そして
わたしの部屋に入ってきて
二人で抱き合って泣いた
それは
この三日間が
有り得ないほど
楽しかったからで
それは
この三日間が
調和しかなかったからで
それは
この三日間で
何度頑張ったねと労ったり
何度涙を流したり
何度抱き合ったりしたか
わからなかったからだった
そして
お別れするときも
本当は涙を流して
ハグをしたかったのだが
両親も出てきて
お喋りを始めたので
タイミングをつかめず
結局出来ず
でも
わたしは
長女も同じ気持ちだと
わかったから
これで良かったんだ…と思っていた
でも
長女は
もやもやが
残っていたらしく
だから
忘れ物もあったが
それをお母さんとしたくて
帰ってきた
と泣きながら
そう話してくれたからで
それは
このときや
このときのように
この世に
わたしたちだけしか
いないような
原爆が
落とされた瞬間の
全ての音が消えるような
原爆も台風も嵐も
中心であればあるほど
静寂であるような
そんな世界に
二人でいたからだった
彼女は
特にこの一年
想像以上に変わり
どんどん
自分を知り
素直になり
プライドも善悪も捨て
どんどん
解放され
覚醒していき
どんどん
どんどん
ありのままの長女が
溢れてきている
でも
彼女は小さい頃から
我が家の過酷な環境の中で
長女として必死に生き
感受性を封印したところが
あったし
どんどん
直感やハートや感覚で
生きるわたしに対し
なかなか
頭や善悪や
目に見えるものだけで話す癖も
手放せないところも
あった
でも
だからこそ
物凄く豊かな感受性が
現れそうだと思っていて
だから
今
自分の気持ちを
素直に認め行動し
素直に涙を流しながら
伝えてくれたことや
わたしと
同じ気持ちだったことは
本当に本当に
奇跡で
それは
この
2歳で障害を負った
長女の弟である息子に
爆発的な絵の才能が
現れたときのように
衝撃的な
時間だった
そして
彼女は
「アパートの新生活も
ストレスもほとんど無いし
楽しいし落ち着くけど
お母さんといると
この家にいると本当に落ち着く…
だから帰って来たくなる…」
と言ってくれ
わたしは
「あなたたちが、お母さんに会いたい
ここに帰って来たいと思ってくれることは
本当に奇跡だと思っているから
一生そう思ってもらえるように
お母さんは一生努力しようと思っているよ…」
と言うと
「そう思えるのは本当に凄い…
わたしも頑張る…」
と言い
二人で
「頑張ろうね…」
「また来週会える日が楽しみよね…」
「こんな風に二人で思えるなんて
なんて幸せなんだろうね…」
「よくここまで頑張ってきたね…」
と泣いた
そして
「まさか自分が
こんな自分になるなんて
全く想像もしなかったし
想像以上だったけど
あなたとこんな風に
話せる日がくることも想像以上で
もう、本当にたまらない
ありがとうね、ありがとうね…」
と泣き
彼女が帰った後は
彼女の純粋さが胸を打ち
しばらく放心状態で
ああ、もう
無限に
愛を爆発させていいのだと
声を出して泣いた
写真:長女