『リベリオン』 | やりすぎ限界映画入門

やりすぎ限界映画入門

ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『リベリオン』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2002年/アメリカ映画/106分
監督:カート・ウィマー
出演:クリスチャン・ベイル/アンガス・マクファーデン

2003年 第19回 やりすぎ限界映画祭
2003年 ベスト10 第1位:『リベリオン』
やりすぎ限界パルムドール/やりすぎ限界男優賞/やりすぎ限界監督賞/やりすぎ限界脚本賞:『リベリオン』


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界男優賞:クリスチャン・ベイル


■第3稿 2018年 5月5日 版

[ “本物” ]



「たった一人で絶対国家は倒せない」。『リベリオン』の「絶対ありえない」物語は「中学生の文化祭レベル」かもしれない。何が『リベリオン』を極限のやりすぎ限界映画に到達させたのか? 観客は “本物” という言葉の意味が何かを『リベリオン』から思い知るだろう。

[「狂気の想像力」]



カート・ウィマー監督は歴史に残る偉業を成し遂げた。殺陣師のジム・ビッカーズと共に、銃と武術を融合した格闘術「ガン=カタ」(GUN=KATA)をこの世に生み出した。名前は「銃」(GUN)と日本武術の「型」(KATA)の組み合わせ「らしい」。初めて「ガン=カタ」を見た時、「誰も見たことがない」「新しいもの」の衝撃に腰を抜かした。カート・ウィマーとジム・ビッカーズの「脳」は、常人に到達できない狂気の “生息速度域” にあるのだろう。他の追従を許さない「狂気の想像力」に圧倒された。「ガン=カタ」を生み出した二人の「創始者」に、おしっこを漏らして震撼する以外もはやなす術はなかった。

[「ガン=カタ」(GUN=KATA)]




■「 “銃の形”(ガン=カタ)だ
  多くの銃撃戦を分析した
  敵対者たちが
  幾何学的な配置であるならば
  その動きを予見できる
  ガン=カタを極め銃を活用しろ」


アジア映画の脅威から『マトリックス』や『チャーリーズ・エンジェル』は生まれた。ジャッキー・チェンやジェット・リーの映画に対抗したかったのだろう。『男たちの挽歌』のジョン・ウー監督が、ハリウッドに進出した背景も同じだった。アメリカやヨーロッパの映画にはない東洋のアクションを、ハリウッドは積極的に取り入れた。そしてクエンティン・タランティーノ監督が言う「ジョン・ウー・スタイル」の「2丁拳銃」が、『M:i-2』を生み出した。




「新しいものが見たくなった」と言うウィマー監督の「狂気の想像力」が、「アジアの格闘技」と「ジョン・ウーの2丁拳銃」との「融合」へと到達したのかもしれない。「中国武術を取り入れている」と言う格闘術「ガン=カタ」は、こうして生まれたと僕は推測する。




脚本の段階で、どこまでウィマー監督に具体的な映像が想像できてたのだろうか? 「たった一人で絶対国家は倒せない」「絶対ありえない」物語だが、「ガン=カタ」の映像には異常に “危険” なまでの極限のくそリアリズムがある。『リベリオン』は新しい格闘術「ガン=カタ」を見せる映画。もはや内容は後づけの付録でしかなかったのかもしれない。「本当にありそう」と思わせる、「異常な説得力を持つ新しいアクション」は全世界を震撼させた。脚本の段階でのただの妄想を、説得力とリアリズムを持つ衝撃映像に転化させた実力は、もはや “本物” の「天才」という言葉以外思いつけなかった。

[やりすぎ限界男優賞の「称号」]




2作目『ウルトラヴァイオレット』失敗の敗因は、CG映像に頼りすぎたことに見える。ミラ・ジョヴォヴィッチの “女” 「ガン=カタ」は、「殺陣」ではなく「CG」でしかなかった。この失敗がクリスチャン・ベイルの、「生身の肉体を駆使した極限の殺陣」の壮絶さを証明したように見える。




クリスチャン・ベイルの「芝居」が、カート・ウィマーの想像を超える “生息速度域” に到達したのだ。『リベリオン』の「ガン=カタ」は、クリスチャン・ベイルの存在なしにありえなかった。これが「俳優」という人間の「圧倒的存在感」なのだと思う。恐るべしクリスチャン・ベイル。やりすぎ限界男優賞の「称号」に相応しい「極限のヤバ男」だ。

[「隊長 一度しか言わないぞ」]




■「隊長 一度しか言わないぞ
  よせ」
 「ひざまずけ」
 「そいつを撃て
  撃ち殺すんだ」


初めてこの世に「ガン=カタ」の映像が出る「衝撃の瞬間」。見た瞬間におしっこを漏らした。あまりの衝撃に度肝を抜かれ放心状態となった。

[「連中は反乱者どもですよ」]




■「銃声がしましたが」
 「行け!」
 「連中は反乱者どもですよ」
 「違反者だ」


6人に囲まれ、実弾を使わず銃の柄で格闘する「ガン=カタ」。異常に説得力のある殺陣が「歌舞伎の見栄」のごとく決まる姿に、おしっこは垂れ流し状態となった。

[「まだだぞ」]




■「まだだぞ」
 「マズい」
 「これからだ
  覚悟しろ」


クリスチャン・ベイルが「ガン=カタ」の “狂気の舞” を見せる。もはやおしっこは全部出尽くし失神寸前だった。…… “本物”。あまりの怖さに涙も流れてた。

[「私の夢を踏みつけにしてる」]




■「気をつけろよ
  私の夢を踏みつけにしてる」


アンガス・マクファーデンとの最期の死闘で「武術」としての「ガン=カタ」はさらに説得力を持つ映像に具現化される。「ガン=カタ」を生み出した二人の「創始者」に、大きい方が出るギリギリまで追いつめられた。




画像 2018年 5月