就職の季節ですが、後日のトラブルを避けるために労働条件を明示しましょう。


労働基準法15条1項に、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とあります。


また、特に重要な以下の項目については、書面(労働条件通知書)の交付が義務づけられています。(労働基準法施行規則5条1項)


⑴労働契約の期間

⑵仕事をする場所と仕事の内容

⑶仕事の始まりと終わりの時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇

⑷賃金の決定、計算と支払の方法、賃金の締切りと支払の時期

⑸退職に関すること(解雇事由を含む)


労働条件通知書の発行は面倒だと言って発行しない経営者さんも少なからずいらっしゃいますが、後日トラブルになる方がよっぽど面倒です。


労働者さんも、労働条件通知書の交付を要求するべきです。



私事で恐縮ですが、長女が勤務するS病院が、診療報酬の不正請求をしたということで近畿厚生局から保険医療機関の指定取り消し処分を受けました。


これはニュースや新聞でも報道されています。


S病院では、患者さんも、勤務している医師、看護士や事務の方など、これからどうなるのかとても不安になっているそうです。


経営者としては、やってはならないことをやって多くの方々に迷惑をかけています。


きっちりと責任をとってもらいたいですが、経営者は何の説明もしていません。


普段は人格者のように振舞っていたそうですが、こういうときに本性が現れますね。

私の知る限り、管理職でありながら部下の指導教育に無関心な方が少なからずおられます。


でも、部下の放任は上司の責任、結局は会社の責任になってきます。


例えば、ヘルメットを着用しなければならない作業で、部下が着用していないのを上司が知りながら注意せず、放置しておいて労災事故が起こると、それを放置し容認した上司が悪いということになります。結局、会社の責任になってしまいます。


こういったことを、管理職の方々に認識していただく必要があります。

解雇はけっしてお勧めできるものではありません。しかし、不況下の現在、会社の経済的理由により一部の社員さんを解雇せざるをえない場合もあります。


こういった場合の解雇を整理解雇といいます。整理解雇は社員さんに何ら落ち度がありませんから、それが有効になるためには厳しい要件をクリアしなければなりません。


これを整理解雇の4要件といいます。


⑴客観的に整理解雇をしなければならないほどの十分な経営上の必要性があること


⑵希望退職者の募集、配置転換、出向、賃下げなど、解雇を回避するための努力が充分につくされていること


⑶解雇される社員を人選する基準が合理的なものであり、かつその運用も合理的であること


⑷整理解雇について、事前に労使間で充分な協議が行われたこと


裁判所はこれらの要件を総合的に判断し、整理解雇が有効か無効かを決めています。

労働相談をしていると、退職すれば当然に退職金がもらえると思っている方が少なからずいらっしゃいます。


しかし、退職金は賃金のように、法律上使用者にその支払いが義務づけられているものではありません。就業規則や労働協約、あるいは退職金規定に定められていて、はじめて労働者さんはその支払いが請求できるのです。


従って、労働者さんは、ご自分の会社に退職金の制度や規定があるのかを確認しておくことが大切です。