2液タイプの透明レジン『エポキシレジン』のまとめ | レジン作家 kumaさんのWeblog

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アメージングレジンブログ

1988年からレジンで作品の制作をはじめて、2001年にホームページを開設してから、ネット上でレジンに関するご質問にお答えしてきましたが、Youtubeの海外の作家さんの動画の影響でしょう、ここ2~3年、ご質問の内容が以前と変わってきました。

 

最初にそうした動画をご覧になった方は、その作家さんの制作方法が基本となるわけですから、長年レジンで作品作りをしてきた私からしますと、「え? どうゆうこと? どうしてそんなことするの? だれがそんなこと言ってるの?」と思うようなご質問が増えています。

 

そして重要なのは、ネットでレジンの扱い方や作品の作り方について、いろいろと解説している人がたくさんいますが、間違ったことを書いていることがとても多いです。

それがさらに混乱を招いています。

 

特に海外の人のやっていること、言っていることのほとんどが非科学的で、非常に危険なことをしている場合もありますから、絶対に参考にしないでください。

 

そこで、ここ数年いただいているご質問に対する答えを中心に、一度エポキシレジンについてまとめてみることにします。

 

 

キャリア35年のレジン作家

熊崎 堅一がお答えします。

レジン作家熊﨑堅一がテキスト本の撮影しているがぞう

河出書房新社刊

『レジンの教科書』 撮影風景

 

レジン作家熊﨑堅一が監修したレジンのテキスト本の画像

 

レジン作家 熊崎堅一 略歴

 

1987年 雑貨メーカー アメージング設立

2001年 ホームページ開設

「Howto~レジン教室」を無料で公開

 

監修テキスト本

2003年 『透明樹脂でつくる アクセサリー&雑貨』

2012年 『レジン・透明樹脂で作るアクセサリー』

2013年 『アクセサリー作りのための レジンの教科書』

2023年『小さな魔法雑貨の作り方』

 

 

◆2液タイプの透明レジンは、すべて『エポキシレジン』

 

ネットで検索しますと、たくさんの種類の透明レジンがヒットしますし、大手ネットショップでもたくさん扱っていますが、2つの液体(主剤と硬化剤)を混ぜ合わせて固めるタイプのレジンは、すべて『エポキシという種類の合成樹脂』です。(レジンは英語で「Resin」で、「樹脂」という意味です)

 

よく『○○レジン』というように、オシャレな名前を付けたレジンが売られていますが、製品名=素材名ではありません。

 

つまり、透明レジンは次の2種類

 

・UV(紫外線)ライトで固める → UVレジン(LEDも含む)

・2液を混ぜ合わせて固める → エポキシレジン

 

ということです。

 

UVレジンとエポキシレジンは、それぞれ透明に固まる樹脂ですが、2つはまったく別ものですから、扱い方も透明度も硬度も作品の作り方も注意点もまったく違います。

あなたがエポキシレジンで作品作りをなさるなら、UVレジンに関する記事を読んでもまったく役に立たないどころか、かえって混乱するだけです。

 

『レジンキャスト』を素材名と思っている人がいらっしゃいますが、レジンキャストは『レジンで成型する』という意味です。

『レジンキャストで作品を作っています』とか言う方が時々いらっしゃいますが、お間違いのないように。

 

 

また、最近やたらと増えたレジンの創作を教える認定スクールなどが、「当協会オリジナルの特殊な素材」などとうたって、あたかもその協会でしか手に入らないようなことを書いているところがありますが、特殊な素材でもなんでもなく、ただボトル詰めをして独自の名前を付けたラベルを貼っただけですし、たいていは日本製ではありませんから、品質の良くないものが多いようです。

それもみな『エポキシレジン』ですから、ネットで普通に買うことができます。

 

エポキシレジンで作った透明度の高いブルーのレジンアクセサリー画像

 

◆エポキシレジンはプラスチックやビニールと同じようなもの

 

プラスチック製品やビニール製品を見ますと、原材料が「PET樹脂」とか「ポリエチレン樹脂」などと表示されていると思いますが、エポキシレジンも「エポキシ樹脂」ということです。

 

エポキシレジンは目新しい新素材ではなく、1946年からある、ごくありふれた合成樹脂のひとつです。

 

エポキシレジンがクラフトの素材として使われるようになったのは、もう40年以上前からのことで、私自身も30年前から使っています。

創作素材としても特に新しいものではありません。

 

UVレジンが普及するまでは、透明レジンと言えばエポキシレジンで、ずぅ~~~~っと前から普通に創作に使われていました。

UVレジンからお入りになって、『2液レジンって何?』とお思いの方がご存じないだけです。

 

 

◆すべてのエポキシレジンが同じ品質ではない

 

当然のことですが、売られている商品の品質がすべて同じ、ということはありません。

いいものもあれば、悪いものもあります。

 

品質の良くないエポキシレジンの特徴を列記しましょう。

 

◆混ぜ合わせた時にできた気泡が抜けにくい。表面に浮いた気泡が消えない。

 

◆流し入れた時には気泡がなかったのに、固まったあとで見たら、レジンの中に小さな気泡がたくさんできている。つまり硬化時に気泡が発生する。

あるいは、使い始めた時には気泡がなかったのに、何回か使っているうちに気泡ができるようになった。

 

◆少量(2液合わせて50グラム程度)を混ぜ合わせても、発熱して熱くなる。(レジンの発熱に関してはのちほどくわしく解説)

 

◆固まったあと表面がベタつく。(のちほど解説)

 

◆硬くならない。(のちほど解説)

 

◆数ヶ月で黄色、あるいは茶色っぽく変色する。

 

よく聞かれる特徴はだいたいこんな感じです。

あなたがお使いのレジンに、あてはまる特徴はありませんか?

もしあったら、残念ながらそれは品質の良くないレジンです。

 

最近、ネット上のレジン作品画像で、細かい気泡が入っているものをよく見るようになりましたが、こうした現象が起きるのは、『自分の作業の仕方が悪いからだ』とお思いになって、悩んでいる方がとても多いのが残念ですし、気の毒です。

 

また、黄変化しにくいとうたっているレジンにも、硬化時に気泡が発生するものがありますし、「〇-トレジン」も気泡が発生します。

 

気泡が消えないのも、気泡ができてしまうのも、レジンが熱くなってしまうのも、あなたのせいではありません。

どんなに努力しても、それはどうにもなりません。

解決方法はただ一つ。

品質の良いレジンを使うことです。

使いくらべてみればわかりますよ。

 

とにかく『外国製』、『低価格(大容量)』、『製造元(国や企業名)が記載されていない』レジンはやめた方がいいです。(残念ながら日本製のレジンにも品質の良くないものがありますが)

 

 

シリコンモールドが原因で気泡が発生する場合があります。

最近はたくさんのシリコンモールドが市販されるようになりましたが、半透明なモールドの中には、レジンが硬化時に発熱すると、その熱によってモールドから気泡が発生するものがあります。

 

これはエポキシレジンだけでなく、UVレジンでも同じです。

 

モールドから発生する気泡の特徴は、レジンの表面に付着して、気泡の穴をあけてしまう点ですね。

 

そもそも半透明なシリコン素材は、元来レジン成型用ではありませんので、品質によりましては気泡が発生するものもあるのです。

素材が原因ですから、作業方法を変えても気泡は発生しますので、これは防ぎようがありません。

 

 

気泡がないから透明感が美しい

レジンに白い小さな花を固めた作品画像

 

アクアマリンに咲いた薔薇

レジンをマリンブルーに着色してバラのドライフラワーを固めた作品の画像

 

人によって異論はあると思いますが、個人がクラフト素材として使えるエポキシレジンの中で、もっとも品質のいいのは、ITWパフォーマンスポリマーズ&フルイズジャパン製の『デブコンET』 だと私は思っています。

ですから、私は30年以上も使い続けているわけです。(メーカーの販売促進用ビデオの制作にも協力しました)

 

デブコンETの特徴

 

◆混ぜ合わせた時にできた気泡が抜けやすい。

 

◆透明度が水と同等。

 

◆硬度があり、きめが細かく、研磨すると美しく深いツヤが出る。

 

◆一般的なプラスチックよりも重みがあり、高級感を感じる。

 

◆黄変化(黄色っぽく変色すること)は、3~4年程度ではほとんど変化が見られない。

 

 

日本製高品質エポキシレジンのセット画像

デブコンETの少量セットはこちら >>>

 

(硬化剤は黄色ですが、混ぜ合わせているうちに透明になり、硬化した時は完全に無色透明になります)

 

レジンに野の花を固めたレジン作品画像

 

レジンにハイドランジアの花を固めたレジンアクセサリーの画像

 

 


◆エポキシレジンの黄変化の一番の原因は紫外線ではない

 

このご質問が一番多いかもしれませんね。

 

最初にお断りしておきますが、これからご説明するのは、私が使っているデブコンETでのことですので、他のメーカーのエポキシレジンのことはわかりません。

 

黄変化を防ぐために、UVカットのシーラーを塗ったりして工夫をされていますが、一番の原因は空気に触れることで起きる酸化ですので、紫外線をカットしても防ぐことはできません。(紫外線も劣化の原因のひとつではありますが)

 

ラッカーやコート剤を塗っても、そのラッカーやコート剤が酸化して変色します。(おそらくエポキシレジンよりも先に)

 

酸化しにくいコート剤を塗っても、コート剤の塗膜にはミクロの隙間がありますから、完全に酸素を遮断することはできません。

 

したがって、黄変化を完全に防ぐ方法はありません。

 

 

デブコンETも以前は黄変化が気になって、私なりに色々と工夫したこともありますが、それも15年くらい前までで、以降は徐々に品質が良くなってきて、最近はまったく気になりません。

ですから私はなんの処理もしていません。

 

もちろん、10年くらい経ったものを見ますと、うっすらと黄色くなっています。

でもそれはアンティークと同じで、『味』であって『劣化』とは思っていません。

紙も、布も、木材も、革も、みんな経年劣化・変色します。

べつにレジンが素材として劣っているわけではありません。

それはごく自然なことです。

 

 

デブコンETの経年変化の様子

2017年3月成型

シリコンモールドにバラのドライフラワーを入れてレジンで固めている作業の画像

 

 

2017年10月撮影

キューブ型のレジンに固めたバラの作品画像

 

2023年6月撮影

レジンの経年変化の様子を示している画像

 

 

◆ヒートガンやガスバーナーは必要ない

 

Youtubeで、流し入れたレジンの表面をガスバーナーであぶっている動画を初めて見た時は唖然としました。 

説明では「表面の気泡をヒーターでつぶす」ということでしたが(ほかにも色を散らすなどの理由あり)、上で書きました通り、品質の良いエポキシレジンなら気泡は自然と消えますから、そのような手間は必要ありません。

 

また、品質の良くないレジンは硬化時に気泡を発生させますが、気泡は液の表面ではなく、内部にできますから、ヒートガンやドライヤーなどの温風をレジンの表面に当てても、内部の気泡を消すことはできません。

 

UVレジンは元の液に粘度がありますから、気泡が抜けにくいため、エンボスヒーターをお使いになる方がいらっしゃいますが、エポキシレジンは元は液体ですから、流し入れた時に巻き込んだ気泡は浮いて自然と消えます。

封入物やシリコンモールドの縁などに付着した気泡は、竹串や綿棒で簡単に取り除くことができます。

 

品質の良いエポキシレジンなら、気泡を抜くためにヒートガンなどであぶる必要はありません。

少なくとも私は30年間エポキシレジンで作品作りをしていますが、ヒートガンの必要性を感じたことは一度もありません。

 

さらに、エポキシレジンは可燃性で火気厳禁ですから、ガスバーナーであぶりますと燃えます。

youtubeを見てマネをして火事になりかけた人もいますから、絶対にやめてください。

 

 

デブコンETは気泡が抜けやすい

混ぜ合わせた直後

レジンを混ぜ合わせた時にできた気泡の画像

 

10分後

なにもしなくても気泡は浮いて消えます

レジンを混ぜ合わせた時にできた気泡がなくなった画像

 

 

◆エポキシレジンで作った箸置きは安全

 

「エポキシレジンで箸置きを作って販売していたら、危険だと指摘されたのですが、危険なのでしょうか?」

 

最近、このご質問がとても多いです。

 

ここでまずしっかりとおさえておかなければいけないことは

 

「元の液体の時の危険性と、硬化したあとの危険性は同じではない」

 

ということです。

 

原材料としては多少の危険性はありますが(もちろん国際的な安全基準内です)、硬化したものはとても安全性の高い素材です。そのため世界で広く活用されています。

 

(エポキシ樹脂技術協会ホームページ~安全性情報~)

 

 

成型された合成樹脂の安全性に関して問題とするのは、熱湯や電子レンジやオーブンなどでの加熱によって成分が溶出した場合と、揮発した場合の成分と、その量が問題となるわけですね。

(固形物からの揮発に関しましては、エポキシレジンでは問題ありません)

 

ですから、熱い汁物や飲み物、料理などを入れる器をエポキシレジンで作るのはよくないと思いますが、熱を持たない箸を載せただけで箸置きからなんらかの成分が溶出するということは、化学的にあり得ないことですので、箸置きなら安全です、と言い切れるわけです。

 

ただし! 硬化不良を起こして表面にべたつきのある箸置きはNGです!

そして販売に際しては、「小さいお子さんの誤飲には十分にご注意ください」、という説明書を付けましょうね。

 

「それならキャンディーやお菓子、冷たいジュースは大丈夫ですか?」と聞かれることがありますが、化学的には安全です。

でも販売をする場合、リスクを負ってまであえて間口を広げる必要はないでしょう。

それならコースターなど、直接食品にふれないものを作ればいいのです。

 

箸置きを販売されていて、ご覧になった方から危険性について指摘されました場合は、このページへ誘導してあげてくださいね。

 

もう一度書いておきましょう。

高品質のエポキシレジンで作った箸置きは安全ですから、作って販売しても、なにも問題はありません。

 

(このブログ記事を書いてから、箸置きに関するご質問がピタリとなくなりました。正しい情報が拡散されたのでしょう、よかったよかった♪)

レジンで作った箸置きの画像

 

◆エポキシレジンは化学反応が起きることで固まる素材

 

エポキシレジンは、2つの液体を混ぜ合わせることで化学反応を起こし、それぞれの分子が結合して強固な個体となる素材です。

ときどき、『レジンが乾いて固まった』という表現を見ますが、それは間違いです。

接着剤のように乾燥によって固まるわけではありません。

 

エポキシレジンは、化学反応が起きて硬化する過程で熱を発生させます。

 

化学反応熱は、液の量が多ければ多いほど高くなります。

また、薄い形状、細い形状では化学反応が進みにくく、立方体、円柱形、球体など、ひとつのかたまりとなる形状では、中心部から化学反応が進みやすくなります。

 

人でもそうでしょ?

一列に並んでいるよりも、ギューギューと固まってくっついた方が温かいでしょ? それと同じです。

 

当然、気温が高い環境・季節の方が発熱が進みやすくなります。

ですから夏は大きな作品が作りにくく、冬は比較的大きな作品を作ることができる季節、というわけです(地域にもよりますが)。

 

先ほども書きましたように、品質の良くないレジンの場合、発熱がより激しく昂進することがありますから、ドライフラワーや押し花などの有機物を封入すると、熱によって変質・変色してしまう恐れがあります。

 

エポキシレジンは、気温や混ぜ合わせる量によりましては、2液を混ぜ合わせている途中から熱くなる場合があります。

ですから、気温の高い時期に、ある程度の量を一度に混ぜ合わせる場合は、底の面積の広い計量カップやボウルなどで混ぜ合わせることで、レジン液の形状を薄い状態にして、化学反応が進むのを抑えます。

 

熱くなってきた場合は、ドライヤーの送風を当てるか、計量カップごと水に浸けたり、濡れタオルで包んだりして冷ましてくださいね。

 

 

一度に大量のエポキシレジンを混ぜ合わせるのはとても危険です。

気温とレジン液の量によりましては、化学反応熱によってレジンが焦げて、悪臭のある煙が発生します。

また、それ以上になりますと、爆発的に激しく破裂することがありますからとても危険です。

 

一度に流し入れる量は、多くても150~200グラム程度までとしてくださいね。

それでも気温や形状によりましては、急激に硬化して煙が発生する場合があります。

(最近は一度に大量に硬化させても安全なエポキシレジンもあるようですが、私は使ったことがないのでわかりません)

 

レジンに花を固めて作ったフレーム作品の画像

 

◆エポキシレジンの硬化不良について

 

硬化不良というのは、正常にきちんと固まらない状態のことを言います。

 

硬化不良には次のような状態があります。

 

・レジンを流し入れた面がべたつく。

・何日経っても固まらない。

・固まったけれど、カチカチにならないでちょっとやわらかい。

・カチカチに硬化したけど、手で持っているだけでやわらかくなる。(爪の痕が付く程度)

 

以上の症状がみられる硬化不良を起こしたレジンは、どうにもなりませんから捨ててください。

 

硬化不良の原因は

 

・もともとのレジンの品質が悪い。

・2液の計量に誤差があった。

・混ぜ合わせ不足、あるいは混ぜ合わせ方に問題があった。

・着色剤の入れすぎ。

 

の、どれかです。

 

エポキシレジンの混合比は、デジタルはかりで正確に計量しなければいけません。

「硬化剤を多めに入れると、速く固まりますか?」と聞かれることがありますが、そのようなことはありません、硬化不良を起こします。

 

デジタルはかりは、1グラム単位で計量できるもので結構です。

 

デジタルはかりで正確に計量しても、混ぜ合わせ方(撹拌・かくはん)がよくなければ、2液が均一にならないため、正常に固まらないことがあります。

エポキシレジンは、2液の化学反応によって固まる素材ですから、混ぜ残しがあるとその部分が硬化不良となるわけです。

 

ここで問題となるのが、混ぜ合わせる「道具」です。

多くのレジン製品には、スティック状、あるいは細長いスプーンタイプの撹拌棒がセットになっていますが、それが原因です。

 

棒やスプーンで、下の図の計量カップの内側、赤い部分に付着したレジン液を均一に混ぜ合わせることができますか? できないから硬化不良で悩む人が多いのです。

 

ですから、シリコン製の調理ヘラでなければ、2液を均一に混ぜ合わせることができないのですよ。

 

レジンを混ぜ合わせている作業の画像

 

スティックタイプの撹拌棒をセットにしているメーカーやスクールは、本当に罪なことをしているな!と、いつも私は一人で憤りつつ、みなさんからのお悩みにお答えしてきたわけです。

 

棒状の物で混ぜ合わせている方は、100円ショップへ行ってシリコン製の調理ヘラをお求めください。

レジンを無駄にするより安上がりでしょ?

 

ちなみに、レジンの撹拌用の調理ヘラは、安物の方が適しています。

やわらかい高級なシリコンヘラはすぐにダメになりますからね。

 

 

◆レジン作品制作にはどんな材料が必要ですか?

 

シリコンモールドを作るための、オリジナルの原形から制作するのが私は基本だと思っていますので、最初からすべて書き出してみますね。

 

◎原形を作るための粘土、ラッカー

 

◎計量カップとシリコンヘラ★

 

◎型を取るシリコン

 

◎エポキシレジン★

 

◎デジタルはかり(1グラム単位で計量できるもの)★

 

◎着色剤

 

◎型からレジンを取り出しやすくし、型を長持ちさせる離型剤

 

◎固めたレジンのバリを削るスポンジヤスリ★

 

◎簡単にツヤを出すためのコーティング剤★

 

◎研磨でツヤを出すための切削・研磨セット

 

◎こまごまとした作業にに必要なハサミ、カッターナイフ、定規、穴をあけるピンバイスやルーター

 

これだけありましたら、すべての作業ができますが、最初から全部を揃えるのは大変ですから、まずは★印の付いたものを揃えるといいですよ。

 

 

両面シリコン型の作り方

立体成型の仕方

研磨の仕方は

レジンマスターズテキストで

くわしく解説しています。

 

◆「ネットで見た作品を自社で製品化したい」 → 手伝いません

 

最近、ご質問メールに動画や作品ページのURLを記載して、「こうした作品を当社で製品化しようと考えているのですが、レジンに関するノウハウがありませんので、作り方を教えていただけませんか?」、というご依頼がたびたび来ます。

 

趣味の創作でしたらくわしくお教えしますが、商業目的での制作依頼や、ご指導に関しましては一切お断りしています。

 

素材の性質について、作る場合の注意点について、などはご説明しますが、基本的にお答えもしたくありません。

 

なぜかと言えば、私は海外の作家さんのアイディアや努力に対して敬意を持っていますから、模倣作品が世に出ることを快く思いません。

 

もちろんYoutubeにアップした以上、マネされることは想定しているでしょうし、それを期待している部分もあるでしょうから、マネすることを否定はしません。

でもそれは自分自身の努力ですべきことであって、勉強や試行錯誤といった努力の部分をショートカットして、いいところだけラクをして摘まもうというのは、物作りをする者として許せる行為ではありません。

ですから、そのように安直にビジネスにしようとする人の手助けは、私は絶対にしたくない。

 

まぁ、平たく言えば

 

パクリの手伝いはしたくない。

 

ということです、以上。

 

 

 

最近よくいただくご質問と、これまでによくいただいてきたご質問についてまとめてみました。

もちろんこのほかにもたくさんのご質問内容がありますが、初心者さん向けとしましては、上記のご回答でとりあえずは大丈夫かな、と思います。

 

エポキシレジンでの作品作りの流れ、作業工程をこちらにまとめてありますので、興味のあります方はゆっくりとご覧くださいね。

 

エポキシレジンでの作品作り

レジンの扱い方シリコンモールドの作り方

加工などについてご説明しています

 

 

 

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