本中毒、映画中毒、仕事中毒、そして...恋愛中毒 -11ページ目

■書評 オルハン・パムク『パムクの文学講義 直感の作家と自意識の作家』岩波書店 2021/8/5

 

 

トルコのノーベル賞作家 オルハン・パムクによる小説論。

2009年にハーバード大学のチャールズ・エリオット・ノートン・レクチャーズにパムクが招かれ行った講義の翻訳。

 

この150年の「小説」という文学手法の発達と、その小説を「直感的」に読み書きする作家・読者と「自意識的」に読み書きする作家・読者の対比について語っている。
「直感的」と言うのは「主観的」
「自意識的」と言うのは「客観的・自省的」
と読み換えても良い。
(この二つの視点は昔から言われている事で、パムクが特別に新しい事を言っているのではない。)
「自意識的」というのは純文学のみの概念で、それは推理小説や歴史小説には無いものらしい。
いやいや、待て待て。
そもそも「自意識的」な小説を純文学と言うのではなかろうか…
 
同時に、パムクは小説の「中心」という概念も提示する。
「主題」ではなく「中心」。
ちょっとパッと読んだだけではわからなかったのだが、なんとなく言いたい事はわかる。
だが、残念な事に…その「中心」を明示的な文章で表現できないから、「純文学」が成り立っている様な気がする。

■書評 渡辺洋二『彗星夜襲隊 特攻拒否の異色集団』光文社NF文庫 2003/12/18

 

 

18年ほど前に購入して積読状態だった本を、今更読了。

知らない間に版が変わり、更に絶版している。

 

この本は、もう敗色濃厚になった昭和19年終わりから敗戦の昭和20年8月までの間、主に沖縄航空戦から本土防衛戦での、芙蓉部隊という海軍の航空攻撃隊を扱った戦記ノンフィクション。
芙蓉部隊では、当時、常態化していた米国機動部隊への特攻による攻撃ではなく、通常の夜間爆撃を主体とした攻撃を最後まで組織的に実施した。
米軍の圧倒的な航空優勢の基、昼間では補足・撃墜されてしまうので、夜間爆撃という攻撃手段を選び、それに向け、航空機の選定、整備体制の確保、パイロットの夜間飛行の訓練、前線基地が米軍の爆撃を受けない様に、そして受けても被害が最小限になる様に…
出来る限りの知恵を絞り、工夫を実施し、戦い続けた。
本のタイトルにある『彗星』と言うのは、太平洋戦争中に作られた単発水冷エンジンの艦上爆撃機。
この部隊では、発足時に数量を揃えられる機体という事で、「彗星」を選ぶ。
そして、その空冷エンジンに比べると整備が難しい水冷エンジンの「彗星」で、8割という稼働率を維持する。
彼らは特攻自体は否定していなかった様だが(実際に特攻した機体もある)、人材と機材を使い捨ててしまい効果が曖昧な、安易な「特攻」という手段ではなく、合理的に効果と費用を評価し、戦術の選択と組織運営を行っていた。

 

こういう話は、勝っても負けてもすごく興味深い。

フロッピーディスクドライブ2

と、言うわけで、2日後フロッピードライブが宅配で送られてきた…

 

早速デスクトップのUSBに繋ぎ、家人のディスクを入れてみる。

妙にガリガリと音がして、音を聞くだけで、あ、これはもうアカン奴やな…と思う。

結果、3枚あるディスクのうち2枚は、FATが壊れているらしく「フォーマットされていないディスク」と表示される。

1枚だけ内容が読めた。

15年前の短いワープロのファイルが2つだけ。

家人は失望の色を浮かべる。

読めなかった2枚のディスクに結構大量のワープロ文書が入っていたらしい。

 

一昨日にも書いたが、フロッピーのデータ寿命は2~10年。

1枚でも読めたのは運が良かったと思わないといけない。

理屈ではそうでも、やはり納得いかないのが人情と言うものか…

 

この後、おそらく、紙に印字された文章をスキャナで読んでOCRをする事になるだろう。

 

これからは、NASを準備するとか、クラウドにデータを保存するとかを考えていかないと不味い事になるなぁ…