地上天国への道 2. | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.
















そのリハビリ

息子には

たくさんの奇跡

起こったが












リハビリにも

限界を感じ始めた

ある日ふと










障害健常関係無く

子どもの成長には











親が子に

何をしてあげるかも

大切だが









親が

リラックスしているか

どうか


幸せか

どうか


どう在るか









大切なのではないか

ハッとした











そして

その世界は

本当に天国だったが









ずっとこの世界で

生きることは無理だと

始めから分かっていたし










そろそろ

息子には

社会性が必要で











家族で普通の生活を

送る必要性がある

と感じていた

わたしは










その天国に

別れを告げ









長女も次女も

小さい頃のわたしも通った

公立の幼稚園に

息子を入園させることにした
















そして

幼稚園の年長の

夏休み明けという

中途な時期の












しかも

障害のある息子の

突然の入園の

お願いだったが













園長先生や

長女も次女も

お世話になった先生や

他の先生方も皆









息子の

これまでの軌跡を

涙を流して

聞いて下さった










そして

補助の先生が付かない為

最初はわたしが付き添う

という












わたしや息子にとっても

とても有難い条件で

快く入園を受け入れて下さり












ここでもわたしは

「ああ、

一人で頑張らなくていいんだ…」

とホッとし

泣きながら家に帰った











そして

わたしは

二ヶ月ほど

毎日息子と給食まで

通園した












担任の先生は

長女の年長のときから

お世話になり











その後

次女の年中、年長

息子の年長と

幼稚園の全てで

お世話になった











障害を負う前の息子も

知って下さっていた

お若いけれど

とても尊敬していて

家族皆が大好きな先生だった












だから

先生とは

一切話し合いはしなかったが

最初から











園児たちに

息子の障害の

多くを語ることはなく










園児たちが

自分で感じて行動するのを

二人で見守った










そして

園児たちに

質問をされたら

息子の代わりに

素直に何でも答える

というスタンスも同じで











そんな

素晴らしすぎる環境の中で

息子の幼稚園生活は

始まった












そして

わたしは

園児らと一緒に

はないちもんめをしたり

芋掘りや工作をして過ごし










息子が

女の子のママごとに

入れてもらっているときや












男の子が

息子と手を繋いでくれて

ケイドロをしているときや










息子が

先生の膝に座り

絵本を読んで

もらっているときや










誰もお友だちに

誘われないときには

ジャングルジムに座り

足をブラブラさせているのを












大きな桜の木の下で

黙って見ていた











すると

たまに女の子が一人で

ジャングルジムに座っている息子

寄ってくることに

気づいた











そして

しばらく見ていると

お友だちと喧嘩をした子が

息子の側に来ること

わかり











息子は

何も言わないし

何もしないけれど










そんな息子と

しばらく過ごした女の子は

元気になって

友だちの所へ

帰って行くことに気づいた













だから

お世話になるばかりの

存在だと思っていた

息子が










そのままの息子で

息子にしか出来ないことで

世の中の役に立っている

と気づいたとき












わたしは

嬉しくて

泣いた
























そして

園長先生は









そんな園児らに

自然に溶け込む

わたしの姿に

感動して下さり











息子ではなく

わたしの視察

教育委員会の方を

呼んで下さったり











お友だちや

保護者の方も

それはそれは

わたしと息子を

大切にして下さったり




 







卒園をするときに

担任の先生は

息子をぎゅっと抱きしめ

泣きながら

「お母さん…凜くんを下さい…」

と言って下さったり









その後は

先生のご実家にも

何度か遊びに伺い

先生のご両親にも

可愛がって頂くなど









わたしたちは

本当に

皆さんに愛され











理解と愛と調和のある

そこはまさに

地上天国で












ずっとずっと

ここに居たい

と思うほどだった










でも息子は

翌年の春には










同じ敷地内にある

長女と次女が通っていた

公立の小学校の

特別支援学級に

入学することになり











幼稚園のお友だちのほとんどが

その小学校に入学し

二人の娘たちもいたので

心強くはあったが










そんな生活が

あまりにも

素晴らしかったので

その別れは

とても寂しく不安だった













でも

健常障害関係無く

この変化はずっと付きまとうんだ…

と改めて覚悟した

わたしは











この先に

地上天国があるのか

わからないまま














また

次の世界へと

歩き始めた
















地上天国への道 1.



地上天国への道 3.