ものがたり Vol.1099
料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない技術の裏に隠されているものを書いています。それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。 中目黒に長い夏がやって来る。 札幌には短い夏がやって来る。 北海道の夏はやっぱり短い。 僕が小学生の頃、祖母が夏休み期間中ずっと札幌にいてくれた。 祖母と言っても、彼女が四十八の時に僕が生まれて祖母になった ものだから、まだ全く若かったのだけれど・・・。(笑) そして本当は始業式が始まると同時に、こちらに帰ってくる予定 だったのに、何だが名残惜しくなってしまったのか?(笑)九月 までいてくれた。 その時、ストーブを焚いて・・・。 祖母が驚いたから覚えている。 「九月にストーブが欲しいと思ったのは初めて!」 それを聞いた母(実の娘なのだけれど)がこんな風に返事した。 「九月にストーブをつけたのは、お母さんがいるからよ(笑)」 この会話が「札幌の夏は短い」と僕の記憶に焼き付けた。 記憶というのは、とても面白い。 中高生の時に必死に覚えた英単語も、数学の方程式もみんな忘れ ている。 サイン、コサイン、タンジェントって言葉だけを覚えていて・・・。 それって何だっけ?(笑) 確か「数2b」だったから、来年長女に聞いてみよう。\(^_^ )/ 今の僕が、今の僕と同じような事を感じ始めた年齢に、今、長女 がいる。 十五年前りあんを開店した当初、高二時代の同級生が突然やって 来た。(友達の友達から聞いたらしいけれど) 彼が「俺の娘が俺達が知り合った年だよ」と言ったのが、妙に 現実だった。 その娘が、既に三十になっているのだから・・・。 短いのは札幌の夏だけじゃない。 そうとは知っていても、時間をただ過ごしている事の何と多い事 だろう。 かなり気をつけて、掴もうとしているのだけれど・・・。 するりと消えてゆく。 せめて記憶に残るならいいけれど、そんな時間は記憶にも残りは しない。 英単語や方程式と同じ様なものだ。 祖母と母の会話には物語があったけれど、暗記に明け暮れた毎日 は物語じゃなかった。 だから、毎日を物語に・・・。 そうすればいい。 そうすれば、指と指の間を落ちてゆくような時間を覚えている。 全部は無理でも、今よりももっと沢山。 「料理を作るために作っている」 それで良いと思っていた。 でも・・・・。 一番大切なその時間を・・・。 自分の人生の一番長い時間を・・・。 長すぎるから、毎日やって来るから、つい見逃す。 当たり前で、物語じゃないと最初から思っている。 物語と現実は違うと、何処かでうそぶいている。 本当はそうじゃないのに・・・。 もっと、物語を・・・。 これから僕は料理を物語にしていこうか・・・。 今、まさに逝くとき。 何が欲しいだろう? その時、心の中の本棚に沢山の「物語」があったなら・・・。 物語に囲まれていたら・・・。 今、夢をのせた現実が歩き始める。今日も、新しいインスピレーションを求めて・・・。引き寄せる一日でありますように。 (^ー^)v そして・・・いつも 「ありがとう」メールマガジン「愛される料理」発行システム :『まぐまぐ!』さん→ http://www.mag2.com/ 発行者 :料理教室&BistrotRIANT-りあん-川名克典URL :http://homepage2.nifty.com/riant/つぶやき :http://twitter.com/yoshinori_バックナンバー:http://ameblo.jp/riant/chefの独り言 :http://riant.cocolog-nifty.com/blog/