小学校での読み聞かせ活動記録 -2ページ目

セレスティーヌ-アーネストとの出会い

ガブリエル バンサン, もり ひさし
セレスティーヌ―アーネストとの出会い


171P/20×27/ブロークン出版/1988初版/読み聞かせにかかる時間-10分以上いくらでも/季節-通年。



作者のガブリエル・バンサンは、ブリュッセルの美術学校で絵画を学び、


以後長期にわたりデッサンに専念した女流作家です。


作者は日本の水墨画をも学び、セレスティーヌなどの


デッサンで描いた多くの名作を遺しています。


2000年9月24日、享年72歳で亡くなっています。



セレスティーヌは、絵本という分類にして良いのかどうか・・・


171Pもある大作です。


約半分のページは絵だけで構成されています。


しかも、単色のデッサンです。


文章も、ほとんどが一行から二行だけです。



それでも、アーネストとセレスティーヌの出会いが劇的に描かれ、


アーネストのセレスティーヌに対する惜しみない愛情が感じられ、


セレスティーヌに見られる新生児特有の愛らしさが表現された


完成度の高い優れた絵本となっています。



二児の母である私は、不覚にもこの絵本を見て涙がこぼれました。


産まれたばかりの赤ちゃんって


こんなに小さくて、弱々しくて、愛さずにはいられない存在だったわ。


心配で、愛おしくて、ひと時も目を放したくなかったわ。



こういう気持ちは、文章にするよりも視覚に訴えるほうが


よほど心に「ズン」と響く感じがします。



さらっと読み流せば、10分で終わってしまう絵本ですが、


気がつけば20分でも30分でも眺めていられる絵本です。



こんなにも深く大きな愛情に包まれて大きくなったんだという感謝の念と


憎まれ口を叩く腕白で反抗的な子どもたちに対する愛情が改めて湧き上がる


素晴らしい作品です。


親子でゆったりとした時間の中で楽しみたい一冊です。



ガブリエル バンサン
たまご‐L’OEUF

文字のない絵本です。


不思議な世界が印象的です。



ガブリエル バンサン
アンジュール―ある犬の物語

デッサン力のある作品というのは、


これほど説得力があるのかと感動させられました。




カブリエル・バンサンの作品の多くは


大きな集団に対しての読み聞かせには向いていませんが


親子や親密な関係の小さな読み聞かせや


一人でゆっくり楽しむための絵本として


いつも手の届くところに置いておきたい作品が多いように思います。

おばけのバーバパパ

山下 明生, アネット チゾン, タラス テイラー
おばけのバーバパパ

32P/23×25cm/偕成社/1979初版/読み聞かせにかかる時間-3分程度/季節-通年。バーバパパって土から生まれてくるんです。だから、生まれいづる春ってどうかしら?



フランソワくんという男の子が庭で花に水をあげていたとき


バーバパパは唐突に生まれてきます。


生まれたときからバーバーパパはとても大きかったので


フランソワくんの両親は、バーバパパを動物園に預けてしまいます。


何にでも変身で来ちゃうバーバパパはするりと檻から逃げ出します。


でも誰も相手にしてくれなくて悲しみに暮れてしまいます。


そんなとき、火事が起きて人命救助をしたり


動物園から逃げたトラを捕まえたりして


人気者になりました。


だから、、、


フランソワくんの家で幸福に暮らせることになるのです。




続編やら色々なシリーズやらががたくさん出ていてテレビアニメ化されている上、


ケン○っキーのキャラクターになっていたりして、少々抵抗があった絵本です。


でもねぇ。。。やっぱり面白いんですよ。


記事にするついでに何冊か読んでみました。


アネット・チゾン, タラス・テイラー, 山下 明生
バーバパパたびにでる

バーバパパが寂しくて仲間を探しに旅にでる話です。


最後にハバーバママに出逢うことが出来るのですが


メーテルリンクの『青い鳥』じゃないけど幸せは


すごく身近にあるという結末が、ちょっぴり面映いうれしさを


演出してました。


どうやらこの作品から、家族が出現するみたいです。



アネット・チゾン, タラス・テイラー, 山下 明生
バーバパパのがっこう

子どもは厳しく教育すべしという学校の方針が許せないバーバ一家。


とうとう、自分達で学校を作ってしまいました。


家族は、各自の得意分野の先生になって


個性を生かしてゆったりとした自由教育を行います。


得意分野であれば、子どもたちはコアな勉強も大好きです。


平均化した学校教育では到達し得ない、専門的な学習をすすめ


誰もが生き生きと学ぶ姿が描かれています。


これはこれで賛否両論あるでしょうが、


子どもから見た場合、理想的な教育現場でしょうね。


好きなことを心ゆくまで、好きな人と極めることができるんですから・・・。




という訳で、読み出すと止まらない面白さです。


子どもたちに優しく平和的な種族のバーバ一家は


アニメ化し易いキャラクターですし、


その内容は、判りやすいほど意図的で教育的です。


少々、判り易すぎるほどの意図があるのが気にかかりますが


読んでもいいかなと思う程度に、良い作品だと思います。


ただ、何十冊も出ている続編を片端から読んであげたいと思うほど


優れた作品かというと、ちょっと首を傾げたくなります。


一冊読んであげて「あとは自分で読めるよね。」と


つき放してもいいかな。

ロバのロバちゃん

ロジャー=デュボアザン, くりやがわ けいこ
ロバのロバちゃん

46P/26cm/偕成社/1969年初版/読み聞かせにかかる時間-10分程度/季節-春~秋。ロバちゃんの大好物のあざみの花が咲いている季節がいいですね。



ある日の事、ロバちゃんは馬のパットくんと小川で水を飲んでいました。


すると、パットくんの耳がとても格好良く見えて


自分の耳がとっても変に思えて哀しくなってしまいました。



それからは、犬のヘクターくんの言ったとおりにしてみたり


こひつじのムクゲのムクちゃんの真似をしたり


豚のローザおばさんに相談してみたり。



結局、思うとおりの耳にはならずしょんぼりしていました。


そこへ、すずめのダニエルくんが飛んできて


「ロバはロバらしくするのがいいよ。」と言って


飛んでいってしまいました。


ぽかんとしていたロバちゃんを見た女の子に


「ほら、おとうさん、かわいい ロバちゃんね。


おみみが とっても すてき!」


といわれてご機嫌になりました。


今では、耳をぴんと立てた幸せなロバになっています。



ロジャー・デュボアザンは


1904年スイスに生まれましたが、1925年にアメリカに渡り


1980年に76歳で亡くなりました。



奥様ルイーズとの共作『ごきげんなライオン』をはじめ、


『がちょうのペチューニア』シリーズや『ワニのクロッカス』など


動物を主人公にした作品が有名な作家さんです。



今回紹介した作品は、初期の作品の一つで、


自分らしさを大切にしようというメッセージが


さりげなく込められているように思います。


大人になっても周囲を気にしすぎて


身動きがとれなくなってしまうことがあります。


丁度いいくらいの自分らしさが大切かなと思います。



スプーンぼしとおっぱいぼし

八板 康麿, 杉浦 範茂
スプーンぼし(ほくとしちせい)とおっぱいぼし(カシオペア座)

27P/26cm/福音館/1992年初版/読み聞かせにかかる時間-2分/季節-冬。この絵本は3月頃の夜空を撮影したものだそうです。季節を先取りして読んであげるのも善し。ジャストタイムで読むのも善し。ですね。


【北斗七星にまつわるギリシア神話】


月と狩の神アルテミスに仕えるニンフのカリストは、


ゼウスに愛されて、アルカスという男の子を産みました。


これを知ったアルテミスはカリストを熊にしてしまいます。


何も知らずに成長したアルカスが


狩でこの熊を射殺そうとした時


ゼウスがこの二人をおおぐま座とこぐま座にして


母殺しをする罪から救ったのでした。


北斗七星はおおぐま座の一部です。



【カシオペア座にまつわるギリシア神話】


アンドロメダ姫の母親であるカシオペアは、自慢好きで


海の妖精と娘の美しさを比べた事から


海の神ポセイドンの怒りを買ってしまいました。


どんなに許しを請うても怒りは収まらず


大鯨の生贄としてアンドロメダを


差し出さなければならなくなりました。


ここに、メデューサの首を持った


ペルセウスが通りかかって大鯨を退治し


アンドロメダとペルセウスは結婚をするのでした。



ロマンチックな夢物語が大好きだった高校生の頃


暇を見ては、ギリシア神話を読んでいたのを思い出しました。


でも、神話と実際の夜空に浮かぶ星座が結びつく事は


ありませんでした。



関東地方の空は、


ビルや建物に囲まれてとても小さいのです。


たくさんのネオンに阻まれて、星々の光は


とても弱いのです。



よぞらに スプーンのかたちをした


  ほしがあるのを しっているかい。


こんやはれていたら みてみようか。



こんな形で始まる北斗七星とカシオペア座を見つける絵本です。


この絵本を高校生の頃に読んでいたら


ギリシア神話はもっと身近だったかもしれないと思いました。

獣の奏者

上橋 菜穂子
獣の奏者 I 闘蛇編

上橋 菜穂子
獣の奏者 II 王獣編

上橋菜穂子さんといえば、


上橋 菜穂子, 二木 真希子
精霊の守り人

シリーズがとても有名です。


守り人シリーズは、


  精霊の守り人


  闇の守り人


  夢の守り人


  虚空の旅人


  神の守り人-来訪編


  神の守り人-帰還編


  精霊の木


  蒼路の旅人


  天と地の守り人-第一部


  天と地の守り人-第二部


  天と地の守り人-第三部(2007.2月発売予定)


となっていて、11冊の壮大な物語になっています。

来月刊行予定の作品で完結するので


今が、全巻通して読破するチャンスです。

読み応えは満点ですし、児童ファンタジーの分野では


完成度の高い作品なので、オススメなんですが・・・。


こういて並べられると

手に取るのを躊躇される方もいらっしゃるかと思います。




そこで、、、


今回紹介する『獣の奏者-闘蛇(とうだ)編』と『獣の奏者-王獣編』です。


守り人シリーズとは、全く別のストーリーで、二冊で完結する作品です。


続きができそうな構成になっていますが、今のところは二冊で完結しています。


続刊が出ない今が読み時です。



さて、大体のあらすじは以下の通りです。



エリンという少女の母は、戦闘用の闘蛇(大蛇をイメージしてもらいたい)の


飼育を任されていたのですが、ある時その大蛇がなぜか何頭も死んでしまい、


責任をとって処刑されてしまいます。


これが物語の始まりです。


孤児になったエリンは、蜂飼いのジョウンというおじいさんに助けられ


山の中で共に暮らすようになります。


花を追い山の奥深くで目にしたものは、


空高く飛ぶ野生の王獣


(ロク鳥とか竜のような大きさの鷲をイメージすると良いかも・・・)でした。



数年を共に過ごすうちジョウンは、老いを自覚し、


エリンは少しずつ素目らしくなってゆきます。


自分の手に余ると判断したジョウンは


エリンを人里にある学舎に預ける決意をします。



学舎に入ったエリンは傷ついた王獣の幼体であるリランと出逢います。



王獣は、戦闘を行う上で最も強力な武器として活用される闘蛇の


天敵であるものの、決して人に馴れない猛しくも気高く美しい


皇国の象徴的生き物だったのです。



けれど、人の世の理から遠く離れて育ったエリンは

様々な紆余曲折の末、王獣と心を通わせてしまいます。


エリンと心を通わせた王獣リランは


政争の具として利用されることとなります。



エリンの少女らしい潔癖さや生き物を愛する心とは裏腹に


きりのない人の欲望に翻弄されてゆくストーリーは圧巻です。


自然を愛し、野生の美しさや怖さを知りつつ、


王獣を人に馴らしてしまった罪深さに苦悩するあたりを読むと


自然を破壊せずにいはいられない人間の業の深さに


考えさせられる事がたくさんありました。



おさるとぼうしうり

エズフィール スロボドキーナ, Esphyr Slobodkina, まつおか きょうこ
おさるとぼうしうり

44P/21×17cm/福音館/1970初版/読み聞かせにかかる時間-6~7分/季節-通年


最初に注意したいのは、絵本の大きさです。


小学校の一学級で読むのには、


少々小さいと言わざるを得ません。




まずはじめに じぶんの こうしじまのぼうしを かぶります。


そのうえに ねずみいろの ぼうしをのせ、


そのうえに ちゅいろのぼうしをのせ、


そのうえに そらいろの ぼうしをのせ


そして、 いちばんてっぺんに あかいぼうしを のせました。



と書いてあるのですが、



帽子売りの帽子の模様と


売っている帽子の模様の区別がつかないのです。


遠目で見たら判る子はほとんどいないでしょう。


自分の帽子とねずみ色の帽子の区別がつかないというのは


大きなマイナスに思えてしまいます。


家庭でもしくは、数人程度を対象とした


読み聞かせに適してる絵本と考えられます。



それでもあえて、この作品を取り上げたのは


4年生の国語の教科書の中に出ていたからです。

お話の内容は次のようなものです。



あるところに、帽子売りがいました。


帽子売りは、帽子を頭の上に重ねて売り歩いているのですが


ある日、全然帽子が売れなかったので


田舎のほうまで歩いてゆきました。


たくさん歩いたので疲れてしまった帽子売りは、


大きな木の根元で長いこと昼寝をしました。


目が覚めたとき、頭の上にあったはずの


売り物の帽子が一つもありません。


驚いて木を見上げると枝という枝に


帽子を被ったおさるがたくさんいるではありませんか!


帽子売りが指を突きつけながら


「おれのぼうしを かえしてくれ」


というと、猿たちは帽子売りに指を突きつけ、


「ツー、ツー、ツー」


と言うばかりです。


両手を振り上げて


「おい、そこのさる。 おれのぼうしをかえせ!」


というと、猿たちは両手を振り上げて


「ツー、ツー、ツー」


と言うばかりです。


こうして何回かのやり取りの後、


帽子売りは帽子を回収する事ができて


何事もなかったかのように帽子を売りに行くのでした。



猿たちは、帽子売りの真似をしているだけなんですけど


帽子売りは、全然それに気づかないです。


そして、偶然ですが、帽子売りの真似をして


帽子を返させる事に成功するのです。


4年生の国語の教科書では


「一年生に読んであげましょう。」という結論になっていましたが


4年生だってこの絵本を読んでもらったら


喜んでしまいそうだわ。。。と思えました。



他にも、


阿部 夏丸, 村上 康成
ライギョのきゅうしょく

というのが教科書で取り上げられていました。


調べたら読み聞かせではちょっと難しいページ数(77P)だった上、


図書館では書架から倉庫に移されていたので


現物を手にとって見ることが出来なくなっていたので


確認するのを躊躇してしまいました。


作品の出版年数を見たら1999年なので


さほど古い作品ではないのですが・・・


絵本というよりは読み物に近い感じなのかなぁ。


機会を見て、確認をしようと思っています。



ともかく『おさるとぼうしうり』については


娘のクラスで話題になっていたようなので、


できれば読み聞かせで読んであげたいと思っています。



中学年程度からは、ブックトークのように話題になった作品を


芋づる式に読んでいったり考えたりすることもできるレベルなんだなぁと


感心させられました。

夜をつけよう

レイ・ブラッドベリ, ディロン夫妻, 今江 祥智
夜をつけよう

33P/24×19cm/BL出版/1998初版/読み聞かせにかかる時間-9分/季節-通年。こだわるとしたら、芝生の上で駆け回れる季節でしょうか。



夜が嫌いな男の子がいました。


男の子は夜になると


家中の明かりをすべてつけ


ひとりぽっちでいつも家にいました。



両親が出かけてしまったある夜、


男の子はいつにも増して明かりをつけて回った。


すると、外から女の子が声をかけてきた。


女の子は、夜と仲良しになれる方法を教えてくれた。



女の子は玄関の明かりを消した。


女の子は言う。


明かりを消したんじゃないの。


夜をつけただけのこと。


夜をつけると、コオロギの声が聞こえたり


カエルの鳴き声が聞こえたり


星が見えたりするのよ。


二人は家中の夜をつけて回った。


男の子はもう夜が嫌いじゃなくなった。


夜をつけるスイッチわ手に入れたんだもの。




ちょっと不思議すぎる内容です。


でも「夜をつける」という発想が面白いと思いました。


子どもたちには、不思議なことや謎がたくさんあります。


お化けは、本当にいるのかいないのか。


判るまでは、一人で夜中にトイレなんて行けませんもの。


不思議や謎がたくさんあるから知ろうとするのです。


判ろうとするために、たくさん質問したり


試してみたりするのです。


大人から「うるさい」とか「いたずらっ子」と呼ばれるのは


その為なんでしょうね。



さて原作者は、『火星年代記』や『ウは宇宙船のウ』などをを書いた


SF作家のレイ・ブラッドベリです。


個人的にスペース・オペラが大好きで


作者の名前を見て、この絵本を選んでしまいました。


それにしても、文章に負けず劣らず


ディロン夫妻の絵も不思議が満載です。


前半は、灯りをつけた男の子の家の中を描いています。


不思議な形にねじれていて、まるて夜が嫌いな男の子の


心の中を描いているみたいです。


「夜をつけた」後半は、黒がベースになります。


暗い中に浮かぶ人やモノはとても幻想的で


ちょっと危険な匂いのする魅惑に満ちています。


だからこそ、手にとってみたい誘惑が大きいのでしょう。



読み聞かせに適しているかどうかと問われたら


集団にはちょっと向かない作品かと思います。


眠れぬ夜に、ドキドキしながら読む絵本でしょう。


これを読むと、もっと眠れなくなってしまうかもしれませんけどね。












シンドバッドの冒険

ルドミラ・ゼーマン, 脇 明子
シンドバッドの冒険

24P/30cm/岩波書店/読み聞かせにかかる時間-20分弱/季節-通年



『シンドバッドの冒険』は、


千夜一夜物語に出てくる物語の中の一つです。


その他に『アリババと40人の盗賊』『アラジンと魔法のランプ』なども


有名ですね。


『千夜一夜物語』は残酷なシャーリヤール王と


かしこいシェヘラザードとの物語の中に、


シェヘラザードが語るたくさんの物語が入っている


「入れ子」の形になったお話です。


絵本として読むよりも語ることに適した物語ということです。


時間に余裕があれば、原作を毎日少しずつ「全部」


話してあげたいものです。



小学校の朝読書の時間を利用した読み聞かせだけでは


実現は不可能だと思います。


だから・・・せめてその要約した作品だけでも紹介したいですね。


要約した作品とはいえ、三部作の第一部。


二十分近くの大作絵本です。


正直な話、試してみないと子どもたちの反応は判りません。



さて、本書の内容ですが・・・


シャーリヤール王に嫁いだシェヘラザードが命を永らえるために


毎夜語ったお話を書き留めたもののうちの一つとなっています。


それは、シンドバッドがどうしてお金持ちになったか、


その冒険話だったのです。


最初、シンドバッドは裕福でした。父がお金持ちだったからです。


けれども、好き放題に暮らすうちにシンドバッドは


お金持ちの父の財産を使い果たしてしまいました。


そこで、港へ出て商人になって交易をするようになったのです。


航海を続けるうちに不思議な島にたどりいたと思ったら


それは巨大なくじらの背中でした。


一人で海に置き去りにされたシンドバットですが


九死に一生を得て、大きな鳥の巣のある島にたどり着いたのです。


その鳥は、爪にゾウの子どもをひっかけていました。


それもそのはず、その鳥はロク鳥という怪鳥だったのです。


シンドバッドは知恵を働かせて、ロク鳥の巣の島から


逃げ出しましたが、逃げた先は大蛇の谷でした。


この谷にはダイヤモンドがたくさん転がっていて


大蛇は宝物の番人だったのです。


そして、ロク鳥の大好物が大蛇なのです。


絶対絶滅のシンドバッドは、ここでも知恵を働かせて


谷から逃れることができました。


しかも、ポケットには大きなダイヤモンドが入っていました。


シンドバッドの冒険はまだまだこれからも続きますが


第一巻に収録されているお話はここまでとなっています。


続きは、以下の通りです。



ルドミラ・ゼーマン, 脇 明子
シンドバッドと怪物の島
Ludmira Zeman, 脇 明子, ルドミラ ゼーマン
シンドバッドのさいごの航海

しずかなおはなし

サムイル・マルシャーク, うちだ りさこ, ウラジミル・レーベデフ
しずかなおはなし

12P/28cm/福音館/1974初版/読み聞かせにかかる時間―4分/季節-はりねずねの親子が歩くのは、真夜中の秋の小路なので、秋の夜かな。



この絵本は、小さな声で読むお話です。


灰色のハリネズミの親子の話です。


真夜中の秋の小路を歩いていたときの話です。


はりねずみの親子が静かに


とふ とふ とふ と歩いていると


二匹のおおかみが忍び寄ってきました。


はりねずみのとうさん、かあさんは


まりのようにまるくなった。


ぼうやもまるくなった。


おおかみたちは、まりのぼうやを転がす。



その時、遠くの森で鉄砲の音が鳴り響いた。


狼達は、逃げていってしまった。


小さな声で読むお話の終わり。



詩人マルシャークが子どものために作った詩に、


レーベデフが絵をつけたロシアの代表的絵本です。


子どもと一緒にぬくぬくとした布団の中で


眠りにつくまえに読みたい絵本です。


だけど、昼間読んだっていいじゃない?


はりねずみの親子やおおかみにとっては


真夜中が起きている時間なんだもの。


真夜中の森は、人間が思っているほど


静かじゃないのですからね。



読み聞かせの講習会でよく聞く話ですが


ざわついた教室の時は、声を張り上げるのではなく


少し声を落として話をするのが良いのだそうです。


聞こえにくいから、子どもたちは何を話しているのか


興味をかきたてられて、聞き耳を立てるのだそうです。



だけど、授業参観やPTA集会の保護者達は、


先生や役員の発表が聞こえないと


これ幸いに大声で、私語を交わすんですよね。


近頃の子どもたちは、こういう親に育てられている割りに


捨てたもんじゃないわね。と思うけど、


少しずつ親に近い言動をするようになっちゃうんですよね。



うれしい悲鳴

隔週とはいえ、2年以上読み聞かせを聞き続けてきた4年生の児童達から、

「もっと長いお話が聞きたい」という要望がたくさん出てくるようになりました。

4年生とはいってもすべての児童が、複雑で長いお話を好むわけではありませんが

読書に興味がある児童の要望も採り入れたいと考えています。


でも、「隔週」で「朝自習の時間を利用した」という二つの制限事項があります。


その制限事項を考えると、長編を何回かに亘って読み聞かせるという手法は


うちの小学校の活動では不可能かなと感じています。



3年生あたりから、「おはなしのろうそく」や「子どもに語る○○の昔話」シリーズを


利用して、朗読も取り入れてはいましたがそれだけでは足りなくなってきたのかも知れません。


あと数ヶ月で、4年生たちは高学年になってしまうのです。


新境地の開拓は、急務なのかもしれませんね。


そこで岩波書店の絵本には、長いお話の絵本がたくさん出ているのに着目してみました。


高学年用のお勧め本リストなども参考にして、少し難しい内容で


20分以内で簡潔する物語の開拓にご協力をお願い致します。


それにしても、「朝自習の時間の読み聞かせは短いからもうやめていいよ。」じゃなく

「みっと長い話をたくさん聞きたい。」という要望に、読み手のお母さん達からは

「うれしいけど、声がかれちゃうわよね。練習が大変。」という悲鳴が挙がっています。


児童も保護者からも「来年は5年生まで読み聞かせをする。」というのが


暗黙のうちに当然の事になっているようなのがうれしいです。



ここまで書いて水を差すわけではありませんが、


すべての児童が長編や複雑な物語についてゆけるわけではありません。


短いお話しや科学絵本なども、従来通り織り交ぜての読み聞かせになる予定です。