(開演前のエコパアリーナ)

 

今回の席はなんとアリーナ最前列。Perfumeのライブでは初めてだ。

開演前に言葉を交わした左隣の男性は、まだ暗いステージを見上げて感激し「今日はこのまま帰ってもいい」と言った。もちろん終演まで帰らなかったが。

開演早々、ステージ下に置かれたスピーカーが放つ重低音が肋骨に響く。右隣の親子3人連れが音圧に驚いていた。最前列ならではの恩恵だ。

ステージ前のレールの上をテレビカメラが行ったり来たりしている。タブレットに何かを打ち込んでいるスタッフは音響のチェックだろうか。そのうち内山監督もやって来た。

席のすぐ前には柵が置かれ、可動空間は2列目以降と変わらない。というか、むしろ動きづらい。柵に片手を置いて飛び跳ねる様は、我ながら下手なバレエのレッスンか病院のリハビリのようだ。

中央列からは若干離れた席(10番台後半)のため、角度がきつめでステージ演出はやや見づらい。その分、メンバーの動きと表情に目を向ける。

下手側なので、間近で見る機会が最も多かったのはかしゆかだ。特に、皆で手をかざすあの曲の、すごく運動量の多い踊りに目を奪われた。

MCは春のファンクラブホールトゥワーの合間に行ったという脱出ゲームの話が中心。最後の大ナゾが解けずに時間切れになるのは、途中のナゾ解きに成功するたび互いに褒め合い満足してしまうため、とか。それは、インディーズ時代に苦労したので小さな喜びが本当に大きな喜びに感じるから、と自己分析していた。

「のっちがナゾ解きで頑張ったりすると、ウルウルッとなってしまう」というあ~ちゃんの言葉に頬が緩んだが、後でその話を思い出して泣きそうになる。あ~ちゃんはPerfumeに関する最高の語り部だ、と改めて思った。

今回のツアーではMC枠は基本ひとつ。いろいろ事情はあると思うが、もう1枠増やしてはくれないだろうか。客いじり中心でも構わないので。

 

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ライブ終演後は掛川駅前のホテルに1泊。翌朝の新幹線で東京に戻り、そのまま出社した。今週はまだまだ長い。次は徳島②。

 


(そう見慣れた いつもの景色が 変わるの)

前週行く予定だった大阪2日目が台風で中止になったので、長野初日以来の観覧だ。個人的な満足度は前回から倍増した。満足度ジャンプアップの要因は3点。

まずは座席位置。前回はアリーナ中ほどの列だが、かなり端に近い席。今回はアリーナの後ろから2列目だが、中央からやや下手寄り程度だったので、3人の姿や演出をほぼ正面から確認できた。

オープニングから1曲目にかけて、すでに目から汗。アルバムで聞いたときにはあまり好みでなかった曲たちにも、ずいぶんと凝った振りが付いているのが分かる。腕や脚の動きがしなやかで美しい。コミカルなあの曲のあの歌詞のところの振り付けは、解釈としては大方の予想どおりだが、おもしろすぎてニヤリとする。

公演途中、後方スクリーンに「FUTURE PRESENT PAST」の文字が映し出される。やはりそういうことか。今回のアルバム&ツアーに限らず、Perfumeにとっては通奏低音のようなテーマではあるが。

満足度上昇の2点目は可動スペースの広さ。今回は通路沿いの席だったため、体を8割ほど通路にはみ出して飛び跳ねる。隣の席はお父さんと一緒にやってきた幼稚園くらいの女の子。身長が私の半分くらいなので、腕がぶつかる心配もない。女の子はたぶんステージが全然見えず可哀そうだったが。

3点目はMCが前回より充実していたこと。最初のMC枠の話(コント?)で笑った、笑った。詳しい内容はほかの人のツイートやブログに譲るが、要するに青森行きの新幹線に乗り遅れそうになって東京駅の中を3人で全力疾走したという話。いつも以上にしゃべる気満々のあ~ちゃんであったが、自分のことよりのっち、かしゆかの言動を事細かに描写するのが優しいところ。あそこだけ映像化してくれれば、3000円払っても買うんだけど

結果、長野初日についてネガティブな感想を書いたことを相当に反省する。次回、静岡2日目がさらに楽しみになった。

(終演後の盛運輸アリーナ)

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翌日は青森空港10時発の飛行機で東京に戻る予定だった。しかし、台風くずれの低気圧のせいで欠航に。次の正午発の便に空席があったので振り替えたが、「これも欠航するかも」と心配になり、飛行機はキャンセルして新青森駅10時39分発の新幹線をスマホで予約した。

9時半ごろホテルを出て、青森駅に向かう途中のドトールでモーニングを食べ始める。「10時すぎの電車に乗って新青森に向かえばいいな」と考えながらスマホでダイヤを調べると、なんと9時52分の電車に乗らないと間に合わない。発車まであと7分。

パンを急いで口に押し込み、店を出る。息を切らして駅に駆け込む。「ひとまずモバイルスイカで改札を抜けよう」と思ったが、あいにく青森駅はスイカに対応していない。焦りつつ新青森までの切符を買う。

階段を上って電車の待つホームへと走る。ホームに下る階段にたどり着いたところで「ドアが閉まります」というアナウンスが聞こえる。半ば諦めながら駆け下りると、電車の横に立っていた駅員さんが私に気付いてドアを開けてくれた。助かった。

5分後に新青森着。「前日のPerfumeと同じく、なんとか間に合ったな」と思いながら下車すると、「新幹線は強風のため運転を見合わせています」というアナウンスが聞こえる。がーん。ドトールでJRサイトの運行状況をチェックしたときは「平常通り」だったのに。

結局、新青森で1時間半待たされた。キャンセルした正午発の飛行機は定刻通り出発したらしい。

盛岡を過ぎたころ、新青森駅で買った「ぜいたく弁当」を食べる、味がちょっと濃いが、予想を大きく上回るおいしさ。おすすめ。

 

Perfumeのライブはその場に身を置くだけで今も幸せな空気に包まれる。しかし、今回は過去の観覧時と比べて満足感が最も低かったことも告白しなければならない。

新アルバムを引っ提げてのツアーにしては一貫したコンセプトに乏しい。同じことは新アルバム自体にもいえる。あえて挙げれば「フューチャーベース」と「未来(あるいは、未来となった現在)から振り返る過去」か。

フューチャーベース系や「きゃりー風」の曲では観客の心に火をつけられはしないことをチームPerfumeはそろそろ潔く認めてほしい。今回のツアーでも取り上げられた、過去のバキバキ曲たちに対する観客の反応と比べれば明らかだろう。過去が現在や未来より明るいのでは危うい。

かつてのチームPerfumeはライブをメンバーと観客が一緒に盛り上げてゆく場として志向していた。しかし、この日のReframeの演出の再現は、観客がおとなしく座って3人を見守るイベントに変容しつつあることを暗示しているようだった。

MCが極端に短くなったのはどういった事情からだろう。カツ丼2杯はサービス過剰だが、あまりに小盛りではカロリーが足りない。MCは「幸せな空気」の発生源でもあるのだから。

救いだったのはライブを素直に楽しんでいたようにみえる観客も多かったことだ。ファンの新陳代謝によってアーティストは生き永らえる。文句の多い古いファンはそろそろ退場する頃合いなのだろうか…

…とか言いつつ、日曜にまた大阪に行くけど。

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この日の座席はアリーナ25列かしゆかサイド。スタンド下手の関係者席が左上方に見えた。集団から少し離れたところに金髪サングラスの男性が足を組んで座り、周囲にオレオレ感を発散させていた。ヤスタカ氏のようでもあり、違うようでもあり。違うとすると、誰だ? 集団中のひときわにこやかな男性はたぶん関さんだったかと。

(終演後のビッグハット)

とても良く出来たチケット。チケットを見ただけで泣きそう。

あと7回チケットが届くのだな。郵便屋さんよろしくお願いします。アミュモバでなんとか当たった横浜①はセブンイレブン受け取りだったか。

フラゲ以来15回くらい聞いたおかげで、だいぶ耳に慣れてきた。アルバム新曲の好みの順番は初めて聞いたときと変わらない。

 

天空>>>>>Future Pop>>>Let Me Know>>Tiny Baby>>>超来輪

※Start-Upは省略

 

アルバム発売にあたり、なぜLet Me Knowをリード曲に選んだのだろう(LEVEL3のときの1mmと同様の感想)。関さんのMVも、先週のMステで見た振り付けも、あまりおもしろくなかった。Future Pop(曲)のほうが一般受けすると思うが、アルバムと同タイトルは紛らわしいか。今週のMステで(曲)が披露されるのは、せめてもの救い。

音楽ライター、高橋智樹氏はニューアルバムを「永遠の近未来性」と評する(「今週の一枚」2018.8.17)。私はもっと単純に「レトロフューチャー」という言葉が浮かぶ。

天空は「完全なんて無いって 分からずにいたあの頃に」と10年前のような声で歌う。完全はないとわかってしまった現在 ⇒⇒⇒ 完全があると信じていた過去。「最高を求めて 終わりのない旅をする」Dream Fighterと似ているようで、向きは逆?

天空以外にも歌詞に「飛」を使っているのがFuture Pop、Tiny Baby、無限未来。J-Lyric.netに歌詞が収録されているPerfumeの99曲中、「飛」を含むのは14曲。そのうち今回のアルバムだけで3割弱。

ちなみに「羽」を含む曲の登場はZero Gravity以来9年ぶり。その前はButterfly。

アルバム新曲と既発曲が6曲ずつ。新曲を聞くごとに頭の中に?が増える。COSMIC EXPLORERのときとは大違いだ。ついにやっちまったか、ヤスタカ。

不安は超来輪でピークに達する。

ライブ会場にこの曲が流れるなか、地蔵と化す我が姿が瞼の裏に浮かぶ。卒業の日は近いのか。

ようやく曲が終わり、続く無限未来が今となっては心地よい。最初に聞いたころは、全然ピンと来なかったのに。次の宝石の雨はシングル発売時から安心の1曲。なんとか気持ちを落ち着かせる。

そして。

天空に命を救われました。

「みんな、こういうの好きでしょ」とモゴモゴ話すヤスタカの半笑い顔が目に見えるようだ。

ベタ。ベタといえばベタ。ベタ、ベタ、ベタ。

あ~、なんとでも言え。だってこういうの好きなんだもん。フューチャーベースなんて、ホントは何だか全然わからないもん。

What a relief…安堵のあまり、涙が出そうだ。

ラストのEverydayの、ちょっとかすれたのっちの声が耳を洗ってゆくようだ。

座席は1階3列ほぼ中央。2月の幕張1日目も最上級の席だったが、それをも上回る好位置。しかもフェスティバルホールはステージが低く、メンバーが一層近く見える。

最初のMCで、のっちが「手が震えているかどうか、見て」と、両手を広げて観客に見せた。前日は緊張のせいか武者震いなのか、手が随分と震えていたそうだが、この日は本人も言うとおり、右手の薬指だけ震えているのがはっきりわかった。照明を受けた白く細い指はウインナー感ゼロだった。

セットリストは幕張のときより新しめの曲が多い印象で、正直ちょっと物足りなかった。MCは幕張よりさらに長かった気もしたが、全体の尺はむしろ短いくらいだったので、気のせいか。

最近のライブでは毎度感じ、今回も色濃く感じたのはファン層の変化だ。この日は全員ファンクラブ会員のはずなのに、ぐるんぐるんのころなんかと比べてもライトな観客が増えた気がしてならない。ライブでしばらく封印していたというあの曲で、最初から手拍子というのはないんじゃないか、と思うんだが。

実際、かしゆかの「Perfumeのライブ、初めてっていう人?」という定番の質問に、最前列の観客2、3人が手を挙げていたくらいなので、仕方がないといえばそれまでだが。

退場時も、背後で仲良く感想を言い合っていた女子2人組の片方が、「実は私、最後の曲、知らないんだけど」と言ったのを耳にしてえらく驚いた。確かに昔の曲だけど、「ということは、今日のあの曲とかあの曲もわからなかったの?」と尋ねたくなる。

ただし、そういう若い観客は、最近の曲については私などよりずっと好意的に受け入れているようにみえるので、これからのファンとしては彼ら彼女らのほうが好ましいのかもしれないな、と自戒を込めて思ったりする。

このあたりのギャップが広がりすぎると「ファン卒業」になってしまうのだろうが、今のところがまだ持ちこたえている。

MC中に男性ファンから事前に寄せられたメッセージをあ~ちゃんが読み上げた。「Perfumeが走り続ける限り、全力でついていきます」。私もひとり、うなずいた。

5月のトゥワーは3公演まで申し込み可。当選確率が高いのはどの会場か。ネットに上がっている参加希望アンケート会場キャパをもとにして考えてみた。

上表の倍率はアンケートにおける各日程の参加希望者数(第1~第3希望の合計。25日午後10時時点)を各日の会場キャパで割った値。100倍しているのは値を見やすくするためで深い意味はない。

倍率は低い順に10日(福岡)、22日(愛知)、8日(大阪②)。愛知、大阪は地域人口の多さをキャパの大きさが相殺している。さらに、大阪は2daysだし。福岡は地域人口と比べるとキャパが割と大きめなのと、東京圏からは遠くて行きづらいことが影響しているのだろう。

反対に、Perfume出身地で週末開催の広島が最激戦の予想。続いて、キャパ最小の北海道、東京に近く最終日の静岡の競争率が高そうだ。

もっとも、抽選方法の詳細はわからない。同じ日程でも第1希望の当選確率は第2・第3より高いのか、とか。単願のほうが当たりやすいという神話もあるが、これも真偽は不明。

これ以上考えても仕方ないので、大阪②と愛知は確定。福岡は大阪②と中1日で日程がちょっと近すぎるので、お楽しみをバラすため、代わりに競争率が中くらいの宮城を選択する。希望順は倍率の高いほうから並べることにして、第1希望・宮城、第2希望・愛知、第3希望・大阪②。これから申し込みます。

なお、Reframeはチケットが取れなかったよ~。

公式サイトで発表されたので、セットリストは解禁ということでいいのだろう。P.T.A.で募集した聴きたい楽曲アンケートのベスト10をそのまま採用したところにチームPerfumeのファンに対する思いを感じる。

昨日ちょっと触れた初見4曲。まずは1曲目のTake me Take me。最初の1音で会場から「おおっ? うぉー!」と声が上がる。GAMEツアーのDVDでは、大人っぽい振り付けに不釣り合いな10代の3人が初々しかった。10年を経てメンバーが振り付けに追い付いた感じだが、そうなると少々なまめかしすぎる気も。

続いては7曲目のHurly Burly。この曲に投票したファンの方々のセンスに感心する。私は完全に意識の外だったので。フルで踊るのは初めてらしい。夜っぽい感じのダンスがめちゃくちゃ格好いい。

そして9曲目のedge。SAYONARA 国立競技場の観覧を見送ったときは、後で激しく悔いたものだが、ようやく「say yeh!」と言えた。ただ、これも直角二等辺三角形TOURの映像の刷り込みが強すぎて、目の前の生のパフォーマンスに逆に違和感を覚えてしまう。

最後は10曲目のThe best thing。1053のDVDで見てしびれた曲。映像の美しさにほぼ見るたび泣ける。あのストライプの衣装も大好き(特にかしゆか)。もし今回のライブでこの曲をあの衣装を着て1曲目に演じていたら、たぶん涙ぼろぼろだっただろう。実際には、1位がこの曲だということは事前にわかっていたので、至極冷静に見ていられた。3人が縦に重なって並ぶところは、会場で斜めから見るとあまり美しくないことに気付き、途中からプロジェクターの映像を凝視する。

公式サイトには書いていなかったが、1日目はバレンタインデー当日ということで、アンコール2曲目にチョコレイト・ディスコを急遽追加した。期待してるお客さんは計算どおりになってめでたしめでたし。かしゆかは無限未来の衣装の袖口が邪魔で踊りづらそうだったけど