CH オー・ブリオン詳解 その2 | ろくでなしチャンのブログ

CH オー・ブリオン詳解 その2

ぶどう シャトー・オー・ブリオン その2

        Chateau Haut Brion               

                                 AOC Pessac Leognan

 

ピコピコハンマー 評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ+補記

 

○ 1975年 PP94

 若かった頃に完全に誤審してしまった1975年は、偉大なワインと判明しているし、このヴィンテージに1ダースほどある最高のワインの1つだ。実際、過去25年のボルドーで最も力強い、凝縮感のあるワインの1つである1975年の不死身のラ・ミッション・オー・ブリオンと競えるほどのところに来ている。暗いプラム/ガーネット色をしており、ゴージャスなまでに甘いノーズは表面を焦がした鞍革、日に焼けた土、タバコ、ハーブ、レッドカラントやブラックカラント、プラム、イチジク、クレオソートを思わせる。非常にフルボディで、強烈で、リッチで、衝撃的な香りを備える。ボルドーワイン愛好家から相当に支持を失ったヴィンテージだが、これは夢のように素晴らしい作品だ。例外の1つである。最終試飲2002年11月。

 予想される飲み頃 現在から2025年 sei 

 

 


○ 1978年 PP86

 衰えてきており、どうやら過去5年から6年でより風変りな摩訶不思議なワインとなったようだ、色は暗いプラム色で、非常に甘いノーズは腐りかけの草木、溶けたアスファルト、コンポストにした秋の木の葉を思わせる。縁には琥珀色がたっぷり見え、フィニッシュはどうやら果実味を失いつつあるようで、よりタンニンや酸を見せている。ひどく衰えて来ているようだ。最終試飲2002年11月

 予想される飲み頃 飲みきること ダウン 

 

           

 

○ 1979年 PP93

 このヴィンテージに3~4つある最高のワインの1つの1979年オー・ブリオンは、瓶内で成長していくうちに重みを身に付けた。十分な飲み頃になっているが、衰える兆しはない。色は暗いガーネット色で、縁にはいくらか琥珀色も見られる。フルーツケーキと混ざり合った湿った土、タバコ、燻煙、液化したミネラル、ブラックカラント、ほのかなクレオソートの非常に甘いノーズがある。ミディアムからフルボディで、力強さやみずみずしさは秀逸で、異例にリッチな、層状の、高飛車なまでに風味豊かなワインだ。どうやらこのヴィンテージの個性は殆どないようである。最終試飲2002年11月

 予想される飲み頃 2015年まで ダウン

 

           

 

○ 1982年 PP94

 1982年の一級ワインとしては、確かに深遠なワインではない。管理人のジャン・デルマは常に1959年と比較してきたから、案外魔法のように重みや余韻の長さを身につけて、やがてはあの100点満点のワインに比肩するものとなるかもしれないが、不死身の1989年はもとより、1990年、1995年、1996年、1998年、2000年といった最近の偉大なオー・ブリオンとも大違いであるようだ。とは言え、それでも比較的若々しいワインで、深みのあるルビー色も縁に少々ピンク色が見られるだけだ。甘いレッドカラント、プラム、甘いミネラルの趣があるし、ミディアムボディの、非常にエレガントなスタイルをしている。タンニンは熟しており、果実味は見事で、余韻の長さも45秒だ。若々しさは驚くほどのものではないが、この年の最高のワインが持つ重み、豪勢さ、粘性はないようだ。最終試飲2002年11月。 予想される飲み頃 現在から2022年 sei 

 

○ 1982年 PP95 Wine Advocate June 2009

‎ 私が世界で最も偉大なワイン生産者の一人として尊敬しているジャン・デルマスを知っている、1982年のオー・ブリオンは1959年に似ていると常に思っていましたが、私はまだそれを見ていません。1989年は1959年に近く、もう一つの完璧なワインであり、史上最高のオー・ブリオンの一つに近いようです。1982年は美しさですが、このヴィンテージやテロワールが達成できる最高音符を打ったことがありません。焦土、スモークハーブ、甘い赤と黒のカラントの複雑な芳香族が続き、フルボディの絹のような質感のワインが続きますが、この提供が1989年、1990年、そして近年のようなヴィンテージに見られる集中力、質感、多次元の性格を持っていると感じたことはありません。それにもかかわらず、1982年は素晴らしいオーブリオンのままであるので、これは本質的に髪を分割しています。1990年よりも進化していないように見えるが、それは長寿の別の20~30年が可能である。‎ 予想される飲み頃 現在から2035年 sei

 

 


○ 1983年 PP88

 いささか物議をかもしているオー・ブリオンだ。このワインは、ショッキングなほど速いペースで十分な飲み頃に達した上に、どうやらもうバラける兆しが出て来ているようなのだ。非常に土っぽい、溶けたアスファルト、クレオソートのようなノーズと混ざり合ったコンポスト、腐りかけの秋の草木、ハーブの色合いがある果実味は、実際には想像される以上に魅力あるもので、口に含むと、肉付きが良く、ミディアムボディで、比較的みずみずしいのだが、ガーネット色には相当な琥珀色が見られるし、グラスに注いでほんの5分でフィニッシュが枯れ始める。そして、もちろん、私は新品同様のまま保管されていた瓶から試飲したから、完璧とは言えない保管されていたものならたぶんすでに深刻な衰えが見えるのではないかと思う。最終試飲2002年11月

 予想される飲み頃 2004年まで ダウン

 

           


○ 1985年 PP95

 壮麗なほど魅惑的で、古典的なオー・ブリオンには、このエレガントな、フィネス重視スタイルのワインの、最も食欲をそそる側面が見られる。十分な飲み頃の高原部に達している。色は深みのあるルビー/ガーネット色で、縁がいくらか薄くなってきている。西洋杉、乾燥ハーブ、燻煙、クレオソート、ブラックチェリー、プラム、カラントの非常に複雑なノーズがグラスから飛び出す。口に含むと、まろやかで、凝縮感があり、ミディアムからフルボディで、ビロードのような舌触りがあり、アルコール、酸、タンニンが見事にまとまっている。美酒である!最終試飲2002年11月。 予想される飲み頃 2012年まで ダウン

〇 1985年 PP93 Neal Martin Wine Advocate July 2016
 1985年のシャトー・オー・ブリオンは、その力の頂点にある素敵なワインです。白檀と乾燥したバラの花びらが入ったエレガントなブーケがあり、赤いベリーの果実の痕跡と簡単に組み合わされています。グラスの中で時間が経つにつれて、野生の girollesの「side order"」がどのように提供されるかに気づきました!味わいはミディアムボディで、酸味の細かい縫い目、繊細な三次、革の色調がレッドベリーの果実に浸透し、1989年や1990年のような大胆さはありませんが、仕上げのフィネスは完全にあなたを魅了します。ただ飲んで、座って、味わってください。
 予想される飲み頃 2016年から2030年 たぶん

 


○ 1986年 PP94

 未だに内向的なままだが、ブーケには、ローストしたハーブや甘い葉巻タバコから、コンポスト、なめし革のような香り、たっぷりのスィートチェリーやブラックカラントの果実から二次的アロマのニューアンスが見られるようになってきた。10年前にはいささか高く期待していたが、いまだに若々しい、実に純粋な、ミディアムからフルボディのワインだ。フィニッシュには16年目のワインとしてはやや突出した、生硬なタンニンがあるので、完全に融合することはあり得ないのではないかと思い始めている。例によって、半世紀もの寿命を持つ運命にあるワインの判定は、さまざまな段階を経るので、時に困難なものとなると言う事なのだが、かって予言したほど深遠なワインと判明するかどうか、私は疑問に思っている。最終試飲2002年11月。

 予想される飲み頃 2003年から2030年 sei

 

〇 1986年 PP93 Neal Martin Wine Advocate Dec 2016

 シャトーの記録によると、メルロー28%、カベルネフラン10%、カベルネソーヴィニヨン62%のブレンドです。1996年のラ・ミッションを反映して、オー・ブリオンはより高い品質レベルを占め、より複雑で活気のあるノーズを占めるこのヴィンテージでは、薄暗いブラック・フルーツ、暖かい砂利、テラコッタ、葉巻のヒュミドールがあります。美しい!味覚は非常にバランスが取れており、最近のヴィンテージに比べて少し素朴かもしれませんが、しっかりとしたボディとグリップがあります。それは一種の不機嫌で、ほとんど無愛想で、肩幅の広い1986年代であり、1985年や1989年と比較して少し呪いかもしれませんが、30年後、あなたはたくさんの新鮮さと集中力で補償されます。私はそれが最初の成長の最高のランクでそこにランクされているとは思わない...それは他のヴィンテージで来るでしょう、しかしそれはまだ大文字で彼らの古典的なクラレットを愛する人々にたくさんの飲む喜びを提供します。 予想される飲み頃 2016年から2035年 sei

 

 
 

○ 1987年 PP88

 軽いヴィンテージなのに強烈に魅惑的で、しなやかな、おいしいワインが生産された例である。1989年の出荷時には殆ど十分な飲み頃になっていたようだが、華やかな、まろやかな、エレガントな、美味しいスタイルのワインで有り続けている。偉大なヴィンテージのような超大作の高得点が付くことはないが、ああ、何と満足感が得られる、なんと典型的なオー・ブリオンであることか。特筆に値することに、どうやら熟成など歯牙にもかけず、華やかな、甘い、まろやかな、比較的軽い、ただしおいしい、とてもバランスの良い状態を保っているようだ。私はとっくに衰えているだろうと思っていたのだが、見事に飲み続けられているし、縁にいくらか琥珀色が忍び込んできているだけである。完璧にバランスがとれていれば、たとえ軽めのスタイルのワインであっても期待以上に長持ちすると言う見本である。最終試飲2002年11月

 予想される飲み頃 2006年まで ダウン

 

           

 

○ 1988年 PP92

 より引き締まった構造をしたオー・ブリオンは、いささか1996年に連なる造りで、暗いガーネット色をしており、甘草、森の下生え、コンポスト、トリュフ、乾燥ハーブ、クレオソート、甘いブラックチェリーやカラントの香りが見られる。ミディアムボディで、リッチであるが、いまだに構造も感じられる。味わってみると徐々にほぐれて、卓越した濃厚さや複雑なグラーヴらしい要素を沢山見せるようになる。ちょうど十分な飲み頃の高原部に到達し始めたところだ。最終試飲2002年11月。 予想される飲み頃 現在から2025年 sei

 

 

○ 1989年 PP100

 不死身のワイン1つであり、過去半世紀の若いボルドーワインでは最も偉大なものの1つであり続けている。一貫してけた外れだったし、このヴィンテージだけでなく、ほかの年とのブラインド・ティスティングでも殆ど確実に最高点を取れそうなワインの1989年のオー・ブリオンは、継ぎ目のない、荘厳な古典であり、よほどのことでも無ければみられないほどのテロワールの唯一無二と言える特徴の賜物だ。未だに非常に厚みのある、ねっとりとして見えるルビー/紫色をしており、壮観な、若いが畏怖の念を抱くほどの、よりどりみどりのアロマは、日に焼けた土、液化したミネラル、黒鉛、ブラックベリーやブラックカラントジャムから、トースト、甘草、スパイス箱まで思わせる。このねっとりとした、フルボディの、酸の弱いワインの果実味、エキス分、グリセリンのレベルは畏怖の念をかきたてられるほどだ。均整は際立っており、並外れた純粋さ、継ぎ目のなさがこの現代における伝説の顕著な特徴だ。未だに青年期以前と言う成長ぶりなので、向こう3年から5年は十分な飲み頃の高原部に達することはないだろうと予想しているが、多分これまでに造られた最も偉大なオー・ブリオンとも肩を並べられるワインとなるだろう。人生はあまりにも短いのだから、このワインは出来るだけ多くの回数飲まずにはいられない!1959年の再来となるのだろうか。最終試飲2003年1月

 予想される飲み頃 2003年から2030年 sei

 

〇 1989年 VP98+ Antonio Galloni  Vinous.com Dec 2014

 1959年の叙事詩の現代版である1989年のオー・ブリオンは、調和がすべてです。上質でシルキーなタンニンと表現力豊かなアロマが1つの特徴です。タバコ、杉、アニスは、ミネラルを取り入れた暗い果実にニュアンスの層を追加します。1989年は長い間私のお気に入りのオー・ブリオンの1つでした。このテイスティングで再び壮大です。1959年との関連性は非常に明白です。1989年を所有するのに十分幸運な読者は、今後数十年にわたってその進化を追うことに興奮するでしょう。

  予想される飲み頃 2014年から2034年 sei

 

〇 1989年 VP100 Neal Martin Vinous.com Jun 2018

 1989年のオー・ブリオンは、私が今まで参加した中で最も壮観なディナーの1つを開始し、これは長年にわたって味わった1ダースを超える1989年の最高のボトルの1つを表しています。縁に薄いレンガが描かれた深い色彩の忘れられないブーケは、かつてないほど深遠な、心に響く描写を持っています。ブラック・オリーブの香りがグラファイト、クローブ、チェリーリキュールと混ざり合い、微妙な砂利の香りの下で、通気でより声が大きくなります。味覚はミディアムボディで、数年前ほど強力ではないかもしれません。それでも、純粋なダークベリー・フルーツ、ブラックオリーブ、クローブ、砕いたスミレの層で、言葉では言い表せないほど複雑です。この特定の例は、私が出会った中で最も若々しい例の1つでした。仕上げはとても楽ですが、グラスの中で絶えず変化し、新しい側面を明らかにし、30分後に緑のタッチに気付く参加者もいましたが、自分では検出できませんでした。それは畏敬の念を起こさせるオー・ブリオンであり、それが達成できる空気のような高さを示し始めたばかりです。 予想される飲み頃 2018年から2060年 sei

 

〇 1989年 VP100 Neal Martin Vinous.com Sep 2019

 1989年のオー・ブリオンは、この10年間の傑出した成果の1つであり、一貫して完璧に浮気しています。幸運にも6か月の間に3回ワインを味わうことができましたが、このテイスティングノートは、ジャン・フィリップ・デルマが城で注いだボトルからのもので、元シャトーのボトルを味わったのは初めてでした。素晴らしいワインです。レンガ造りに関してはほとんど成熟していませんが、グラファイト、クローブ、タバコの香りの素晴らしい花束がグラスから飛び出し、おそらく私が味わった他のものよりも少し振幅が大きくなります。味覚は完全にバランスが取れており、驚くべき深みと完璧な酸味を示し、(当然のことながら、その起源を考えると)若々しく、多くの章があるように見えます。より多くの花の要素が時間とともに現れます。ノーズの上のスミレ、そしてその後、フィニッシュに向かってオードヴィーの味。さらに多くの喜びを与える驚くべきワイン。

 予想される飲み頃 2019年から2070年 sei

 

○ 1989年 PP100 William Kelley, Wine Advocate ♯259 Feb 2022

 私の誕生年のヴィンテージの頂点にランクされ、強さから強さへと続く壮大なワインである。ブラックベリー、ブラックカラント、葉巻のラッパー、ローム質の土壌、黒トリュフ、燃える残り火、ブドウの煙の豊かなブーケでグラスから漂います。ミディアムボディからフルボディ、深みのある濃縮されたこのパッケージは、豪華でドラマチックで、肉欲的で香ばしいニュアンスで補完され、溶けたタンニンと熟した酸に囲まれた大量の果物があります。長くて共鳴する仕上がりで締めくくると、750mlのボトルでは不十分であるという唯一の批判があります。

 予想される飲み頃 2009年から2059年 sei

 

 

○ 1990年 PP98

 深遠なワインで、過去25年における偉大なオー・ブリオンの1つである。不死身の1989年が投げかける巨大な影にいささか隠れてしまったところもあるが、急速に成長し続けている。実際、1989年より成長しているのだが、古典的なオー・ブリオンらしい日に焼けた土、華やかないぶしたハーブ、タバコ、甘いカラント、イチジク、ブラックカラントのノーズも見せている。非常に豪勢な/官能的な舌触りをしており、フルボディで、凝縮感は偉大、純粋さは卓越している。酸は弱く、非常に甘い、継ぎ目なくまとまったタンニンがあり、このワインには、既に偉大な複雑さや近づきやすさが見られる。飲むのを我慢するのは極めて困難なことだ。最終試飲2003年1月。 予想される飲み頃 現在から2030年 sei 👇追加


○ 1990年 PP98 Wine Advocate June 2009

 ‎芳香族、焦土、ブラックカラント、プラム、木炭、杉、スパイスの鮮やかな複雑さと貴族の面では、1990は比類のない芳香族爆発を提供しています。1989年の隣でこのワインを味わうことは常に魅力的ですが、1990年の芳香族の複雑さなしに、はるかに後ろ向きで密度が高いです。1990年は瓶詰め後に体重を増やし、現在はオー・ブリオンの基準で豊かで、フルボディで、豪華で華やかです。それはトップヴィンテージで高貴なテロワールの信じられないほどの表現です。それは何年もの間完全に成熟していますが、それは端にレンガを明らかにしません。‎ 予想される飲み頃 現在から2024年 sei

 


○ 1991年 PP89

 このワインは私が予想していたよりはるかに良好なものとなった。一生の始まりは比較的生硬で、閉じていて、タニックで、どうやら少々軽かったようだが、重みを身につけて(オー・ブリオンは非常に多くのヴィンテージでそうなる傾向がある)、今では葉巻タバコと混ざり合った日に焼けた土、スイートチェリーやブラックカラントの果実、いくらか高品質なトーストの非常に複雑な香りを見せるようになっている。ミディアムボディのワインで、フィネスやエレガンス、そしてオー・ブリオンのような偉大なテロワールでさえ分が悪いヴィンテージにおける際立ったワイン醸造の偉大な手本となっている。最終試飲2002年11月。

 予想される飲み頃 2007年まで ダウン

 

           

 

○ 1992年 PP89

 このヴィンテージとしては強力な成功作だ。エレガンスや甘さがあり、中程度のプラム/ガーネット色はすでに縁がいくらか薄くなり始めている。急速に成長してきたが、この恐ろしくひどいヴィンテージにあって驚くほどの果実味や個性が感じられる。西洋杉のような、スパイス箱、葉巻、タバコの良い香りと混ざり合ったミネラル、甘いプラム、チェリーを思わせるワインだ。フィニッシュは少し短く、やつれているが、香り、アタック、中間部は問題ない。最終試飲2002年11月。 予想される飲み頃 2008年まで ダウン

 

           

 

○ 1993年 PP90

 困難なヴィンテージだったのに、実に驚かされた。オー・ブリオンは厳しい選別と卓越したテロワールのお陰で勝利できたが、この年は非常に手強い年で、多くの硬い、やや草っぽいワインが生産された。色は驚くほど縁いっぱいまで濃い深みのあるプラム/ルビー色。いくらか甘いベリーの果実と混ざり合ったメンソール、黒鉛、湿った土、ほのかなマッシュルームが、このミディアムボディの、非常にエレガントなオー・ブリオンに姿を現す。未だに引き締まった構造をしているが、タンニンは甘く、余韻の長さや葡萄の完熟感は驚くほどだ。常に掘出し物となる筈である。最終試飲2002年11月。

 予想される飲み頃 2015年まで ダウン

 

           

 

○ 1994年 PP92

 このヴィンテージにおける驚きの掘出し物の1つだ。あれほど雨が降ったにもかかわらず、この年の多くの人が思っているより成功作が多いのである。オー・ブリオンの畑が享受している素晴らしい水はけが雨の多い9月の収穫期に有利に働いたのだ。色は深みのあるプラム/ルビー色で、縁は少々薄くなってきている。コンポスト、トリュフ、土、スパイス箱、乾燥ハーブ、甘草の趣と張り合っている甘いブラックチェリーやカラントの果実を思わせるワインだ。ミディアムボディで、比較的ふっくらした、噛みごたえのある感じがする。このヴィンテージに半ダースほどある最高のワインの1つであるのは確実だ。タンニンは未だにあるが、どうやらオー・ブリオンが1995年、1996年に生産した2つの大柄なワインよりははるかに近づきやすいもののようである。最終試飲2002年11月。 予想される飲み頃 2003年から2024年 sei

 

 

○ 1995年 PP96

 1995年と1996年という、オー・ブリオンにとっては卓越したものとなった2つのヴィンテージを行き来するのは楽しいものだ。1995年のワインは、より構造の感じられる筋肉質な1996年と比較すると、タンニンはより甘く、ふくよかさや継ぎ目のなさも少々上のようだ。確かに1995年は、聡明な管理人ジャン・テルマが完璧に取り扱った年である。深みのあるルビー/紫色をしており、締め付けられているようだが将来有望なノーズは木の燃えさしと混ざり合ったバニラ、スパイス箱、土、ミネラル、スイートチェリー、ブラックカラント、プラムのような果実を思わせる。ミディアムからフルボディで、レベルの高い、熟しているが甘いタンニンがあり、フィニッシュはたっぷり40秒から45秒も続く。非常に閉じた、柔軟性のない、内向的な状態から姿を現し始めたばかりだ。最終試飲2002年11月。 予想される飲み頃 2003年から2035年 sei

 


○ 1996年 PP95

 最終的なブレンドに使われたのは全生産量の60%のみである(メルロー50%、カベルネ・ソ゜ヴィニョン39%、カベルネ・フラン11%)。このワインは最初に瓶詰めされた時から完全に閉じこもっているのだが、潜在能力は途方もない。比較的構造の感じられる、内向的なスタイルのオー・ブリオンで、1989年や1990年のように、より甘いいくつかのヴィンテージに見られるような率直な汁っぽさはない。縁まで深みのあるルビー色をしており、かすかだが姿を現しつつあるノーズは日に焼けた土、乾燥ハーブ、ブラックカラント、燻煙、ほのかなイチジクを思わせる。非常に凝縮感があり、力強く感じられるほどタニック。ボディはミディアムで、つり合いは傑出しているが、いまのところはどうやら熟睡状態で落ち着いているようだ。最終試飲2002年11月。

 予想される飲み頃 現在から2035年 sei

 

〇 1996年 VP95 Neal Martin Vinous.com Oct 2016

 一部のヴィンテージでは、ラ・ミッション・オー・ブリオンとオー・ブリオンの品質が近い場合がありますが、このヴィンテージではそうではありません。メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン39%、カベルネ・フラン11%のブレンドである1996年のオー・ブリオンは、明らかにラ・ミッションよりも高い平面にあります。ノーズにははるかに広大で完全なものがあります。果物の深さが深く、アンダーブラシ、タール、ブラックオリーブの香りと調和しており、このボトルはおそらく以前の例で気づいたよりも「野生」ではありません。味覚はダークチェリー、スーボア、シダーと非常によくバランスが取れています。これは、カベルネ・フランが重要な役割を果たし、より複雑になると思うヴィンテージの1つです。これは、魅惑的な肉質を維持し、構築してきた1996年であり、スタイルとパナッシュで進化し続けます。 予想される飲み頃 2016年から2050年 sei

 

 

○ 1997年 PP89

 この軽量級から中量級のオー・ブリオンには、成長した、甘いレッドカラントやブラックカラントのノーズに日に焼けた土、ミネラル、煙草の趣もある。大柄ではないが、上等な葡萄の完熟感、調和、エレガンス、ビロードの様なタンニン、甘い果実味が感じられる、チャーミングで、目の開いた、成長した体裁をしている。さらに複雑さがでて、より高い点数が付くようになるかもしれない。1993年や1994年のように困難な、雨に苦しめられたヴィンテージに生産された上質なオー・ブリオンに比肩する。最終試飲2002年11月。

 予想される飲み頃 現在から2014年 ダウン

 

   

 

○ 1998年 PP96

 けたはずれのオー・ブリオンだ。濃いルビー/紫色をしており、締め付けられているようだが想像を絶するほど将来有望なノーズは燻煙、土、ミネラル、鉛筆、ブラックカラント、チェリー、スパイスを思わせる。フルボディで、味わってみるとゆっくりと、但し納得のいくようにほぐれて、リッチで、複数の層がある、素晴らしく純粋な、均整のとれたスタイルが見られるようになる。甘さは素晴らしく、タンニンは熟しており、フィニッシュは殆ど45秒近くも持ちこたえる。高貴さを液体にしたような味なのだ。本当にそれ以外に描写のしようがないのである。夢のように素晴らしい1989年、1990年と、巨大な2000年以外ではまぎれもなく最上のオー・ブリオンだ。ただし、当然忍耐は要求される。先にあげた2つのヴィンテージほど派手やかな、外向的なワインではない。最終試飲2003年1月。 予想される飲み頃 現在から2035年 sei

 

〇 1998年 VP96 Neal Martin Vinous.com May 2018 

 1998年のオー・ブリオンは長い間私のお気に入りのヴィンテージであり、何度か喜んで消費されてきました。20歳の今、私はそれが1998年のラ・ミッションの一歩先を進んでいると感じています:ほとんど早熟なブラックベリー、ラズベリークーリ、トローチ、タバコ、オリーブのヒントで素晴らしい果実味があります。それは絶妙な描写と焦点を持っています。味覚はミディアムボディで、ラ・ミッションよりも口の中で膨らんでいます:セージ、杉、そしてハングゲームのタッチと混ざり合ったより深い果物(ブラックベリー、クワ、イチゴのタッチ)。以前のボトルを覚えているほど早熟でも光沢もありませんが、確かにこのヴィンテージの最高級ワインの1つになりつつあります。 予想される飲み頃 2018年から2045年 sei

 

○ 1998年 PP99 Lisa-P- Brown Wine Advocate Jun 2018

 まだ信じられないほど若々しく、たくさんの果物をスポーツしている、深いガーネットレンガ色の1998年のオーブリオンは、華やかな赤と黒の果物でグラスからサシェイを出し、カシス、ブルーベリーパイ、チョコレートボックスの概念に加えて、鉄鉱石、乾燥ラベンダー、アンダーブラシのアクセントが続きます。ミディアムボディからフルボディの味わいは、フルーツとビロードのようなテクスチャーの寛大さで素晴らしく豊かで退廃的に魅惑的であり、シームレスな新鮮さと壮大な長さと説得力のあるミネラル感で仕上げられています。ああ、今はとてもおいしいです、慎重にセラー化することで、2045年以降も興奮し続けるはずです

 予想される飲み頃 2018年から2045年 sei

 

 

○ 1999年 PP93

 ふかみのあるプラム、カラント、ミネラルの趣が、凝縮感のある、見事なまでにバランスのとれた、純粋な1999年オー・ブリオンから姿を現す。1979年や1985年のような年と同じ型で造られたように見える。ほのかな黒鉛やミネラルがあふれんばかりの果実味に明確に見られる。ミディアムからフルボディで、ニューアンスがあり、微妙で、深みがあり、挑発的なまでにエレガント。オー・ブリオンにしか実現できないように見えるスタイルで造られている。フィニッシュは極めて長く、タンニンも甘く、全体的な印象は繊細さと織り混ぜられた力強さや葡萄の完熟感というものだ。最終試飲2003年1月。 予想される飲み頃 現在から2025年 sei

                  

 

 

シャトー・オー・ブリオン詳解 その1                           詳解はこちら

シャトー・オー・ブリオン詳解 その2 1975年~1999年 詳解はこちら

シャトー・オー・ブリオン詳解 その3 2000年~2004年 詳解はこちら

シャトー・オー・ブリオン詳解 その4 2005年~2012年  詳解はこちら

シャトー・オー・ブリオン詳解 その5 2009年~        詳解はこちら

シャトー・オー・ブリオン詳解 その6                         こちらへ

シャトー・オー・ブリオン詳解 その7

     Le Clarence de Haut Brion 1998年~2019年 こちらへ 

シャトー・オー・ブリオン詳解 その8                         

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