横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道 -3ページ目
和の香り平安朝香道
七月のお稽古
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
6月に猛暑がやって来て
ほんの少しの間
息をつく日もありました。
今週末には
梅雨明けだそうです。
このまま過ごし易くなることを
願っておりましたが・・・
これから
本格的な夏が始まるのです。
梅雨明けは
例年とほぼ同じになりそう。
涼しくなるのはず~っと先。
せめて今月の薫物には
涼しい香りを聞きましょう

夏になると聞きたくなるのは
「荷葉」(かよう)
この香は夏の薫物です。
雨上がりの蓮池から
暑さを吹き飛ばし
涼しさを感じさせる香りが
風に乗って漂ってきます。
薫物を合わせる名手は
蓮池を前に
「蓮の香りとは?」
と頭を捻ったことでしょう。
仏前の閼伽棚(あかだな)
に供えた蓮の香りだったの
かもしれません。

「荷葉」の言葉の意味は
蓮の葉なのですが
先人は
蓮池から漂う泥の匂い
背丈ほどに伸びた
青々とした大きな葉の香り
優雅で荘厳な花の香り
これら全て合わせた香りを
「荷葉」
としたか?
蓮の葉の香り
蓮の花の香り
のどれか一つか?
組み合わせ方で
微妙に違って・・・
香を合わせる者により
違ってくることでしょう。
どのような方が
どの香とどの香を組み合わせて
創ったのか?
香料一つをとっても
時代により変化していくことが
わかります。
薫物って
とても奥が深いのです。
古代の蓮の香りは?
今月の課題は
夏に相応しい「荷葉」なのです。
平安朝香道にご興味のある方は
是非お越し下さいませ。
平安の薫物を体験なさりたい方は
「源氏合わせ」の月を除き土曜に
お受けいたします。
「源氏合わせ」2月、6月、11月
今月は
7月26日(水)午後1時30分
7月27日(金)午後1時30分(振り替)
お稽古場(教室)は
慶応大学日吉校がある東急線日吉駅から
徒歩約3分のところにあり
お申し込みの際は場所をご案内します。
その他ご質問などもこちらよりどうぞ。
※こちらからどうぞ。

お問い合わせ
梅雨がなくても
「雨夜の品定め」
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
猛暑が続いて
毎日が体力勝負です。
来週、一時雨模様
となるそうですが
その後は
いよいよ梅雨明けでしょうか?
今のような高温でジメジメは
とても耐えられません。
日本の梅雨は
良いところもあるのですが
今年は望めませんね

雨がシトシト降る
日曜日
ぼんやりと外を眺めていると
雨に打たれた
青い紫陽花の葉から
雨の雫が滑り落ちてゆきます。

何も考えず、何もせず過ごす時間
そのような時間が
最近は少なくなったように
思います。
今年の紫陽花は、もう枯れかけて・・・

今年は大した雨も降らず
憂鬱な梅雨を愉しめません。
雨の日ならではのこと
なのですが
雨の降る匂いがして・・・
一日中降り続いた雨が
雨だれとなって落ちてくる。
心は鬱々としているはずなのに
仲間が集えば
雨上がりの景色が見えて
少しは気が晴れるのでは?
遠~い遠い
平安の都では
蓮池を眺めながら
蓮の葉から
コロコロッと滑り落ちる
水玉を
飽かず眺めていたり
前栽に植えられた
蘭草から滴り落ちる
雨粒の香りを想像して
嬉しく思ったり
したのでは?
平安時代の梅雨は
現在の6月初旬から7月中旬
現在と同じ時時
(関西と関東では多少ずれます)
当時は五月雨(さみだれ)や
五月雨(さつきあめ)
また、長く続く雨なので「ながめ」
とも呼ばれました。
いつまでも降り続く長雨に
うんざりしながらも
夜になると、若者たちは
御物忌みに、先に籠った源氏のいる
宿直所(とのいどころ)へと
集います。

瀬戸内寂聴氏の「源氏物語」の装画を担当した
石踊達哉氏の複製画「雨夜の品定め」
母が大切にしていた1枚です。
頭中将(とうのちゅうじょう)が
保管してある源氏の手紙に
関心を寄せるところから
始まります。
源氏より年上の
頭中将(とうのちゅうじょう)は
源氏の友人であり
良きライバル
頭中将の妹君は
源氏の正妻葵の上なのです。
源氏と頭中将に加わったのは
左馬頭(ひだりのうまのかみ)と
藤式部丞(とうしきぶのじょう)
女性のあるべき姿を論じたり
女性を三段階の等級に分け
経験話を語るのです。
上の品に中の品
下の品は論外でした。
女性には決して聞かれたくない
内緒の話が展開されていきます。
源氏はただ、ただ聞き役
この時、中の品と論じられた
女性に興味を示すのでした。
後に出会う空蝉や夕顔が
論じられた中の品の
女性たちなのです。
現代にも
雨夜の品定め
内容を変えて
あるのでしょうね。
平安のボーイズトーク
令和のそれは?
こちらは
今夜は激しい雨になる予報
来週は少し涼しくなるようです。
今年最後の「雨夜の品定め」
令和のボーイズトークは
どのよう?
ガールズトークも
聞いてみたいものです。
それより
もっと聞いてみたいもの
源氏はこの時
どのような香りを纏っていたのか?
頭中将は?
左馬頭と藤式部丞は?
源氏は女性に逢う時だけでなく
普段も衣に薫き染める香に
こだわったはず。
宿直所なら、リラックスしてる?
それともより緊張感を持った香
だったでしょうか?
様々に想像するのも
楽しいこと
少し涼しくなったら
もっと思いを巡らせてみましょう
六月の「源氏合わせ」
薄雲の色はどのような色?
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
梅雨とは名ばかり
どうやら
梅雨明けになりそう
例年は大体
7月20日
夏休みに入る日と記憶
6月の4週目
一昨日、一昨昨日とお教室でした。
酷暑に関わらず
皆様お見えになりました。

今回の「源氏あわせ」は
「源氏物語」
第十九帖「薄雲」でした
師範の方も
そうでない方も
ご一緒に愉しんで頂きました。
「源氏って、なんて人!扱いの酷いこと!」
「気の毒なのは明石の君です」
「紫の上もお気の毒に・・・」
「何て言っても冷泉帝は踏んだりけったり」
この帖も源氏への風当たりが
凄まじいこと
物語の上とはわかっていても
実在の人物に思えてしまいます。
紫式部の手につい
乗ってしまうのです。
この帖は読者にも
源氏にとっても
明るい帖でありません。
桐壺帝に寵愛された
源氏の母の面影を持つた
藤壺の尼宮の他界
源氏の悲しみは
尋常ではありませんでした。
その想いは周囲に
決し知られてはならない
ものでした。

藤壺の宮に胸焦がした
かつての花の宴を思い出し
その深い哀しみを
人に知られぬよう
念誦堂(ねんずどう)で詠った和歌が
帖名「薄雲」となっています。

夕日はなやかにさして
山際の梢あらはなるに
雲の薄く渡れるが鈍色なるを
なにごとも御目とどまらぬころなれど
いとものあわれにおぼさる
入り日さす
峰にたなびく薄雲は
もの思う袖に 色やまがへる
(夕陽が射す峰の上にたなびている薄雲は
私の哀しみの衣に似せたのか
私の気持ちと同じように哀しく映る)
平安時代
哀しみを表す衣の色(喪服)は
鈍色(にびいろ)とされていました。
鈍色とは染め色の一つで
濃い鼠色です。
死者と縁が深いほど濃く
浅いと薄い色となります。
源氏と藤壺の尼君の間柄は
義理の母と義理の息子ですが
実は、二人の間には男の子が
誕生しています。(後の冷泉帝)
誰にも明かせない秘密なのです。
ですから
鈍色を濃くしたくとも
表立って深くはできないのです。
では
どの位の濃さ?
推察すると
とても面白い
最上の濃さで
墨染
濃い鼠色
青鈍(あおにび。青みがかった鼠色)t
薄墨色
銀鼠
まだまだありそう
源氏はどのような
鈍色の衣を?
季節は春晩く
当時の空模様からすると
夕日が峰の辺を射しているので
晴れ
春遅い夕暮れ
明日への希望を残した
陽の光が峰を照らし
木々の梢がくっきり見え
そこに鈍色の薄雲が・・・
源氏は哀しみ深く
できるなら
濃い衣を纏いたいと
思ったに違いありません
が
表に現わすことを控え
薄雲の棚引く軽さから考えると
淡い鼠色
棚引く雲のように
白に近い薄い鈍色だった
のではないでしょうか?
今回の「源氏あわせ」には
私も薫物創りをいたしました。
今回は2日に分かれましたので
残念に思われます。
全員集合できたら
もっと楽しめたのではないでしょうか
同じ物語を読んでも
人それぞれに思いは異なり
出来上がる薫物も違い
面白いものです。
いつもいつも感心させられ
私も学ぶことの多い香合わせです。
とても愉しい時間を持て
感謝しております。
また4か月先が愉しみです。
少し憂鬱な水無月に
独り静かに課題の香を聞く
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
11日に関東の梅雨入りを聞いて
ジメジメとした季節になるのかと
少し憂鬱な気分でした。
ところが
一気に真夏に
シトシト
ジメジメ
ムシムシ
ではなく
カンカン
ギラギラ
ジメジメ
最も過ごしにくい
酷暑
にひとっ飛び
シトシトと降る雨に
融けたように色を増す
紫陽花の季節も台無し

空色のアジサイから
日ごとに色が抜けていくよう。
今年の我が家の紫陽花は
美しい水色を
期待できそうにありません。

山紫陽花の藍姫も
もはや姫ではなく


例年は
憂鬱な雨の毎日が続くのだと
気が滅入るのですが
今年は
雨がやって来る香りも
雨降りの香りも
雨上がりの爽快さも
ないのかもしれません。
自然界の香りが
何といっても最上のもの
次に薫物。
湿気の多いこの時期
香を薫くには
絶好の日々ナノデスが・・・
外出して香りを探しましょう
と申し上げられない
酷暑です
外歩きは危険かもしれません。
例年の梅雨はどこへ行ったのか?
季節が狂ってきているようです。
梅雨の季節は「香日和」(こうびより)
なのですが
今年は、エアコンの効いた室内で
薫物を薫くことといたしましょう。

そろそろ蓮の咲く季節が
やって参ります。
夏の薫物の「荷葉」を
蓮池から香る清々しい香りを・・・
初心者の今月のお稽古は
「荷葉」ですので
先取りいたします。
(荷葉は蓮の香りの薫物)
「梅雨明け」の言葉は
聞きたくない気分
どうか梅雨明けになりませんように
皆様も暑さに気をつけて
お過ごし下さいませ。
和の香り平安朝香道の
六月のお稽古は
「源氏合わせ」です
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です

雨に濡れ、雨も上がると
六月の花たちは
少し寒そうに見えました。
打って変わって
昨日からは夏
植物たちも過ごしにくいのでは?

紫紅梅
山紫陽花も日ごとに色を増して

この紫陽花も山紫陽花
そのように記憶しておりますが
とても大きくなりました。
緑から白へ
白からクリーム色に
今は青色へと変化しております。
紫陽花の七変化は
とても不思議です。
そろそろ梅雨入りするのでしょうか?
今月の香道のお稽古は
「源氏合わせ」となります。
「源氏物語」第十九帖「薄雲」
です。
「源氏合わせ」っていったい
どのようなことでしょう?
「源氏合わせ」は「薫物合わせ」で
「物合わせ」の一つです。
日本で、また世界でも平安朝香道だけで
行われている香道の遊びなのです。
平安時代に行われていた「物合わせ」には
「絵合わせ」「歌合わせ」「物語合わせ」
「前栽合わせ」「貝合わせ」「薫物合わせ」
などがあり
判者(審判)が判詞(判定のことば)を述べ
その優劣を判者(審判)が判定します。
「源氏合わせ」も
平安時代の「物合わせ」にならって
薫物の優劣を競います。
創作なさった
お互いの薫物を聞き比べて
皆様でおしゃべりしながら
優劣を判断いたします。
皆様
心身をリラックスなさるために
平安朝香道のお稽古にいらっしゃいます。
優劣を決めるとなると
心身は緊張し
気分はゆったりとはできません。
優劣ではなく
創作なさった方の意図が
薫物に表現されているかどうか
そのことが重要なこととなります。
お一人お一人の香りの好みが
反映されるところでもございます。
「薄雲」を読まれて
登場人物の心情、情景などを
思い思いに薫物に表現いたします。
今回は
皆様どのような薫物を
創作なさるでしょう?
1年に3回ある愉しみとなります。
平安朝香道にご興味のある方は
是非お越し下さいませ。
平安の薫物を聞香なさりたい方は
「源氏合わせ」の月を除き
お受けいたします。
「源氏合わせ」2月、6月、11月
今月は
6月28日(水)午後1時30分
6月29日(金)午後1時30分(振り替)
となります。
お稽古場
東急東横線日吉駅下車徒歩3分
詳しくはお問い合わせ下さい。
※こちらからどうぞ

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