流れない車線
ウインカーも出さずにひとつ先の赤信号を眺めていたら
耳の後ろにぶら下げたスピーカーから「アクロス・ザ・ユニバース」が流れてきた。
そのまま吸い込まれていった。
つぎは「レット・イット・ビー」だがもちろんOKだ。
ありがたいこった。
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
どこの誰に向けられたかわからない、
『Let It Be......naked』を企画した人へだろうか、
これから行こうとしているラーメン屋のおばちゃんにだろうか、
ありがとうの言葉が次から次へとあふれ出た。
まじめに働う。
でも耳の後ろのスピーカーだけはこのまま使わしてくれ。
頼りないんだ、俺って。