クローバー(ノンフィクション小説) -73ページ目

軌跡‐16‐


就学前健診

みんなお母さんが付き添って来てるのに、
わたしには祖父が付き添った。

お兄ちゃんの時は
お母さんだったのに……

弟の時もお母さんだった。

「あたしもお母さんがいい」

そう言えたら
来てくれたかもしれない……

だけど言えなかった。

授業参観
お母さんが来てくれた!

凄く、凄く嬉しくて
何度も後ろを振り返っては母の顔を見た。

なのに帰ってから怒られた。

授業に集中していないと……

ただ……嬉しくて、嬉しくて
それだけだったのに……


わたしは可愛くないんだと
自分を悲観した。

軌跡‐15‐


夜尿症

小学校低学年迄
夜尿が治らなかった。

精神的に
不安定だったんだと思う……

毎日母に怒られた。

お母さんは朝早くから大変なんだ。
わたしがおねしょすると迷惑かけるんだ……

なのに毎日毎日おねしょをしてしまう。

絶対やっちゃいけないと思えば思う程
余計にダメだった。

「なんでおねしょするの!」

「……ごめんなさい」

何回もそれを繰り返すと今度は

「わざとやってるんでしょ!」
そう言われた。

違う……
でもなかなか治らない。

最後にはお尻を叩かれるようになった。

ごめんなさい……
忙しいのに手間かけて……
ごめんなさい。

わたしが悪い……

わたしが悪いんだ。



そうやって自分を責めた。

軌跡‐14‐


そして
クリスマスパーティーにも
一切参加しなくなった。

でもサンタクロースを信じてる友達の夢を
壊すような事は言わなかった。

わたしのように悲しい思いをさせるのは
嫌だから……


だけどこれほどまでに
サンタクロースに執着する子供はまずいなかっただろう……


サンタクロースよりも

自分の無力さを
恨んだ。