クローバー(ノンフィクション小説) -43ページ目

堕胎手術‐9‐


診察を終え待合室に向かうと
翔真が1人ぽつんと座り俯いていた。

その表情は悲しみに満ちていて
声をかけるのを躊躇う程だった。


「翔真……終わったよ」

「そっか。じゃあ帰ろ?」


いつもの笑顔の翔真に戻ってて
その姿が
たまらなく切なかった……

堕胎手術‐8‐


「どうされます?」
先生は淡々と話しを進めていく。

「中絶を希望します」
淡々と答える


「そうですか。では相手の方に同意書を書いてもらって下さい。手術は来週という事で」

「はい」


お腹の子供は……
自ら選択する事もできず
わずか数分のやりとりで



運命を決められた。

堕胎手術‐7‐


名前を呼ばれて受付へと行くと
保険証を出すよう言われた。

これを見れば
医療関係者だという事がすぐ分かる。

とりあえず問診を済ませ受付を離れた。

ちょうどその日、由美は出勤
カルテを先回ししてくれていた。

そして診察室に呼ばれる


診察の前に採った検尿と内診から
妊娠は確定した。




妊娠3ヶ月……

やはり
翔真の子ではなかった。