チョコレートをひとつとって口に入れると、箱の中には最後のひとつが残された。
舌の上で溶け出す温かい甘さを味わう。
レッドブルには敵わないけれど、チョコレートも好きだ。
休憩時間の糖分補給を楽しみにするくらいには。
口の中がすっかり空になり、俺は残ったチョコレートを見る。
もう一つ食べたい気分ではないが、ひとかけらのために箱ごと持ち歩くのも面倒な気がした。
どうしようかな。
食べちゃうか。
いや、やっぱり取っておこう。
大きい箱じゃないし、次の時の楽しみに。
心を決めて頷き、俺は箱をしまおうと手に取る。
「イライ」
後ろからかけられた声に、俺は振り向いた。
「ジェソプ」
「それチョコレート?」
AJは目敏く手の中の箱を見つける。
「そうだけど」
「ごちそうさま」
俺が何とも言う前に、AJの手はチョコレートを取り上げる。
「ああ!」
思わず声をあげると、わざとらしくキョトンとした顔をして、AJは動きを止めた。
しかしもう遅い。
すでにチョコレートは歯の間だ。
「なんで勝手に食べるんだよ!」
チョコレートのひとかけらくらいで、と言われるかもしれない。
別に勝手に食べたことじゃなくて。
休憩時間の楽しみを奪われたことに俺は腹を立てた。
「食べたかった?」
チョコレートを咥えたまま、AJは言う。
怒りの声をあげそうになり、息を吸って、俺は結局そのまま飲み込む。
「別に。もういいよ」
前にこんなことがあって、喧嘩して、スヒョン兄に止められた。
叱られたのは、AJだったけど。
「食べたいならいいよ」
「いいって」
空になった箱を握りつぶし、近くにあったゴミ箱へ投げ入れる。
「イライ」
「何だよ」
睨みながら振り向くと、目の前にAJの顔があった。
唇の前にチョコレートを突き出し、視線で、食べろ、と合図してくる。
チョコレートを食べながらキスなんて。
キソプじゃないんだから。
心の中では悪態をつきながら。
文字通り齧り付くように唇を重ねる。
溶けたチョコレートが唾液と混ざって口の中いっぱいに広がる。
甘いミルクチョコレート。
ただのキスでも甘いのに。
チョコレートなんて足したら。
甘すぎる。
丹念にチョコレートを舐め取って、名残惜しげに唇が離れる。
AJが感慨深げに呟く。
「美味しかったけど」
そして、ニヤリと笑った。
「次はビターチョコにしよう」
厳密にはパラレルではなくて、RENTを上演したら、という話。
KEがミミ、ELがロジャー、DHがマーク。
JSがモーリーン、KSがジョアン。
SHがコリンズで、HMがエンジェル。
SoohoonのI'll Cover Youと、2SeopのTake Me or Leave Meと、ElvinのAnother Dayが聞けたら楽しいだろうなあ。
DHどうしよ。
KEがミミ、ELがロジャー、DHがマーク。
JSがモーリーン、KSがジョアン。
SHがコリンズで、HMがエンジェル。
SoohoonのI'll Cover Youと、2SeopのTake Me or Leave Meと、ElvinのAnother Dayが聞けたら楽しいだろうなあ。
DHどうしよ。
ケビンはサンフランシスコのウェスト・カンナム・ハイスクールに通う10年生。
学校ではグリークラブに所属し、歌うことが大好き!
9月からは新入生ドンホと転入生フンミンが入部し、部長のスヒョンや部員のキソプと共に、大会入賞を目指して練習に励んでいた。
ところが、いじめっ子のイライとジェソプもグリークラブに入ると言い出して…。
果たしてクラブの、そしてケビンの運命は?!
*
同じグループの中でくっついたり離れたりというのは、ティーンドラマなら定番なので、2SeopかつVinseopかつSoovinでもありかなと。
NHKのティーンものっていうと後はロズウェルだけど、あまりカップルにならないんだよな。
KEはサンフランシスコに住む高校生。
親戚が経営するカフェのバイトから帰る途中、ギャング抗争の流れ弾に当たってしまう。
倒れるKEに近付いてきたのは、同じ高校に通うEL(またはKS)。
ELが手をかざすと、傷はあっという間に塞がってしまった。
集まってくる野次馬に紛れ、ELはその場を去る。
その傍らにいたのは、やはり同級生であるKS(またはEL)だった…。
で、二人が宇宙人であることを知り、敵との戦いが始まる。
JSはKEの元彼のアメフト部員で。
学校ではグリークラブに所属し、歌うことが大好き!
9月からは新入生ドンホと転入生フンミンが入部し、部長のスヒョンや部員のキソプと共に、大会入賞を目指して練習に励んでいた。
ところが、いじめっ子のイライとジェソプもグリークラブに入ると言い出して…。
果たしてクラブの、そしてケビンの運命は?!
*
同じグループの中でくっついたり離れたりというのは、ティーンドラマなら定番なので、2SeopかつVinseopかつSoovinでもありかなと。
NHKのティーンものっていうと後はロズウェルだけど、あまりカップルにならないんだよな。
KEはサンフランシスコに住む高校生。
親戚が経営するカフェのバイトから帰る途中、ギャング抗争の流れ弾に当たってしまう。
倒れるKEに近付いてきたのは、同じ高校に通うEL(またはKS)。
ELが手をかざすと、傷はあっという間に塞がってしまった。
集まってくる野次馬に紛れ、ELはその場を去る。
その傍らにいたのは、やはり同級生であるKS(またはEL)だった…。
で、二人が宇宙人であることを知り、敵との戦いが始まる。
JSはKEの元彼のアメフト部員で。
後ろから抱きつかれて上を見たら、ケビンがいた。
ケビンにイヤフォンを外されると、部屋には他に誰もいないことが分かった。
俺はプレイヤーを止めて尋ねる。
「どうした?」
呼びに来たなら余計なことはせずにそう言うだろう。
仕事の場で甘えるようなタイプでもない。
そもそも、ケビンからハグしてくること自体が珍しい。
「ジェソプ」
抑揚のない声が響き、真上を向いた俺の頬が撫でられる。
照明を背にしたケビンは無表情で、その目が真剣なのか虚ろなのかも判然としない。
しなやかな指が俺の唇に触れた。
「ケビン?」
再び口を開けたとき、ケビンの顔が降りてきた。
俺は真上を向き、ケビンは後ろに立っていて、当然、合わさる唇も逆さまになる。
いつもとは違う、慣れないキス。
それでも目を閉じ応じれば、同じように戸惑っている舌に出会う。
お互いに探りながら、丁寧に口腔を侵す。
久しぶりに味わう、甘い舌と唇。
何度かの応酬の後、歯が触れて音を立てた。
唇が離れ、ケビンが忍び笑いを漏らす。
つられて俺も笑い、目を開けた。
俺を覗き込むケビンの顔には、笑みが浮かんでいる。
「ジェソプ」
「うん?」
口角をあげてやれば、その眉は更に下がる。
「おかえり」
チュッと音を立てて、唇がついばままれる。
「ただいま」
俺はケビンの顔を引き寄せて、三度目のキスをした。
ケビンにイヤフォンを外されると、部屋には他に誰もいないことが分かった。
俺はプレイヤーを止めて尋ねる。
「どうした?」
呼びに来たなら余計なことはせずにそう言うだろう。
仕事の場で甘えるようなタイプでもない。
そもそも、ケビンからハグしてくること自体が珍しい。
「ジェソプ」
抑揚のない声が響き、真上を向いた俺の頬が撫でられる。
照明を背にしたケビンは無表情で、その目が真剣なのか虚ろなのかも判然としない。
しなやかな指が俺の唇に触れた。
「ケビン?」
再び口を開けたとき、ケビンの顔が降りてきた。
俺は真上を向き、ケビンは後ろに立っていて、当然、合わさる唇も逆さまになる。
いつもとは違う、慣れないキス。
それでも目を閉じ応じれば、同じように戸惑っている舌に出会う。
お互いに探りながら、丁寧に口腔を侵す。
久しぶりに味わう、甘い舌と唇。
何度かの応酬の後、歯が触れて音を立てた。
唇が離れ、ケビンが忍び笑いを漏らす。
つられて俺も笑い、目を開けた。
俺を覗き込むケビンの顔には、笑みが浮かんでいる。
「ジェソプ」
「うん?」
口角をあげてやれば、その眉は更に下がる。
「おかえり」
チュッと音を立てて、唇がついばままれる。
「ただいま」
俺はケビンの顔を引き寄せて、三度目のキスをした。
KEでSongfic。
Dreams Come Trueの大阪LOVER。
ゴールデンゲートブリッジだって
君と見る盤浦大橋にはかなわないよ
あるいはELでSongfic。
ワシントン記念塔だって
君と見るNソウルタワーにはかなわないよ
Elvinはダメなので、JSもソウルを出るらしいので除外で。
HoonvinとElseopか、VinseopとSooliか、VinseopとDongliか。
Dreams Come Trueの大阪LOVER。
ゴールデンゲートブリッジだって
君と見る盤浦大橋にはかなわないよ
あるいはELでSongfic。
ワシントン記念塔だって
君と見るNソウルタワーにはかなわないよ
Elvinはダメなので、JSもソウルを出るらしいので除外で。
HoonvinとElseopか、VinseopとSooliか、VinseopとDongliか。
「最近のインタビューとか、教えてもらって一通り読んだんだけど」
突然振り向いて、AJが言った。
「なんで'僕のドンホ'なの?」
「そんなこと言ったっけ?」
聞き返した僕を、AJは抱きしめる。
「言ってた。ウェブのインタビュー記事で」
AJは冗談を言うときもあまり声が変わらなくて、だから僕はよく騙されるんだけど。
機嫌が悪いのか、茶化してるだけのか。
やっぱりよく分からない。
「だって、うちのドンホだし」
「うん、たぶんそういう意味だったと思うんだけど」
なんだ、通じてるんじゃん。
「気をつけてよ。'僕の'と'僕たちの'じゃ、全然意味が違うんだから」
「分かった」
肩越しに振り返ると、AJは以外にも寂し気な顔で。
僕の肩に顔を埋めた。
「俺の時は言い直してたのに」
「ジェソプのとき?」
「何かの動画で」
ああ、それもあったかもしれない。
僕のAJ、と言って、メンバーに突っ込まれて。
ファンと僕たちの、と言い直したんだ。
ドンホのときは。
いつだったのか、まだ思い出せないけど。
「ドンホに妬いてるの?」
かわいい弟に。
僕たちのドンホに。
嫉妬深いのは分かってたつもりだけど、メンバーにも?
「この前、言ったばっかりだからさ」
この前。
僕はずっとAJのものだと言った。
そして、AJは僕のものだとも言った。
でもインタビューは、「この前」のずっと前にされているのに。
個人的な発言でもないのに。
「ジェソプらしいけど」
僕の言葉に、AJが顔をあげる。
「安心してよね」
僕たちのAJ。
でも。
僕だけのAJ。
「僕のジェソプ」
僕はAJに寄りかかる。
「聞きたいなら、何度だって言うよ」
身体が倒れて、二人して横になる。
「ジェソプは僕のもの、僕はジェソプのもの」
呪文を唱えるように、子供に言い含めるように。
AJは身体を起こして、僕を見下ろす。
部屋の明かりを背にして、その表情は見えない。
AJは僕の頬を撫で、僕は落ちてきたキスを受けた。
突然振り向いて、AJが言った。
「なんで'僕のドンホ'なの?」
「そんなこと言ったっけ?」
聞き返した僕を、AJは抱きしめる。
「言ってた。ウェブのインタビュー記事で」
AJは冗談を言うときもあまり声が変わらなくて、だから僕はよく騙されるんだけど。
機嫌が悪いのか、茶化してるだけのか。
やっぱりよく分からない。
「だって、うちのドンホだし」
「うん、たぶんそういう意味だったと思うんだけど」
なんだ、通じてるんじゃん。
「気をつけてよ。'僕の'と'僕たちの'じゃ、全然意味が違うんだから」
「分かった」
肩越しに振り返ると、AJは以外にも寂し気な顔で。
僕の肩に顔を埋めた。
「俺の時は言い直してたのに」
「ジェソプのとき?」
「何かの動画で」
ああ、それもあったかもしれない。
僕のAJ、と言って、メンバーに突っ込まれて。
ファンと僕たちの、と言い直したんだ。
ドンホのときは。
いつだったのか、まだ思い出せないけど。
「ドンホに妬いてるの?」
かわいい弟に。
僕たちのドンホに。
嫉妬深いのは分かってたつもりだけど、メンバーにも?
「この前、言ったばっかりだからさ」
この前。
僕はずっとAJのものだと言った。
そして、AJは僕のものだとも言った。
でもインタビューは、「この前」のずっと前にされているのに。
個人的な発言でもないのに。
「ジェソプらしいけど」
僕の言葉に、AJが顔をあげる。
「安心してよね」
僕たちのAJ。
でも。
僕だけのAJ。
「僕のジェソプ」
僕はAJに寄りかかる。
「聞きたいなら、何度だって言うよ」
身体が倒れて、二人して横になる。
「ジェソプは僕のもの、僕はジェソプのもの」
呪文を唱えるように、子供に言い含めるように。
AJは身体を起こして、僕を見下ろす。
部屋の明かりを背にして、その表情は見えない。
AJは僕の頬を撫で、僕は落ちてきたキスを受けた。
ケビン兄は朝風呂が長くて、その時間のほとんどは頭の中から寝起きの悪さを洗い流すために使われる。
そのマネをしたつもりはなかった。
何度目かのため息をつくと、扉の向こうからキソプ兄の声がした。
「ドンホ、まだ?」
「あーゴメン、もうちょっと」
バスルームには時計がなくて、自分がどれくらいシャワーを浴びていたのか分からない。
「早くしてね」
「分かった」
扉の向こうの気配が消えて、僕はまたため息をつく。
疲れのせいなのか、別の何かか。
忙しさだけで言ったら、日本にいるときの方がマシなはずなのに。
無理しているつもりもないのに。
ダメだ。
呑み込め、ため息。
深呼吸しようと口を開けると、唇に髪が張り付いた。
閉じていた目を更にきつく瞑り、結局また息を吐く。
ダメだ。
こんなんじゃダメだ。
僕は目を開けて、シャワーヘッドを睨みつけた。
「ドンホ、入るよ」
突然扉が開いて、僕は振り向く。
「もう交代してよ」
声とは裏腹に笑顔のキソプ兄は、シャワーを自分に向けて身体を流し始める。
普段なら奪い返して、出て行けと言うところだ。
しかし、不意打ちをくらって僕は、ヒョンを見上げて思わず黙ってしまった。
「ドンホ?」
反応のない僕に、キソプ兄は怪訝そうな顔になる。
そして、僕の頬を拭った。
「どうしたの? 目が赤いよ」
僕は何度か瞬きして、顔を背けた。
「お湯が目に入ったんだ」
「そう」
気遣わしげなキソプ兄は。
きっと。
泣いたのか、という言葉を呑み込んだ。
「交代だね。もう出るよ」
両手で髪をかきあげて、僕はキソプ兄の横を抜ける。
扉を開けようとしたその瞬間。
後ろからハグされた。
「疲れてるなら、今日は早く寝なよね」
「うん」
「眠れなかったら、ひとりで起きてないで言ってね」
どうせキソプ兄は、先に寝付いているだろうけど。
「うん」
何故か、素直に頷くことができた。
「じゃ、交代」
濡れた頬に唇が押し付けられ、バスルームに音を響かせて離れた。
腕が解かれると、僕は振り向かずに扉を開け、外に出る。
閉めるときにちらりと見えたキソプ兄は、もうこちらを気にしている様子はなくて。
きっと赤くなっていただろう頬を見られずに、僕はこっそり胸を撫で下ろした。
そのマネをしたつもりはなかった。
何度目かのため息をつくと、扉の向こうからキソプ兄の声がした。
「ドンホ、まだ?」
「あーゴメン、もうちょっと」
バスルームには時計がなくて、自分がどれくらいシャワーを浴びていたのか分からない。
「早くしてね」
「分かった」
扉の向こうの気配が消えて、僕はまたため息をつく。
疲れのせいなのか、別の何かか。
忙しさだけで言ったら、日本にいるときの方がマシなはずなのに。
無理しているつもりもないのに。
ダメだ。
呑み込め、ため息。
深呼吸しようと口を開けると、唇に髪が張り付いた。
閉じていた目を更にきつく瞑り、結局また息を吐く。
ダメだ。
こんなんじゃダメだ。
僕は目を開けて、シャワーヘッドを睨みつけた。
「ドンホ、入るよ」
突然扉が開いて、僕は振り向く。
「もう交代してよ」
声とは裏腹に笑顔のキソプ兄は、シャワーを自分に向けて身体を流し始める。
普段なら奪い返して、出て行けと言うところだ。
しかし、不意打ちをくらって僕は、ヒョンを見上げて思わず黙ってしまった。
「ドンホ?」
反応のない僕に、キソプ兄は怪訝そうな顔になる。
そして、僕の頬を拭った。
「どうしたの? 目が赤いよ」
僕は何度か瞬きして、顔を背けた。
「お湯が目に入ったんだ」
「そう」
気遣わしげなキソプ兄は。
きっと。
泣いたのか、という言葉を呑み込んだ。
「交代だね。もう出るよ」
両手で髪をかきあげて、僕はキソプ兄の横を抜ける。
扉を開けようとしたその瞬間。
後ろからハグされた。
「疲れてるなら、今日は早く寝なよね」
「うん」
「眠れなかったら、ひとりで起きてないで言ってね」
どうせキソプ兄は、先に寝付いているだろうけど。
「うん」
何故か、素直に頷くことができた。
「じゃ、交代」
濡れた頬に唇が押し付けられ、バスルームに音を響かせて離れた。
腕が解かれると、僕は振り向かずに扉を開け、外に出る。
閉めるときにちらりと見えたキソプ兄は、もうこちらを気にしている様子はなくて。
きっと赤くなっていただろう頬を見られずに、僕はこっそり胸を撫で下ろした。
Distractionがエロいと聞いて期待していたのですが、これだったらThe Sound of Magicのほうが断然エロいと思いました。ちぇっ。
右端でSHがKSにキス振りしたら、真ん中にいたのにJSがKSにキスしにいったりとか、
誰かがバービーに告白してる後ろでJSにバックハグされてるKSとか、
2Seopでフォーリンラブ振られてノリノリのKSと照れまくるJSとか、
写真撮影で横になっていちゃつくJSとKSとか。
写真撮影でついにHMの唇を奪うSHとか…。
今読み返したら書いてないけど、12月のときはSHはKEにキス振りしてたんだった。
鉤の手取ったらフランスっぽいとか言われて、隣にいた王子のKEに。
誰かがバービーに告白してる後ろでJSにバックハグされてるKSとか、
2Seopでフォーリンラブ振られてノリノリのKSと照れまくるJSとか、
写真撮影で横になっていちゃつくJSとKSとか。
写真撮影でついにHMの唇を奪うSHとか…。
今読み返したら書いてないけど、12月のときはSHはKEにキス振りしてたんだった。
鉤の手取ったらフランスっぽいとか言われて、隣にいた王子のKEに。
外に出ると、空には灰色の雲が垂れ込めていた。
止みきらない雨がパラパラと髪にかかった。
「せめて晴れてたらなあ」
ため息を吐くと、ケビンが頷く。
「それかせめて、夜だったらね」
パーカーのフードを被り、建物に挟まれた通路を行く。
細い道を抜けると、二人して上を見た。
どんよりとした空の下に、それでも観覧車は立っている。
階段を上れば乗り口は目の前だ。
平日の昼間、ゲートを開けたばかりの観覧車の周りに人は少ない。
「シースルーのもあるんだ」
「まあ、普通のでいいんじゃない?」
二つ隣のゴンドラを待つ時間を惜しんで、普通のゴンドラに乗り込む。
外からはゆっくり動いるように見えたそれは、意外なほどに速く、俺とケビンの視点を高くしていく。
「うわ、やっぱりすごい」
「乗ったことはあったよな?」
「うん。でもこんな大きいのは初めて」
ケビンはアクリルの窓に張り付いて、無意識に感嘆の声を漏らす。
外を向くと、相変わらずの天気で。
それでも、景色は悪くなかった。
大きな橋と、その向こうに見える赤い塔。
もう少し北に、新しい塔。
海の側にも大きい橋がある。
「乗ってよかった」
「うん」
思わず呟く頃には、ゴンドラは頂上にまで来ていた。
残りは半分。
気付いてみればあっという間だ。
ケビンは向かい側で、変わらず額を窓に押し付けている。
晴れていたら。
夜景だったら。
もっと綺麗だったかもしれないけど。
ケビンは満足しているようで。
うん、来てみてよかった。
そう言おうと口を開きかけたとき、俺の電話が鳴った。
「誰だろう」
取り出して画面を見ると、スヒョン兄からだった。
「もしもし、スヒョン兄?」
休憩時間中とは言え、姿が見えなくてかけてきたのだろう。
『今どこにいる?』
「観覧車」
『え? 何だって?』
「観覧車のゴンドラの中にいる」
『バカ言うな』
「本当だよ」
一瞬の沈黙の後、一段低くなった声が言う。
『本気か?』
「だから本当だって。下についたら大急ぎで戻るから」
『ケビンも?』
「うん。一緒にいる」
スヒョン兄はため息を吐く。
『見つからないようにな』
「努力する」
じゃあ、と言って電話を切る。
ケビンと顔を見合わせ、2人して吹き出した。
「戻ったら怒られるね」
「ああ、間違いないな」
スヒョン兄たちに知らせて出るわけにはいかなかった。
絶対に止められるから。
ノリの良い誰かならついて来たかもしれないが、2人だけで乗りたかったのだ。
「そういえばさ」
電話で思い出し、俺は口を開く。
「スヒョン兄が前に彼女と観覧車に乗って、一番上でキスしたんだって」
「へえ、ロマンチックだね。ヒョンらしくない」
「でも、一番上ってゴンドラが横に並ぶから、隣の人たちに見られてたって」
「あはは、ドジだね。ヒョンらしいや」
ケビンはひとしきり笑ってから、まっすぐ俺を見た。
「つまり、こうするのが正しいってことだね?」
俺たちの乗ったゴンドラは、観覧車の半分くらいの位置にあった。
ケビンは立ち上がって、俺の隣に座り直す。
重心が動いて揺れるゴンドラの中で、俺はすぐ横に来たケビンの唇にキスをした。
上目遣いで微笑み合ってから、俺はケビンの肩を抱いた。
もうすぐに下について、スヒョン兄たちに怒られに戻ることになる。
今回はそれでも構わない。
けれど次は、晴れた日の夜に。
シースルーのゴンドラを待って。
「また来ような」
「うん」
ゆっくりと動くゴンドラの、扉が外から開かれる。
俺はケビンの手を取って、ゴンドラを降りた。
止みきらない雨がパラパラと髪にかかった。
「せめて晴れてたらなあ」
ため息を吐くと、ケビンが頷く。
「それかせめて、夜だったらね」
パーカーのフードを被り、建物に挟まれた通路を行く。
細い道を抜けると、二人して上を見た。
どんよりとした空の下に、それでも観覧車は立っている。
階段を上れば乗り口は目の前だ。
平日の昼間、ゲートを開けたばかりの観覧車の周りに人は少ない。
「シースルーのもあるんだ」
「まあ、普通のでいいんじゃない?」
二つ隣のゴンドラを待つ時間を惜しんで、普通のゴンドラに乗り込む。
外からはゆっくり動いるように見えたそれは、意外なほどに速く、俺とケビンの視点を高くしていく。
「うわ、やっぱりすごい」
「乗ったことはあったよな?」
「うん。でもこんな大きいのは初めて」
ケビンはアクリルの窓に張り付いて、無意識に感嘆の声を漏らす。
外を向くと、相変わらずの天気で。
それでも、景色は悪くなかった。
大きな橋と、その向こうに見える赤い塔。
もう少し北に、新しい塔。
海の側にも大きい橋がある。
「乗ってよかった」
「うん」
思わず呟く頃には、ゴンドラは頂上にまで来ていた。
残りは半分。
気付いてみればあっという間だ。
ケビンは向かい側で、変わらず額を窓に押し付けている。
晴れていたら。
夜景だったら。
もっと綺麗だったかもしれないけど。
ケビンは満足しているようで。
うん、来てみてよかった。
そう言おうと口を開きかけたとき、俺の電話が鳴った。
「誰だろう」
取り出して画面を見ると、スヒョン兄からだった。
「もしもし、スヒョン兄?」
休憩時間中とは言え、姿が見えなくてかけてきたのだろう。
『今どこにいる?』
「観覧車」
『え? 何だって?』
「観覧車のゴンドラの中にいる」
『バカ言うな』
「本当だよ」
一瞬の沈黙の後、一段低くなった声が言う。
『本気か?』
「だから本当だって。下についたら大急ぎで戻るから」
『ケビンも?』
「うん。一緒にいる」
スヒョン兄はため息を吐く。
『見つからないようにな』
「努力する」
じゃあ、と言って電話を切る。
ケビンと顔を見合わせ、2人して吹き出した。
「戻ったら怒られるね」
「ああ、間違いないな」
スヒョン兄たちに知らせて出るわけにはいかなかった。
絶対に止められるから。
ノリの良い誰かならついて来たかもしれないが、2人だけで乗りたかったのだ。
「そういえばさ」
電話で思い出し、俺は口を開く。
「スヒョン兄が前に彼女と観覧車に乗って、一番上でキスしたんだって」
「へえ、ロマンチックだね。ヒョンらしくない」
「でも、一番上ってゴンドラが横に並ぶから、隣の人たちに見られてたって」
「あはは、ドジだね。ヒョンらしいや」
ケビンはひとしきり笑ってから、まっすぐ俺を見た。
「つまり、こうするのが正しいってことだね?」
俺たちの乗ったゴンドラは、観覧車の半分くらいの位置にあった。
ケビンは立ち上がって、俺の隣に座り直す。
重心が動いて揺れるゴンドラの中で、俺はすぐ横に来たケビンの唇にキスをした。
上目遣いで微笑み合ってから、俺はケビンの肩を抱いた。
もうすぐに下について、スヒョン兄たちに怒られに戻ることになる。
今回はそれでも構わない。
けれど次は、晴れた日の夜に。
シースルーのゴンドラを待って。
「また来ような」
「うん」
ゆっくりと動くゴンドラの、扉が外から開かれる。
俺はケビンの手を取って、ゴンドラを降りた。