『知る』ことは〝愛〟 2. | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.

















そして
わたしは
息子のリハビリをしながら














いや
リハビリをする前
















インフルエンザ脳症
脳障害を負い
全盲になり
自閉傾向があり
コミュニケーションが
全く取れなくなるという












全く別人のような
息子として
退院して家に帰ってすぐから
息子を観察し始めていた


























わたしは
元々自分が
やりたいことは
何でも、どこまでも
やりたい人間なので












子どもたちが
小さい頃も














包丁で何か切りたい
と言えば
2歳でも3歳でも
安全な環境を整えて
包丁を持たせてきたし














タンスの上に登りたい
押し入れからジャンプしたい
と言えば
下にたくさん布団を敷いて
それをさせ











水遊び、泥遊び
雪遊び、砂遊びなども
とことんさせてきた



























でも
障害を負った息子は
リハビリをする前から
少しずつ目は見えるように 
なっていたが














最初は全盲で
全盲なのに
体は感覚を覚えているのか
多動で













小さな癲癇の発作もあり
抗てんかん薬を
飲んでいたので
朦朧としていて














だからいつも
闇雲に目的もなく
ふらふらと
歩き回っていた

















障害を負う直前の息子と、二人の娘たち。雪遊びをする時はいつも、ホットココアを水筒に入れ、外で飲みながら遊び、その間わたしはお風呂を用意し、遊び終わったらいつもお風呂で温まっていた













すると
息子はよく
絵本の本棚の前に
行くようになり













わたしがはまって
市内市外で集めた
300冊の古本の絵本を
いつもパラパラと
めくるようになった













そして
そのうち
背表紙を歯で
片っ端から
剥くようになり













わたしは息子は
その触覚を
歯や指先で
楽しんでいると思い














混乱していたような
息子に
秩序のようなものが
現れ始めたことに
ハッとした












でも
周りからは
絵本が勿体ないから
辞めさせるように
言われたが












そんなことより
息子に現れたその変化が
爆発するくらい
嬉しくて
















わたしは
周りの反対を押し切り
全ての背表紙を剥かせた





























そして次は
携帯のアンテナを
齧り始め












それも
電磁波が危ないから
体に毒だから
と周りに反対されたが











わたしは
息子の
〝齧りたい〟
という欲求が
泣くほど嬉しかったので











それも
周りの意見も聞かず
とことんさせ










それが
次は
ビデオデッキの
ビデオの出し入れ










次に
パソコンを触ることに
繋がり











ビデオデッキも
パソコンも
何台も壊したり
故障させたが
わたしはとことんさせた




























そしてそれが
次に
ゲームに繋がり












それも周りに
そんなにさせたら
目が悪くなるから
と反対されたが











わたしは
何より
〝欲求〟が大切だと
思っていたので











元々全盲だったのだから
何も怖くない
ととことんさせ











息子は同じゲーム
何時間も
何日も
何年も
ずっとし続けた




























そしてそのうち
わたしと対等に競えたり
わたしより上手くなるなど













息子のゲームの能力が
健常も障害も
関係ない能力だと感じたとき














ゲームではなかったが
息子には何か
健常も障害も関係の無い
無限の能力があるのでは
と思い始め

























それが
息子に
爆発するような
芸術的センスがあり
絵を描く能力がある
と知ることに繋がった



























そして
息子が通い始めた
まつやま絵画教室
松山広視先生













りんくんは
触覚的な絵を描く
と言い











全盲で
絵本をパラパラとめくり
背表紙を歯で全て剥き
触覚を楽しんでいる
と思ったことは












ここに
繋がっていたのか
とハッとし












それはわたしが
息子を観察し続け
息子が知り続け
息子のどんな欲求も
叶え続けたからだった