本中毒、映画中毒、仕事中毒、そして...恋愛中毒 -10ページ目

■マンガ 白土三平『カムイ伝 第2部』

 

 

2年ほど前からカムイ伝の第2部を読まないといけないなぁ…などと漠然と思っていてる内に、昨年10月に白土三平さんが亡くなってしまった。

ややっ、っと思って行きつけの本屋に行ってみると、永遠に本棚に並んでいるモノだと勝手に思っていたカムイ伝全集が数冊しか残っていない…

とりあえず、抜けている部分はネットで購入する事にして、本屋にあった分だけ購入。

帰宅してネットで探してみたら在庫がない巻がある。

Amazon、honto、楽天Books etc…やはり歯抜けを埋める事が出来ない。

結局、未だにカムイ伝第2部を最後まで読めていない状態。

カムイ伝全集が刊行され、外伝を全部揃えた時に、第2部も揃えておくのだった…

と、後悔しきり。

 

実は同様に、望月三起也さんが亡くなった時に、『ワイルド7』を読みたいな。と思って調べたら、これも紙の本では手に入らない。

中古本を買うか、一部だけが出版されている大判の超豪華本を買わねばならない状況だ。

 

こういう古典や定番といった作品を買えなくなってしまう辺り、マンガは本当に文化として認知されているのだろうかと訝しんでしまう。

それともマンガは読み捨ての文化なのだろうか…

もちろん特定ジャンルの文化が生き続ける為には新陳代謝が必要なのだが…

(いまだに大友克洋『AKIRA』を100刷を越え重版されている例外もあるのだけどね)
 

文学作品と比較しても紙の本が入手できなくなってしまうのが早いような気がする。

そういう部分で、夏目漱石、谷崎潤一郎、三島由紀夫etcの日本の近代文学が、ずっと本屋で読める状態なのはとても有難いのだけど…

ここら辺はテキストと画の違いなのかなぁ…

■書評 呉明益『自転車泥棒』文春文庫2021/9/10

 

自転車泥棒 (文春文庫 コ 21-1)

 

失踪した父親が乗っていた自転車の話を聞くうちに、読者は命が紡ぐ近代100年の物語に引き込まれていく…

 

意図的に有名なイタリア映画のタイトルを題名にした本なので、一族のファミリーヒストリー的な話なのだろうと予測していたのだが、こんなスケールの大きな話に引き込まれるとは思っていなかった。

 

嬉しい誤算。

(いや、ファミリーヒストリーの一面もあるのだけれど…)

 

同時に、これほどインターナショナルなアジアの近代を感じさせられた小説も初めてだ。

どうしてもアジアの近代には、欧米の植民地支配の時代があって、日本による開放と再支配、太平洋戦争があって…

僕ら日本人は、戦後80年近く過ぎた今でも、アジア各国に対する植民地支配と太平洋戦争に対する罪悪感を抱えていて、近代アジアを舞台にしたフィクションにそれが出てくる。

シンプルな背景として歴史を捉えられず、そこに背景以上の意味を探してしまう。

この小説には、そうした気負いやバイアスはない。

ここら辺は、作者が、地政学上フラットにならざるを得ない台湾人というのが影響しているのだろう…

 

戦後生まれで戦争を知らない僕でも、読み終わった後に、呪縛から解き放たれ晴れ晴れとした気持になった。

佳作だと思う。

アフガニスタンの混乱

米軍がアフガニスタンから撤退するとなった途端、撤退期限を待たずにイスラム教 スンニ派過激組織 タリバンの攻勢を受け、アフガニスタン政府が崩壊。

タリバンが首都カブールを制圧、事実上のアフガニスタンの新政府になった。(正式な政権発足はまだの様だ)

 
米国はガニ前政権がこれほどあっさり崩壊するとは考えていなかった様で、多くの米国人をはじめとした西側諸国国民とその協力者が脱出に失敗。
空港周辺に取り残され、大変な混乱になっている。
日本大使館の方々も脱出できていないと聞いているので、非常に心配だ。
 
なんで、こんなにあっさりと前政権が崩壊したのか?と言うのがよくわからないのだが、ガニ前大統領が多くの資産と一緒に真っ先に逃げ出した状況から判断するに、汚職と腐敗が進み、政府が上手くと言うより、全く機能していなかったのだろうなぁ…と思う。
まぁ米国が匙を投げたというのが真相なのだろう。
残念な事だ。
 
共産党系政権が危機に瀕した1979年に旧ソ連が侵攻し、結局1989年に撤退した時も同じ様な状態だったみたいなので、我々の考える様な行政機関が機能しない風土・文化なのかも知れない。
 
さて、これからタリバンがどの様な統治を行うのかという所が気になる。
イスラム教原理主義の偏った価値観に基づいた統治をするのだろうが、それは女性達にとっては人権を全く認められない地獄だろうし、同時にスンニ派以外のイスラム教徒にとっても不安と不満に満ちたモノになるだろう。
タリバン内部でも、今の所は穏健派と過激派が綱引きをしている様なので、どうなるかはわからない。
が、既に女性のポスターが黒く塗られたり、報道に関わる女性が解雇され、そして生存が脅かされる様な事態が起こっている。
外国人記者に協力した通訳の家族・親戚が殺害される事態も発生していて、どうも穏健でまともな政体が出来る様な気がしない…
 
 
アフガニスタンという国は、いつからこうなったのだろう?
とネットでざっと調べると、どうも1800年代のバーラクザイ朝成立以降、時の覇権国家、イギリス、ソ連、米国に内政干渉を受け、常に内乱したり、戦争したりしている。
これでは国民に教育を行い、国力を充実することも覚束ないだろう。
 
かなり気の毒だなと思う。
思うけれども、どうしたら良いのかは思いつかないのである。