クローバー(ノンフィクション小説) -41ページ目

愛‐1‐


オペ後時間があると
実家の近くにあるお寺に行くようになった。

子宝、安産祈願で名高いお寺……

そのお寺の外れに隠れるように
ひっそりと立つ水子供養塔

実家から車で5分
車を降りて石段を昇っていくと
その途中に小さな店があって
そこでおもちゃとお菓子を買いまた昇る。


水子供養塔の前に
そのおもちゃとお菓子を供え手を合わせた。


それを見て
我が子は何を思う……


こんな事をした所で
自分が綺麗になるとは思わなかった。

堕胎手術‐14‐


オペ当日
病院へ行くと淡々と準備が進められる。

分娩台の上……
ここで何人の命が誕生し
何人の命が消えたんだろう。


全身麻酔
「1、2、3…… 4…… 5…………」

次に目覚めた時には
オペは終わりベッドの上に寝かされていた。

付き添ってくれた看護婦さん


わたしが看護婦だと
気付いているんだろう……

「あんまり自分を責めないでね」

そう言って
肩を優しく撫でた。


自分を責めず誰を責める?

これは他の誰でもなく……




自分が決めた事。

堕胎手術‐13‐


オペ前日
翔真と共に再び病院へ。

そこで前処置を受ける……
子宮口を広げる為の処置。

もう……
後戻りはできない。

その日は由美の家に
泊めてもらえる事になった。

腹痛と腰痛で動く事ができず
ベッドの上に休んでいたが、
翔真は楽しそうに由美と話しをしていて……


私と目を合わせる事は
1度もなかった。