エスカレート-8-
こんなになるまで黙ってたの……」
「……すいません。
迷惑かけたくなかったんで…」
「辛かったね……
今、早瀬君はどこにいるの?」
「あたしの部屋にいます……」
「やっぱり。
部屋に男がいるのは気付いてたよ」
「……すいません」
「夜勤終わったら一緒に部屋行くよ。
あたしが間に入るから」
「すいません……
あたしがダメなばっかりに」
そして
「先輩 1つだけあたしの頼みを
聞いてくれませんか?」
そう言って私は1つだけ
先輩にお願いをした。
エスカレート-7-
ばれるのも時間の問題。
案の定……
寮の隣の部屋の先輩にはばれていた。
ちょうどその日は夜勤が一緒で……
休憩室でボーッと俯く私に話しかけてきた。
「ねぇ 何かあったでしょ?」
「いいえ……」
「じゃあその痣や傷は何?」
いつの間にか痣が増えていた。
後は左腕の×印……
もうダメだと思う度に
注射針で×をつけていた。
頑張れ……
頑張れ……
死にたくても許されない
狂いそうになる自分を
自分を……保つ為に自ら傷つけた。
話したら解放されるのか?
もしかしたら……
助かるかもしれない。
藁にもすがる思いで
先輩に全てを話した。
エスカレート-6-
寮にくるようになっていた。
寮はオートロック……
暗証番号を入力しないと開かないようになっている。
幸也は言った
「暗証番号?そんなの意味ねぇよ。俺は暗証番号を解除する方法を知っている」
本気か?
冗談か?……
ここは男子禁制の女子寮。
明らかに寮則違反だ。
でも中に入れずに暗証番号を解除されたら……
正門でなく裏口から幸也を入れた。
裏口なら中から鍵を開けない限り
入る事はできない。
ただ正門の暗証番号だけは
絶対教える事はしなかった。