シリコンモールド(型)を自作してレジン作品を作る場合、当然そのシリコンモールドの表面には、自作した原形の表面のツヤと質感がそのまま移されていて、だからそのモールドでレジンを成型すると、元の原形のツヤと質感がレジンの表面に再現されるわけですね。
ですから原形作りがとても重要で、原形をいかにつややかに仕上げるかによって、成型したレジンの良しあしも変わってくるわけです。
しかし、どんなに原形をつややかに仕上げても、シリコンモールドで成型したレジンの、モールドに接していた部分は、指でさわった時にどうしても引っかかるような感触になりますし、回を重ねて成型するたびに、モールドの表面は徐々にレジンに食われて荒れていきますから、きれいな仕上がりにしようとしますと、結局は研磨をしてツヤを出したり、コーティング剤を塗ってつややかに仕上げる、という工程が必要になってきます。
今回はそのコーティングの違いについて見ていただこうと思います。
比較するのは、2年前に作った『シダのディスプレイ時計』の試作品と、あらたなコーティングテクニックで仕上げた商品となった完成品とを比べてみますね。
まずは商品として販売できるレベルにまで、きれいにつややかに仕上げられるようになったものから見ていただきましょう。
2年前の試作品
比較
こうして比べますと、ツヤの質、きめの細やかさがまったく違うのがおわかりいただけると思います。
手触りも研磨で鏡面に仕上げたレジンの感触とよく似ています。
3年前に、このシダのディスプレイ時計のアイディアが浮かんで、「仕上げのツヤ出しをどうするか?」を考えながら試作を始めたのが2年前。
でもなかなか仕上げ方の良い方法が思いつかなくて、ずっと頭の片隅にくすぶっていましたが、去年になってようやく解決方法を思いついて、さらにそれをマスターするために何回もやり直して、ようやくきれいに仕上げられるようにになりました。
技術というのは一朝一夕には身に付かない、というわけですね。
でも、「もっと上手になりたい」という気持ちがあれば、少しずつでもよくなっていきますからね。
みなさんもがんばってくださいね。
『シダのディスプレイ時計』販売中
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