桐島ローランド オフィシャルブログ「Believe! 信じられる未来へ」Powered by Ameba -197ページ目

メイキングof「私の中の8mm」その3

そんな訳でとうとう出発です。早朝4時集合。新宿西口で待ち合わせ。僕たち撮影隊は合計4台での移動。俺のゲレンデにはトレーラーを付け、バイク二台を輸送する作戦だ。都内でちょっとした走行シーンを撮影してから、そのまま一気に山形まで向かう。天候はいまいちだったが、新潟に入った所で晴れてきた。自慢じゃないけど、晴れ男です。今回、一番最初の台詞ありのシーンがガソリンスタンドでのカットだ。主人公の岡田さんがスタンドのお兄さんにナンパされると言ったシチュエーション。湯江健幸さんの演技がかなりリアルでやばかった。ただ俺は相変わらず機材の事でパニック状態。フォーカスが甘いし、使い難いし。使う予定のフィールドモニターも壊れちゃって、ピンが合わせないし。それも何より、移動が計算以上に掛かってしまい日が落ちそう。限られた時間の中、みんなのストレスは爆発。スチールでの撮影ではあまり見られない光景でしたが、ある意味新鮮で良かったかも。。。とりあえず、お尻に火がついた状態での撮影でした。本当だったら、後2シーン撮る予定だったのですが、日没。とりあえず、湯江さんのシーンは無事収録。彼はそのまま東京へと帰りました。。。
それにしても、映画ってこんなペースで撮るとは思いませんでした。普段のスチール撮影と変わらない。これは応えますね。。。



ガソリンスタンドでの撮影風景。時間が無いので2カメで撮りたいと言ったら、そんなのすんなと怒られちゃいました。演技はPVとかと違ってワンシーンづつ撮った方が良いんですね。



撮影の合間に大鶴義丹監督と熱いトーク。こういったぶつかり合いって、なんか良いね。



岡田さんの初走行シーン。彼女は思っていたよりバイクが乗れていました。CB400SSも本当にお似合いでなにより。



「昼ドラ王子」と世間では知られている高杉さんと岡田さんの2ショット。この日の夕日は格別でした。

メイキングof「私の中の8mm」その2

準備がほとんど出来ていないまま撮影の初日を迎えた。どうしてもmini35を動かしたかった所だったが、週末って事もあり、アメリカの販売元に連絡が出来ず断念。そのまま自分の機材で撮影を進めた。早朝3時に僕のスタジオで撮影開始。やはり思う程画質が良くなら無い。redrockみたいなDOFアダプタは調節がとても難しく、今回はオペレーターを雇えなかったので全部自分で手探り。とりあえず最低限のクオリティーにはできたものの、不安が残る。スタジオはある意味楽なんだけど、ロケになると大変ですから。

スタジオ撮影分が終わるとそのまま自宅でシャワーシーン撮影。そしてその足で高円寺の方へ8mmカメラでの撮影へ向かう。8mmなんてもちろん使った事が無いので不安だらけ。ただ撮影している時の音はいい味だしていて、なんか懐かしい気持ちになる。音声は無いのがまた良いよね。ちなみに今回はキャノンのシングル8mmを調達しました。もう世界ではほとんど8mmのフイルムや現像など出来る所は無く、いずれか一眼レフのフィルムも同じような事になるんだろうなとちょっと寂しい気分になりました。

この日の天候は完璧。30カット一気に撮影しました!


バイクの洗車シーンです。岡田さんは美人だけどひょうきんな一面もあり、みんなのアイドルになりました。バイクはHONDAのCB400。彼女にぴったしなイメージですよね。



これが8mmのシーンに使われたsingle8mmです。俺の年と変わらないのでは?後、僕の横に立っているのは大鶴義丹監督です。良くも俺のワガママに10日間耐えたと感心しています。

メイキングof 「私の中の8mm 」その1

僕に撮って初めての映画撮影となる作品は大鶴義丹さん監督&脚本の短編映画。大鶴さんとは同じ年で僕がやっている雑誌「アヘッド」で連載をしている縁で出会った。彼もバイク好きって事もあり、直ぐに意気投合。映画の話も考えてみれば2ヶ月程前に初めて聞かされ、トントン拍子に決まった。そもそも大鶴さんの連載は雑誌でもかなり人気があって彼の文才にはいつも驚かされていた。今回の映画の脚本も面白く、ある意味懐かしい感じの話だ。内容は詳しく話せませんが、病気で亡くなった彼氏の故郷をバイクでたどると言った、女性が主人公のロードムービーです。

まず苦労したのがキャスティング。バイクに乗れる女優さんって本当に少ないんだよね。ただ奇跡的にピッタシの女優が見つかり、大喜び。ちなみに彼女は岡田里江さん。スレンダーで美人でナイスキャラ。もうなんの文句もありません。他にも昼ドラ王子と言われている高杉瑞穂さんや、長谷川初範さん、星野 園美さん、湯江 健幸さん、赤座 美代子さんなど豪華メンバーぞろい。俺、最初はショートムービーと聞いておき楽な気持ちで撮らせてって言ってたんだけど、まさかこんな大きな話になるとは。。。それも1時間映画だし。ぜんぜん短編じゃないじゃないですか!

次はロケーション。死んだ彼氏の故郷は東北と言うせってい。僕は47都道府県巡っているので東北も良く知っていますが、今回大鶴さんが選んだ場所は男鹿。そうです、なまはげで有名な「オガ」です。ロケハンで言った日は雨上がりですばらしい天気。マジで美しいんだけど、逆にこんな日はそう滅多に来ないので、見なきゃ良かったなと後で思う程。撮影日がいまいちだと本当に落ち込むし。まあ、それはともかく、ロケーションもばっちし見つかった。

次には機材。今回は何せ超低予算なのでカメラ機材や照明機材は一切レンタル出来ない。俺が持っているのはキャノンのXH-G1と言う、プロシューマーのフルハイビジョンカメラ。フイルム撮影はもちろん論外だが、自分としたら、せめてvaricamかcinealtaを使いたい所だった。それにシネレンズも使いたいし。ただそれは現実的ではないので、もっている物で何が出来るかなと考え、XH-G1でも撮り方によっては面白い生っぽい絵が作れると思い自前の機材で決行する事にしました。それにキャノン様に相談したら、なんとXL-H1を二台も貸してくれました。せっかく全ての機材にHD-SDI端子が付いているので4:2:2のフルハイビジョンのライブストリームをAJAのKONAを使って取り込もうかと思いましたが、ロケで機動力が無くなると言う事で断念。結局HDVのテープ録画で妥協しました。ただハイビジョンのシャープすぎる絵はあんまり好きじゃ無いので、今回は35mmアダプタを使う事にしました。個人で所有しているredrock micro社のアダプタは簡単に言えばビデオカメラで35mmのSLRレンズを使えてボケ感が出せるマニアックな機材です。最近のミュージックビデオとか日本映画でもmini35と言う、もっと高価なアダプターを使って撮影する事が多いのですが、まさにそれの格安品。ちなみにmini35は100万円ほどするんだけど、redrockのは5万円。ただredrock社は安いだけあり、調節が大変。そんな中、XL-H1専用設計のmini35cが販売されたと聞き無謀にも注文してしまった。何故かと言うと、mini35やredrockの欠点はビデオレンズの前にアダプターが付き、その前にまたレンズが来るのでとても大きくなってしまう事だ。今回みたいに機動力が重要な撮影には正直向いていないのだ。XL-H1はレンズが外せる設計でmini35cは直接ボディーに付けられるのでかなりコンパクトに成ると言ったメリットがあるのです。買うかどうか悩んだ事もあり、実際注文したのは撮影の3週間前。それも日本の代理店には在庫が無かったのでアメリカから注文しようと思ったら、日本には送れないという事。しょうがないのでロスの親友経由で購入する事にした。ただ、こう言う時に限ってFEDEXの配達が遅れてしまい、撮影前日になって要約到着。かなり嬉しかったんですが、それもつかの間。なんと起動させると、うんともすんとも言わない。。。せっかく注文したばかりの機材なのに使えないとは。。。かなりショックでした。

そんなわけで、今回は機材の話が長くなってしまいましたが、ようするに使いたい機材が壊れていて、急遽redrockでの撮影となってしまい悪夢の始まりとなります。続きはまた明日。

ちなみにこのカメラがまさにXH-G1にレッドロックのアダプタです。レンズとレンズの間にある箱がまさにそれ。この箱の中には動く磨りガラスがあり、簡単に言えば映画のスクリーンをもう一度複写するような大げさではあるが、とても原始的な装置なのであります。ちなみに使っているレンズはキャノンの70-200mm2.8と言う、名レンズ中の名レンズ。最近思うんだけど、こういったコンシューマー用のレンズと100倍の価格のシネレンズ(マジで2000万円とかします)との性能ってそんなに差が無いんだよね。マジで。