使用者が労働者を採用するときは、以下の事項を明示しなければなりません(労働基準法15条1項)。


①労働契約の期間


②就業の場所・従事する業務の内容


③始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項


④賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項


⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む)


⑥昇給に関する事項


①~⑤は書面を交付しなければなりません。


労働条件の明示義務に違反した場合は、30万円以下の罰金に処せられます(労働基準法120条1号)。

法定時間外残業、深夜労働には2割5分以上、法定休日労働には3割5分以上の割増賃金の支払が必要ですが、何の2割5分なのか、何の3割5分なのか、つまり計算の基礎を確定しなければなりません。


労働基準法11条に「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と規定しています。


しかし、同37条5項により、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金は、割増賃金計算の基礎に算入しないことになっています。


ただ、計算の基礎のなる賃金に含まれるかどうかは、名称ではなく内容により判断されます。

休日に労働させた場合、当然その分の賃金は発生します。


しかし、休日には2通りあります。


労働基準法35条1項は、少なくとも1週間に1日の休日を与えなければならないと規定しています。この休日を法定休日、それ以外の休日を法定外休日といいます。


例えば、土日休みの会社であれば、一方が法定休日、他方が法定外休日ということになります。土日のどちらが法定休日かは、就業規則で決めておけばいいでしょう。


法定休日に労働させた場合、3割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません(労働基準法37条1項)。


しかし、法定外休日に労働させた場合は、割増賃金は発生しません。


従いまして、休日出勤と一口に言っても、割増賃金が発生する場合としない場合があることになります。

深夜(原則として午後10時~午前5時)に労働させた場合は2割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません(労働基準法37条4項)。


よって深夜に法定外残業させた場合は、法定時間外(2割5分以上)+深夜(2割5分以上)で5割以上の割増賃金が必要になります。

労働契約に際して、所定労働時間を超える労働の有無を明示しなければなりません。


そして、所定労働時間を超える労働(いわゆる残業)がある場合、それに対する賃金は当然発生します。


ただ、残業といっても2種類あります。


例えば、所定労働時間が7時間の場合、8時間働けば1時間残業になりますが、1日の法定労働時間は8時間ですので、それは超えていません。


しかし、9時間働けば、法定労働時間を超えます。


つまり、法定内残業と法定外残業があるわけです。


労働基準法37条は、法定外残業に対して2割5分以上の割増賃金の支払を規定しています。


従いまして、所定7時間の場合、10時間働けば、最初の1時間には割増はつきませんが、その次の2時間には割増がつくことになります。