リストリーアンティーク家具修復の世界|名古屋 -21ページ目

リストリーアンティーク家具修復の世界|名古屋

アンティーク家具、ビンテージ家具の修理、椅子張替え・買い付け先海外情報・インテリア豆知識・星ヶ丘周辺のイベント情報・アウトドアレジャーなどなど。
・・・・星ヶ丘と一社駅から徒歩10分にあるショールーム&ワークショップからアンティーク修復士がご紹介・・・・


和箪笥リメイク、その後。

 

 

ちょうど1年前、東京のお客様からのご依頼でリメイクさせて頂いた歴史ある和箪笥。

 

このGW連休に1年ぶりにアフターメンテナンスに伺わせて頂きました。

80年ほど前に奥様の御実家である広島で誕生した和ダンスでしたが、その誕生の物語には一隻の「船」が深く関わっておりました。

 

時は1920年代。第二次世界大戦中にも活躍し、世界中を旅したその船は長年の航海を終え、最後の地である広島で「船」としての人生をとじました。

 

この和箪笥はそんな激動の時代を生き抜いた一隻の船の解体時に使われていた木材を再利用し、未来への希望と男たちのロマンを持って作られた一竿だったのです。

 

まるで映画のワンシーンの様な背景をもつ和箪笥を代々受け継がれてきたお客様。

 

時代を超え、変わりゆく生活スタイルに合わせ進化していく道具、この和ダンスも現代の主の元、生活に合わせた姿へと「リメイク」という名のもとに生まれ変わります。

 

 

姿は変われど、受け継がれる意思や歴史は薄れる事はありません。

船として誕生し、箪笥として愛され、チェストとして後世に受け継がれる。

 

もし、「モノ」が道具として、家具として、大切に使われる事に喜びを感じるのであれば、これ程幸せな継承の姿はないでしょう。

 

そしてなにより、その継承の物語にリストリーを選んで頂いた事に感謝し、職人として最高の仕事をさせて頂いたことを誇りに思います。

 

この家具が持つ物語はまだまだ先、何十年と続いていく途中ですが、色あせる事無い思いと歴史と共にいつまでも輝き続けることを願っております。

リストリーへ

 

 

1年ぶりの再会となった今回の東京訪問ですが、このリメイクをきっかけに御主人様と共通の話題で意気投合し、今では家族ぐるみのお付き合いをさせて頂いています。

 

その共通の話題とは、「バックパッカー」です。

 

御主人様も若かりし頃、オーストラリアをはじめ、ヨーロッパ、アジアをバックパックで旅した経験があり、私も18歳で渡英してから、今のアンティーク修復の仕事に巡り合うまで何年もバックパックひとつで世界中を回っておりました。

 

お会いした瞬間に、どことなく御主人様にも「旅人」の様な自然体で大らかな雰囲気を感じていたところ、「世界を旅した船」のストーリーをお聞かせ頂き、時代と場所は違えども「和箪笥とお客様と私」を繋ぐ一本の巡り合わせの様な物を感じたくなる出会いでした。

 

 

 

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と、話はこれだけに尽きず。お子様もうちの娘と同い年で、これまた偶然。今回の訪問ではお昼過ぎから「旅」と「子育て」の話で盛り上がり、暗くなるまで談笑してしまいました。

特に旅の話はまだまだ喋り足らず、次回はお酒を交えながら楽しもうと約束してお別れしてきました。くぅぅ、もっと居たかった~ 喋り足りない! くぅああぁぁ 旅したい!!

 

 

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THE RESTORY CO. リストリーアンティーク
〒464-0062 愛知県名古屋市千種区向陽町1-30-2
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鉄は熱いうちに打て

 


本年二月に掲載しました鍛造ランプベースが完成しました。

直径約50㎝、高さ20㎝、重さ約8㎏のガラス製ドーム型セードと組み合せる為のランプベースの作製でした。

 

京都の鍛造作家さんに依頼し、一か月半の制作の末 お客様宅にお届して参りました。

 

お客様所蔵のガラスセードは、厚み8㎜程のパートドベール技法で制作されたアールヌーボースタイルの逸品です。

ランプとしてセットした場合、全体の高さは65~70㎝、程となり、かなり迫力のあるスタンドとなるわけです。

 

 

本物の素材には、人の心を動かす力が秘められている

 

今回は、まさに 「ガラスと鉄」 本物の素材同志のコラボレーションでした。
アールヌーボーガラスの流麗な姿と、一見重厚ともいえる「鉄」の塊りを、如何に美しく施すのか、緊張した挑戦。


 

多くのスケッチを起こし、パートドベール技法での完成度の高いガラスセードの魅力を更に引き立てる事の出来る、鉄製のランプベースとして、どのような形状が相応しいのか、悩みに悩み、出した答えは、「黄金比」による造形でした。

 

 

 

 

 

熱された鉄の化学反応をつかった独特な技法により「鉄」が持つ無限の表情を焼き付けます。

 

その姿はいつまでも眺めていたい、吸い込まれる宇宙の様な力強さを秘めていました。

 

今回、こちらのブログでは完成設置された姿をご覧いただけないのが残念ですが、
お客様からは絶大なるご称賛を賜りました。

 

リストリーではアンティーク家具の修復のみならず、インテリアの様々な分野でお客様のご要望にお応えしております。

 

お客様の内にある「創造」をカタチにする事。

そのパートナーとして私たちは全力でお手伝い致します。

まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

 

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ゴールデンウィークも中盤ですね、今日の私は近くの平和公園でBBQを楽しんできましたよ。

「焼の梅本」と称して2キロの肉をひたすらに焼き続けていました(笑)食べ過ぎてお腹パンパンです。明日からは千葉までドライブ旅行です。安全運転で行きますよ~ ドンとこい連休渋滞!

 

 

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娘の大好物「ゾウさん」

 

ゴールデンウィークがはじまりましたね笑い泣き

みなさんの予定はいかがですか?久しぶりの大型連休に海外旅行飛行機や帰省旅行新幹線、お子様連れてテーマパーク観覧車や動物園などの家族サービス、楽しみなイベントがいっぱいですね。

 

リストリーは3日から7日までお休みをいただきますウシシ

 

わたし梅本はBBQしたり、なかなかお会いできない東京のお客さんに会いに行きがてら、妻の実家のある千葉までドライブ旅行ですグラサン

 

それまでにやる事い~っぱいなので、ラストスパート頑張っていきましょうビックリマーク

 

 

 

先日、普通のお休みに娘と東山動物園に遊びにいってきたのですが、動物園の施設改装で随分と様変わりしていました。

 

その中で、ちょっと豆知識的なゾウがいつ日本にきて、ここ東山動物園にはいつから飼育されるようになったのかを記した案内を見つけました。

 

ゾウっていつから日本にいるのだろう?どーでもいいですけど、考えた事もなかったので、みなさんも意外と知らないのでは?

 

 

ゾウは、仏教の図像などを通して日本では古くから知られてきた動物です。

日本に初めて生きたアジアゾウがやってきたのは、今から600年ほど前の1408年(室町時代の応永15年)のことでした。

 

日本に初めて来たゾウは当時の将軍、足利義持に献上されたそうです。

 

ここ名古屋の動物園にゾウがやってきたのは、1921年(大正10年)のことでした。そのゾウはメスのアジアゾウで、花子と名付けられ、鶴舞公園付属動物園で飼育され、その後開園した東山動物園に移動されたんですね。

 

なるほど なるほど、日本人とゾウの歴史は意外と古いですね。

どうりで日本の浮世絵にはゾウがたくさん描かれているはずです。

 

インドやアフリカに生息するゾウが日本にくるだなんて当時からすればとんでもない大事件ですから、絵師だけでなく日本中があの巨体に度肝ぬかれた事でしょうね滝汗

 

 

さて、そんな雑学も知りながら、新しい施設で特に充実したのは「お食事処」、私の子供の頃は出店がぽつぽつと、ちょっとさびれたご飯処しかなかったのですが、今回の改装で随分おしゃれに、カフェやフードコートができていましたよ爆  笑

 

 

 

 

 

西口のゲートをはいってすぐ左手にあるカフェ&お土産屋さんではおいしそうなソフトクリームが売られていましたので、春の陽気のなか入園すぐにも関わらず食べちゃいましたウシシ

 

このソフトクリームめっちゃうまい。ホントたまらなくおいしいです。

絶対「買い!」です。この連休でいかれるお父さん、お母さん、子供の「食べたい食べたい」に便乗して試してみてください、びっくりしますよ。おいしくて(笑)

 

ではでは、みなさま楽しいゴールデンウィークをお過ごしくださいビックリマーク

 

 

 

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このアンパンマンジュース自動販売機、娘はこれを見つけるたびに「あんぱんまんじゅーちゅ!あんぱんまんじゅーちゅ!」と走り寄ってねだってきます。園内にも至る所に設置してありますので、アンパンマンブームのお子さんをお持ちの方、気を付けて散策してくださいね。見つかると、脱するまでに時間かかりますから・・・笑い泣き

 

 

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150年もの時を越えて受継がれる佛具

 


今回ご紹介するのはお客様の御実家で代々受け継がれてきた仏具のひとつ。

先日、同じ時代に作られた立派な仏壇をメンテナンスさせて頂き、その際にご相談頂いた品です。

 

日本の佛具は6世紀頃に中国から渡り、その木工技術は現代まで脈々と受け継がれてきました。

 

西洋の工芸品とは違う独特のフォルムは宗教性をおびた“自然美”をその姿から感じ取る事ができます。

 

今回の木魚台は蓮の花やつる草をイメージさせる柔らかく優しい曲線と欅の玉杢が美しい作品です。

 

そんな木魚台ですが、お客様の代になられて70年余り、必要なお手入れはされておられたものの経年劣化で塗膜は傷つき、ついには脚と装飾が折れてしまった状態で日の目を浴びることがなくなってしまっていました。

 

 

 

 

長い間、思いの中で誰かに相談したいと悩んでいらっしゃったお客様が、

この度の仏壇メンテナンスをきっかけにリストリーへその再生をご依頼頂いたのです。

 

天板の塗膜の再生から折れて欠損してしまった脚と装飾を製作していきます。

 

 

 

 

ご覧の様に、天板のダメージは相当な物でしたが、どれも擦り傷や乾燥が原因のダメージでしたので、玉杢が持つ美しい本来の姿へ再生するのは難しくありません。

 

 

 

after

 

 

とても美しい木目が顔をだし、艶やかに光輝きました。

これまでの姿がうその様に生き生きとした姿は仏壇に合わせるに相応しい表情です。

 

 

before

 

 

 

after

 

 

 

 

折れてしまった脚と装飾は無垢材から新たに彫り出し、既存の脚と遜色のない様子に再現。

全体のバランスに合わせて色調を調整し、丁寧に仕上げました.。

 

その艶は長い眠りからゆっくりと目覚めたかのように、深く、優しく、しっとりと輝き、先祖を思う子孫の心を温かく映し出すようです。

 

 

before

 

after

 

 

活き活きと蘇った姿をみて、お客様は「こんなにも美しいものだったなんて…、これでご先祖様にも喜んで頂けるわ」 と、大変に感激されておられました。

 

御先祖様が残した時代を越えて大切にされるべき仏具達、

国内の仏教徒数はおよそ9800万人と言われていますが、この様な受け継がれるべき物が私たちのまわりにもたくさん眠っているのかもしれませんね。

 

リストリーでは古今東西、あらゆる分野の木製品、アンティーク品を修理・修復致しております。

大切な物、どこに頼んだら良いか悩まれておりましたら、ぜひ一度ご相談ください。

 

インテリア相談窓口を設置しております。0120-953-258までお気軽にお電話ください。

 

 

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今年のお盆が楽しみだとおっしゃって頂きましたが、本当はこの台の上には木魚と座布団がのっかるんです。そうすると、天板が見えないじゃないですか?

でもいいんです、目に見える見えないの問題じゃないですよね。こうする事と、大切に思う気持ちが仏様にはしっかりとみえているのですから。

 

 

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フレンチポリッシャーという仕事とその作業道具

 

※2013年10月公開、2014年10月に更新した、この記事ですが「シェラックニス」・「フレンチポリッシュ」でのGOOGLE検索では常に1位表示され、みなさんこちらの記事を見てくださっている様なので2年ぶりに更新です。

 

 

まずは、
フレンチポリッシャーって何?

参照リンク: フレンチポリッシュに使用するシェラックとは(THE RESTORY WEB)

 

「フレンチポリッシャー」普段の生活ではまったく耳にしない職業ですよね。

私もロンドンのアンティーク工房に就職するまでは、全く聞きなれない言葉でした。

簡単に言えば、家具構造の木工作業を行う職人がキャビネットメーカーと呼ばれ、
家具塗装(フレンチポリッシュ)を行う職人のことを フレンチポリッシャー と呼びます。

私が勤めていたロンドンの家具工房はThe Guild of Master Craftsmen認定店だったので
一定以上のレベルが保証された職人が集まるプロ集団でしたが、
当時飛び込みで就職活動していた私を拾ってくれ、アンティーク家具修復のノウハウをこれでもかと叩き込んでくれました。
後にも先にもズブの素人であの会社の門を叩いたのは私だけ。おかげで今の生活があるんです。

話がずれてしまいましたが、
フレンチポリッシャーと言うのはフレンチポリッシュをする者の意味です。

フレンチポリッシュは日本ではタンポと呼ばれる塗装技術で
コットンをキメの細かい布で包みシェラックニスを染み込ませキュッと絞ってパッと塗る。
塗る という感覚よりも撫でながらのせる?のような
非常に繊細で説明が難しい塗装技術です。

 

化学塗料を使った塗装とは全く異なり
シェラックニスが何ミクロン単位の層しかできないので、数分で固まります。
ですので、塗っては磨き、塗っては磨きを一日に何度も何度も繰り返し層を増やしていきます。

幾度も塗り重ねる事によって光の屈折を作り出し、通常の塗装では得られない深みのあるアンティーク独特の輝きに近づきます。

熱やアルコール類には滅法弱いですが、完全な自然物で構成されている塗装は日本の漆のように家具の呼吸を妨げることなく、人体への影響もありません。
昨今のウレタン塗装などとは比べられる物ではありません。

 

 

・シェラック(セラック)ってなに?
参照リンク: フレンチポリッシュに使用するシェラックとは(THE RESTORY WEB)

19世紀頃のアンティーク家具と呼ばれる家具たちのほとんどがこのシェラックを使って塗装されています。

元の原料は東南アジア、主に亜熱帯地域に多く生息する虫、ラックカイガラムシ。

ネットでそのものを見たことがありますが、この美しい仕上げからは想像もできない代物です。
このラック虫を精製したものが・・・

 

 

 

このシェラックフレークです。(日本ではセラックとも)
フレーク状になっている事からシェラックフレークと呼ばれます。

光に反射すると美しくキラキラした宝石のようにも見えます。

ヨーロッパではこのシェラックフレークをアルコールで溶かし
ポリタンクに入った状態の商品(Mylans社製LIBERON社製Jenkinsなど)が販売されていて、私の工房でも溶かした状態で仕入れ、使用していました。ちなみにMylansとJenkinsのものを使っていました。

ですが、日本で自らの工房を持つ準備をしていた所でアルコールを使った製品の輸入コストと入手方法が簡単ではなく、別の方法を考えた結果。
(日本国内でも販売している業者はありますが、大変高価です。)

シェラックフレークを輸入し、自社工房でメタノールで溶かす事にしました。

手間ではありますが、こうすることでその時の環境にあった適度な濃度のポリッシュが可能になるわけです。

 


ひとくちにシェラックと言ってもたくさんの種類があります。

実際に私が使用しているシェラックフレークは4種類で、

 

 

ガーネットラック

宝石のガーネットが名前の由来となっています。

ラックカイガラムシの色素を残し、油分だけを取り除いたシェラックです。木色の薄い気に添付するとほんのりと赤茶色に仕上がります。

 


ワックス成分を含んだガーネットラック

上記のガーネットラックの原型となるシェラック。

色素も油分もそのままに、特質手を加えていないオリジナルにちかいものです。

ワックス成分を多く含んでいますので、仕上がりが柔らかく、艶もまた違います。

 

 

レモンシェラック

ガーネットラックの茶色の色素を脱色させたシェラックです。

色素が薄くなった分、塗装する際に下地の色を邪魔しないので修復の際にはとても重宝します。

 

 

スーパーブロンズシェラック

レモンシェラック以上にブリーチし、極限まで色素を落としたシェラックです。

シェラックの中でも最も高価で、塗膜も硬く、テーブルトップなどの仕上げに好んで使います。

 

このように、シェラックにもいろいろな種類があります。

これらを作品に応じて具合のよい割合で調合していきます。
一般では「シェラック1カット(12g): エタノール100cc」で計算して2~3カット家具塗装に適していると言われています。
私の場合大体30%シェラックをワックス成分の有り無しで薄めて使います。

 

 


左から、

エタノール・レモンシェラック・油性ガーネット・ガーネットラック

※個人で溶解する場合は薬局で手に入る無水エタノールのように水分が含まれないものが好ましいです。
このようにエタノールで溶かした状態のシェラックがシェラックニスとなります。

 

以上のようにエタノールで溶解したものを…

 

 

 

綿を布で包んだものに染み込ませて何度も何度も重ね塗装していきます。
塗っては磨いて塗っては磨いてを繰り替えすわけです。

 

一般的な塗装は平均して3度塗りで終わってしまうのに対して、

フレンチポリッシュは同じ厚みに到達するまで、200~300以上の塗りを施します。

 

最終出来上がりは材質によって様々ですが、

 

 

アンティーク家具独特の深みある色艶に仕上がります。
シェラックを使ったフレンチポリッシュでなければこのような仕上がりにはなりません。

他にもシェラックを使った塗装方法がありますので、ご紹介します。

この方法はシェラックニスの他にベジタブルピグメント(天然顔料)を使用し、

新しく作り直した箇所や、色落ちしてしまった場所に塗装し、全体のバランスを整える作業です。

 

 

 

顔料少量をシェラックニスで溶かし多種筆で木目を描いたり、補修跡を色合わせして消したりします。

こうして描いた上に更にフレンチポリッシュを施すと、周りと馴染んでどこを描いたのかわからない程に自然に仕上がります。

 

このように、フレンチポリッシュは他の塗装方法にはない素材と技術で仕上がるため、大変高価な職人技法です。

 

家具の世界に限らず、ヴァイオリンの登場と共にチェロ、ギターなどの木製楽器の塗装技術や食品の加工(主にチョコレートの塗膜)さらにはネイルペイントまで広く知られています。


昨今のウレタン塗装と比べると熱に弱い特性がありますが、100%天然素材ですので、木材の呼吸を妨げることなく、人体にも悪影響がありません。

 

当店ではアンティーク家具の価値を下げることなくこれからも長く、大切にお使い頂くためにシェラックによるフレンチポリッシュ仕上げをお勧めしております。

長くなってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
フレンチポリッシュやシェラックについて少しご理解いただけたかと思います。

フレンチポリッシュ仕上げの鏡面具合をみる

フレンチポリッシュを施したリメイク事例はこちら

 

フレンチポリッシュによる修復事例はこちら

 

 

 

 

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国内でのフレンチポリッシュの需要はかなり少ないと思うのですが、嬉しい事に全国からお問い合わせを頂きます。シェラックの購入を検討されている方へは必要分お譲りする事も可能ですし、教えてと言われれば塗装方法も教えます。ただ弟子をとる気は今のところありませんので、求人は他を当たってください。

 

 

 

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