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「Ave Maria!~シューベルト~」

 21日に発売された平原綾香さんの「Ave Maria!~シューベルト~」を、ようやく本腰入れて(って言い方もヘンだけど)聴くことが出来たので、感想を書いておこうと思う。


 数多あるクラシックの名曲の中で、「未完成交響曲」に特別な思い入れを抱いている僕にとって、シューベルトはやっぱり詩情溢れる旋律の作り手として燦然と輝いていて、このアヴェマリアも、もちろんとても好きな曲。
 これを今回は、3連符のいわゆるロッカバラード(ってあんまり今は言わないのかな)にしたんだな。


 楽器がとても面白いことになっていて、808系のリズム音色とシンセベースでリズムを作っているんだけど、右側で鳴ってるギターはオーソドックスなオールディーズっぽい歪みカッティングで、ピアノはジャズっぽくずっとコロコロ弾いてて、でも後ろでハモンドも鳴ってるという。

 加えて、ハープとあーやの声のアルペジオ(ボイスパーカッションと言ってたような気がするけど、どちらかといえばやっぱりアルペジオかな)がコンビになってずっと流れている。アルペジオって言葉自体がハープからきてくるくらいで、切っても切れないとはいえ、こういう使い方はちょっと珍しいんじゃないかな。


 こういうアレンジも面白いけれど、ピアノの音を聴いていたら、アコースティックの3ピースなんかをバックに聴いてみたくなったなぁ。彼女の声は、この曲にとっても合ってると思うから、シンプルな伴奏で。年季の入ったライブハウスとかでね。古い木のテーブルに肘をついて、ワイルドターキーなんかを、こう傾けながらね(笑)

 でも、それにしても短すぎる。もうちょっと長く世界に浸っていたいんだけどな。


 カップリングはカッチーニの「AVE MARIA」のanother mixってことで。
 正直に白状するけど、違いがでんでん見つけられまへんでした。。 野暮を承知で、ふたつを重ねて再生したりしてみたけど、わからんかったなぁ… そういう聴き方するもんじゃないんだろうけど、つい。強いて言えば、今回のanother mixのほうがボーカルが強く出てるような気がしたけど、気のせいの範疇を出なかった(^_^;)


自分音楽史 第六回 リコーダーと合唱

 リコーダーを大いに気に入ったわけだけれど、実は小学校一年生のときにその音色を初めて聴いていたことを、ずいぶん後になって思い出した。
 小学校一年生の学芸会。正確には、確か学習発表会みたいな感じだった。ちょうど学芸会と文化祭を一緒にしたみたいな催し物だったのかな。
 うっすらと記憶しているのは、なんだか茶色のモモヒキだかタイツだか、そんなのをはかされて、大勢のタヌキの一匹とかをやらされたというような(笑)。
 まあそれはさておき、そのときに、五年生六年生のお兄さんお姉さんたちが、楽器の演奏と合唱、それにセリフによって、ちょっと物語風な演目を見せてくれてね、これに心をとらえられてしまったんだな。
 自分のことはよく憶えていないのに、この上級生の演目は四十年近くたったいまでも憶えているんだから、よほど感激したにちがいない。
 曲目は忘れもしない、「星の世界」と「錨を上げて」。
 星の世界のほんとに美しいメロディ。それをまた、お姉さんが綺麗な声で歌ったりするわけですよ。
 あるいは、照明も鮮やかな中、リコーダーの二重奏をバックに、お兄さんが「お父さんは船長さんなんだ!」とか言ったりするわけですよ。
 後々、音楽にはまったり、脚本を勉強したりするようになるルーツのひとつは、ここにあるんじゃないかと、ずいぶんたってから気がついたりもしたな。
 さて、このときにリコーダーの二重奏だったり、合唱(斉唱ではなくてね)というものをはじめて耳にしたんだと思うんだけど、しくみというか、何がどうなっているのかはよく分からなかったんだけど、ずいぶんと綺麗なものだなと思ったんだろうな。
 小学校も中、高学年になってくると、パートわけをして歌わされたり、演奏させられたりするんだけど、これがとても好きだった。たとえば「花」。たとえば「紅葉」。それからずっと新しい曲になって「翼をください」とか。
 当時は和声のことなんて、何もわからないから、別々のメロディーを歌ってきちんと綺麗に合って、ひとりで歌うより、なんだかわからないけどずっとわくわくする感じが不思議で、魔法みたいに感じた。
 中学に入ってからは「大地讃頌」を聴いて「うわーっ!!」と思ったり。
 中学生くらいになると、やっぱり歌謡曲や学校の音楽じゃない音楽にも目覚めるのはお決まりで、僕もご多分にもれず、当時流行の末期だったフォークなんかを聴き始めるのだけれども、前述のような嗜好があったために、友だちたちとは、ちょっと聴きどころが違っていたようなのだった。

自分音楽史 第五回 小学校高学年

 初めて楽器を演奏できるようになって、それまで押し込められていた、音楽好きの性向が表に現れるようになってきた。
 どうしてか、僕は子どもの頃から妙に老成したところがあってね。秋の夕日なんかをみながら「ああ、なんと趣深いことだなあ(とは言わなかったけど)」なんて、感傷にひたったりするところがあった。
 そういうおりに、それまでは特に何かでそれを表現するということは出来なかったんだけど、ハーモニカをおぼえてからは、おもむろに懐(じゃなくてポッケ(笑))から取り出しては、吹いてみたりなんかするようになったんだな。壁の薄いアパート暮らしだったから、きっと近所迷惑だったことだろうが、周りの大人たちはそれで目くじらをたてるようなこともなかった。
 あの頃の子どもの扱いってのは、今のように手厚くはなかったかわりに、少々のことは放っておいてくれて、子どもはそれなり自分なりに、ちゃんと世界を作れていたんだ。怪我をしたって「唾付けとけ」と言われたし、悪さをすれば、まっさきに親に張り倒された。でも大人はすごく余裕があってさ、子どもの言うことなんかでオロオロおたおたなんて、絶対しなかったんだよ。ま、それは余談。
 その後、小学校も高学年になると縦笛が配給されるわけですよ。ソプラノリコーダーってやつだね。これがまた、気に入っちゃってね。ハーモニカとは音の出し方が全然違うから最初はまったく出来ないんだけど、もうすでにハーモニカの成功体験があるから。練習すりゃあ出来るっていう気持ちでいるし、現にしばらく吹いててコツをつかめば、まあまあ吹けるようになるんだよね。
 リコーダーの澄んだ音ってのは今でも好きで、綺麗だなと思うんだけど、当時もいい音だと思ったな。
 それに加えて、学校の授業ではパートわけをしたりして、リコーダーの二重奏なんかをやらされるわけ。これがもうツボにハマっちゃって。ものすごく楽しい。
 気がついてみると、どうやら僕は楽器にしろ歌にしろ、そういうふうにパート分けて一緒に演奏するってのがすごく好きらしかった。
 忘れてたんだけど、その伏線は、実はもっとずっと以前にあったんだ。