独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
昨日、本日の新聞各紙で「女性管理職登用計画 経団連促す」といった記事が取り上げられています。
経団連役員企業47社の女性管理職登用計画が公表され、約6割の27社が数値目標を掲げてその登用を進めていく計画を持っていることが明らかになりました。
15日の朝日新聞では、この経済界の女性登用本腰化のニュースに合わせて別面で長時間労働見直しの必要性を記事にしています。
朝日新聞記事指摘のように女性管理職登用の条件づくりには、まずこの日本企業の長時間労働の見直しが必須です。
男性の長時間勤務により、家事・育児の負担が女性に偏っていることも女性の管理職昇進意欲をそぐ要因の一つであることは確かであり、男女ともに育児や家事を分担することによって、女性管理職の家事負担を減らしていくことももちろん対策の一つです。
しかしながら、日本企業で求められる働き方がまだまだ長時間勤務を前提とした会社業務へのコミットの深さに(暗黙の)評価の軸があるうちは、いくら男性が家事育児の負担を分担しても結局女性の管理職昇進への意欲のアップにはつながらない気がします。
”え~、保育園お迎えのため、部下に残業させてさっさと帰るの?”
こうした無言の声に日々直面せざえるをえない状況があるとすれば、いくら会社が数値目標を掲げても、自ら管理職になりたいという女性の数は増えないような気がします。
今回公表の企業は、経団連の役員企業の大企業ばかりですので、ダイバーシティへの理解や条件整備も進んでおり、着実な計画実行がなされると思います。
リコー、伊藤忠のように ”20時以降残業禁止” のような思い切った施策をあわせて講じていくことが女性管理職登用のために欠かせない条件です。
数値目標は掲げても、セットでこうした働き方についての職場意識や制度整備を進めていかないと結局絵に描いた餅になります。
男性が育児・家事を分担して、女性管理職がこうした状況に夜遅くまで対応できるようになっても結局従来の男性管理職の同じ働き方を女性ができるようになっただけで、真の解決策にはなっていないと思いますがいかがでしょうか?
独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
先の国会での法案資料や省令でのミス発生を受け、その再発防止のために設けられていた「業務適正化推進チーム」のとりまとめが厚生労働省HPに公表されています。
公表資料は、A4一枚の概要資料とA4六枚の全体とりまとめ資料の2種類ですが、全体とりまとめ資料を見ると今回のミス発生の背景のようなものがにじみ出ています。
再発防止に必要な視点として次の4点があげられています。
①意識改革の徹底
②組織としてのチェックの徹底
③業務の改善
④取組の継続
この4つの視点の中で①の部分に職員の皆さんの本音がにじみ出ているような気がします。
○「職員が本音を言い合える風通しの良い職場となるように組織として取り組む」
○「他者の誤りを自らのこととして共有する意識が弱い部分があったと考えられる」 等々
真の原因は明らかで、やはり業務量と職員数のアンマッチだと思います。
(もちろん業務効率化の余地はありますが、現在の業務のやり方の前提のもとでは)
「こんなに忙しいのに人の手当てはまったくない」
「自分の業務で手一杯、他者の誤りまで目が回せない」
こうした部分が先ほどの①の視点に書かれている職員の皆さんの本音だと思います。
朝日新聞に数字が出ていましたが、通常国会の審議時間で見ると総務省が12法案を提出した総務委員会は76時間だったのに対し、厚生省が11法案を提出した厚生労働委員会は倍近い143時間だったとのこと。
再発防止策でも
「業務量に応じた必要な組織定員要求を行う」 あるいは
「部局長・課室長等は、部局内・部課内で業務量に応じた適正な人員配置となっているか目配りを行い、業務量の変動があった場合には機動的な対応を行う」
等の対策が打ち出されていますが、ここが本当にできるかどうかが今回の再発防止策の肝ですね。
要員確保・再配置が難しいのであれば、
「今は非常事態なので、まずは各担当者がたたき台をガンガン作ってくれ、最終チェックは専門部隊を組織してそこが責任を持ってやるから」
といった対策であれば、効果はあるような気がしますが、今回の対策を見ると
「文書作成者は文書を紙に打ち出し、行ずつ(又は一節ずつ)赤字でチェックマークを入れながら~~目視で確認する」
といった対策があがっています。
人員見直しなど抜本的な対策は手つかずで、こうした対策だけが実際に行われることになると、ますます「本音を言い合える風通しの良い職場」づくりは難しいと思いますが、いかがでしょうか。
良い悪いは別にして、(ホワイトカラーエグゼンプションではないですが)今までは自分の担当領域についてはプロ官僚としてプライドを持ってハンドリングしてきたわけですので、あまり”赤ペンチェックの実施”(コピペ防止策だと思いますが)のような部分ばかり徹底されると、再発防止の重要な視点である「意識の改革」には逆効果になるように思えます。
「人員の適正化」
再発防止策として実行できるかどうかが今回の「業務適正化推進チーム」のポイントだと思います。
先の国会での法案資料や省令でのミス発生を受け、その再発防止のために設けられていた「業務適正化推進チーム」のとりまとめが厚生労働省HPに公表されています。
公表資料は、A4一枚の概要資料とA4六枚の全体とりまとめ資料の2種類ですが、全体とりまとめ資料を見ると今回のミス発生の背景のようなものがにじみ出ています。
再発防止に必要な視点として次の4点があげられています。
①意識改革の徹底
②組織としてのチェックの徹底
③業務の改善
④取組の継続
この4つの視点の中で①の部分に職員の皆さんの本音がにじみ出ているような気がします。
○「職員が本音を言い合える風通しの良い職場となるように組織として取り組む」
○「他者の誤りを自らのこととして共有する意識が弱い部分があったと考えられる」 等々
真の原因は明らかで、やはり業務量と職員数のアンマッチだと思います。
(もちろん業務効率化の余地はありますが、現在の業務のやり方の前提のもとでは)
「こんなに忙しいのに人の手当てはまったくない」
「自分の業務で手一杯、他者の誤りまで目が回せない」
こうした部分が先ほどの①の視点に書かれている職員の皆さんの本音だと思います。
朝日新聞に数字が出ていましたが、通常国会の審議時間で見ると総務省が12法案を提出した総務委員会は76時間だったのに対し、厚生省が11法案を提出した厚生労働委員会は倍近い143時間だったとのこと。
再発防止策でも
「業務量に応じた必要な組織定員要求を行う」 あるいは
「部局長・課室長等は、部局内・部課内で業務量に応じた適正な人員配置となっているか目配りを行い、業務量の変動があった場合には機動的な対応を行う」
等の対策が打ち出されていますが、ここが本当にできるかどうかが今回の再発防止策の肝ですね。
要員確保・再配置が難しいのであれば、
「今は非常事態なので、まずは各担当者がたたき台をガンガン作ってくれ、最終チェックは専門部隊を組織してそこが責任を持ってやるから」
といった対策であれば、効果はあるような気がしますが、今回の対策を見ると
「文書作成者は文書を紙に打ち出し、行ずつ(又は一節ずつ)赤字でチェックマークを入れながら~~目視で確認する」
といった対策があがっています。
人員見直しなど抜本的な対策は手つかずで、こうした対策だけが実際に行われることになると、ますます「本音を言い合える風通しの良い職場」づくりは難しいと思いますが、いかがでしょうか。
良い悪いは別にして、(ホワイトカラーエグゼンプションではないですが)今までは自分の担当領域についてはプロ官僚としてプライドを持ってハンドリングしてきたわけですので、あまり”赤ペンチェックの実施”(コピペ防止策だと思いますが)のような部分ばかり徹底されると、再発防止の重要な視点である「意識の改革」には逆効果になるように思えます。
「人員の適正化」
再発防止策として実行できるかどうかが今回の「業務適正化推進チーム」のポイントだと思います。
独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
アベノミクス成長戦略において女性の活躍推進は大きな柱であり、政府も2020年までに女性管理職比率を3割に増やすことを目標に掲げて各種施策を講じ始めています。
こうした動きを受けて、女性管理職を増やすために、数値目標を設定する企業も増えています。
朝日新聞2014年7月8日朝刊記事によると、
・日立製作所では、2020年度までに8年間かけて、国内を中心に女性管理職を2.5倍の1000人に増やす目標
・三菱重工業では、2020年までに管理職に就く女性を今の3倍の約250人に増やす目標
等々です。
また、以前も書きましたが、今年は野村信託銀行、みずほ銀行、三井住友銀行など大手金融機関を中心に女性役員就任が話題になりました。
今回の女性役員就任は、ちょうど1986年施行の男女雇用機会均等法前後に入社した雇均法第一世代と呼ばれる入社世代が役員就任時期に入ってきたことによるものです。
マスコミ報道を見ていると、”女性の大抜擢!”という風に見えがちですが、”(内部的には)ちょうどこの時期の入社が役員昇格時期に到達し、同世代(男女問わずに)の中から頭角を現した方が役員に予定通り昇格した”という当たり前の人事だと思いわれます。
1986年入社というと、現在50歳前後でまさに仕事の面でも脂の乗り切った時期ですが、一方で今後考えなければならない課題としては、女性総合職のセカンドキャリア対応だと思います。
男性でも女性でも同じですが、ホワイトカラーの管理職層については、ある一定の年齢で役職定年となり、(大企業であれば)関係会社やあるいは資本関係のない求人企業へ転籍をすることが管理職キャリアの一つの流れになっています。
雇均法第一世代もまさにこれからこうしたキャリア変更の年代にさしかかってきます。
しかしながら、各企業の人事部も男性のキャリア開発は経験豊富ですが、女性総合職のセカンドキャリア支援はなかなか経験がないところが多いような気がします。
セカンドキャリアについては、今までの経験・スキルが活用できる中小企業への転出が中心となりますが、こうした企業で求められる人材はスペシャリストでありながらなんでもこなせるジェネラリスト的な人材です。
大企業では、人事部、経理部、総務部、広報部など部署が分かれ、それぞれの分野で専門キャリアを積んでいくことが通常のキャリアコースですが、中小企業においては、総務部で人事も経理も総務も広報も一人三役、四役とこなすことが当たり前になります。
今までの女性管理職はどちらかというと専門部署での管理職昇格が多いと思いますので、候補者の専門スキル・経験と中小企業が求める人材とのマッチングは男性以上に難しい面があるような気がします。
また、ダイバーシティ的風土には大企業と中小ではまだまだ温度差のようなものがありますので、違う企業で今まで培ってきた本来の実力を発揮するのもハードルが高いです。
女性役員就任というコースだけでなく、「女性管理職⇒中小企業の管理職転出、そこでさらに活躍」というモデルが今後多く出てくることが女性活躍の条件だと考えます。
雇均法世代が多くの企業で役職定年を迎える55歳まであと5年程度。
女性管理職のセカンドキャリアの仕組みづくりも今後の女性活躍推進のための重要な条件整備の一つと考えます。
アベノミクス成長戦略において女性の活躍推進は大きな柱であり、政府も2020年までに女性管理職比率を3割に増やすことを目標に掲げて各種施策を講じ始めています。
こうした動きを受けて、女性管理職を増やすために、数値目標を設定する企業も増えています。
朝日新聞2014年7月8日朝刊記事によると、
・日立製作所では、2020年度までに8年間かけて、国内を中心に女性管理職を2.5倍の1000人に増やす目標
・三菱重工業では、2020年までに管理職に就く女性を今の3倍の約250人に増やす目標
等々です。
また、以前も書きましたが、今年は野村信託銀行、みずほ銀行、三井住友銀行など大手金融機関を中心に女性役員就任が話題になりました。
今回の女性役員就任は、ちょうど1986年施行の男女雇用機会均等法前後に入社した雇均法第一世代と呼ばれる入社世代が役員就任時期に入ってきたことによるものです。
マスコミ報道を見ていると、”女性の大抜擢!”という風に見えがちですが、”(内部的には)ちょうどこの時期の入社が役員昇格時期に到達し、同世代(男女問わずに)の中から頭角を現した方が役員に予定通り昇格した”という当たり前の人事だと思いわれます。
1986年入社というと、現在50歳前後でまさに仕事の面でも脂の乗り切った時期ですが、一方で今後考えなければならない課題としては、女性総合職のセカンドキャリア対応だと思います。
男性でも女性でも同じですが、ホワイトカラーの管理職層については、ある一定の年齢で役職定年となり、(大企業であれば)関係会社やあるいは資本関係のない求人企業へ転籍をすることが管理職キャリアの一つの流れになっています。
雇均法第一世代もまさにこれからこうしたキャリア変更の年代にさしかかってきます。
しかしながら、各企業の人事部も男性のキャリア開発は経験豊富ですが、女性総合職のセカンドキャリア支援はなかなか経験がないところが多いような気がします。
セカンドキャリアについては、今までの経験・スキルが活用できる中小企業への転出が中心となりますが、こうした企業で求められる人材はスペシャリストでありながらなんでもこなせるジェネラリスト的な人材です。
大企業では、人事部、経理部、総務部、広報部など部署が分かれ、それぞれの分野で専門キャリアを積んでいくことが通常のキャリアコースですが、中小企業においては、総務部で人事も経理も総務も広報も一人三役、四役とこなすことが当たり前になります。
今までの女性管理職はどちらかというと専門部署での管理職昇格が多いと思いますので、候補者の専門スキル・経験と中小企業が求める人材とのマッチングは男性以上に難しい面があるような気がします。
また、ダイバーシティ的風土には大企業と中小ではまだまだ温度差のようなものがありますので、違う企業で今まで培ってきた本来の実力を発揮するのもハードルが高いです。
女性役員就任というコースだけでなく、「女性管理職⇒中小企業の管理職転出、そこでさらに活躍」というモデルが今後多く出てくることが女性活躍の条件だと考えます。
雇均法世代が多くの企業で役職定年を迎える55歳まであと5年程度。
女性管理職のセカンドキャリアの仕組みづくりも今後の女性活躍推進のための重要な条件整備の一つと考えます。
独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
昨日は、当方会員となっているインディペンデント・コントラクター協会のセミナー&暑気払いの会に参加してきました。
インディペンデント・コントラクター協会は、2003年に設立された、当方のように期限付きである専門分野の仕事を請け負い、雇用契約ではなく業務単位の請負に契約を複数の企業と結んで活動する独立業務請負人のメンバーが会員となっているNPO法人です。
(IC協会のHPです)
キーとなるコンセプトは、「雇わない・雇われない」
今後日本でも増えてくる働き方の一つだと思います。
18時からの前半のセミナーでは、
「明日から使える仕事に役立つクラウド系ツールのワークショップ」というテーマで、株式会社スタジオ・アルカナ取締役の山崎 伸也さんを講師にお迎えし説明を頂きました。
クラウドというと、当方の場合、EvernoteとDropboxとGmailくらいしか利用していませんが、便利なツールがたくさんあることに驚きです。
「Cu-hacker」
「Sign」
「Trello」
「misoca」
等々
の無料クラウドサービスについて、ご説明頂きました。
インディペンデント・コントラクターは自ら見積もり・請求書作成送付などの事務業務を行わなければなりませんが、当日ご紹介のあった「misoca」などは、請求書を作成して郵送ボタンを押すと、何とその見積もりをクライアント先へ郵送してくれる機能もついています(もちろん有料です)
名刺のデータ化サービスなどもそうですが、こうしたクラウドと従来のアナログサービスの融合は、新たなモデルの一つであること感じました。
こうしたツールを使いこなせれば飛躍的な業務効率UPが図れることは間違いないこと、デモを通じて体感した次第です。
当日のご説明にもありましたが、やはりそのプロジェクトに参加するメンバーがこうしたツールを使いこなせることが前提になりますので、便利だと思ったサービスを関連する人たちにいかに広めていくかが複数人で業務を進めるプロジェクト管理効率化の鍵となりそうです。
また、こうしたクラウドサービスは日進月歩で類似のサービスが提供されていますので、自分の肌にあったツールを使いこなすことが重要とのご指摘もありました。
ゼミナー終了後は、南青山のイタリア料理のお店のオープンテラスに場所を移し、バーベキューでの暑気払いでした。
Iとかく孤独になりがちのICですので、こうした機会は本当に貴重です。
今日からまた気分新たに活動を開始したいと思います!
昨日は、当方会員となっているインディペンデント・コントラクター協会のセミナー&暑気払いの会に参加してきました。
インディペンデント・コントラクター協会は、2003年に設立された、当方のように期限付きである専門分野の仕事を請け負い、雇用契約ではなく業務単位の請負に契約を複数の企業と結んで活動する独立業務請負人のメンバーが会員となっているNPO法人です。
(IC協会のHPです)
キーとなるコンセプトは、「雇わない・雇われない」
今後日本でも増えてくる働き方の一つだと思います。
18時からの前半のセミナーでは、
「明日から使える仕事に役立つクラウド系ツールのワークショップ」というテーマで、株式会社スタジオ・アルカナ取締役の山崎 伸也さんを講師にお迎えし説明を頂きました。
クラウドというと、当方の場合、EvernoteとDropboxとGmailくらいしか利用していませんが、便利なツールがたくさんあることに驚きです。
「Cu-hacker」
「Sign」
「Trello」
「misoca」
等々
の無料クラウドサービスについて、ご説明頂きました。
インディペンデント・コントラクターは自ら見積もり・請求書作成送付などの事務業務を行わなければなりませんが、当日ご紹介のあった「misoca」などは、請求書を作成して郵送ボタンを押すと、何とその見積もりをクライアント先へ郵送してくれる機能もついています(もちろん有料です)
名刺のデータ化サービスなどもそうですが、こうしたクラウドと従来のアナログサービスの融合は、新たなモデルの一つであること感じました。
こうしたツールを使いこなせれば飛躍的な業務効率UPが図れることは間違いないこと、デモを通じて体感した次第です。
当日のご説明にもありましたが、やはりそのプロジェクトに参加するメンバーがこうしたツールを使いこなせることが前提になりますので、便利だと思ったサービスを関連する人たちにいかに広めていくかが複数人で業務を進めるプロジェクト管理効率化の鍵となりそうです。
また、こうしたクラウドサービスは日進月歩で類似のサービスが提供されていますので、自分の肌にあったツールを使いこなすことが重要とのご指摘もありました。
ゼミナー終了後は、南青山のイタリア料理のお店のオープンテラスに場所を移し、バーベキューでの暑気払いでした。
Iとかく孤独になりがちのICですので、こうした機会は本当に貴重です。
今日からまた気分新たに活動を開始したいと思います!
独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
今、日経朝刊経済教室では、日本企業の国際競争力をテーマに特集が組まれています。
昨日は、早稲田大学法木秀雄教授(法木先生は、もともとキャリアのスタートは日産自動車の人事部から開始された方です)による自動車産業の国際競争力について、そして本日は東京大学ものづくり経営研究センター吉川良三特任研究員による電機産業の国際競争力に関する論考です。
いずれの先生も実際の民間企業のものづくり現場の豊富な経験をお持ちの先生方ばかりで、その提言は非常に参考になります。
今日ご担当の吉川先生は、日立製作所を経てサムスン電子常務をつとめられていた方で、まさに電機業界の熾烈なサバイバル競争の第一線で活躍されていたキャリアをお持ちです。
論考では、日本の電機産業の低迷をものづくりの観点から見ると「グローバル化」と「デジタル化」にその真因があると指摘しています。
詳細は日経記事をお読みいただければと思いますが、日本の産業の中で熾烈な国際競争の先陣を切ってきた電機産業ですら、この流れに追随しきれずに韓国サムスン等の後塵を拝している現状が説明されています。
ここでいうグローバル化とは、生産拠点を海外に移転するだけの「国際化」とは異なり、「市場として期待される地域に工場や拠点を置き現地の文化やニーズにあった製品設計をする『地域密着型ものづくり』という定義です。
多種多様な消費者ニーズを抱える新興国市場には従来のような国内・欧米市場をターゲットとしたものづくり戦略ではもはや太刀打ちできないことを指摘されています。
デジタル化に関しては、日本がお家芸としてきた「すりあわせ」技術すら、もはやデジタルで可能となっているとの指摘は、実際サムスン電子で役員をつとめられていた方の発言だけに重みがあります。
ものづくりを「もの」と「つくり」に分けて考える概念提示も新鮮です。
「もの」は、「ワクワク感」を伴う付加価値づくりであり、「つくり」は、この要求を具現化(生産)するのに必要な技術であり、この2つが合わさったものが「ものづくり」であるという概念です。
また、この「ものづくりには2つの製造形態が存在すると指摘しています。
一つは、「もの」も「つくり」も自前で考えて製造する形態(垂直統合型)
もう一つは、「もの」を考え「つくり」を外部に委託し製品を生み出す形態(水平分業型)
です。
この概念は人事などの間接業務にも当てはまると思います。
「もの」は、人事部の本来機能である付加価値創出(モチベ-ションアップ、タレントマネジメント等)であり、「つくり」はその制度オペレーションです。
日本の企業の事務領域は、製造部門に比べると、仕事の標準化も遅れているため「もの」への人材投入も不十分ですし、「国際化」もほとんど着手されていませんので、職種的にみると国際競争力に欠ける職種だと思います。
当方以前はBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の会社におりましたが、その感覚でいえば、少しのデジタル化(徹底した業務標準化&ITC等)であっという間に間接業務の海外移転は可能です。
日本の産業の中でも国際競争の熾烈な競争をしてきた電機産業ですらこうした危機にある今、日本国内をその相手として生きてきた産業(あるいは職種)はこれからその生き残りは厳しくなると思います。
自分の業務の「もの」は何か? 常に頭に入れながら仕事をしていく必要を記事を読んでいて感じた次第です。
今、日経朝刊経済教室では、日本企業の国際競争力をテーマに特集が組まれています。
昨日は、早稲田大学法木秀雄教授(法木先生は、もともとキャリアのスタートは日産自動車の人事部から開始された方です)による自動車産業の国際競争力について、そして本日は東京大学ものづくり経営研究センター吉川良三特任研究員による電機産業の国際競争力に関する論考です。
いずれの先生も実際の民間企業のものづくり現場の豊富な経験をお持ちの先生方ばかりで、その提言は非常に参考になります。
今日ご担当の吉川先生は、日立製作所を経てサムスン電子常務をつとめられていた方で、まさに電機業界の熾烈なサバイバル競争の第一線で活躍されていたキャリアをお持ちです。
論考では、日本の電機産業の低迷をものづくりの観点から見ると「グローバル化」と「デジタル化」にその真因があると指摘しています。
詳細は日経記事をお読みいただければと思いますが、日本の産業の中で熾烈な国際競争の先陣を切ってきた電機産業ですら、この流れに追随しきれずに韓国サムスン等の後塵を拝している現状が説明されています。
ここでいうグローバル化とは、生産拠点を海外に移転するだけの「国際化」とは異なり、「市場として期待される地域に工場や拠点を置き現地の文化やニーズにあった製品設計をする『地域密着型ものづくり』という定義です。
多種多様な消費者ニーズを抱える新興国市場には従来のような国内・欧米市場をターゲットとしたものづくり戦略ではもはや太刀打ちできないことを指摘されています。
デジタル化に関しては、日本がお家芸としてきた「すりあわせ」技術すら、もはやデジタルで可能となっているとの指摘は、実際サムスン電子で役員をつとめられていた方の発言だけに重みがあります。
ものづくりを「もの」と「つくり」に分けて考える概念提示も新鮮です。
「もの」は、「ワクワク感」を伴う付加価値づくりであり、「つくり」は、この要求を具現化(生産)するのに必要な技術であり、この2つが合わさったものが「ものづくり」であるという概念です。
また、この「ものづくりには2つの製造形態が存在すると指摘しています。
一つは、「もの」も「つくり」も自前で考えて製造する形態(垂直統合型)
もう一つは、「もの」を考え「つくり」を外部に委託し製品を生み出す形態(水平分業型)
です。
この概念は人事などの間接業務にも当てはまると思います。
「もの」は、人事部の本来機能である付加価値創出(モチベ-ションアップ、タレントマネジメント等)であり、「つくり」はその制度オペレーションです。
日本の企業の事務領域は、製造部門に比べると、仕事の標準化も遅れているため「もの」への人材投入も不十分ですし、「国際化」もほとんど着手されていませんので、職種的にみると国際競争力に欠ける職種だと思います。
当方以前はBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の会社におりましたが、その感覚でいえば、少しのデジタル化(徹底した業務標準化&ITC等)であっという間に間接業務の海外移転は可能です。
日本の産業の中でも国際競争の熾烈な競争をしてきた電機産業ですらこうした危機にある今、日本国内をその相手として生きてきた産業(あるいは職種)はこれからその生き残りは厳しくなると思います。
自分の業務の「もの」は何か? 常に頭に入れながら仕事をしていく必要を記事を読んでいて感じた次第です。