RIPstick
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記

現実と夢と妄想
これらのいずれかが表層に浮かび上がり、繰り返す。
世界があふれ出すことがある。
世界が自分の手に負えなくなったと感じたとき。
焦燥感を紛らわそうと平静を装う。
テレビをつける。
声を出す。
それでも落ち着くことができず
溺れる自我に焦り続ける。
現実がアドバンテージを取れない状態。
少しでも気を抜くと夢と妄想が世界にあふれ出す。
これは狂気ではない。





記

普段目に付かないもの、陰にあるもの、
タブー、忘れられているもの、隠されているもの、
手の届かない背中、爪の裏、まぶた、
すりガラス、ラジオ、隣の部屋、
禁則文字、差別用語、歴史、
ドリルダウン、貴族、床下収納、
拷問器具、人工皮膚、ピアノ発表会、
塩、蒸留酒、秘密、
ソフト、ルート、マネー、
間接、壊れたマウス、兵





記

ガス抜きです。


色は

いいですね。



記

今の僕にはこんなものしか描けません。
色もなく
形もなにがなんだかわからず
イメージで捉えた世界をうまく出力できないジレンマに
力が抜けます。

僕が生きるために絵は必要であったと
信じたいのですが。



記






絵が描けねえです。










否、

絵を描かねいです。





記

身勝手にも手前の罪を僅かばかりでもかすませようと
自ら罪を名乗り己自身を貶めることで身を守ろうとする見苦しさ。
頭を下げながらも隙あらば罪を相手にも背負わせてやろうとしている
その気持ちの悪さに気付かない訳ではない。
虚を飾るたび、誠意を取り繕うたびに
自分への信頼と居心地の良さが薄らいでゆく。
礼にも、謝罪にも、何ひとつとして真実は無い。
本当の要求はもっと露骨に横たわっているからだ。
見えていないか、あるいは選ぶことをしていないだけで。


記

絵をサボって久しい。
積み重ねこそ奇跡へつながる道と知っていた筈。
僕は日々何を積み重ねているだろうか。
目覚めたくない、死にたい、絶望、そんな言葉と思考をいくつも積み重ね
いったい何を得られるだろうか。
日々視力は低下し、視界は狭まっていく。
肉体は衰え、病の脅威は致命的になっていく。
時間はあまりに少ない。
今、この手で何を積み重ねられるだろうか。



記

死と、死を選べないことへの恐怖が
同時に頭を打ち付ける。
覚悟して死ぬこともできない。
生を恐れ、死を恐れ、
自分はいったい何なのか。




記

神様どうかいるなら僕の寿命を教えちゃくれませんか。
間違っていてもいいからあらゆるものを振り切る信心を。



記

なかなか絵が描けません。
時間もやる気も隙を見せない。
そもそも
僕の絵を見たいなどと言う人が果たしてどれだけいるのか
という話なのですが。
しかしただ一人だけ、僕の絵を見たくて心待ちにしている人を
僕は知っています。
彼は誰よりも僕のことを嫌っています。
物陰から僕の絵が出来上がるのをずっと待っています。
そうして彼は、ようやく出来上がった僕の絵を見て

お前には才能が無い。

と、言います。
何度も何度も、子どもに言い含めるように、丁寧に言います。

才能が無いのは致命的じゃないが、
お前に欠けているのはそれだけじゃなくて、
本当に、死に到るほどに、お前には足りていないものがある。

とか言います。

実は僕も彼のことが嫌いなのですが
彼は僕について口から日本刀を抜くために
そのネタの一つとして事前に絵をよく見てくれるので
ついつい嬉しくて僕はまた絵を描いてしまうのです。



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