梅雨の季節は何だか心ウキウキ
気分は清少納言
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
すっかりご無沙汰してしまいました。
今日の横浜は晴れ
洗濯日和でしたね~
まだ雨の日が続きそうですが・・・
照りつける夏の陽射しもたまりませんが
はっきりしない空模様と
突然降り出す雨も厄介です。
雨降りは香日和
雨ふりは香びより
毎年思うのですが・・・
雨の日の湿気の多い日は
空気中に水蒸気が多いので
匂い分子は留まりやすくなります。
また匂い分子は揮発性を持っているので
温度が高くなると揮発性が高くなり
夏はより匂いを感じ易くなるのです。
雨降りは憂鬱な気分となりますが
そんな日には
香りを聞いてみましょう
「家に閉じ籠もって香りを嗜みましょう」
とお薦めするのではなく
積極的に外へ出て
「梅雨を愉しもう」
ナノデス。
雨の日に幼い子を連れて歩くと
わざわざ水溜まり目指して飛んで行き
思いっきり踏んでみる。
水溜まりを探しては
何度も同じ事を繰り返す。
このような光景を思い出してください。
いくら長靴を履いているから
と思っても
親は大変です。
いらない洗濯物が増えてしまいます。
子育てなさった方には
「あるある」
ですよね。
ご自身が幼い日に経験なさった
ことでもあるでしょう。
紫陽花の葉にアマガエルを
見つけたり
傘から落ちる雨の滴を数えたり
踏んだ雑草から香りがしたり
千年以上遠い昔
清少納言が「枕草子」に
雨の日に牛車で外出して
同じような事をしたためているのです。
五月ばかりなどに山里にありく、いとおかし。
草葉も水もいとあをくみえたりたるに、
上はつれなくて、草おひしげりたるを、
ながながとたたざまに行けば、
ふかくはあらねど、人などのあゆむに
走りあがりたる、いとおかし。
梅雨の頃(旧暦5月は今の6月)
山里に出かけるのは、とっても愉しい
草葉も水も一面が青く見えてステキ~
何でもないように草が生い茂ったところを
ぞろぞろと縦列で行くと
生い茂った草の下には深くはないけど
水が溜まってるの。
ちょっと見にはわからないわ
その草を従者たちが踏むと
バシャッ、バシャッ
と音がして跳ね上がるのが
とっても面白いの、愉しいわよね~
幼子のようなこの感覚
わかるわかる!
令和、平成、昭和、大正、明治と
そのず~~~~~と前
千年以上前も同じ感覚だったのです。
水溜まりを思いっきり踏むと
水が跳ね上がった音と供に
バシャッ、バシャッと水しぶきが飛びます。
大人になってもその楽しさは
わかりますよね。
「枕草子」のその続きは
左右にある垣にあるものの枝などの、
車の屋形などにさし入るを、
いそぎてとらへておらんとするほどに、
ふとすぎてはづれたるこそ、
いとくちおしけれ。
蓬の車にをしひしがれたりけるが、
輪のまはりたるに、
ちかううちかかへたるもおかし。
左右にある垣根の枝が
走っている車の中に突っ込んでくるのを
素早く取って折ろううとするけど
手を擦り抜けてしまうの
ア~残念
くやしいわ~
でもね、蓬が車に押しつぶされて
車輪に引っ掛かり近くまで廻ってくると
なんと蓬の爽やかな香りがするの
ステキでしょ?
なんて無邪気な
狭い路を車で通った時には
今でも子供ならやりそうなこと
大人だって同じ気持ちになりそうです。
清少納言の雨の日の過ごし方
些細な事に感動し面白がる気持ち
雨の日にも様々な事が楽しめるますね。
雨の日はお家で香りを聞くのが定番。
とならないように
雨の日は一段と香りが増しますので
お外で香り探しをしてみるのも愉しいことです。