クローバー(ノンフィクション小説) -42ページ目

堕胎手術‐12‐


病院に行く前の日
私は翔真の家にいた。

妊娠が分かった時点で
翔真は自分の母親に事実を伝えていた。

それでもお母さんは
普段通りに接してくれた。


きっと翔真がそうしてくれるよう
頼んでくれたんだと思うと申し訳ない気持ちで一杯で……

嫌われて当たり前なのに。

翔真は私が眠りにつくまで
机の上の同意書をじっと見つめていた。


……私はどれだけ翔真の気持ちを
汲む事ができただろう。

堕胎手術‐11‐


手術は
3連休に合わせてもらった。

人工妊娠中絶手術の同意書……
和樹は書いてくれない。

そうなると
翔真にお願いするしかなかった……


翔真は「うん」と言ってはくれたものの
前日になっても同意書は白紙のままだった。


子供が大好きな翔真……

だけどお腹の子は
自分の子供ではない


産むなとも
産んでくれとも言わない翔真。



いや……
言えなかったんだ。

堕胎手術‐10‐


それなのに……

その姿を見ても尚、
変わらない自分の決断。



そんなわたしは……


かつて死の危機に直面し、
死にたくないと願った人間。