自分音楽史 第六回 リコーダーと合唱 | roulan

自分音楽史 第六回 リコーダーと合唱

 リコーダーを大いに気に入ったわけだけれど、実は小学校一年生のときにその音色を初めて聴いていたことを、ずいぶん後になって思い出した。
 小学校一年生の学芸会。正確には、確か学習発表会みたいな感じだった。ちょうど学芸会と文化祭を一緒にしたみたいな催し物だったのかな。
 うっすらと記憶しているのは、なんだか茶色のモモヒキだかタイツだか、そんなのをはかされて、大勢のタヌキの一匹とかをやらされたというような(笑)。
 まあそれはさておき、そのときに、五年生六年生のお兄さんお姉さんたちが、楽器の演奏と合唱、それにセリフによって、ちょっと物語風な演目を見せてくれてね、これに心をとらえられてしまったんだな。
 自分のことはよく憶えていないのに、この上級生の演目は四十年近くたったいまでも憶えているんだから、よほど感激したにちがいない。
 曲目は忘れもしない、「星の世界」と「錨を上げて」。
 星の世界のほんとに美しいメロディ。それをまた、お姉さんが綺麗な声で歌ったりするわけですよ。
 あるいは、照明も鮮やかな中、リコーダーの二重奏をバックに、お兄さんが「お父さんは船長さんなんだ!」とか言ったりするわけですよ。
 後々、音楽にはまったり、脚本を勉強したりするようになるルーツのひとつは、ここにあるんじゃないかと、ずいぶんたってから気がついたりもしたな。
 さて、このときにリコーダーの二重奏だったり、合唱(斉唱ではなくてね)というものをはじめて耳にしたんだと思うんだけど、しくみというか、何がどうなっているのかはよく分からなかったんだけど、ずいぶんと綺麗なものだなと思ったんだろうな。
 小学校も中、高学年になってくると、パートわけをして歌わされたり、演奏させられたりするんだけど、これがとても好きだった。たとえば「花」。たとえば「紅葉」。それからずっと新しい曲になって「翼をください」とか。
 当時は和声のことなんて、何もわからないから、別々のメロディーを歌ってきちんと綺麗に合って、ひとりで歌うより、なんだかわからないけどずっとわくわくする感じが不思議で、魔法みたいに感じた。
 中学に入ってからは「大地讃頌」を聴いて「うわーっ!!」と思ったり。
 中学生くらいになると、やっぱり歌謡曲や学校の音楽じゃない音楽にも目覚めるのはお決まりで、僕もご多分にもれず、当時流行の末期だったフォークなんかを聴き始めるのだけれども、前述のような嗜好があったために、友だちたちとは、ちょっと聴きどころが違っていたようなのだった。