『アワ ブリーフ エタニティ』 | やりすぎ限界映画入門

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■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『アワ ブリーフ エタニティ』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2009年/日本映画/105分
監督:福島拓哉
出演:草野康太/呂美/岩崎高広/珠几/川野弘毅/竹内茂訓/梅田絵理子/福島拓哉


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界男優賞:草野康太


やりすぎ限界男優賞:福島拓哉


やりすぎ限界女優賞:呂美


■第2稿 2022年 11月24日 版

[「福島拓哉監督」「サイコ・ラブ・ファンタジー三部作」]




■「東京
  突然倒れ数日間意識を失い
  何事もなく回復する奇病が発生」


「2009年」「初めて」『アワ ブリーフ エタニティ』を見た時の「鶏」の判断は☆☆☆☆★[85]。「鶏程度の脳みそ」「しか」ないから、「難解」な『アワ ブリーフ エタニティ』を見ても話が「全然理解できない」。

だが「2018年」『モダン・ラブ』が公開され、「2009年」『アワ ブリーフ エタニティ』と「2016年」『LEGACY TIME』と「2018年」『モダン・ラブ』が、「サイコ・ラブ・ファンタジー三部作」だったことが発表された。

「サイコ・ラブ・ファンタジー三部作」を「3本」「全部」「一気」に見直したら、「1作目」『アワ ブリーフ エタニティ』の見方が変わった。

[「三部作」「共通点」]




■「つまりまぁ
  平たく言うとね
  あの…
  エマノンウイルスに罹った人は
  大事な人の記憶を
  忘れちゃうよってことなんです」


一体何が「三部作」なのだろうか? 『アワ ブリーフ エタニティ』『LEGACY TIME』『モダン・ラブ』を「一気」に見るといくつかの「共通点」が見える。

まず「1作目」「2作目」「3作目」の「3本」「全部」の「共通点」は「消える話」。「記憶」が消える「1作目」、「全人類」が消える「2作目」、「恋人」が消える「3作目」。

そして「2作目だけない」「1作目と3作目だけの共通点」が「テル」「エマノン」「脳みそ」。主要人物の男の名前が「テル」、「1作目」は「エマノンウイルス」で「3作目」が「新惑星エマノン」、「1作目」は「妻の脳みそ」で「3作目」は「脳みそのオブジェ」が共通して描かれる。

「2作目だけない」「テル」「エマノン」「脳みそ」だが、実は「2作目」も「同じ話」なの「かもしれない」。「長編」である「1作目」「3作目」に対し、唯一「37分」「短編」な「2作目」。「福島拓哉監督の脳みそ」を「解析」するなど「鶏」には「絶対不可能」なため、「勝手な解釈」で「勝手な想像」する以外もはやなす術はない。

[「1作目」「エマノンウイルス」「3作目」「新惑星エマノン」]




■「あいつ誰のこと忘れんだろ」
 「解かんないなぁ…
  ただ傾向としては
  血縁関係にない重要な人物
  というのが殆どだ
  つまり…
  配偶者以外の家族はまず忘れない」
 「血が繋がってなくて
  より自分に近い人物」
 「近いというより
  同化願望を持つ相手かな…」


「2作目だけない」「1作目と3作目だけの共通点」の言葉「エマノン」。「エマノン」について「何一つ殆ど砂粒ほども知らなかった」ので、どこかの国の意味のある言葉かと思い調べた。

ところが調べて「はうあ!!!」 「エマノン」「EMANON」とは、「ノー・ネーム」「NO NAME」のスペルを逆にして読んだ「英語の言葉遊び」だった。

「1作目」「エマノンウイルス」と「3作目」「新惑星エマノン」とは「名前がないもの」。つまり名前さえない「得体のしれない何か」なのか?

[「脳みそ」「サイコ・ラブ・ファンタジー三部作」]




■「日本政府とWHOは
  エマノンウイルス(Emanon virus)と
  後遺症の関連を発表
  原因及び感染経路は未だ不明
  東京を発端に各国に被害が拡大
  世界中で混乱が始まる」


「ラブ・ファンタジー三部作」「じゃない」、「サイコ・ラブ・ファンタジー三部作」。「サイコ」なのだ。

この世の全てを「理論」で説明するなど「絶対不可能」。この世の全ての「人間の人生」が、「理論」で説明できない、「名前がないもの」「得体のしれない何か」に左右されて生きてるのが「現実」「真実」なのかもしれない。

何で「テル」「エマノン」「脳みそ」が「2作目だけない」かは「全く解からない」が、ある意味「脳みそ」、人間の「想像力」も、「予測不可能」な「得体のしれない何か」なのかもしれないと「勝手な解釈」で「勝手な想像」した。「福島拓哉監督」が見せた、「人間の人生」を変えてしまうまで、人間の「脳みそ」「想像力」が大きく「影響」を与える「狂った世界観」を、「サイコ」と表現したように「見えた」。

[「1作目」『アワ ブリーフ エタニティ』]




■「やりたいことやって
  生きてきたつもりだったけど
  やりたくないこと
  やらなかっただけなんだ
  とにかく 面倒臭かったんだよね
  人生とか全部
  俺と彼女は 互いに深く関係し合ってた
  だから怖くなった
  そう… 俺が忘れたフリをしたのは
  怖かったからだ」


「福島拓哉監督」「サイコ・ラブ・ファンタジー三部作」「1作目」『アワ ブリーフ エタニティ』。

「東京 突然倒れ数日間意識を失い 何事もなく回復する奇病が発生」。「同棲してたのが半年ぐらい」「つき合ってたのは1年弱か」の元恋人テル(草野康太)と再会したミオ(呂美)に、テルの記憶がない。テルはキツネ(福島拓哉)から、「エマノンウイルス」に感染した人間が「大事な人の記憶」「だけ」忘れてしまうことを知る。やがて「エマノンウイルス」が全世界規模で「アウトブレイク」。テル自身や周りの人間達も「大事な人の記憶」が消えてく。




「もしも」「大事な人の記憶」が消えてしまったら、人間はどうなってしまうか? テルとミオのように互いが忘れ合っても、何度も結ばれるカップルもいるだろう。だがカオリとイサオのように「もう戻れない」カップルも生まれるに違いない。カオリがイサオを「殺した」「苦しみ」「哀しみ」の恐るべき極限のくそリアリズムに「震撼」「驚愕」「圧倒」「絶句」。

「絶望を知って初めて、希望を描けるのだと信じている」と語る「福島拓哉監督」。「もしも」「大事な人の記憶」が消えてしまったら、人間は「今」「当り前」な「日常」が『アワ ブリーフ エタニティ』のように、いとも簡単に「崩壊」「壊滅」するのかもしれない。

「大事な人の記憶」が消えて「崩壊」「壊滅」する「絶望」が何かを見せた。「今」「当り前」な「日常」がどれほど「希望」であるかに見えた。「この世に永遠はない」のかもしれない厳しい「現実」。だから「福島拓哉監督」は、「俺達は 短い永遠の中で生きていくんだ」を見せたのかもしれない。




『アワ ブリーフ エタニティ』
『LEGACY TIME』
『モダン・ラブ』

画像 2022年 11月