「アイスクリーム入れっぱなしにしてたの捨てといて」と義姉に言われていたので冷蔵庫を開け、そこでビックリ。真っ黒。カビだった。
「アイスクリーム入れっぱなしにしてたの捨てといて」と義姉に言われていたので冷蔵庫を開け、そこでビックリ。真っ黒。カビだった。
ウォーキング中、今年初めて雉を発見。うむ。美しかった。
今日、伴侶初めての夜勤。結婚後、初めての一人の夜。やーっぱ淋しいもんである。
教師を指してそんな言葉を使う彼は俺からしたら相当〈オトナ〉だった。俺としてはわかったような、わかってないような中途半端なニヤニヤ笑いを返すのみだった。が、今思い返してみると……
一人悦に言ったような冗談とニタニタ笑い。
黒板消しの白い靄。
ニキビ面のガキの理解をよそにサバサバと展開していく授業。
Sの言葉通り、遠野先生はたしかに、かなりインビな雰囲気をたたえた御仁だった。
Sのそんな言葉が、あいだに「業」という言葉をはさみ、遠野先生が晩年なさっていたという「五重相伝」(仏業)に、なんとはなしまっすぐつながる。
で、ふと思う。
遠野先生って、かなりスケベな人だったのかもなあ……。
そんで自分でも苦しかったのかもなあ。
誤解を承知で思ったままの言葉を使わしてもらう。でもこれは俺からすればひとつの〈讃辞〉なので、バスケットボール部の皆さん他、遠野先生に縁が深かった人達、怒らないでいただきたい。
「スケベ」というのは「人生に対する欲が深い」という意味で使ってるんであって、金やら何やら俗っぽいことに目がないとかいう意味で使ってるわけじゃないんだから。
(もちろん金やら何やらも大事なことなんだが)
人生に対して欲が深い……人間として極めたい地点になかなか手が届かない。
それがあのニタニタ笑いだったり、中学生には時折理解不能な冗談だったり、バスケ部の連中をどやしつけるあの大声だったんじゃないかと思われてならない。
「おめえになんか何がわかる」
そう言って皮肉な笑みを浮かべる氏の姿が目に浮かぶ。
が、一人で勝手にこんなふうに考えていくと、あの頃よりずっと先生が近しく感じられてくるのだ。
Sのようなちょっとマセタ感性があの頃の俺にも備わっていたならば……
洞察力の欠如が今さらながら悔やまれますが、当時の自分にそんなものを期待するほうが間違ってるのはよおくわかっている。しかし俺に比べたらSは、なんて豊かな中学生時代を送っていたんだろう、そう思われて、悔しい。
ご冥福を……。
オイル(3.5リッター)/1,580円 (交換)/800円(小計/2,380円)
ここまでで 10,780円
防錆工賃/5,000円 ATF/7,000円 交換料/800円
合計 23,580円 税込み総計 24,759円
★渋谷君から古い音源、MDで。おお……聞けない。
一応仕事なんだけどね、こんなところに車停めてじとーッとしてるけど、ひとりでも乗ってくれんことには金にはならんのだわな。
思えば金にならんことにばかり精を尽くしてきた44年だわな。
ほれ、札幌オリンピックで笠谷だの日の丸飛行隊だの騒いどった時な、小学五年だった。
ペプシの王冠の裏めくると競技ごとのマークなんぞ書いとって、それ集めたりの、ちっちゃい時遊んだプラレール引っ張り出して、そいつ斜めに置いてその先っちょグッと持ち上げてジャンプ台にしてミニカー走らして飛ばして、何センチ飛んだか記録とっての、遊んどった、一人で。
中学生んなったら麻丘めぐみちゃんや深夜ラジオに夢中になっての、それが青春だと信じとったんだ。
麻丘めぐみがビートルズやイーグルスになったりしたけどな、ラジオ熱は高校出るまでついに引きずったった。
公開放送とかあしげく通っての、リクエストハガキ書くのにも熱が入っての、レタリングやちょっとしたイラストじょーずになったわ。
やがて一応働くようになったけどな、写植屋になったのはリクエストハガキの延長なんだわ。
レーアウトとかきれーな文字とか好きでな、そんでもちろん人間関係とかいろいろあったからっつーこともあるけど独立までしてな。
すきやったわあ、写植。
でも2年ちょっとでぽしゃった、自分の会社。写植もろともでんがな。業種的リストラです。みんなマックになっちまったんですな。
で、ついにタクシーでんがな。精出す仕事なんかじゃありゃしません。運と偶然で成り立っとるしょーばいだす。
ウチで小説書き出しました。なんとか賞かんとか賞にもずいぶん応募しました。小説家になりたくてな。
もちろんあきまへん。40から書き始めてもうすぐ五年、一本も引っかかりまへん。そのあいだにタクシーの給料、半減でんがな。ふきょうでな。オクさん稼いでくれるから生きとられますねん。
ホームページ作りは、とにかくみんなにてめえの文章見てほしくてな、そんでああでもない、こーでもない言って欲しくてな、始めました。
ウインカーも出さずにひとつ先の赤信号を眺めていたら
耳の後ろにぶら下げたスピーカーから「アクロス・ザ・ユニバース」が流れてきた。
そのまま吸い込まれていった。
つぎは「レット・イット・ビー」だがもちろんOKだ。
ありがたいこった。
ありがとう、あ りがとう、ありがとう。
どこの誰に向けられたかわからない、
『Let It Be......naked』を企画した人へだろうか、
これから行こうとしているラーメン屋のおばちゃんにだろうか、
ありがとうの言葉が次から次へとあふれ出た。
まじめに働う。
でも耳の後ろのスピーカーだけはこのまま使わしてくれ。
頼りないんだ、俺って。
自衛隊を送るということ。
北朝鮮の支配者がやっていること。
その指図で連れて行かれた人たちのこと。
連れ戻されたけどまだ家族がその国に囚われている人たちのこと。
自分の子供を殺してしまう人たちのこと。
殺されちまった子供たちのこと。
首相は小泉純一郎という人だということ。
その人がどうしたこうした何言ったかに言った。
プロ野球団のオーナーが何言ったかに言った。
ロシアのはしっこ、地吹雪に凍えてる人たちのこと。
独立した国で呆然と空を眺めるぐらいしかすることのない人たちのこと。
年老いた母親のわがままのん気さにノイローゼになっている人のこと
そんなことについて口を開くのは俺のすることじゃない。
ただ、みんな同じだけ、この世にあるものとして
しいたげられない権利を持ってるんだと、
そう信じて、
いつも目の前を見つめていたい。
この道はなんだかまっすぐに見えるでしょう? でもあなたはすぐに気づくはずです。なんてくねくねだらだら、性懲りもなくはっきりしない曲がりくねり方の坂道なんだろう、と。
それはもしかした道の脇に斜め向きの矢印の標識が立っているからかも知れない。なんだか妙だなと自分でそれとなく気づくのかも知れない。目をつぶっていて何かにぶつかってしまって、あなたはそのことにやっと気づくのかも知れない。
とにかくこの道は思ったよりも案外狭くて、狭かったかと思うと急に開けて、かと思ったらヘアピンカーブに曲がっていて、なんて、そんなだらしない道なのです。
でもあなたはそんなことをあんまり何とも思わずに歩いていく。すると、向こうから来た自転車にあなたはぶつかりそうになる。てめえこの野郎! とあなたは怒鳴るかも知れない。言ったつもりだけで、あなたは睨んで済ます人かも知れない。しかも睨んだつもりのその目が相手には泣いているようにしか見えない人かも知れない。そんな人だったりする。なんて最近の自転車のりはモラルに欠けるんだろう、あなたはそう思ってよけただけだったかも知れない。でも、それ、本当にモラルなのかな? あなたが道の真ん中を歩いてたんじゃないかな? そしてあなたはすぐ私の言うことを気にする。言葉にこそしないけれども、心の中であそこもそう言えば真ん中と言えば真ん中だ、とちょっと反省したりする。でもそんなのを認めちまったら負けだ。負けるもんかい! でも絶対こんなことは口にしない。顔はただ暖昧に笑う。
ああいやだいやだ、こんなにやにや笑いは。今のオレはきっとすごくだらしない、いやらしい顔をしているんだろうな。ちくしょう、いつからオレはこんなににやけたツラの、卑しい目つきの人間になっちまったんだろう。いや、でも、夕方になるとちょっとは引き締まった凛々しい顔つきになるぞ。今はまだお天とさんは東の空だ、オレはこんなにむくんだ顔をしちゃいるが、夕方になればこれはちょっとしぼむのだ。ちょっとしぼんで頬のこけたいい顔になるんだ。足なんかはむくみ切って靴もパンパンにきつくて早く家に帰って楽チンしたいんだけれどあなたはちょっとしぽんでマシになった顔を誰かに披露したくなって夜の街をうろつく。もちろん誰もまともに相手なんかしちゃくれないけどね。だってあなたは今や文無しだから。
さてしかしあなたは、この道を降りていく。昇ってると思ってた? 今もまだ下り坂だよ。何言ってるんだいキミ、などと言ったところでここはまごうことなきだらだらくねりの下りです。自転車のモラルを心の中でだけ罵倒したり、だらだら恨んだりしながら降りていく。
でもね、確かに近頃の白転車乗りはなってないよ、うん、本当にふざけてる。そう言われてキミは喜ぶ。ボクはそこでさらに言う。だってこないだなんかこっちが青なのに目の前をすうっと前だけを見て横切っていくんだぜ、ボクはクラクションすら鳴らせなかったよ、ひどいぜ、クラクションさえ鳴らせずにすうっと横切られた日にゃ、このぎょっとビックリとそのすぐあとに沸き上がってくる怒りを鎮める手段さえ奪われてるんだぜ。クラクションぐらい鳴らさせろよな。オレのクラクションを聞いてお前もびっくりしてから去れってんだよな。どっちかが零点何秒ずれてたらぶつけて殺してたんだぜ、やってらんねえよ!なってないどころか、ふざけてやがる!殺してやりてえぐらいだ!
でもキミは、賛同者を得られて嬉しいかと言えばそうでもない。うるさい! 黙れ! お前の口調が気にくわない。カンに触る。一人で盛り上がりやがって! オレの言いたいことを全部持っていきやがった。チクショウ……もっとマシな隣人をくれ。このオレの知性や品格にマッチした「友達」をくれ! こんな奴と並んで歩くのは真っ平だ! 汚らわしい! やってらんない! 本当の、オレはどう思ってるかを察しながらしゃべれる、そしてこっちも少しは口を挟める、対等に話せる、そんな友達をくれ! バタバタバタバタまくし立てられてもなぜか許せてしまえる、そんな「友達」をくれ!