料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。


それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。



  今月の料理教室も、残すところ四日。
  アッと言う間だ。
  料理を考えるまでの時間は長いけれど、講義が始まるとこんなに
  すぐに終わってしまうのかといつも不思議に感じる。


  今月はふたクラス増設したから、クラス数は多いけれど・・・。
  過ぎ去る時間そのものもが増える訳じゃない。
  終わってゆく速さは、おかまいしに加速度をつける。


  今月の前菜、●●●●(笑)がメッチャ好評だ。
  理由は、その形状にある。
  ごく一般的なそれの二倍から三倍の高さに作っている。
  そうすると、しっとりした旨みの部分がその高さ分だけ比例して
  増えるから・・・。


  美味しいものに出逢うと殆どの場合、「何を入れたんだろう?」
  「どうやって作ったんだろう?」と思ってしまう。


  各種調味料の宣伝は・・・。


  「それを入れるからこんなに美味しい」
  「あなたがっ!それを使えばこんな風に幸せな味になる」
  「味は、これで決まるのです」
  「これ一振りで、料理上手と呼ばれます」
  「料理の腕が上がったねの裏には○×が・・・。」


  殺し文句が次から次へと飛びだしてくる。(笑)

  黙って聞いていると、「そうか」「そうなのか」「じゃあ」・・・。
  なんて、いつの間にかその製品を使っている自分をイメージして
  いる・・・。


  具体的にイメージされるように、CMは作られているのだから。



  自分がその調味料を使っていて、家族から「美味しい」と言わ
  れている。
  自分にとっても家族にとっても「美味しい」は良いことだ。\(^_^ )/
  

  「でも・・・。」と料理人は思う。


  簡単でなければ作ってもらえない。
  けれど、その簡単のアプローチが違う気がする。
  勿論否定はしない。
  だって、本当に美味しくできるものもあるのだから。

  

  でも、それを使わないで美味しくできないのだろうか?
  でも、焼いただけじゃ駄目だろうか?
  でも、塩だけじゃ旨みが出ないのだろうか?
  でも、より自然な味はどっちだろうか?


  作る手順をかえたらどうだろうか?
  材料の配合をかえたらどうだろうか?


  粉っぽくなく、サクサクは欲しいけれど焼きしめたのは嫌だ。

  ならば、生地の配合をかえればサクサクになるし・・・。
  高く厚く作れば、しっとりした部分が増えるだろう。
  そうすれば・・・。


  同じ材料と同じ配合でも全く違う味が生まれる。



  安易に何かをふりこんだ訳ではない。
  知恵をふりこんだ。


  脳味噌の筋肉を「ウンウン」使って・・・。
  美味しくできたとき、料理の腕が比例して上がる。


  工夫して美味しさを生み出したときこそ、心の底から嬉
  しい味が生まれている。

  

  料理人は美味しさを求めているだけなのかと思っていた。
  でも、こう思うとちょっと違う。
  先人達の知恵や、自然からヒントを得て・・・。
  そして・・・。


  可能な限りの愛とか優しさとか・・・。
  口に出せば、しらけてしまうようなそんな思いを胸に秘めて
  より自然に、身体に負担をかけないように作り替えてゆく。


  そこには化学記号も、特許も、新物質も・・・。
  世紀の発明も無い。
  恐ろしく地味で、誰も知られることはない。


  工場ではなくて・・・。
  畑から生まれる素材さえあれば・・・。


  料理は究極のアナログ製品だ。
  目に見えないほどの虫食いや、焼けこげや、厚さの違いや・・・。
  盛りつけも同じようでみんな違う。
  完全なコピーは絶対に出来ない。
  
  ウンウン脳味噌を使ってイメージが出来たら、鼻歌混じりに
  作ってみる、宇宙でたった一皿の料理を・・・。


  誰を思って、どんな愛を込めて・・・。

  キッチンにはダンス音楽が流れる。
  何故って素材とダンスするのだから・・・。


  きっと上手くいく予感がする。
  → 
http://www.youtube.com/watch?v=zrOwedd2ghs&NR=1&feature=fvwp



今日も、新しいインスピレーションを求めて・・・。
引き寄せる一日でありますように。 (^ー^)v


そして・・・

いつも 「ありがとう」

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