲板に出ることは船長に硬く禁じられていたチムでしたが、ジンジャーを救いたい一心で、命令違反を冒して、ジンジャーを助ける事に成功します。


チムとジンジャーは船長に厳しく怒られますが、それは二人を心配してのことです。命を賭けて人命救助をしたチムは表彰されるし、ジンジャーの髪の毛は伸びるのをやめました。その後、航海が終わるまでチムもジンジャーも一生懸命に勉強をしたり働いたりしましたので、家に戻って学校に行き、テストを受けるととても良い成績をとることが出来ました。そんなチムをお父さんもお母さんもとても誇りに思ってくれました。おしまい。

絵本-つ

絵本-て

エフゲーニー・M・ラチョフ, 内田 莉莎子, 松居 スーザン
てぶくろ―The mitten

16P/27cm/福音館書店-ウクライナ民話/季節-雪の降る寒い冬/読み聞かせにかかる時間-4分程度


森を歩いていたおじいさんが落とした手袋に土義次と動物が住みつくお話です。最終的には、くいしんぼねずみと ぴょんぴょんがえると はやあしうさぎと おしゃれぎつねと はいいろおおかみと きばもちいのししと のっそりぐままで住みついてしまいます。


人間の手袋じゃあ、せいぜいうさぎまでしか入れなそうですよね。絶対無理と判っていても、次々と無理に入ろうとする処が面白いのかも知れません。お遊戯会や発表会などでもよく使われるお話です。是非原作を楽しんで下さい。



とよた かずひこ
でんしゃにのって

35P/26cm/アリス館/1997初版/読み聞かせにかかる時間-3分/季節-基本的には通年。ううらちゃんが一人でうららかにお出かけのできる季節がお勧め。


小さなうららちゃんがおばあちゃんへお土産を渡すために電車に乗りました。


降りる駅は『ここだ』です。


停まる駅の名前は『わにだ駅』『くまだ駅』『ぞうだ駅』『うさぎだ駅』『へびだ駅』。


へんてこりんな名前の駅ばっかり。


のってくるお客さんは、ワニにくまにぞう、うさぎ、へび・・・


予想通りの乗客に子どもたちは大喜びです。


一人で電車に乗るなんて小さな子には大きな冒険談ですよね。



いねむりをしてあやうく乗り過ごしそうになるうららちゃんに


大人だって思わずどきどきしちゃいます。


とよた かずひこ
ボートにのって

36P/26cm/アリス館/1997初版/読み聞かせにかかる時間-3分/ボートに乗って気持ちのいい季節。ちょうちょやかえるやカメや鯉にあひるが元気で菜の花が素敵な季節。



うららちゃん、お父さんとボートに乗っています。


池の真ん中まで来たら、お父さんはお昼寝をしてしまいました。


おひさま ぽかぽか 


かぜ そよそよ


なのはな くんくん いいにおい


うららちゃんが「ちょうちょ」の歌を歌っているとちょうちょが「あそびましょ」ってやってきました。


「かえるのうた」を歌っているとかえるさんがやってきました。


「もしもしかめよ」を歌っていたらかめさんがゃってきました。


「池の鯉」の歌を歌ったら鯉が出てきました。


「あひるの歌」を歌ったらあひるがやってきました。


ボートは大賑わいです。そのときお父さんが目を覚ましました。


とたんに皆は、自分達のいるべきところへ帰ってしまいました。


動物達って、子どもたちが大好きだけど大人に大しては


がっかりする程、恥ずかしがり屋さんばかりだよね。




とよた かずひこ
さんりんしゃにのって

36P/26cm/アリス館/1998初版/読み聞かせにかかる時間-3分/季節-ひよこやかえるが出てくるから、やっぱり春かな。



うららちゃんは三輪車に乗っていますが、バスの運転手になったつもりです。


講演の中を三輪車で、ぐるぐる回りながら動物達を誘います。



のりませんか。



でも誰も乗ってくれません。だって、うららちゃんの三輪車には乗客席がないんですもの。


そこで、地面に四角を書きました。そこに三輪車を入れて運転席を作って・・・


かえりのバス はっしゃしまーす。


すると帰りのバスには、


ねずみもかえるもねこもひよこも乗ってきました。


無事に駅前に着いて、皆は楽しく解散しました。


うららちゃんの三輪車バスは家に向かって走りながら


しゃこに はいりまーす。


ブッブー


ブッブー


と楽しそうに走り続けています。

絵本-と

香山 美子, 柿本 幸造
どうぞのいす

32P/25×21/ひさかたちゃいるど/1981年初版/読み聞かせにかかる時間-3~4分/季節-秋


うざさんが作った小さないすは、「どうぞのいす」とかいた立て札と一緒


に大きな木の下に置かれました。



最初にこのいすをみつけたのはろばさん。


どんぐりの一杯入ったかごをいすの上に置いて


木陰で昼寝をしてしまいました。


次に、どうぞのいすを見つけたのはくまさん。


「どうぞならば遠慮なく・・・」と言って、


ろばさんのどんぐりを全部食べてしまいました。


気のいいくまさんは「後の人にお気の毒」と言って


自分が持っていた蜂蜜を置いてゆきました。


こうして、きつねさんやりすさんが訪れて


ろばさんが目を覚ましたときに、いすの上にあったものは・・・。


というお話です。


どうぞと言われて、おいしいごちそうを頂くのは


誰だってうれしいものです。


しかも、その気持ちを次の人にも。。。と思う優しい心。


優しい色合いの優しい動物達の絵本です。


山下 洋輔, 長 新太
ドオン!

32P/27×22/福音館/1995/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-なし。強いて言えば雷様の元気な季節ということで夏かな?


オニの子ドンはいたずら者。いたずらが過ぎて、家から追い出されました。

人間の子項ちゃんもいたずら者。同じく追い出されました。

そんな二人が出会ったものですから、二人は、太鼓をドコドコ叩いて喧嘩を始めてしまいました。その喧嘩に、こうちゃんのおとうさんやおかあさん、ドンちゃんの両親、こうちゃん家のペットにドンちゃんの味方の動物たちが応援にかけつけました。


ドンドコ ドンドコ ドカシャバ ドカシャバ

ドンドコ ドンドコ ドカシャバ ドカシャバ


大騒ぎです。ところが突然、みんなの太鼓の音がピタリと合ってしまったのです。


ドオン!それでみんなは、われに帰って、にっこり仲直り。ああ面白かった。またやろうね。と言って帰ってゆきました。


というお話です。この絵本の作者の山下洋輔は、ジャズピアニストです。山下のストーリーに、力強い長新太の絵が圧巻です。同じ作者で、絵が違うのが下に紹介した『つきよのおんがくかい』です。

山下 洋輔, 柚木 沙弥郎, 秦 好史郎
つきよのおんがくかい

こちらは、お月見の季節にもってこいの絵本です。音読の楽しさを堪能できる一冊です。

こうや すすむ
どんぐり

28P/26×23/福音館-どきどきしぜん☆かがくのとも傑作集/読み聞かせにかかる時間-6分程度/季節-冒頭には「北海道の春」と書いてある。でも、主題がどんぐりだから、秋に読みたいですね。


北海道のみずならの木の一年間を紹介した科学絵本です。小鳥や小動物が浅い土の中に備蓄したどんぐりの実の中で、忘れ去られたものだけが芽を出し、次の世代が育ってゆくのです。どんぐりと森の動物達の共生関係がわかりやすく描かれています。


我が家も子供達が幼稚園の頃は、近くの市民公園へ出向き、マテバシイやスダジイといったどんぐりを山ほど拾ってきたものです。そして、どんぐり銀行 なるものへの貯金を試みたものでした。この絵本を読んだら、またどんぐり貯金が恋しくなりました。今年の秋は数年振りにどんぐり貯金をして、森にどんぐりの木を植えるお手伝いをしようかしら。

絵本-な

マーグレット・レイ, H.A.レイ, 中川 健蔵
なにをかこうかな

22P/26cm/文化出版局/1984/読み聞かせにかかる時間-4分/季節-なし。


うさぎのビリーが大きな画用紙に向かって「なにを書こうかな」と悩みながら絵をかきかけたとき、子犬のペニーがやってきました。ペニーは、ビリーの絵を見てアドバイスをして、絵を少し修正しました。次々と、ビリーの友達がやってきて、ビリーの絵はとんでもないものになってしまいました。ビリーは、「ぼくは、自分の絵をかきたかったのに」と泣き出してしまいました。そして、みんなも各々、自分の絵をかきたかったことに気づき、みんなで自分の絵をかきました。


というお話しです。そういえば、幼稚園や保育園の頃はお絵かきが嫌いな子っていなかったと思うのに、小学校高学年あたりから図画工作、特に絵を描くのが嫌いになる子が増えているというのは、どうしたものなのでしょう。指導要領に沿って進められる授業の中では、自分の好きなように好きなものを描く楽しみが得られないからなのでしょうか。音楽や図画工作などは、自分の心を自由に表現するための大切な道具です。上手にはならなくとも、いつまでも好きでいて、心の豊かさを失わないでもらいたいものです。


マーグレット・レイとH.A.レイの組み合わせといえば、『どうながのプレッツェル』が有名ですし、H.A.レイは『おさるのジョージ』のシリーズで有名ですね。


マーグレット・レイ, H・A・レイ, わたなべ しげお
どうながのプレッツェル  

H.A. レイ, 上野 和子
おさるのジョージ  

どの作品も、主人公は動物です。姿は、おさるだったり、犬だったり、うさぎだったりしていますが、その心はみんな好奇心旺盛で、自由な発想をする、子どもらしい心の持ち主です。だから今でも多くの子ども達に支持されるのでしょうね。


岸田 衿子, 長野 博一
なにをたべてきたの?

31P/25cm/佼成社/1978/読み聞かせにかかる時間-3分/季節-なし


主人公のしろぶたくん、のんごを食べるとおなかの中心が「ポッ」ときれいなりんご色に染まります。次にレモンを食べたら、また「ポッ」今度はレモン色が加わりました。メロンを食べ、ぶどうを食べ、カラフルになったしろぶたくん。


もっときれいになりたいと思って口にしたのは、せっけんでした。ブクブク、ぐるぐる、ストーン。体の中のきれいな色は、混ざり合ってプクーっと泡になってから゛から全部出て行ってしまいました。


残念。しろぶたくん。元に戻っちゃった。でも、そんなしろぶたくんをみて、みんなが一言。「前より大きくなったみたい。」だって。良かったね。


不思議な透明感を感じる絵です。おいしい果物にやさしい色合いのくらにカラフルな色彩。いろいろな種類のしろぶたくんの友達。こういう絵本は、小さい子も大好きです。いつも利用している図書館で調べたら、この絵本には、「大型絵本」が出版されていることが判明しました。


最近、いろいろな絵本の大型版が出されています。福音館ならば「こどものとも劇場」と副題がついていますし、「よみきかせ大型絵本」という副題で検索してもいろいろと出てきます。私たちの小学校でも、複式学級ではよく利用しています。


この『なにをたべてきたの?』は普通の絵本が21cmなのに対して、大型絵本は50cmもあります。大迫力です。大勢の子どもを対象にした時は、大型絵本が大活躍します。子どもたちが喜ぶので、蔵書がある場合は、積極的に大型絵本を利用するようにしています。


ところが、昨今はこの大型絵本の功徳も取り沙汰されるようになってきました。あまりの迫力に、大型絵本を見てしまうと普通の絵本が、ちいさくてつまらなく思えてしまうというのです。図書館側としては、高額な上にこんな副作用があるということを知って、蔵書を増やすことには躊躇しているんだそうです。ふ~ん。そうなんだぁって思いましたね。


ここからは個人的見解ですが、小学校での読み聞かせは、大人数で読んでもらう特別なイベントみたいなものだから、特別な絵本。家で読んでもらったり、普段の授業中に読んでもらったり自分で読むような日常には、普通の絵本。って使い分ければいいことなんじゃないのかなぁ。大体、副作用が出るほどの種類の大型絵本は出版されていないし、大きすぎて家庭で読むのには、適してもいないし、そんなに心配しなくても良いと思っています。