小学校での読み聞かせ活動記録 -24ページ目

絵本-に

絵本-ぬ

絵本-ね

シビル ウェッタシンハ, Sybil Wettasinghe, 松岡 享子
ねこのくにのおきゃくさま

36p/26×27/1996年初版/読み聞かせにかかる時間9分程度/季節-ねこの国なので・・・一年中?


海を越えた遥か彼方に猫の国がありました。猫の国の住人は、皆働き者でした。ある日、この国にお客様がやってきました。お客様は、音楽と踊りをもたらしたのです。猫の国の王様は、このお客様を大歓迎しました。そして、これからも大切な友人として付き合いたい、だから、お面を外して素顔を見せて欲しいと申し出ました。しかし、お客様たちは、命の危険があるから、お面は外せないと言うのです。お客様にはどんな秘密があるのでしょう。 それは、読んでからのお楽しみです。


ともかく絵の美しい絵本です。絵というのは、文章だけでは表現しきれない独特の雰囲気を一気に解消できる視覚的な表現方法ですね。想像力の豊かな子ども達の、より豊かな想像を掻き立てる種のような絵だと思います。絵本というからには、文章のみならず絵の美しさにも注目したいものです。


イブ タイタス, Eve Titus, Paul Gardone, 晴海 耕平, ポール ガルドン
ねずみのとうさん アナトール

32P/25.5×18.5/童話館/1995年初版/読み聞かせにかかる時間-13分程度/季節-通年


フランスのパリの近くの小さなネズミ村にアナトールは妻と6匹の子どもと住んでいました。ある夜、人間の家の台所で自分達がとても嫌われていることを知り、アナトールはとてもショックを受けます。


そこでアナトールは、自分のするべき事を色々と考えます。そして、「さいこうにおいしい とてもおいしい おいしい あまりおいしくない まずい」と書いたカードを30~40枚作って、デュバル・チーズ工場へ潜り込みました。そして、一つ一つのチーズを味見して、カードに鉛筆でひと事ずつ書き加えながらぴんでとめてゆきました。


「まずい-すてなさい!/アナトール」「とてもおいしい-塩をひとつまみいれるともとおいしくなる/アナトール」「さいこうにおいしい/アナトール」といった具合に・・・。ねずみは、チーズの味見をさせたら世界一だし、少しばかりのチーズを頂くのは、正当な報酬なんですもの、これは一石二鳥というものです。


社長のデュバル氏は、アナトールのアドバイス通りに作り方を変えさせました。たちまち商売は大繁盛です。けれども、誰がカードを書いたのかは、誰も判りませんでした。秘密は秘密のまま、今でもアナトールは友だちのガストンと一緒に工場でチーズの味見の仕事をしているんですよ。

絵本-の

絵本-は

川端 誠
落語絵本―ばけものつかい

24P/31×22+/クレヨンハウス/1994年初版/読み聞かせにかかる時間-8分/おばけものという事で夏でしょうか。


けちで人使いの荒いご隠居さん。化け物屋敷という噂の高い古い大きなお屋敷に引っ越しました。使用人を連れてきたものの、化け物屋敷という噂を聞いて、使用人は出て行ってしまいました。


使用人に出て行かれては、身の回りのことができません。ご隠居さんは、困っていましたが夜になると、トントントン・・・。現われたのは一つ目小僧でした。ご隠居さんは、給金要らずの便利な使用人が来た!とばかりに大いに一つ目小僧に用事を言いつけます。


翌日出てきたのは、ろくろっ首です。ご隠居さんは、洗濯や裁縫をやらせました。その次の日は、大入道です。屋根のごみを吹き飛ばしたり、庭石を動かしたり、力仕事をさせました。


毎日、便利な化け物がきてほくほくしていたご隠居さん。今日はだれが来るかと楽しみに待っていました。すると・・・「私、毎日ここへ化けて出ているものですが、あなた様ほど化け物使いの荒い方はおりません。お暇を頂きます。」と言い出すではありませんか。ご隠居さんが障子をがらりと開けると、そこには旅支度を整えたたぬきが一匹立っていましたとさ。


落語って、面白いですよね。最近はなかなか落語を聞く機会がないのですが、江戸っ子の気風や生活風景を織り込んだ作品が多くって、昔の風物詩も学べる一石二鳥な作品が多いですよね。

ばーじにあ・りー・ばーとん, いしい ももこ
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー

40P/23×25/福音館書店/1978年初版/読み聞かせにかかる時間-8分程度/季節-大雪の降る季節って冬に決まっています。


ケイティーは、キャタピラのついている赤い立派なトラクターです。色々な部分品を取り替える事で、活躍の場を拡げています。雪のない季節、ケイティーは、ブルトケーザーをつけて道を直していました。冬になり、町がすっぽり埋まってしまうほどの雪が降ると、ケイティーの本領発揮となります。


警察も郵便局も電力会社も水道局も病院も消防署もみんなみんな、ケイティーを頼りにしているのです。ケイティーは、力の限り働き続け、町は元通り機能するようになりました。ケイティーは、大事な仕事を全部済ませてから家に帰りました。


ケイティーを見ていると、家族の中の大黒柱であるお父さんを思い出します。「頼みます!」と言われれば、黙々とするべき事をする。こんな父親の背中を見て育つ子どもはどんなにか幸せでしょう。こんなお父さんがいたら、どんなにか頼もしいと思うでしょう。実際に、ジェオポリスの町のお役所の道路管理部の人々は、ケイティーを自慢にしていました。「ケイティーに、やれない事は、何にもないんだ」と言っていましたからね。


子供たちは、働く車が大好きです。絵本には、働く車や乗り物を題材にした作品がたくさんあります。頑張りやだったり、かっこよかったり、力が強かったり、正義感にあふれていたり、さまざまな性格の乗り物たち。子ども達は、主人公達に自分や父親を重ね合わせて読むのかもしれません。『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』『きかんしゃやえもん』『しょうぼうじどうしゃじぷた』『のろまなローラー』等々、乗り物関係の絵本には、息の長い名作が多いように思われます。

ジーン・ジオン, マーガレット・ブロイ・グレアム, もり ひさし
はちうえはぼくにまかせて

36P/27.6×20.1/ペンギン社/1981年初版/読み聞かせにかかる時間-6分程度/季節-夏休みの旅行になくなったので、鉢植えを預かるバイトを始めたので、夏休み直前


トミーはお父さんの仕事の都合で、夏休みの旅行がなくなってしまいました。そこで、夏休み中、旅行する人の鉢植えの世話をする仕事を始めました。最初は起こったお父さんも、「うちでは夏休みは、どこにも行かないから、何でも好きな事をやっていい。」と言ってしまっていたので、厳しく叱る事ができなくなってしまいました。


トミーの家の中は、鉢植えが所狭しと並んでいます。居間もお風呂場も鉢植えに占領さけてしまった上に、トミーの世話が良いので鉢植えは、ぐんぐん伸びます。夏休みの終わり、トミーに鉢植えを預けていた人々は、大満足して鉢植えを受け取って行きました。

ルース・クラウス, マーク・シーモント, きじま はじめ
はなをくんくん

31p/31×22cm/福音館書店/季節-冬の終わり~早春/読み聞かせにかかる時間2~3分


冬眠中の動物達が、目を覚ましはなをくんくんさせながら、あるトコロへ走っていきます。みんなが、集まったところには一輪の黄色い花が咲いていました。

白黒の絵の中に黄色い花が一輪。その色彩の対比の美しさに春を感じます。

さとう わきこ
ばばばあちゃんのマフラー

28P/27×31/福音館書店/1997年初版/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-サンタクロースが出てきたので、クリスマスの時期


ばばばあちゃんの編んだマフラーが、四季折々、色々な所で大活躍をするお話です。最初に風をひいたお月様に貸そうとします。でもちょっと遠いからねぇ・・・。そう思っているうちに風邪をひいている雪だるまに遭ってしまいました。ちょっとマフラー貸してあげよう。ばばはあちゃんの編んだマフラーは、野の花の風除けになったり、鳥の巣になったり季節と共にボロボロになってゆきます。こうして一年が過ぎ、ばばはあちゃんは新しいマフラーを編みました。


丁度、編み終わった時にサンタクロースが訪れました。「丁度いい。お月さんにクリスマスプレゼント」と言って、持って言ってくれないかい。ばばばあちゃんは、サンタさんにマフラーを届けてもらうように頼みましたとさ。


ばばはあちゃんのおはなしもたくさんのシリーズが出ています。


【こどものとも傑作集より】
1.やまのぼり
2.あひるのたまご
3.ことりのおうち
4.いそがしいよる
5.すいかのたね
6.あめふり
7.たいへんなひるね
8.どろんこおそうじ
9.そりあそび


【かがくのとも傑作集より】
1.ばばはあちゃんのアイス・パーティー
2.ばばはあちゃんのおもちつき
3.ばばばあちゃんのやきいもたいかい
4.ばばはあちゃんのなぞなぞりょうりえほん むしぱんのまき
5.ばばばあちゃんとおべんとうつくろう
6.ばばばあちゃんのなんでもおこのみやき
7.ばばばあちゃんのマフラー



姉崎 一馬
はるにれ

27cm/1981年初版/福音館書店/季節-早春/読み聞かせにかかる時間-2分~3分

一本のはるにれの樹の写真を年間を通して撮り続けた写真絵本。何回ページをめくっても新しい感動が生まれる。自然って偉大だなぁと感じさせてくれる一冊。

絵本-ひ

リー キングマン, Lee Kingman, Barbara Cooney, 三木 卓, バーバラ クーニー
ピーターのとおいみち

47P/21×26/講談社/1997年初版/読み聞かせにかかる時間-14分程度/季節-春。ある、春の日、ピーターが5歳になった日の翌日の冒険談だから。


森の中に住んでいるピーターの友だちは、猫と犬と羊とあひるです。5歳の誕生日のお願い事は、「友だちが欲しい」でした。誕生日の翌日、ピーターは、町の学校へ行く決心をしました。森からの道のりはとても遠く、ピーターは何度も挫けそうになりましたが、頑張って街の学校の前にたどりつきました。


けれども、学校の階段を掃いているおじいさんに「アメリカの学校は、9月にいっせいにスタートするから、今日は帰りなさい。」と諭されてしまいます。がっかりしながら、ピーターは、同じ道を戻りました。そして、家の前で待っていたのは、たくさんの動物達でした。ピーターにはちゃんとともたぢがたくさんいたんです。


そして、お母さんもピーターを呼んでいます。「朝ごはんですよって何回も呼んだのに、どこに行っていたの?」ってね。でもね、ピーターが朝ごはんの前にした冒険は、この絵本を読んだ人だけの秘密なんだそうですよ。



H.A.レイ, 光吉 夏弥
ひとまねこざる

47P/28cm/岩波書店/1983年初版/読み聞かせにかかる時間-11分程度/季節-えっっっお話の中でじょーじは、骨折をするんですけど、骨折が治るくらい時間が経過するんですよ。やっぱり通年でしょうか。


動物園に住んでいる猿のじょーじは、とても知りたがり屋さんです。外の様子が知りたくてたまりません。ある日、番人の鍵を盗んで、ついにオリの外に抜け出しました。動物園を抜け出したじょーじは様々な体験をします。無銭飲食をしたり、働いたり、骨折して入院したり、薬物中毒になったり、そして最後には、映画で主演までしてしまいました。


ひとまねこざるは、長いお話ではありますが、読み聞かせの世界では、ほぼ確実に子供達が喜ぶという、失敗の少ない作品なのだそうです。確かに、三年生を対象に『ひとまねこざるときいろいぼうし』という作品を読み聞かせに使ってみたのですが、大評判でした。どんなに長いお話でも、子供達が食いついて離れない作品というのはあるものです。


単純明快。テンポのいいストーリー展開。そして、一番大事なのは、自分が主人公になった時に痛快だと感じるものなのだそうです。確かに、毎日毎日、好きなだけ絵本を読んであげられる家庭とは違って、読み聞かせというのは、特別な場所で行う特別な行事です。めったにない経験だから、心にも残りやすいでしょうし、それだけに暗くて悲しい物語よりも、元気の出る明るい作品を優先的に紹介したいものです。


ひとまねこざるのシリーズは、H.A.レイの絵で6作程あります。


①ひとまるこざるときいろいぼうし
②ひとまるこざる
③じとんしゃにのるひとまねこざる
④ろけっとこざる
⑤たこをあげるひとまねこざる
⑥ひとまねこざるびょういんへいく


マーガレット・レイ, H.A.レイ, 光吉 夏弥
ひとまねこざるびょういんへいく

48P/28cm/岩波書店/1998年改訂(1968年初版)/読み聞かせにかかる時間-17分/季節-通年。


この作品は、ひとまねこざるのシリーズ6作目の作品です。


お猿のジョージは、あい変わらず知りたがりやです。今日は、黄色い帽子のおじさんの机の上の大きな箱がきになって仕方がありません。箱の中身は、はめ絵パスルのピースでした。でも、ジョージは、そんな事知りませんから、かけらを一つ飲み込んでしまいました。そして・・・お腹が痛くなり、とうとう入院して手術しなければならなくなってしまったのです。


相変わらず好奇心一杯のジョージが巻き起こす事件は、まるで小さな子どものようです。「こんな事をしたら、どんな事になるか。」子どもって、薄々そんな事が判っていても、我慢できないんですよね。いたずらをしようと思ってするのではなくて、結果として、いたずらになっちゃうんですよね。


そんな沢山の体験を通して、子どもは少しずつ賢くなってゆくのだと思います。少々のいたずらには目を瞑って、好奇心の芽を摘まないようにしてあげられるといいですね。

ワンダ・ガアグ, いしい ももこ
100まんびきのねこ

31P/20×27/福音館書店/1961年初版/読み聞かせにかかる時間-9分程度/季節-ねこのいる季節?通年でしょうか。


1928年に出版されたアメリカの本格的絵本『100まんびきのねこ』の作者といえば、ワンダ・ガアグですが、彼女は絵本作家としてはじめて市民権を得た人であり、その第一作がこの絵本なのです。100まんびきのねこたちが、美しさを競って喧嘩をし、食べっこしてしまって一匹も残らなかったというシュールな内容と、白黒の挿絵は、今も多くの子ども達に愛され続けています。


一見、残酷でシュールな内容ですが、残ったガリガリに痩せたチビねこが、おじいさんとおばあさんの愛情に育まれて、みる間に美しいねこになる様子は、前半の残酷さとは対照的に心温まるものを感じます。


絵本-ふ

長 新太, 冨成 忠夫, 茂木 透
ふゆめ がっしょうだん


■27P/26cm/福音館書店-かがくのとも傑作集/1986年初版/季節-春を待つ冬の終わり/読み聞かせにかかる時間-2分程度


春を待つ木の芽の写真に長新太がひとつひとつ文をつけました。


「みんなは/みんなは/きのめだよ/はるに なれば/はが でて はなが さく」

生命力溢れる木の芽に単純明快な文章。不思議な事に「木の芽だよ」とかいてあるにも拘わらず、どの写真も木の芽には見えません。春が待ち遠しくてにこにこしている顔に見えてしまうのです。子ども達は、山椒の木やねむの木の芽を何に見立てるでしょうか?大人よりも、自然に近い世界にいる子ども達は、思ってもいない発想をして、大人達を驚かせてくれます。

絵本-ヘ

トミー・ウンゲラー, 中野 完二
へびのクリクター

32P/28cm/文化出版局/1978/読み聞かせにかかる時間-5分程度/季節-なし


フランスに住む、ルイーズ・ボトさんというご夫人の家に、ブラジルで爬虫類の研究をしている息子から荷物が届きました。その中身が、へびだったのです。夫人は、「きゃー!」と金切り声を上げました。それでも、息子が誕生日のお祝いに贈ってくれたものなので、ボドさんは毒がないことを確かめてから、このへびを飼うことにしました。


このべびは、ボアメコンストリクターという種類という事が判りましたので、ボドさんはこのべひを「クリクター」という名前にしました。ボドさんがクリクターを大切に育てたものですから、クリクターは、大きく優しく強い、立派なへびに成長しました。


ボドさんと一緒に学校に行って勉強をしたり、子ども達と遊んだり、時にはどろぼうを捕まえたりしたのです。勇ましい働きをしたので、クリクターは勲章をもらい、クリクターの銅像が建てられ、公園までできてしまいました。


この絵本を読む数日前、我が家では3cm~4cm程度の大きなごきぶりが出没しました。娘達と一緒に「きゃ~~~。」と叫びつつ、スプレーを散布して駆除し、事なきを得ました。毒がないと判っていても、怖いものは怖いのです。ボドさんが、箱をあけた瞬間に「きゃー!」と叫んだ気持ちが、すっっっっごくよく判りました。


同じような作品で、シリーズになっている作品に『ワニのライルがゃってきた』があります。


バーナード・ウェーバー, 小杉 佐恵子
ワニのライルがやってきた

プリムさん一家との交流が素敵な作品です。正直な話、内容はかなり似ています。ヘビがワニになり、ボドさんがプリムさん一家になっただけのお話です。ただ、『へびのクリクター』のほうが内容が簡潔です。小さい子や絵本に慣れていない子は、『へびのクリクター』のほうを喜ぶでしょう。絵本にたくさん接してきて、絵本からの卒業マジかなちよっと大きい子は『ワニのライル』のシリーズを読んでもらったり、自分で読むことを好むと思います。


どちらも、最初は相手が人間ではないことにびっくりしおびえますが、最後はとっても中のよい家族の一員になるのです。気の合う友達が家族になるっていうのは、子ども達にとってはとてもうれしいことなのでしょうね。




エルサ・ベスコフ, おのでら ゆりこ
ペレのあたらしいふく

16P/24×32/福音館書店/1976年初版/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-子羊の毛を刈るのだから春~秋でしょう。


ペレは子羊を一匹持っていました。子羊の毛は、それはそれは長くなりましたが、ペレの上着は短くなるばかりでした。そこでペレは、子羊の毛を刈り取り、自分の上着を作る事にしたのです。おばあちゃんの人参畑の草取りをする代わりに毛を梳いてもらい、もう一人のおばあちゃんの牛の番をする代わりに毛を糸に紡いでもらいました。


多くのひとの手伝いをしながら、少しずつの工程を経て、ペレは新しい洋服を手に入れることが出来ました。ペレは、子羊に「ありがとう」とお礼を言いました。

羊の毛を梳き、紡ぎ、糸を染め、織り、仕立てる。たった一着の服でも何と多くの人の手を経て作られる事でしょう。今は、スーパーやデパートに行ってお金を払えば何でも手に入ります。ペレは、労働の対価として、生活必需品を入手する経験をすることで、モノやヒトに感謝をする気持ちを知ることが出来たようです。ペレのような経験はなかなかできませんが、ペレの経験を共有する想像力は、育めるのではないかと思います。


自然と接したり、モノを創る作業というのは、心を豊かにする大切な経験だと言えるでしょう。絵本を読むことも大切ですが、子どもにとっては、外で遊び、多くの人とコミュニケーションを図りながら、色々な経験を積むことの方がより大切な事と思えてなりません。


そんな素敵な体験をこんなに短い一冊の絵本に集約した、エルザ・ベスコフって素晴らしい絵本作家だと思いました。


長 新太
へんてこ へんてこ

31P/23×25/佼成出版社/1988/読み聞かせにかかる時間-3分程度/季節-いつでも


山の中に川があって、そこにかかっている橋の話。この橋を渡るとどんなモノでも体が伸びてへんてこなモノになってしまう。猫が渡れば、ネ---------コ--------になってしまうんだ。という具合に、色々な動物達が橋を渡り、へんてこなモノになってしまうというお話し。


突拍子もない発想とたわいもない言葉遊び。長新太の力強い絵が独特の世界を醸し出しており、『きゃべつくん』の住む世界に共通する長新太ワールドならではの、何でもアリの不思議体験絵本となっている。ナンセンスもここまで徹底すると、最後には不思議エネルギーに浸りすぎで、こんなのもあるかも知れない・・・と思わされてしまう、へんてこな絵本である。

絵本-ほ

マーガレット・ワイズ・ブラウン, クレメント・ハード, 岩田 みみ
ぼくにげちゃうよ

40P/18×21/ほるぷ出版/1942年初版/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-通年


あるところに子うさきがいました。子うさぎは、家を出てどこかへ行ってみたくなりました。そこで、かあさんうさぎに言います。「ぼく逃げちゃうよ」って。すると、かあさんうさぎは、「私のかわいい坊やだもの、どこまでもどこまでも追いかけますよ。」と優しく言うのでした。


子うさぎが小川の魚になるのなら、かあさんは、猟師になって釣り上げると言い、子うさぎが山の上の岩になるなら、かあさんは登山家になって登ってゆくと言います。結局、子うさぎは何になっても同じ事に気づき、逃げるのをやめることにしました。


この作品は、1942年に始めて出版されて以来、版を重ねて多くの親子に愛され読み継がれて来た絵本です。このほほえましい言葉のマジックと母親の愛情が子供達に心地良いものだという証でしょう。


ところが、私はこの作品が苦手です。母さんの愛情たっぷりと感じなければならない所が子離れできないストーカーママに思えてならないのです。親しい友人に相談をしたら、絵本の好き嫌いは、その人の感性だから生理的に嫌いという作品があるのは、仕方がないとの事でした。好き嫌いがあるのは仕方のないことですが、「嫌だ。嫌いだ。」と思いながら読むのは、その感情が出てしまうので、どんな名作であっても、嫌いだと想う絵本は読んではならないと言われました。


結局、好き過ぎて思い入れの強過ぎる絵本も、嫌いすぎて嫌悪感をあらわにしてしまう絵本も読み聞かせをするには向かないという事でしょう。読み聞かせでは、絵本の個性を引き立たせる事のできる人が立派な読み手なのです。一冊の絵本を見ても見た人の数だけ解釈の違いがあって良い筈なのです。聞き手に想像力を働かせる余地を与えない読み方をしないように、注意なくてはなりません。


『ぼくにげちゃうよ』は、無理に全部を好きにならなくてもいいよ。とか、読み聞かせをするときの心得とか、色々な事を教えてくれました。この絵本について書きながら、ここで、こういう事を書くために出合った絵本だったことに気づきました。私にとってこの絵本は、どうしても好きになることができないけれど、色々な事を考えさせてくれた大切な絵本です。

マーガレット・ワイズ・ブラウン, 坪井 郁美, 林 明子
ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ

40p/29.7×21/ペンギン社/1984年初版/読み聞かせにかかる時間3~4分/季節-苺の実を採って食べていたから春から初夏


おばあちゃんかに電話がかかってきた。おばあちゃんが家においでと言っている。でもおばあちゃんの家へ行く道を知らないよ。おばあちゃんは、まっすぐおいでって言った。だから、ぼくは歩いた。まっすぐまっすぐ・・・。


小さな男の子にとってはは、おばあちゃんの家に行くまでの一本道も大冒険になるんです。途中に、色々な発見をしながら、主人公の坊やは、おばあちゃんの言うとおり、本当にまっすぐまっすぐ歩いたんですよ。



角野 栄子, 垂石 真子

ぼくびょうきじゃないよ


こどものとも傑作集/福音館書店/1994年初版/32p  27×20cm

季節-風邪の時期- 音読時間-約12分

あらすじ 

明日は親戚のお兄ちゃんと釣りに行く約束をしていたケンですが、風邪をひいてしまいました。熱もあるし咳も出ているし胸もヒューヒュー言っています。お母さんは、ベットで休むように言いました。困ったケンがベッドで寝ていると、ドアをトントン叩く音がしました。叩いていたのは、くまのおいしやさんでした・・・。

子どもに語るアジアの昔話

松岡 享子
子どもに語る アジアの昔話〈1〉

■スズメとカラス(バングラデシュ)

朗読にかった時間-6分程度/季節-とうがらしの収穫期なので夏の終わりから秋頃

スズメとカラスがとうがらしを食べる競争をしました。カラスはズルをして勝ち、スズメを食べてしまおうとします。しかし、スズメは、食べられても仕方がないが、カラスの嘴が汚いから洗って来て欲しいと言います。カラスは、次々に嘴を汚い事を罵られ、とうとう・・・。


■大工と息子(アフガニスタン)


■三人兄弟(フィリピン)


■カラスとキツネ(イラン)

朗読にかかった時間-11分程度。/季節-カラスの子育ての間なので春から初夏

カラスが大切に産み、育てているひなをキツネはずる賢く奪って食べてしまいました。けれども、カササギの知恵のお陰で、騙されたのは一回で済みました。更にカササギは森中の鳥を集めて、キツネをこらしめました。


■スートン王の冒険(マレーシア)


■黄太郎青太郎(タイ)


■猟師の娘(フィリピン)


■神こそすべてをたまわるおかた(パキスタン)


■りこうなシカ(イントネシア)

朗読にかかった時間-12分程度/季節-ジャングルなので常夏なのですが、「ある暑い日の昼下がり」だそうです。


シカがトラに食べられそうになってしまいました。シカは知恵を使ってその危機を乗り切ります。次に、シカはワニに足を銜えられてしまいます。それも知恵を振り絞り、逃げ切ります。しかし、自慢する事の大好きなシカは、知恵のあるカタツムリと勝負をして負けてしまいます。

シカがどんな知恵を使ったか、カタツムリがどうやって勝負に勝ったかは、お話を読んでからのお楽しみです。

■かしこすぎた大臣(インド)

■ちっちゃなゴキブリのべっぴんさん(イラン)

■カオ兄弟の物語(ベトナム)

■マハデナ・ムッタ(スリランカ)


松岡 享子
子どもに語る アジアの昔話〈2〉

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