堕胎手術‐9‐
翔真が1人ぽつんと座り俯いていた。
その表情は悲しみに満ちていて
声をかけるのを躊躇う程だった。
「翔真……終わったよ」
「そっか。じゃあ帰ろ?」
いつもの笑顔の翔真に戻ってて
その姿が
たまらなく切なかった……
堕胎手術‐8‐
先生は淡々と話しを進めていく。
「中絶を希望します」
淡々と答える
「そうですか。では相手の方に同意書を書いてもらって下さい。手術は来週という事で」
「はい」
お腹の子供は……
自ら選択する事もできず
わずか数分のやりとりで
運命を決められた。
堕胎手術‐7‐
保険証を出すよう言われた。
これを見れば
医療関係者だという事がすぐ分かる。
とりあえず問診を済ませ受付を離れた。
ちょうどその日、由美は出勤
カルテを先回ししてくれていた。
そして診察室に呼ばれる
診察の前に採った検尿と内診から
妊娠は確定した。
妊娠3ヶ月……
やはり
翔真の子ではなかった。