地上天国への道 12. | ブログ.

ブログ.

事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.






















息子りん

初めて
療育手帳をもらったのは
2歳半のときで









息子が
診断され
1ヶ月入院し










その後
様子をみた
約半年後だった










そして当時
世界一の脳障害の情報を持ち
天才でない子どもには
一人も会ったことが無いという
アメリカの研究所










脳障害の
リハビリをする
準備も進めていたので










療育手帳の判定結果が
全てではないのは
分かっていたが









自閉傾向のある
測定不可能の
最重度の知的障害児
と判定されたときは










元夫
その場で泣いた












そしてその後
二年ごとに
息子は判定を受け










わたしはいつも
聞かれた
息子の様子と共に











息子の
伝え続け








それが
無駄で無意味だと
分かっていたが









わたしは
関係者の方と
行政と保護者を超えた
分かち合いがしたい
と思っていて











それが
一瞬でも出来たときは
帰宅途中の車で
号泣した










でも
療育手帳を
貰い続けた
17年のほとんどは
一般的なやり取りで








それが普通で
それが今のわたしには
最善とは
わかっていたし









自分が
望み過ぎていて
諦めが悪いことも
自覚していたが









でもやはり
わたしは
わたしには
よくそれが
起こってきたように










教育機関と親
教師と親などの
垣根を越えて











愛と奇跡の世界を
共有したいと
ずっと純粋
思い続けてきたので









いつも
悔しさと悲しさと
自分の力の無さに
泣きながら
家に帰っていた










そして
わたしは
馬鹿げたことだと
よく分かっているが
一生息子に手当てを
貰うつもりはなく









いつか
療育手帳から卒業し
息子は自分の才能で
生きていってほしい
と思っていたので










息子が
天職を見つけて
数年後の











20歳を前に
関係者の方から
面談と判定の
連絡を頂いたときは









卒業もそう遠くないなら
分かち合える
分かち合えない関係なく
この経験を
楽しもうと思った









そして 
初めて
ワクワクしながら
面談に向かうと










若い男性の
担当者さんを見て










わたしは一瞬
「この人、好きだ」
と思った









だから
わたしは
いつもより
本音で話し続けると









それを担当の方は
とても真剣に
とても深く理解して








頭でなく
心で聴いて下さり
わたしは
信じられなかった









そして
息子のことだけでなく
わたしの
生き方に触れると








わたしたちには
直感で生きている
という共通項も
見つかり









この会話を
楽しいとまで言って下さり
わたしも
楽しくて楽しくて
仕方がなかった








そして
息子を知ってもらう
材料の一つとして









このブログと
その中の
自叙伝というテーマを
お伝えすると 








「読みます」
と言って下さり
「ああ、この方は
本当にそれをして下さる」
とわかり









わたしは初めて
信じられないような
満たされた気持ちで
帰路に着いた












でも
次回の
息子と行く予定だった
療育判定は









わたしも
〝行かない〟と思ったが
息子も「行かない」
と言った










だからそれを
その方に
二、三ヵ月後電話で
正直に伝えると









その方は
わたしのブログの
108話までの
自叙伝だけでなく








当時
800以上ある記事の
「全てを読みました」
と言った









そして
最初わたしが
療育手帳をいつか
卒業しようと思う
と言ったときは





 



「まだ先だろうと思ったが
ブログを読んで
それが近いと思いました」
と言い









わたしはその
分かち合いしかない
奇跡に











電話を切って
泣き崩れた























だから
「息子が20歳を過ぎて
流れやタイミングを見て

いつか
療育手帳を卒業するときは
訪問させて貰います」
言うと









担当の方は
「お話がしたいです」
と言ってくれ










「わたしもです」
と言い
電話を切り






 


そして
その後も
その分かち合いを
思い出すたびに








何度も何度も
何度も何度も
泣き発狂し








それは
この世に
わたしたちしかいないくらいの
静かなやりとりだったが










その内側は
世界中を
一瞬で巻き込むほどの
爆発が起こっていて









息子の絵や
無限の芸術の世界のように
地上天国どころではなかった