堕胎手術‐12‐
私は翔真の家にいた。
妊娠が分かった時点で
翔真は自分の母親に事実を伝えていた。
それでもお母さんは
普段通りに接してくれた。
きっと翔真がそうしてくれるよう
頼んでくれたんだと思うと申し訳ない気持ちで一杯で……
嫌われて当たり前なのに。
翔真は私が眠りにつくまで
机の上の同意書をじっと見つめていた。
……私はどれだけ翔真の気持ちを
汲む事ができただろう。
堕胎手術‐11‐
3連休に合わせてもらった。
人工妊娠中絶手術の同意書……
和樹は書いてくれない。
そうなると
翔真にお願いするしかなかった……
翔真は「うん」と言ってはくれたものの
前日になっても同意書は白紙のままだった。
子供が大好きな翔真……
だけどお腹の子は
自分の子供ではない
産むなとも
産んでくれとも言わない翔真。
いや……
言えなかったんだ。