メイキングof 「私の中の8mm 」その1 | 桐島ローランド オフィシャルブログ「Believe! 信じられる未来へ」Powered by Ameba

メイキングof 「私の中の8mm 」その1

僕に撮って初めての映画撮影となる作品は大鶴義丹さん監督&脚本の短編映画。大鶴さんとは同じ年で僕がやっている雑誌「アヘッド」で連載をしている縁で出会った。彼もバイク好きって事もあり、直ぐに意気投合。映画の話も考えてみれば2ヶ月程前に初めて聞かされ、トントン拍子に決まった。そもそも大鶴さんの連載は雑誌でもかなり人気があって彼の文才にはいつも驚かされていた。今回の映画の脚本も面白く、ある意味懐かしい感じの話だ。内容は詳しく話せませんが、病気で亡くなった彼氏の故郷をバイクでたどると言った、女性が主人公のロードムービーです。

まず苦労したのがキャスティング。バイクに乗れる女優さんって本当に少ないんだよね。ただ奇跡的にピッタシの女優が見つかり、大喜び。ちなみに彼女は岡田里江さん。スレンダーで美人でナイスキャラ。もうなんの文句もありません。他にも昼ドラ王子と言われている高杉瑞穂さんや、長谷川初範さん、星野 園美さん、湯江 健幸さん、赤座 美代子さんなど豪華メンバーぞろい。俺、最初はショートムービーと聞いておき楽な気持ちで撮らせてって言ってたんだけど、まさかこんな大きな話になるとは。。。それも1時間映画だし。ぜんぜん短編じゃないじゃないですか!

次はロケーション。死んだ彼氏の故郷は東北と言うせってい。僕は47都道府県巡っているので東北も良く知っていますが、今回大鶴さんが選んだ場所は男鹿。そうです、なまはげで有名な「オガ」です。ロケハンで言った日は雨上がりですばらしい天気。マジで美しいんだけど、逆にこんな日はそう滅多に来ないので、見なきゃ良かったなと後で思う程。撮影日がいまいちだと本当に落ち込むし。まあ、それはともかく、ロケーションもばっちし見つかった。

次には機材。今回は何せ超低予算なのでカメラ機材や照明機材は一切レンタル出来ない。俺が持っているのはキャノンのXH-G1と言う、プロシューマーのフルハイビジョンカメラ。フイルム撮影はもちろん論外だが、自分としたら、せめてvaricamかcinealtaを使いたい所だった。それにシネレンズも使いたいし。ただそれは現実的ではないので、もっている物で何が出来るかなと考え、XH-G1でも撮り方によっては面白い生っぽい絵が作れると思い自前の機材で決行する事にしました。それにキャノン様に相談したら、なんとXL-H1を二台も貸してくれました。せっかく全ての機材にHD-SDI端子が付いているので4:2:2のフルハイビジョンのライブストリームをAJAのKONAを使って取り込もうかと思いましたが、ロケで機動力が無くなると言う事で断念。結局HDVのテープ録画で妥協しました。ただハイビジョンのシャープすぎる絵はあんまり好きじゃ無いので、今回は35mmアダプタを使う事にしました。個人で所有しているredrock micro社のアダプタは簡単に言えばビデオカメラで35mmのSLRレンズを使えてボケ感が出せるマニアックな機材です。最近のミュージックビデオとか日本映画でもmini35と言う、もっと高価なアダプターを使って撮影する事が多いのですが、まさにそれの格安品。ちなみにmini35は100万円ほどするんだけど、redrockのは5万円。ただredrock社は安いだけあり、調節が大変。そんな中、XL-H1専用設計のmini35cが販売されたと聞き無謀にも注文してしまった。何故かと言うと、mini35やredrockの欠点はビデオレンズの前にアダプターが付き、その前にまたレンズが来るのでとても大きくなってしまう事だ。今回みたいに機動力が重要な撮影には正直向いていないのだ。XL-H1はレンズが外せる設計でmini35cは直接ボディーに付けられるのでかなりコンパクトに成ると言ったメリットがあるのです。買うかどうか悩んだ事もあり、実際注文したのは撮影の3週間前。それも日本の代理店には在庫が無かったのでアメリカから注文しようと思ったら、日本には送れないという事。しょうがないのでロスの親友経由で購入する事にした。ただ、こう言う時に限ってFEDEXの配達が遅れてしまい、撮影前日になって要約到着。かなり嬉しかったんですが、それもつかの間。なんと起動させると、うんともすんとも言わない。。。せっかく注文したばかりの機材なのに使えないとは。。。かなりショックでした。

そんなわけで、今回は機材の話が長くなってしまいましたが、ようするに使いたい機材が壊れていて、急遽redrockでの撮影となってしまい悪夢の始まりとなります。続きはまた明日。

ちなみにこのカメラがまさにXH-G1にレッドロックのアダプタです。レンズとレンズの間にある箱がまさにそれ。この箱の中には動く磨りガラスがあり、簡単に言えば映画のスクリーンをもう一度複写するような大げさではあるが、とても原始的な装置なのであります。ちなみに使っているレンズはキャノンの70-200mm2.8と言う、名レンズ中の名レンズ。最近思うんだけど、こういったコンシューマー用のレンズと100倍の価格のシネレンズ(マジで2000万円とかします)との性能ってそんなに差が無いんだよね。マジで。