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引き続き、明石市のPTAの状況 その2です。
今回は令和4年に行われた、第1回明石市総合教育会議です。
この中でPTAについての状況について説明されています。
(引用)
(教育委員会事務局教育企画室青少年教育担当課長)【資料4説明】
私の方から資料に基づきまして、PTAの取組について説明させていただきます。
PTAは、児童生徒の保護者と教職員が互いに連携しながら、子どもたちの健全育成を図ることを 目的とする社会教育関係団体であり、自立した任意の組織です。平成29年5月の改正個人情報保護 法の施行に伴い、PTAにおいても個人情報の取り扱いの適正化が求められましたので、連合PTAに おいて指針を定め各単位PTAにおいて取組が進められてきています。
1の現状でございますが、PTA の主な活動につきましては、記載の通りの活動などが行われてい るところです。(2)新入生保護者への加入意思確認・個人情報取扱同意確認でございますが、令和3 年度中に連合 PTAから各校区のPTAに対しまして入退会の書面による確認とともに、入退会が自 由であることの周知徹底を呼びかけられました。その結果、令和4年度は中学校の12校、小・養護学 校で27校、幼稚園の25園において書面による確認が行われました。令和4年度に書面による確認 のなされていない学校園におきましても、令和5年度には実施されることをうかがっています。
(3)の加入状況ですが、小中学校におきまして、活動を休会中の学校もありますが、入会が任意で
あることから 70パーセントを下回る学校も増えてきています。幼稚園におきましては、ほぼ100パ ーセントに近い状況を示しています。
次に2の現状における PTA活動上の課題でございますが、1点目は個人情報の取り扱いにのみ同 意をとるなど、適正な入退会の意思確認のできていない事案がまだあります。
2点目は、役員の選出方法や役割等への不安から、なり手が少ないこと。
3点目は、近年共働き世帯が増加しておりますが、仕事の都合上で参加したくても調整が難しいと いった方が増えていること。
4点目に、PTAの目的は分け隔てなく、すべての子どもたちの健全な育成に寄与することだと思 いますが、子どもへの対応に差をつけているような場合があることです。
これらの課題に対しまして、3の現状の取組でございます。青少年教育担当では、任意団体である PTA に対しまして直接的な介入ができませんので、学校長に対して入退会の任意性や書面による手 続きの徹底を周知してまいりました。
また、各校区のPTAにおきましては、役員数の削減、強制動員からの脱却、会議や行事回数の削減
などの活動の見直しを各校区の実情に応じて行い、負担軽減等に取り組んでおられます。また、活動 の見直しに伴う会費の値下げや、役員選出方法をくじ引きから立候補制とするなど、改革を進めて おられます。
4の今後の取り組みでございますが、これまでPTAに関しましては小中学校への周知を主に行っ ておりましたが、今後は幼稚園を所管する子ども育成室との情報共有を図ってまいりたいと考えて おり、また、PTA 活動の見直しに際しましては、参考となる事例を積極的に紹介していきたいと考え ております。教育委員会といたしましては、今後とも連合 PTAやこども局と連携協力し、PTA活動 を支援するとともに、引き続き家庭、地域との連携を推進し、すべての子どもたちの健全育成に取り 組ん。でまいります。
なお、参考までに単位 PTA で課題解決に向け取り組んだ事例として、4校園のご紹介をさせてい ただいておりますが、これまで説明させていただいた取組が行われております。いずれの学校園でも、 役員や活動の選択などを行われているところです。これらの学校園以外にも、実情に合った様々な 形で改革が進められているところです。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
(市長)
PTAに関するテーマであります。私の方から改めて問題意識として申し上げます。ぜひご意見を賜 りたいのですが、まず大前提ですけれども、PTAというのは大変重要な活動であり、しっかりとPTТА 活動をすること、本当に、学校を地域と一緒に、保護者と一緒に支えていくことが、重要だと思いま す。ただ、大きな時代の変化がありますので、遠い昔の何十年前と今は時代が違っておりますので、 そこを時代の変化に対応していく必要があると思います。とりわけ数十年前であれば、専業主婦の多 い時代でありました。けれども、今はお仕事されている方が大変多い状況の中で、平日の日中に動員 をかけられても、なかなか参加もできませんし、そのために休むわけにはいかない。役員につきまし ても、抽選とかそういう形でやりたくもないのに当たってしまうと、非常に負担感が強くて大変だと いう面はあります。さりとて辞めると自分の子どもだけが差別的扱いを受けるのでは、というような ことを気にされる方もおられますので、このあたりの課題解決の必要性を感じております
市長への意見箱というものを設置しておりますけども、おそらく第一位が PTA 問題で、大変多く のお怒りを頂いておりまして、明石市は任意加入と言っているけれども嘘じゃないかと。任意と言っ たって入らないわけにはいかない、といった声を今も受け続けておりまして、私としてはPTA活動は 大事だと思っているので、気良くやってもらえるようにしたいので、そこを気良くやれる体制をどう 作るか、という問題意識を持っております。
中学校あたりから、順々に状況も整いつつあり、幼稚園が手つかずの面がありますので、市長への 意見箱でも、幼稚園の保護者からのお怒りが、嘘だと、入らずにおれないと、うちの子どもも幼稚園 いけなくなっちゃうみたいな形なので、そこを整理する必要があると思います。あとは、入っていな いからといって、PTAからの粗品がない、となりますとかえって目立ちますので、PTAというものは 物を売り買いするためのPTA会費ではないので、任意の団体として活動して、フェアに子供たちにし っかりやっていくのが PTA なので、子供を人質にとるような対応は望ましくないと私は考えており ます。もっとも悩ましいのは任意団体なので、行政が指示する関係ではないので、あまり過度に進め
るとハレーションも大きいので丁寧さもいるなと思っているところでございます。それでは教育長何 か補足ありましたら。
(教育長)
ちょうど2018年でしたか、連合PTAさんと市長と意見交換しまして、その中で入退会について は、しっかりと意思確認を取っていこうというご英断をしていただいて、そこから連合PTAさんは各 単位PTAに対して働きかけをしてくださったのですが、各単位PTAもそれぞれ事情があるようで、 なかなか動きづらい面もありました。その上で、今説明があったのですが、ほぼ全ての小中学校園に つきまして、入退会の意思確認をとれる体制に、やっとなってきたというところです。
ただ、幼稚園につきましては、教育委員会の方も、なかなか園に対して意思疎通ができなかった。 その中で預かり保育であるとか、今までで幼稚園の保護者とは違う就労している保護者の方々のお 子さんも預かるようになって、参加もしにくい状況になっているので、取り組みを強化していく必要 があるかな、というふうに考えています。その辺はこども局と連携しながらやっていきたいと思って おります。以上です。
(市長)
このテーマにつきまして、ご質問ご意見等はございますか。
(教育委員)
PTA は任意の加入であるということで、入会の際、最初に任意であることの提示するということ が大事だと思うのですけれど、学校がこのPTAに何を求めているかということを知りたいんですね。 学校がPTAがなかったら、何が困るのかということを聞いてみたいと思うのですが。
(教育委員会事務局次長(指導担当))
PTA が保護者と学校との橋渡しのような形になってくれており、役員の方がいろいろな PTA活
動を企画する事によって、学校の職員と保護者の方が、つながる場面をいっぱい作ってくれておりま
す。その意味で学校と保護者のつながりをコーディネートする役割をPTAはしてくれるので、学校と
してはすごくありがたく思っております。
(市長)
ニーズという話ですから、学校現場からすれば、まさに学校の先生だけではなくて、保護者と一緒 に学校づくり、教育をやっている観点でのPTAの重要性があると思いますし、熱心なPTAの方々と 一緒に意見交換するのは有意義だと思います。
他方で、やはり場合によっては平日に一定のイベントに参加してください、という中で任意といい ながら、事実上割り当て的なものの中で、仕事を休まざるを得なかったり、という声をよく聞きます し、特に役員ですね、なりたい方がなるのは全然いいのですけど、なりたくないのに役員になってし まうあたりがですね大変市長の方にはなりたくなかった、明石から引っ越したいというような悲鳴の ような声がどんどんあがっていますので、やっぱり、どっちから物を見るのかということがあるかと
思います。
PTA活動も一般的な強制ではなく、任意といっても事実上の強制になる面もあるので負担軽減等、 しかしながらちゃんと連携の強化というのは私は両立すると思うので、そのあたりの整理が必要な 段階かという問題意識です。
(教育委員)
働く保護者の方が参加したいなと思っても、今はその権利を奪われている感じがあります。
運営される時間帯とか、本当にみんなで学校を盛り上げようという感じでいくならば、時間帯とか 工夫し、いろんな多様な皆さんでできるように、働いている人もそうでない人も、いろいろな人が参 加できる時間帯にするとかいうことが大事かなと思います。
私は保育所を運営していますが、親の会はないんです。でもなんか、自然に卒園式くらいになった ら、お母さんやお父さんが集まって、今年の謝辞は○○さんがしてくれます的な感じで自然と形が出 来てくるみたいなこともあるので、何か学校が、PTAに求めすぎているようなところがないかって いうところも、ちょっと考えないといけないかなと思います。
(市長)
若干話が戻りますけども、こども家庭庁で、文部科学省は入りませんでしたが、未就学はまさに保 育所は厚生労働省管轄で、幼稚園は文部科学省管轄、こども園は内閣府管轄と、結局PTAは文科省 管轄の一部なんですね。歴史的経緯の中での今なので、実際上、明石市の多くの公立幼稚園はこど も園化に向かう状況の中で、今のままでいいのかという議論は当然必要になってきますので、やは り丁寧な議論をしながらですけれども、時代に即した対応が必要だと私は思っている立場ではあり ます。
(教育委員)
私は学校で随分長く務めましたから、昔、育友会と言っていた時代から学校と PTAとはつながり の深いものだと思っていました。ただ、現状を考えてみますと、資料にPTAの現状のところで主な 活動があるんですけれども、これを見ると、どうしても PTAの役員の方々を応募しなければできな い事かというと、必ずしもそんなものばかりでないと思います。
学校と保護者との関係を緊密に持つという、そのことは大事ですけれども、それを PTA という組 織でもってやらないといけないのか、ということだと思います。あいさつ運動にしろ、防犯活動にし ろ、花壇の整備にしろ、そこに書いてあるさまざまな事柄は教員が少し力を入れる。同時に、その教 員の側だけでやるのではなくて、親の代表とか、会長とか、役員とかいうのではなくて、親たちの協 力を得ながら進めていく、ということはできると思います。活動休止中の中学校、小学校はあるとあ りますけれども、その活動休止中の学校で、そういう事柄に、もし大きな支障が生じていないとする ならば、PTAという組織でなくても、親と学校、教員との協力でやっていける部分はかなりあるだろ うと思います。
それでそのように考えてみますと、会費のことも随分、学校によって額の格差はあるのですけれど も、会費を公費で賄えるかどうかは知りませんけれども、会費というものがなくて、やっていける活
(一部略奪)
ない活動というようなことになりますと、やっていけると思うんですね。そのように、親は今共働き が多い中で学校の側が親に任せるというよりは、学校と親との協力ということで考えていくならば、 もう少しイニシアティブをとっていくことによって親の協力を得る。そうすると、役員とかの負担はも う少し違ってくるであろうと思うし、PTAという組織でなくともやっていける。したがって、親と学校 との協力、これはぜひとも必要ですから、活動を休止しているPTAの学校であれ、それによって学校 と親の連携活動に支障も出てくるということであったら困るわけで、そうでないような形で行われる ならば。このことをいいますと、PTAはなくなってもいいのかみたいな風に思われるかもしれません が、なくなることを前提にしているのではなくて、会員、非会員というそういう区別を一切意識しな いで、もう少し親とうまくことは協力してやっていけるようにならないのかなと思っています。
(教育委員)
今、幼稚園の話が出ましたけど、幼稚園は就学前の教育という立場で文部科学省、保育所は厚生 労働省、それから認定こども園は内閣府ということで設置していった。また、幼稚園教諭と保育士の 教諭資格がどうかという問題もありながら、いろんな子をミックスしている状況が今の状況じゃない かなと思います。
それを考えたときに、その幼稚園でハレーションを起こしたという事実はまさに今の時代を表現し ているわけであって。逆に幼稚園も保育所も認定こども園も、みんながまとまるような PTA という ような表現ではなくて、その子どもの存在する場所の施設と、保護者とのアソシエーションの場とい うことで概念を整理して、それでお互いが何を求めているのかということを整理していく。特に保育 所は、子どもの気づきということを親御さんが知らないのを発見して教えてあげて、喜んでもらって ということあると思うし、学校だから何かそういうできなかったことができるということもあると思 う。だから、お互いがお互いを必要とするものが今の時代で何かっていうことをもう少し整理して、 そこにポイントを絞って、その学年の低いところからそのシチュエーションをつくっていくとうまくい くのではないかなと。
一概にお金だけの問題でもないと思うし、時間だけの問題でもない。お互いが必要と思えば、そこ は自然とコミュニティーができてくると思うから、工夫の仕方じゃないかなと。それを幼少時のとこ ろから整理していくと、何か子どもを中心に整理して興味深いものができるんじゃないかなと思い ます。
(市長)
ありがとうございました。
(教育委員)
私は、まさにくじ引きで役員に当たって、フルタイムで働きながら、すごく大変だったなという印象 を持っているんです。やはり時代の変化に伴って、かなり前にできた行事であったりとか、活動、制度 そのものがずっと残っているところは、本当に今の形に合ってないところがたくさんありますし、活 動そのものも今の時代に合ってない活動が、たくさんあるので見直していくことがすごく必要だと思
うんです。けれども、その気良くやれる形っていうのを市長がおっしゃったような形にしていこうと 思うと、やはり、やりたい人がやりたいときにかかわれる形に変えていくことは必要だと思っていま して、私自身も全然協力したくないわけではなく、協力をしたい。けれども、やはり子どもとの時間で あったりとか、仕事の時間を削って、この日にみたいことだとなかなか難しいところを本当に感じま したし、それ以外にも子ども会の役員であったりとか、児童クラブに入っていれば、児童クラブの保 護者会といった部分でも役割を求められるというところは負担感が大きいなと思っています。
変えていきたいという思いは、保護者の方々、PTAになられる役員の方もたくさんお持ちではあ る。けれども、一年に一回交代していくような制度の中で、これまで長きにわたって、何十年もやって きたものを変えるというところはすごく大きな組織改革が必要ですし、なかなかお仕事をしながら改 革をしていくのは、パターン化されていないと難しいかと思っています。なかなか難しいことかもし れないですけれども、例えば、その改革に向けて伴走していただくようなアドバイザーであったり、サ ポーターの方々とかが教育委員会や行政の方から入っていただくようなことができれば、改革とい うところは一歩進んでいったりするのではないかなと思っています。
本当にお母さんたちが集まってきているボランティア団体の中で、こう変えていこうと声を上げる ことは、本当に難しいところだと思いますし、何から手をつけていったらいいのかもわからない部分 もあると思うので、事例を言っていただくのも一つではあるとは思うのですが、実際に一緒に伴走し ながら、どうすれば変えていけるのか、というところをサポートしていただけると、より進んでいくの ではないかなと思います。
(市長)
いろいろ忌憚のないご意見をありがとうございます。
さきほど教育長の方から話がありましたが、私も市長12年目に入りますが、最初のころからPTA 問題で大変の声が多く寄せられておりました。そういった中で、まさに連合PTAの役員の方々とご
相談をして、PTAと 2018年から一定の新たな試みという形にスタートして、数年たったところです。 そこで一定程度対応できている事と、まだ課題としてあるところもありますので、改めて今日の意 見も踏まえながら、PTA問題については、大きな方向性として、保護者と一緒に学校を運営し、子ど もたちを教育することは当然必要ですけれど、それはこれまでどおりのPTA活動でないといけない
のかとなると、それはそうでもないと思います。 あと、市長としては単に学校問題だけじゃなくて、責任を感じているのはそのPTAの役員になる
と、まちづくり協議会なんかの会合にも参加する形になって、得てしてどうしても昔ながらの方は、P TAの役員の女性の方にお茶くみを強いて、自分らがしゃべっていて皆帰れなくて、夜遅くまでお茶
の番をしているような状況があって、それがすごく嫌だとお聞きします。本当にこどものためのこと であれば、大変でも頑張れるけど、こんなこと意味あるのかなみたいなことだと余計に気持ちがしん どくなります。PTAの活動内容、PTAの役員の様々な幅広い課題について少し整理をして、できれ ば次年度当たりくらいから、本当に手付かずの面がありましたので、できる限りより多くの市民の皆 さんに気良くやっていただけるような活動に変えていきたいと思っております。
(引用ここまで)
いかがですか?
こうした事が市の取り組みとして行われ、公開されているのは素晴らしいと思います。
こうした事が他の自治体でも行われると良いのにと思います。
参考資料
参考